要点相続税法 24 条は、給付事由が発生済みの定期金に関する権利を、解約返戻金相当額・一時金相当額・複利年金現価額のうち最も多い金額で評価すると定める規定である。
Q · 親が受け取っていた個人年金、相続税ではいくらの財産として数えるんですか?
解約返戻金・一時金・複利現価の三つのうち最も高い額です
相続税法 24 条により、取得時に既に給付事由が発生している定期金の権利は、(1) 解約返戻金相当額、(2) 一時金として受け取れる場合はその金額、(3) 予定利率による将来給付額の複利年金現価額、この三つのうち最も多い金額で評価します。有期定期金・無期定期金・終身定期金のいずれもこの最大値方式です。平成 22 年改正前は残存期間や年齢の区分に応じた低い割合で評価できましたが、平成 23 年 4 月 1 日以後の相続等からは、その圧縮余地はほぼ失われています。
親が遺した個人年金保険、あるいは受取人があなたに指定された年金。これらは現金や不動産と同じく相続税の課税対象だが、「いくらの財産として数えるか」は特殊なルールで決まる。相続税法24条は、既に受給が始まっている定期金の権利を、(1)今解約したらいくら戻るか、(2)一括で受け取るならいくらか、(3)将来もらえる総額を予定利率で割り引いた額、この三つのうち最も高い金額で評価すると定める。ここが肝心だ。2011年3月以前は、残存期間や年齢の区分ごとに実勢よりずっと低い割合で評価でき、年金保険は相続税を圧縮する定番の手法だった。だがその抜け穴は、この条文の全面改正で閉じられた。今も古い節税話を信じて契約すると、想定より重い税額があなたを待っている。
相続税法 24 条は、取得の時点で既に給付事由が発生している定期金に関する権利の評価方法を定める規定である。有期定期金・無期定期金・終身定期金の区分に応じ、解約返戻金相当額、一時金相当額、予定利率による複利年金現価額のうち最も多い金額を価額とする。相続税法 22 条の時価主義に対する特則として機能し、給付事由が未発生の定期金は 25 条が規律する。
個人年金保険や企業年金のように、一定期間または生涯にわたり定期的に金銭の給付を受けられる権利です。相続税法 3 条 1 項 5 号・6 号でみなし相続財産とされ、24 条または 25 条で評価します。
24 条は取得時に既に年金の受給が始まっている場合、25 条はまだ給付事由が発生していない据置期間中の場合の評価規定です。どちらを使うかで評価額が大きく変わるため取り違えは危険です。
残存期間中に受け取る各年の給付額を、契約の予定利率で現在価値に割り引いて合計します。実務では国税庁が公表する複利年金現価率を給付額に乗じて算出します。
評価の枠組みは同じ三つの金額の最大値ですが、複利現価の計算で用いる期間が異なります。有期は残存期間、終身は受取人の年齢に応じた平均余命を基礎に算定します。
一定期間かつ生存中に給付する契約は、有期定期金として算出した額と終身定期金として算出した額のうち少ない方で評価します(24 条 3 項)。ここだけ最大値ではありません。
終身定期金の権利者が申告期限までに死亡し給付が終了した場合、24 条 2 項により、実際に受けた(受けるべき)金額で評価します。遺族が受け取った分も含みます。
税務署から更正処分を受け、不足税額に加えて過少申告加算税と延滞税が課されます。三つの金額のうち最大値を採っていない申告は、指摘されやすい典型例です。
国民年金・厚生年金などの公的遺族年金は法律上非課税とされ、相続税の課税対象になりません。24 条の対象は主に保険契約や企業年金に基づく私的な定期金の権利です。
2011年3月31日以前ならその通りでしたが、今は違います。相続税法24条は改正で、解約返戻金・一時金・将来給付の複利現価の三つのうち最も高い額で評価する方式に変わりました(課税対象は相続税法3条1項5号)。業界裏話ヒント:ネットに残る節税ブログや古い営業トークの多くが改正前の前提のまま。年金保険そのものに相続税を圧縮する効果はほぼ残っていないのに、いまだ『相続対策』として売られる。証券の契約年ではなく評価ルールの現行版で判断する
相続税の評価額はどちらでも同じで、24条の三つの金額の最大値で決まります。差が出るのは受け取った後の課税で、年金形式だと毎年の受取に所得税(雑所得)がかかり、相続税と所得税の二重課税を調整する仕組みもあります。業界裏話ヒント:受取方法で相続税は動かないが、手取りは受取後の所得税や社会保険料まで見ないと本当の損得が出ない。相続税だけ見て年金型を選ぶと、後の所得税で逆転することがある
その場合は解約返戻金の項目がゼロになるだけで、残る一時金相当額と将来給付の複利現価のうち高い方が評価額になります(24条)。返戻金がないから安く済む、とはなりません。業界裏話ヒント:『解約返戻金なし』を売りにする保険でも、相続税評価では複利現価が効いてくる。返戻金の有無と相続税評価の高低は別問題で、ここを混同した設計が更正処分の火種になりやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 相続税法 24 条:取得時に既に給付事由が発生している定期金 | — |
| 評価方法 | 解約返戻金相当額・一時金相当額・複利年金現価額の最大値 | — |
| 最大値か最小値か | 原則は最大値。ただし 3 項の保証期間付終身年金のみ少ない方 | — |
| 課税根拠との関係 | 相続税法 3 条 1 項 5 号・6 号のみなし相続財産の価額を確定 | — |
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