この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。
要点相続税法 22 条は、相続・遺贈・贈与で取得した財産を取得時の時価で評価し、控除すべき債務はその時の現況によると定める。時価は実務上、財産評価基本通達で具体化される。
Q · 相続税の申告で、土地はいくらで評価すればいいんですか?売れる値段でいいの?
売買価格ではなく路線価などの通達評価が原則です
相続税法 22 条は、取得した財産を「取得の時における時価」で評価すると定めます。ただし実務上の時価は市場の売買価格そのものではなく、国税庁の財産評価基本通達で具体化された評価額です。土地は路線価(公示価格のおよそ 8 割)、家屋は固定資産税評価額、上場株式は相続日を含む複数月の終値平均のうち最も低い額を使えます。逆に通達評価が実勢を上回る物件では、不動産鑑定評価で申告できる余地があります。
親から都心の一等地を相続した。相続税の申告書に書く土地の価額は、不動産屋が言う「売れば3億円」ではない。相続税法22条が命じるのは「時価」での評価だが、この時価の中身を実際に決めているのは法律ではなく、国税庁長官が出した財産評価基本通達という一通の文書だ。土地は路線価(実勢のおよそ8割)、建物は固定資産税評価額、上場株式は相続日を含む数か月の終値平均のうち最も低い額。つまり同じ財産でも、評価方法を知る者と知らぬ者では申告額が数千万円違う。さらにこの通達には総則6項という抜け穴封じがあり、露骨な節税は国税庁の一存で市場価格へ引き戻される。あなたが相続対策でまず読むべきは、法律の条文ではなく、この通達なのだ。
相続税法 22 条は財産評価の原則を定める規定であり、この章に特別の定めがあるものを除き、相続・遺贈・贈与により取得した財産の価額を取得の時における時価により、財産から控除すべき債務の金額をその時の現況により評価すべき旨を規定する。ここでいう時価は客観的交換価値を意味し、実務上は国税庁長官通達である財産評価基本通達が具体的な評価方法を定めている。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に成立する客観的交換価値を指します。ただし実務では財産評価基本通達による評価額が時価として取り扱われます。
財産評価基本通達 6 項のことで、通達どおりの評価が著しく不適当と認められる財産は国税庁長官の指示で個別評価すると定めます。極端な節税を市場価格へ引き戻す安全弁です。
相続開始を知った日の翌日から 10 か月以内に申告と納付を行います(相続税法 27 条)。評価方法を鑑定にするか路線価にするかもこの期間内に決める必要があります。
相続開始日の終値だけでなく、その月・前月・前々月の各月の毎日の終値の平均額を比べ、最も低い額を選べます。株価が急落した月がある場合は有利に働きます。
財産評価基本通達により、会社規模に応じて類似業種比準方式、純資産価額方式、またはその併用で評価します。同族株主以外が取得する場合は配当還元方式になることがあります。
自用家屋は固定資産税評価額がそのまま評価額になります。貸家の場合は借家権割合を控除するため評価額が下がり、建築費より低く評価されるのが通常です。
できます。通達評価が実勢を上回る不整形地や再建築不可物件などでは、不動産鑑定士の鑑定評価額で申告する余地があります。ただし税務署に否認されるリスクは残ります。
更正の請求により還付を求められます。期限は原則として法定申告期限から 5 年以内です(国税通則法 23 条)。評価誤りに気づいた時点で速やかに動く必要があります。
路線価は道路に面した土地1平方メートルあたりの評価額で、相続税法22条の時価を実務上具体化した財産評価基本通達に基づく物差しです。公示価格のおよそ8割に設定されており、地価変動の緩衝を織り込んで低めになっています。業界裏話ヒント:過疎地や不整形地では実勢が路線価を下回ることがあり、その場合は不動産鑑定士の鑑定評価で申告額を下げられる余地がある。多くの人は路線価を絶対の数字だと思い込んで、払い過ぎに気づかない
かつては通達評価と実勢価格の大きな乖離を利用して圧縮できましたが、最高裁は令和4年(2022年)に財産評価基本通達の総則6項を適用し、市場価格での再評価を認めました。以後、露骨な手法はほぼ封じられています。業界裏話ヒント:総則6項が発動されるのは『著しく不公平』な事案に限られる。居住実態のある常識的な範囲の購入まで否認されるわけではないが、相続直前の借入購入と直後の売却が並ぶと標的になりやすい
実は税理士によって相続財産の評価額に差が出ます。同じ土地でも、不整形地補正や借地権割合、小規模宅地特例(租税特別措置法69条の4)の使い方、鑑定評価を採るか路線価で通すかの判断が分かれるからです。業界裏話ヒント:相続税申告の経験件数が少ない税理士は、安全側に倒して路線価どおりに評価しがち。評価減の余地を取りこぼしていることがあるので、複雑な物件は相続税に強い税理士へのセカンドオピニオンが効く
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|---|---|---|
| 評価対象 | 相続税法 22 条:この章に特別の定めがない一切の財産と控除債務 | — |
| 評価基準 | 取得時の時価(実務上は財産評価基本通達で具体化) | — |
| 裁量の余地 | 大きい。鑑定評価による主張も総則 6 項による否認もあり得る | — |
| 争点になりやすい場面 | 土地・非上場株式の過大評価、借入を伴う不動産取得の否認 | — |
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