要点相続税法 25 条は、給付事由が未発生の定期金に関する権利を、取得時の解約返戻金の額で評価すると定める。解約返戻金の定めがない契約は、法定の計算額に 90 パーセントを乗じた金額が評価額となる。
Q · 親の個人年金保険の権利を相続したら、相続税はいくらの評価額で計算するの?
取得時点の解約返戻金の額がそのまま評価額になります
相続税法 25 条により、まだ給付が始まっていない定期金に関する権利は、その権利を取得した時に契約を解約したとしたら支払われるべき解約返戻金の額で評価します。払い込んだ保険料の総額ではありません。契約に解約返戻金を支払う旨の定めがない場合のみ、法定の計算額に 100 分の 90 を乗じた金額が評価額となります。生命保険契約に関する権利は本条の対象から除かれ、別の評価ルートによります。実務では、相続開始日または贈与日を基準日として指定し、保険会社から解約返戻金額の証明を書面で取り寄せることが評価根拠の出発点になります。
親が掛けていた個人年金保険。まだ受け取りが始まる前に、相続や贈与でその契約上の権利があなたに移ったとき、その権利にいくら税金がかかるのか。答えを決めるのが相続税法25条だ。原則は驚くほど単純で、いまその契約を解約したら戻ってくる解約返戻金の額、それがそのまま評価額になる。解約返戻金の定めがない特殊な契約なら、計算した金額の90パーセントだ。なぜこの条文を知っておくべきか。2011年3月末まで、この評価はもっと低かった。年金保険を子へ贈与するだけで、実際の価値の数分の一の評価額で済み、贈与税を大幅に圧縮できた。富裕層の定番節税スキームだったのだ。その抜け穴を塞いだのが、いまの25条の姿である。今も相続対策で年金保険を使う人は多いが、評価ルールが変わったことを知らずに古い節税本の通りに動くと、想定外の税額に足をすくわれる。
相続税法 25 条は、定期金給付事由が未発生の定期金に関する権利(生命保険契約に係るものを除く)の評価方法を定める規定である。原則として権利取得時に契約を解約したと仮定した場合に支払われるべき解約返戻金の額を評価額とし、解約返戻金を支払う旨の定めがない契約については、法定の計算額に 100 分の 90 を乗じた金額を評価額とする。同法 22 条の時価主義の特則にあたる。
将来にわたり定期的に金銭の給付を受けられる契約上の地位そのものを指します。個人年金保険のように、まだ受給が始まっていない段階でも財産的価値がある権利として、相続税・贈与税の課税対象になります。
契約している保険会社に照会し、書面で交付を受けます。重要なのは基準日の指定で、相続開始日または贈与日時点の額を明記して請求しないと、照会日現在の額が交付され評価がずれます。
相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 か月以内です(相続税法 27 条)。解約返戻金証明の取り寄せに数週間かかることもあるため、期限から逆算して早めに動く必要があります。
相続税法 25 条ではなく 24 条の評価ルートになります。25 条は「給付事由が発生していないもの」に限定された規定で、受給開始後の権利は別の算定方法で評価されます。
相続税法 25 条 1 号により、法定の区分に応じて算出した金額に 100 分の 90 を乗じた金額が評価額になります。解約返戻金基準が使えない契約類型のための補充ルールです。
解約返戻金の額が基準になるため、運用や為替で返戻金が膨らんでいれば、その膨らんだ額がそのまま評価額になります。運用成績が良かったことが相続税負担を押し上げる構造です。
受給時の年金は所得税法 35 条の雑所得として課税されます。相続時に評価済みの部分との二重課税を避けるための調整計算があり、相続税の評価額と所得税の計算は連動します。
納めすぎなら更正の請求、不足なら修正申告を行います。更正の請求は原則として法定申告期限から 5 年以内(国税通則法 23 条)です。契約約款と返戻金証明を揃えて根拠を固めてから動きます。
いいえ。現行の相続税法25条は、払込保険料ではなく、相続開始時にその契約を解約したら支払われる解約返戻金の額を評価額とします。掛金をいくら払ったかは評価に直接影響しません。業界裏話ヒント:解約返戻金は保険会社に照会すれば書面で出してくれますが、相続開始日時点の額を指定して取り寄せないと、照会日現在の額を渡され評価がずれることがある。基準日を明記して請求するのがプロの手順です
違います。25条は「生命保険契約を除く」と明記し、対象を定期金給付契約に限っています。生命保険契約に関する権利は別ルートで評価されます。業界裏話ヒント:外貨建てや変額の年金は保険会社ごとに設計が異なり、生命保険契約に該当するか定期金給付契約かで適用条文が変わる。商品名の分類を鵜呑みにせず、契約の法的性質を確認することが評価誤りを防ぐ鍵です
その手法は2011年3月末で実質的に封じられました。かつては定期金の権利を低い評価額で承継でき贈与税を圧縮できましたが、平成22年改正後の25条は解約返戻金基準となり、実価値に近い課税になっています。業界裏話ヒント:十年以上前の相続対策本やセミナー資料は改正前の数字で試算していることが多い。年金保険を勧められたら「その節税試算は何年の評価ルールか」を必ず確認する。改正を知らない営業も現場には残っています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 相続税法 25 条:定期金給付事由が未発生の権利 | — |
| 評価の基準 | 取得時の解約返戻金の額(定めがなければ計算額の 90 パーセント) | — |
| 対象外となるもの | 生命保険契約に関する権利は明文で除外 | — |
| 実務で必要な資料 | 基準日を指定した解約返戻金額証明書 | — |
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