相続若しくは包括遺贈により取得した財産に係る相続税について申告書を提出する場合又は当該財産に係る相続税について更正若しくは決定をする場合において、当該相続又は包括遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつてまだ分割されていないときは、その分割されていない財産については、各共同相続人又は包括受遺者が民法(第九百四条の二(寄与分)を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従つて当該財産を取得したものとしてその課税価格を計算するものとする。
要点相続税法55条は、未分割の遺産を各相続人が法定相続分(寄与分を除く)で取得したとみなして課税価格を計算する規定。分割確定後は更正の請求等で精算できる。
Q · 遺産分割がまとまっていないのに、相続税の申告期限が来てしまったらどうすればいいの?
未分割でも法定相続分で計算し、10ヶ月以内に申告・納税します
相続税法55条により、遺産分割が終わっていなくても、未分割の財産は各共同相続人が民法の相続分(寄与分を除く)で取得したものとみなして課税価格を計算し、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内(27条)に申告・納税します。未分割の間は配偶者の税額軽減(19条の2)や小規模宅地等の特例(租税特別措置法69条の4)が原則使えないため、税額が一時的に膨らみます。ただし本条ただし書により、後日分割が確定すれば修正申告や更正の請求(32条1項)で精算でき、申告時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付していれば特例も遡って適用できます。
親が亡くなり、きょうだいで分け方が決まらないまま時間だけが過ぎていく。だが相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月(相続税法27条)。分割が終わっていなくても、この期限は1日も待たない。相続税法55条は、まだ分けていない財産を、各相続人が民法の法定相続分(寄与分は除く)で取得したものとみなし、いったん課税価格を計算して申告・納税させる。ここに大きな落とし穴がある。未分割のままだと、配偶者の税額軽減(19条の2)も小規模宅地等の特例(租税特別措置法69条の4)も使えず、本来ゼロだったはずの配偶者の税額が数千万円に膨らむこともある。ただし本条ただし書きは、後で分割が決まれば更正の請求(32条)や修正申告で精算し直す道を残す。さらに申告時に『申告期限後3年以内の分割見込書』を添えておけば、後から特例を取り戻せる。この一枚を出したかどうかで、あなたの税額は天と地ほど変わる。
相続税法55条は未分割遺産に係る課税価格の計算方法を定める規定であり、相続または包括遺贈により取得した財産の全部または一部が未分割である場合に、各共同相続人および包括受遺者が民法の規定による相続分または包括遺贈の割合(寄与分を除く)に従って取得したものとみなして課税価格を計算する旨を規定する。分割確定後の申告・更正の請求による事後精算を妨げない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
未分割で相続税を申告するときに添付する書面です。3年以内に分割する見込みを示すことで、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を後日遡って適用する権利を保全できます。申告時の添付が条件です。
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です(相続税法27条)。遺産分割が終わっていなくても期限は延びず、55条により法定相続分で計算して申告・納税する必要があります。
無申告加算税と延滞税が課されます。さらに期限内申告に添付すべき分割見込書を出せないため、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を後から取り戻す道も原則閉ざされます。
申告期限後3年以内に分割できない事情(訴訟継続中など)があるとき、その3年到来前に税務署長へ提出する書面です。承認を受ければ特例適用の余地が延長されます。期限を過ぎると救済されません。
各共同相続人・包括受遺者が、民法の相続分または包括遺贈の割合に応じた課税価格をもとに、それぞれ自分の税額を現金で納めます。分けられない不動産の税額も現金で立て替える形になります。
代償分割が成立すれば未分割ではなくなり、55条の適用から外れます。代償金を支払った側は課税価格から控除、受け取った側は加算されるかたちで各人の課税価格が調整されます。
延納は担保提供などの要件を満たせば検討できますが、物納は原則として未分割財産では困難です。財産の帰属が確定していないためです。納税資金の確保が実務上の最大の論点になります。
特定遺贈や相続分の指定で帰属が確定していれば55条の対象外です。ただし包括遺贈で受遺者間の分割が未了なら、包括遺贈の割合に従って取得したものとみなされ、本条が適用されます。
払わなければなりません。相続税法55条により、未分割の財産は各相続人が法定相続分で取得したものとみなして課税価格を計算し、申告期限(27条、10ヶ月)内に申告・納税します。業界裏話ヒント:未分割だと配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例が一旦使えず、本来より高い税額を立て替える形になる。この資金負担を知らずに『分割が決まってから』と放置すると、無申告加算税・延滞税まで乗ってくる
戻せますが条件付きです。分割で実際の取得額が法定相続分と変わったら、更正の請求(相続税法32条1項、分割を知った日の翌日から4ヶ月以内)で精算します。業界裏話ヒント:配偶者税額軽減や小規模宅地特例を遡って使うには、最初の申告時に『申告期限後3年以内の分割見込書』を添付していることが絶対条件。付け忘れた申告は後から原則救済されない。税理士任せでも、この一枚の有無だけは自分で確認する価値がある
未分割段階では反映されません。55条はカッコ書きで民法904条の2の寄与分を明文で除外しています。仮計算はあくまで法定相続分(民法900条等)ベースです。業界裏話ヒント:寄与分は遺産分割が確定して初めて金額が決まるため、期限に間に合わない仮計算段階では考慮しようがない、という立法趣旨。介護の貢献を税額に反映させたければ、分割を確定させて更正の請求まで進める必要がある
自動的には失権しません。申告期限後3年以内に分割できないやむを得ない事由(訴訟継続中など)がある場合、その3年到来前に税務署長の承認を受ければ特例の適用余地が残ります。業界裏話ヒント:この承認申請書の提出期限を過ぎると、どんなに正当な理由があっても特例は使えなくなる。家裁の調停・審判が長引くケースほど、税務側の期限を別カレンダーで押さえないと、争いに勝っても税で大損する(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
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| 規定の役割 | 相続税法55条:未分割財産を法定相続分で取得したとみなして課税価格を計算する | — |
| 発動する場面 | 申告期限までに遺産分割が成立していないとき | — |
| 期間の縛り | 期間制限ではなく計算方法の規定(特例適用は原則3年以内の分割) | — |
| 特例との関係 | 適用中は配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例が原則凍結 | — |
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