生活保護法 第28条(報告、調査及び検診)
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- 保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第七十七条若しくは第七十八条(第三項を除く。次項及び次条第一項において同じ。)の規定の施行のため必要があると認めるときは、要保護者の資産及び収入の状況、健康状態その他の事項を調査するために、厚生労働省令で定めるところにより、当該要保護者に対して、報告を求め、若しくは当該職員に、当該要保護者の居住の場所に立ち入り、これらの事項を調査させ、又は当該要保護者に対して、保護の実施機関の指定する医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨を命ずることができる。
- 2.保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第七十七条若しくは第七十八条の規定の施行のため必要があると認めるときは、保護の開始又は変更の申請書及びその添付書類の内容を調査するために、厚生労働省令で定めるところにより、要保護者の扶養義務者若しくはその他の同居の親族又は保護の開始若しくは変更の申請の当時要保護者若しくはこれらの者であつた者に対して、報告を求めることができる。
- 3.第一項の規定によつて立入調査を行う当該職員は、厚生労働省令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。
- 4.第一項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
- 5.保護の実施機関は、要保護者が第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は医師若しくは歯科医師の検診を受けるべき旨の命令に従わないときは、保護の開始若しくは変更の申請を却下し、又は保護の変更、停止若しくは廃止をすることができる。
この条文の基本情報
報告、調査及び検診とは何ですか?
定義報告、調査及び検診とは、生活保護法第28条に定められた規定で、「保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第七十七条若しくは第七十八条(第三項を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第28条(報告、調査及び検診)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第28条の条文原文は「保護の実施機関は、保護の決定若しくは実施又は第七十七条若しくは第七十八条(第三項を除く。」で始まります。
- 生活保護法第28条は第四章 保護の機関及び実施に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第28条の前の条は生活保護法第27条の3です。
- 生活保護法第28条の次の条は生活保護法第29条です。
- 生活保護法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法28条は、保護の実施機関が要保護者に報告を求め、住居への立入調査や指定医の検診を命じられると定める。拒否すれば保護の却下や停止がありうる。
Q · 生活保護のケースワーカーの調査を断ったらどうなるの?
逮捕はないが、保護の却下や停止の理由になりうる
生活保護法28条1項は、保護の実施機関が報告要求、住まいへの立入調査、指定医の検診命令を行えると定めています。4項により立入調査は犯罪捜査ではなく、拒否自体に刑罰はありません。ただし5項により、正当な理由なく報告をしない、立入調査を拒む、検診命令に従わない場合、申請の却下や保護の変更・停止・廃止ができます。「できる」規定のため自動的に打ち切られるわけではなく、処分の必要性と釣り合いが問われます。
解説
生活保護を受ければ「ケースワーカーが家に来る」。多くの人はそれを覚悟しているが、その訪問に法律上どこまでの力があるのかを知る人は少ない。28条が役所に与えている権限は三つある。報告を求めること、職員を住まいに立ち入らせて調べること、役所が指定した医師の検診を受けるよう命じることだ。ただし、警察の捜索とは根本的に違う。4項は「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」と明記しており、令状も物理的な強制もない。本条の調査を拒んだこと自体に刑罰は置かれていない。代わりに用意されている効果は一つだけで、5項の「申請の却下、または保護の変更・停止・廃止ができる」である。拒否の代償は刑罰ではなく、生活費そのものということになる。しかも「できる」規定なので自動的に打ち切られるわけではなく、処分の必要性と重さの釣り合いが問われる。さらに2項により、役所は申請書の内容を確かめるため、あなたの親や兄弟など扶養義務者にも報告を求められる。何に応じ、どこで目的を尋ねるか。その線引きを知っていれば、調査は「怖いもの」ではなく、段取りを踏める手続になる。
法的な位置づけ
生活保護法28条は、保護の実施機関の調査権限を定める規定であり、保護の決定・実施や費用徴収(77条・78条)のため必要があるとき、要保護者への報告要求、居住の場所への立入調査、指定医師等の検診命令、扶養義務者等への報告要求を認める。立入調査は犯罪捜査目的ではなく、拒否の効果は保護の却下・変更・停止・廃止にとどまる。
手順
- 1.調査の根拠と目的を確認する 報告・立入・検診を求められたら、28条の何項に基づくのか、何を確認するための調査かを尋ね、日時と担当者名をメモする
- 2.立入調査では証票の提示を求める 職員が住まいを訪れた際、玄関先で身分を示す証票の提示を求める(28条3項)。確認したい範囲の説明を受けたうえで、必要な部分に応じる
- 3.応じられない事情は書面で代替案を出す 体調・日程・同居人の事情などで応じられない場合は、黙って拒否せず、代わりの日時や方法を書面で提案し、控えを残す
- 4.却下・停止・廃止の決定には審査請求で対抗する 5項による処分の通知を受けたら処分理由を確認し、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求する(64条)
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護の立入調査とは何ですか?
生活保護法28条1項に基づき、職員が要保護者の住まいに立ち入り、資産・収入・健康状態などを確認する調査です。犯罪捜査ではなく、令状も不要です。
Q2生活保護の資産調査では何を見られますか?
預貯金通帳、保険、自動車、不動産、収入の状況などです。28条の報告に加え、29条により役所は銀行や保険会社に直接照会することもできます。
Q3ケースワーカーは身分証を見せる義務がありますか?
あります。28条3項により、立入調査をする職員は身分を示す証票を携帯し、関係人から求められたら提示しなければなりません。
Q4生活保護の検診命令を無視するとどうなりますか?
28条5項により、申請の却下や保護の変更・停止・廃止の理由になりえます。日程が合わない場合は、期限前に書面で変更を申し出るのが安全です。
Q5生活保護の調査で警察に通報されることはありますか?
28条4項により立入調査は犯罪捜査のためのものではありません。ただし悪質な不正受給と判断されれば、別途85条の刑事手続に進む可能性があります。
Q6生活保護の申請中に調査を断るとどうなる?
正当な理由なく報告や立入調査を拒むと、28条5項により申請を却下される可能性があります。目的を確認し、応じられない事情は書面で伝えましょう。
Q7生活保護 停止 不服申し立て いつまで?
処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求します(行政不服審査法18条、生活保護法64条)。取消訴訟の前に審査請求が必要です。
Q8生活保護の家庭訪問はどのくらいの頻度ですか?
頻度は法律ではなく実施要領と世帯の状況で決まり、自治体や世帯類型により異なります。定期訪問が28条の立入調査と同じ扱いかは解釈が分かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ケースワーカーの家庭訪問って、断ったらすぐ保護を打ち切られるんですか?
定期的な家庭訪問の多くは保護の実施要領に基づく訪問調査であり、28条1項の立入調査と同じものとみなせるかは実務上解釈が分かれている。28条の立入調査を拒んだ場合も、5項は変更・停止・廃止が「できる」と定めているだけで、自動的に打ち切られるわけではない。実務のポイント:一度断っただけで即廃止という運用は審査請求で争われやすい。日程の変更を書面で申し出た記録があるかどうかで、形勢は大きく変わる
Q2疎遠の父について役所から扶養の照会が来ました。無視していいですか?
2項の報告要求や扶養照会に回答しなくても罰則はない。ただし扶養は保護に優先する(4条2項)ため、援助できる資力があることが分かれば、77条で費用を徴収される可能性がある。実務のポイント:「援助できない」と回答しても、父親本人の保護が否定されるわけではない。黙っているより、援助できない事情を短く書いて返送するほうが、照会が繰り返されるのを止めやすい
Q3指定された病院の検診、かかりつけ医の診断書じゃだめなんですか?
1項は「保護の実施機関の指定する医師」の検診と定めているため、かかりつけ医の診断書だけでは代わりにならない場合がある。命令に従わなければ5項の処分対象になる。実務のポイント:指定医の検診は主に、働ける能力や医療扶助の必要性の判断に使われる。かかりつけ医の意見書も併せて出しておけば、指定医の所見と食い違ったとき、審査請求で反論する材料になる
Q4申告し忘れた収入が調査で見つかったら、全部不正受給扱いですか?
必ずしもそうではない。故意に偽って申告したと判断されれば78条で徴収され(最大1.4倍)、悪質なら85条の刑事罰もありうる。故意がなければ、63条による返還にとどまる余地がある。実務のポイント:どちらの条文で処理されるかによって、返還額も記録の重さも違ってくる。調査で見つかる前に自分から申告すれば、63条で処理される可能性が高くなる
間違えやすい点 AI による整理
- ケースワーカーの調査を断ると罰せられると怖がる人がいるが、28条の調査拒否そのものに刑罰は置かれていない。4項は犯罪捜査目的をはっきり否定している。拒否の効果は、保護の却下・変更・停止・廃止という給付面に限られる
- 「拒否しても生活費が少し減るだけ」と軽く見る人もいるが、停止や廃止は生活扶助だけでなく、住宅扶助(家賃)や医療扶助も同時に止まることを意味する。医療扶助で通院している人にとっては、治療を続けられるかどうかに直結する。刑罰がないことは、軽いことを意味しない
- 「調査に応じるか、拒むか」という問いの立て方そのものがずれている。28条が権限を認めるのは「保護の決定・実施等のため必要があると認めるとき」に限られる。目的と範囲を尋ね、必要な部分には応じ、理由の分からない部分は説明を求める。この第三の選択肢こそが、実務で最も効く
- 家族の立場からは、親族の生活保護は本人の問題に見える。法律の側から見ると、あなたも2項の報告要求の相手方であり、扶養できるのにしなければ77条で費用を徴収される対象になりうる。ただし扶養は保護の「要件」ではなく「優先」するものにとどまる(4条2項)。親族が援助を断っても、申請者の保護そのものが否定されるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の相手方 | 28条:要保護者本人、扶養義務者・同居親族等 | 29条:官公署、銀行・保険会社等の関係機関 78条:不正受給者(調査ではなく費用徴収) |
| 手段 | 報告要求、住居への立入調査、指定医の検診命令 | 資料の提供・報告の求め(照会) 保護費の徴収(最大1.4倍) |
| 応じない場合の効果 | 申請却下、保護の変更・停止・廃止ができる(刑罰なし) | 要保護者本人への直接の処分規定はない 徴収は強制徴収の対象、悪質なら85条の刑事罰 |
| 本人が気づくか | 直接求められるため把握できる | 本人を経由せず照会されることがある 徴収決定の通知で知る |
他国ではどう定めているか 3 か国
韓国も受給申請時・受給中の調査を定め、調査拒否の場合に申請却下や給付決定の取消し・変更を認める点で日本と類似
ドイツは受給者の協力義務を定め、協力しない場合に給付の全部または一部を拒否できる(§ 66)。事前の書面警告を要する点が特徴
米連邦最高裁は福祉ケースワーカーの家庭訪問を修正4条の捜索にあたらないとし、拒否に対する給付停止を許容した
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 申請窓口で「通帳を全部コピーさせてください」と言われた。資産調査は28条1項の中心的な場面で、正当な理由なく拒み続ければ5項による申請却下の口実を与える。一方で、何を確認するための資料なのかを尋ねるのは正当な行動である。黙って全部を差し出すか、感情的に全部を拒むか、の二択ではない
- もしケースワーカーが突然来て「押し入れの中も見せてください」と言ったら、どうなる? 立入調査をする職員は身分を示す証票を持ち歩き、求められれば見せなければならない(3項)。しかも犯罪捜査ではない(4項)。まず証票を見せてもらい、何を確認したいのかを聞く。その説明を受けたうえで拒否を続ければ、保護の変更・停止の理由になりうる
- 十年以上連絡を取っていない弟について、役所から扶養に関する照会が届いた。申請者本人でないあなたも、2項の報告要求の相手方になりうる。回答しなくても罰則はない。ただし十分に援助できる資力があるのに放置していると、77条により保護費を徴収される可能性が残る
- 「来週火曜までに指定の医院で検診を受けてください」。腰痛で働けないと申告したあなたに、働ける能力がどの程度あるかを確かめるための検診命令が出た。残りは六日。日程が合わないなら、期限前に書面で変更を申し出て控えを残す。無断で行かないことが一番まずい
- パート収入を三か月分申告し忘れていた。調査で発覚すれば、差額を返すだけでは済まない場合がある。故意と判断されれば78条により最大1.4倍の徴収もありうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 報告・立入・検診を求められたら、目的と根拠(28条の何項か)を確認し、日時と担当者名をメモする2. 立入調査では証票の提示を求める(3項) 3. 体調、日程、同居人の事情などで応じられない場合は、黙って拒否せず、書面で代わりの日時や方法を提案して控えを残す4. 5項による却下・停止・廃止の決定が出たら、理由を確認し、3か月以内に都道府県知事へ審査請求する(64条)
訴えられた側:1. 収入の申告漏れを指摘されたら、故意ではなかった経緯と裏付け(給与明細、振込記録)を整理する。78条(不正受給の徴収)ではなく63条(資力がありながら受けた保護費の返還)で扱うべきだと主張できるか検討する2. 調査自体は犯罪捜査ではない(4項)が、悪質と判断されれば別に85条の告発に進む可能性がある。金額が大きいときは早めに弁護士へ相談する3. 扶養義務者として報告を求められた場合は、答えられる範囲で事実を書き、援助できない事情を具体的に記す
時効(請求できる期限):保護の却下・停止・廃止に不服がある場合、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(処分の日の翌日から1年以内)に都道府県知事へ審査請求する(行政不服審査法18条)。取消訴訟の前に審査請求を経る必要がある(生活保護法69条)。裁決が50日以内に出ない場合は棄却されたものとみなせる(同法65条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:28条の調査は間接強制型の行政調査であり、拒否に対する効果は給付上の不利益に限られる。5項の処分は裁量処分であり、拒否の態様と処分の重さの均衡(比例原則)が求められる
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成26年(2014年)7月施行 要保護者への報告徴求権限を明記し、扶養義務者等に報告を求める規定(2項)を加えた。調査目的に77条・78条の施行を追加した(改正の詳細と回数は人的検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により、報告・立入調査・検診命令の権限が設けられた
- 2.平成25年(2013年) 改正:要保護者への報告要求を明記し、扶養義務者等への報告要求(2項)を追加。調査目的に77条・78条の施行を加えた(平成26年7月施行)
- 生活保護法 第24条申請による保護開始と決定期限
- 生活保護法 第29条官公署・金融機関等への資料照会
- 生活保護法 第77条扶養義務者からの費用徴収
- 生活保護法 第78条不正受給の費用徴収(最大1.4倍)
- 生活保護法 第64条保護の決定等に対する審査請求
- 行政手続法 第14条不利益処分時の理由提示義務
- 民法 第877条扶養義務者の範囲、2項報告対象の基礎
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