受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 6 分6 分6 分

生活保護法 第30条(生活扶助の方法)

クイックジャンプ
  1. 生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによつては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、被保護者を救護施設、更生施設、日常生活支援住居施設(社会福祉法第二条第三項第八号に規定する事業の用に供する施設その他の施設であつて、被保護者に対する日常生活上の支援の実施に必要なものとして厚生労働省令で定める要件に該当すると都道府県知事が認めたものをいう。第六十二条第一項及び第七十条第一号ハにおいて同じ。)若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはこれらの施設に入所を委託し、又は私人の家庭に養護を委託して行うことができる。
  2. 2.前項ただし書の規定は、被保護者の意に反して、入所又は養護を強制することができるものと解釈してはならない。
  3. 3.保護の実施機関は、被保護者の親権者又は後見人がその権利を適切に行わない場合においては、その異議があつても、家庭裁判所の許可を得て、第一項但書の措置をとることができる。

この条文の基本情報

生活扶助の方法とは何ですか?

定義生活扶助の方法とは、生活保護法第30条に定められた規定で、「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによつては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 生活保護法第30条(生活扶助の方法)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
  2. 生活保護法第30条の条文原文は「生活扶助は、被保護者の居宅において行うものとする。ただし、これによることができないとき、これによつては保護の目的を達しがたいとき、又は被保護者が希望したときは、…」で始まります。
  3. 生活保護法第30条は第五章 保護の方法に置かれています。
  4. 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
  5. 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 生活保護法第30条の前の条は生活保護法第29条の2です。
  7. 生活保護法第30条の次の条は生活保護法第31条です。
  8. 生活保護法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第30条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144
  • 本サイト収録生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/30

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点生活保護法30条は、生活扶助を被保護者の居宅で行うことを原則とし、施設入所は例外に限る。本人の意に反する入所の強制は同条2項で禁じられている。

Q · 生活保護を受けるには、施設に入らないといけないの?

いいえ。居宅保護が原則で、入所の強制は禁止です

生活保護法30条1項は、生活扶助を被保護者の居宅で行うことを原則とし、施設入所は「居宅ではできないとき」「居宅では保護の目的を達しがたいとき」「本人が希望したとき」に限る例外と定めています。さらに同条2項は、この例外規定を本人の意に反する入所強制の根拠と解釈してはならないと明記しています。本人の意思を超えられるのは、親権者・後見人が権利を適切に行使しない場合に家庭裁判所の許可を得たとき(3項)だけです。

解説

生活保護は、原則としてあなたが今住んでいる部屋で受けるものである。30条1項本文は「居宅において行う」と定め、施設への入所はただし書の例外にすぎない。例外は三つだけで、居宅では保護できないとき、居宅では保護の目的を達しにくいとき、本人が希望したときである。しかも2項は、ただし書を理由に本人の意に反して入所を強制してはならないとはっきり書いている。窓口で「まず施設に入ってもらわないと保護は始められない」と言われても、それは条文が想定する順序ではない。例外が一つある。3項は、親権者や後見人が権利をきちんと行使しない場合に限り、家庭裁判所の許可を得て、その異議を押し切って施設入所などの措置をとれると定める。つまり本人の意思を超えられるのは、裁判所というもう一つの鍵が加わったときだけである。どこで暮らすかを最後に決めるのは、原則としてあなた自身である。

法的な位置づけ

生活保護法30条は生活扶助の方法を定める規定であり、生活扶助は被保護者の居宅において行うことを原則とする(居宅保護の原則)。例外として、居宅保護が不可能または不適当な場合や本人が希望した場合に限り、救護施設・更生施設・日常生活支援住居施設等への入所または私人の家庭への養護委託による保護を認め、意に反する入所の強制を禁止する。

手順

  1. 1.申請時に居宅保護の希望を書面で残す 保護申請書を提出する際、「居宅での保護を希望します」と余白または別紙に記載して同時に提出する。口頭の意思表示だけでは、後日「本人が施設を希望した」と扱われるおそれがある
  2. 2.窓口でのやりとりを記録する 施設入所を勧められた日時、担当者名、発言内容をメモに残す。支援団体や法律家に同行を依頼できれば、記録の信用性も高まる
  3. 3.入所後に居宅移行を求める場合は書面で申し出る 施設から出てアパートに移りたいときは、転居理由と希望家賃帯を書面にまとめてケースワーカーに提出し、住宅扶助の上限額や敷金等の扱いについて書面回答を求める
  4. 4.不利益な決定には審査請求する 意に反する入所を前提とした決定や保護の却下・廃止決定が出た場合、決定通知書を保管し、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求する

よくある質問 AI による整理

Q1居宅保護の原則とは何ですか?

生活扶助は被保護者が暮らす住まいで行うのが原則だとする考え方です。生活保護法30条1項本文が根拠で、施設での保護は例外にとどまります。

Q2生活保護で施設に入るのはどんな場合ですか?

居宅では保護できないとき、居宅では保護の目的を達しがたいとき、本人が希望したときの3つに限られます(生活保護法30条1項ただし書)。

Q3救護施設とはどんな施設ですか?

身体上または精神上の著しい障害があり日常生活が困難な要保護者を入所させ、生活扶助を行う保護施設です。生活保護法38条が定める保護施設の一つです。

Q4日常生活支援住居施設とは?

無料低額宿泊所などのうち、日常生活上の支援に必要な厚生労働省令の要件を満たすと都道府県知事が認めた施設です。2020年4月から制度化されました。

Q5生活保護の申請時に住む家がなくても大丈夫?

大丈夫です。居住地がない人は現在地の福祉事務所が保護を行います(生活保護法19条1項2号)。住まいの確保は保護開始後に進めることもできます。

Q6生活保護の施設入所を拒否したら保護は打ち切られる?

入所を拒否したこと自体を理由に保護を打ち切ることは、意に反する入所強制を禁じた30条2項と整合しません。不利益な決定には審査請求で争えます。

Q7生活保護で私人の家庭に養護を委託できる?

できます。30条1項ただし書は、施設入所のほか「私人の家庭に養護を委託」する方法も例外として認めています。これも本人の意に反して強制はできません。

Q8後見人が反対しても施設入所させられる?

後見人等が権利を適切に行わない場合に限り、保護の実施機関は家庭裁判所の許可を得て、その異議があっても入所等の措置をとれます(30条3項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1施設に入らないなら保護できないって言われたんだけど、本当なの?

条文上は逆である。30条1項は居宅保護を原則とし、2項は本人の意に反する入所の強制を禁じている。施設入所を保護開始の条件にすることは、この構造と整合しない。実務のポイント:同じ福祉事務所でも、支援者が同行した日には居宅保護の話がすんなり進むことがある。窓口の運用は、相手が条文を知っているかどうかで変わる

Q2無料低額宿泊所に入ったけど、出てアパートに住みたい。できる?

できる余地は大きい。入所が本人の希望に基づくなら、その希望がなくなったときは居宅への移行を求められる(30条1項、2項)。敷金などの転居費用は、要件を満たせば住宅扶助の範囲で支給されうる(33条)。実務のポイント:転居の相談は口頭で終わらせず、理由を書いた書面で出すこと。記録があるかどうかで、ケースワーカーが上司に通しやすさが変わる

Q3家族が勝手に施設入所を決めることってできるの?

家族の意向だけではできない。成人本人の意に反する入所は30条2項で禁じられている。意思能力が不十分で後見人がいる場合でも、後見人の異議を押し切るには3項に基づく家庭裁判所の許可が必要である。実務のポイント:家庭裁判所の許可が必要となる3項の手続は実務上ほとんど使われない。その重さが、本人の意思を尊重する設計を物語っている

間違えやすい点 AI による整理

  • 「住所がないから生活保護は受けられない」と思われがちだが、居住地がない人も現在地を所管する福祉事務所で保護を受けられる(生活保護法19条1項2号)。30条の居宅保護原則は、住まいを確保したうえで保護する方向にも働く。住まいがないことは申請を断る理由にならない
  • 施設入所の強制が禁じられていることは知っていても、「一度入所に同意したら出られない」と誤解している人は多い。30条1項の「被保護者が希望したとき」は入所の根拠であり、その希望が消えれば入所を続ける根拠も弱くなる。同意は一度きりの署名で固定されるものではない
  • 担当者から見れば、施設入所は「見守りができて安心な選択」である。一方、法律から見れば、居宅保護が原則で施設は例外であり、本人の意思が最優先される。担当者の善意の提案を断れないまま入所すれば、その差を毎月の手取り額と生活の不自由さで負担するのはあなたである
比較の観点この条文ほかの条文
規律対象生活保護法30条:生活扶助をどこで行うか(居宅原則・施設例外)生活保護法31条:生活扶助をどの形で給付するか(金銭給付原則)
生活保護法33条:住宅扶助の方法(金銭給付原則)
原則被保護者の居宅で行う金銭給付によって行う
金銭給付によって行う
例外居宅保護が不可能・不適当、または本人希望の場合に施設入所・養護委託金銭給付が不適当な場合などに現物給付
必要がある場合に宿所提供施設の利用等による現物給付
本人意思との関係意に反する入所・養護の強制を明文で禁止(2項)、例外は家裁許可(3項)給付方法に関する明文の意思尊重規定はない
給付方法に関する明文の意思尊重規定はない

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
社會救助法 第2章(生活扶助)

台湾の生活扶助は現金給付を中心とし、居宅での生活を前提とする点で日本の居宅保護原則と共通する

韓国
국민기초생활 보장법 제10조

韓国も生計給付を受給者の住居で行うことを原則とし、住居がない場合などに保障施設等への委託を認める構造で、日本の30条と近い

ドイツ
SGB XII § 13

ドイツ社会扶助法は外来(在宅)給付を施設給付より優先する原則を明文化しており、居宅優先の発想を共有する

アメリカ
Olmstead v. L.C., 527 U.S. 581 (1999)

米国では公的扶助法ではなく障害者差別禁止法(ADA)の文脈で、不必要な施設収容を差別とする判例が地域生活原則を支える

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 所持金が3000円を切った状態で福祉事務所へ行ったら、担当者が「アパートは後で。まずこの宿泊所に入ってください」と言い、相部屋の施設の案内を差し出した。居宅保護が原則で、意に反する入所の強制は30条2項で禁じられている。その場で「居宅での保護を希望します」と伝え、申請書は必ず出す
  • もし入所した無料低額宿泊所で、保護費の大半を利用料として差し引かれ、手元にほとんど残らなかったら、出ることはできるのか? 入所が本人の希望によるものなら、その希望を撤回して居宅への移行を求める道がある。転居費用が出るかどうかをケースワーカーに書面で確認する
  • あなたは宿泊所の運営者で、入所者から「アパートに移りたい」と言われた。退所を妨げたり、保護費の管理を盾に引き留めたりすれば、2020年に始まった社会福祉住居施設の規制のもとで行政の調査対象になりうる。本人の意思に従うことが、施設を守ることにもつながる
  • ネットカフェに寝泊まりしている。住所がないから保護は無理だとあきらめていた
  • 高齢の母が一人暮らしで日常生活が難しくなり、ケースワーカーから救護施設への入所を勧められた。母本人は自宅を離れたくないと言っている。本人の意思に反する入所は強制できない。家族としては、居宅のまま介護サービスを入れる選択肢を先に並べて比べる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 施設入所を保護開始の条件のように言われたら、30条2項を示して居宅保護を希望すると明言し、申請書はその場で必ず提出する2. やりとりの日時、担当者名、発言内容をメモする3. 意に反する入所を前提にした決定や、保護の却下が出たら、決定通知書を保管して都道府県知事へ審査請求する4. 支援団体や法テラス、弁護士会の生活保護相談窓口に同行を頼むと、窓口対応が変わることが多い

訴えられた側:保護の実施機関や施設運営者の立場でとるべき手順。1. 施設入所を勧める場合は、居宅では保護できない理由、または保護の目的を達しにくい理由を記録し、本人の意思を確認した経緯を文書に残す2. 同意を得るときは、居宅保護という選択肢と施設の費用負担を並べて説明する3. 退所や転居の希望が出たら速やかに検討する4. 後見人の異議を押し切るときは、必ず家庭裁判所の許可を得る

時効(請求できる期限):保護の決定に不服がある場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求できる(行政不服審査法18条、生活保護法64条)。裁決に不服があれば、裁決を知った日の翌日から1か月以内に厚生労働大臣へ再審査請求できる(生活保護法66条、行政不服審査法62条)。取消訴訟の前には審査請求の裁決を経る必要がある(生活保護法69条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:30条は居宅保護を原則とし、施設保護は補充的な例外である。2項により、ただし書は入所強制の根拠とならず、本人の意思を超えるには3項の家庭裁判所の許可という司法的統制が必要とされる

改正沿革 AI による整理

  • 昭和25年(1950年) 現行生活保護法の制定時に、居宅保護原則、施設入所の例外、入所強制の禁止、家庭裁判所の許可による措置を定めた
  • 平成30年(2018年)改正、令和2年(2020年)4月施行 生活困窮者自立支援法等の一部改正で、1項の施設類型に日常生活支援住居施設が加えられ、都道府県知事による認定の仕組みが導入された。改正回数全体は要検証

改正の年表

  1. 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により、居宅保護の原則、施設入所・養護委託の例外、入所強制の禁止、家庭裁判所の許可による措置を定めた
  2. 2.平成30年(2018年) 改正:生活困窮者自立支援法等の一部改正により、1項の入所先に日常生活支援住居施設が加えられた(令和2年(2020年)4月施行)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

生活保護法の全文を見る所属する編章節を開く:第五章 保護の方法

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›