生活保護法 第42条(社会福祉法人及び日本赤十字社の保護施設の休止又は廃止)
クイックジャンプ
社会福祉法人又は日本赤十字社は、保護施設を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、その理由、現に入所中の被保護者に対する措置及び財産の処分方法を明らかにし、かつ、第七十条、第七十二条又は第七十四条の規定により交付を受けた交付金又は補助金に残余額があるときは、これを返還して、休止又は廃止の時期について都道府県知事の認可を受けなければならない。
この条文の基本情報
社会福祉法人及び日本赤十字社の保護施設の休止又は廃止とは何ですか?
定義社会福祉法人及び日本赤十字社の保護施設の休止又は廃止とは、生活保護法第42条に定められた規定で、「社会福祉法人又は日本赤十字社は、保護施設を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、その理由、現に入所中の被保護者に対する措置及び財産の処分方法を明らかに…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第42条(社会福祉法人及び日本赤十字社の保護施設の休止又は廃止)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第42条の条文原文は「社会福祉法人又は日本赤十字社は、保護施設を休止し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、その理由、現に入所中の被保護者に対する措置及び財産の処分方法を明らかに…」で始まります。
- 生活保護法第42条は第六章 保護施設に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第42条の前の条は生活保護法第41条です。
- 生活保護法第42条の次の条は生活保護法第43条です。
- 生活保護法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法42条は、社会福祉法人等が保護施設を休止・廃止する前に、理由・入所者への措置・財産処分方法を明らかにし、補助金残額を返還して知事の認可を受けるよう定める。
Q · 社会福祉法人は、理事会で決めれば救護施設をすぐに閉められるの?
閉められない。事前に知事の認可が必要
生活保護法42条により、社会福祉法人又は日本赤十字社が保護施設を休止・廃止するには、あらかじめ理由、入所中の被保護者への措置、財産の処分方法を明らかにし、同法70条・72条・74条に基づく交付金・補助金の残余額があれば返還したうえで、休廃止の時期について都道府県知事の認可を受ける必要があります。一時的な休止も対象です。なお、施設が廃止されても入所者の保護を受ける権利は失われず、実施機関が保護の方法を変更して保護を続けます(同法30条)。
解説
救護施設や更生施設を運営する社会福祉法人が理事会で「来年三月で閉める」と決めても、それだけでは施設を閉じられない。生活保護法42条は、社会福祉法人と日本赤十字社が保護施設を休止または廃止する前に、三つのことを明らかにするよう求めている。一つ目は閉める理由、二つ目はいま入所している被保護者(生活保護を受けている人)への措置、つまりその人たちをどこへどう移すか、三つ目は建物や土地など財産の処分方法である。さらに、同法70条・72条・74条に基づいて受け取った交付金や補助金が残っていれば返還し、そのうえで休止・廃止の時期について都道府県知事の認可(役所が「その行為をしてよい」と法的効力を与える決定)を受けなければならない。入所者や家族にとって大事なのは、閉鎖が一方的な通告だけで完結しないことだ。入所者への措置は申請で必ず明らかにすべき事項であり、知事の判断の土台になる。説明会で「もう決まったことです」と言われたとき、何を問いただせばよいか、その答えが本条に書いてある。
法的な位置づけ
生活保護法42条は、社会福祉法人又は日本赤十字社が設置する保護施設の休止・廃止に関する規定である。休廃止に先立ち、その理由、現に入所中の被保護者に対する措置及び財産の処分方法を明らかにし、同法70条・72条・74条に基づく交付金・補助金の残余額を返還したうえで、休廃止の時期につき都道府県知事の認可を受けることを要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.休廃止の理由と時期を確定する 理事会等で休止か廃止かを決め、その理由(老朽化、経営悪化、事業譲渡など)と希望する時期を文書化する。認可は休廃止の「あらかじめ」必要なので、時期から逆算した工程表を作る
- 2.都道府県と事前協議する 施設所在地の都道府県の生活保護担当部署に事前相談し、申請に必要な書類と審査の見込み期間、補助金等の残余額の有無を確認する
- 3.入所者ごとの措置を実施機関と調整する 入所中の被保護者一人ひとりについて、保護の実施機関(福祉事務所)と移転先施設や居宅保護への切替えを調整し、その結果を「入所者に対する措置」として具体的に書ける状態にする
- 4.財産処分方法を決め補助金残額を返還する 建物・土地・設備の処分方法(売却、他法人への譲渡、転用)を決め、同法70条・72条・74条による交付金・補助金の残余額を都道府県と照合して返還する。国庫補助財産は補助金適正化法22条の承認の要否も確認する
- 5.知事に休廃止の認可を申請する 理由、入所者への措置、財産処分方法を明らかにした申請書を提出し、休廃止の時期について都道府県知事の認可を受ける。認可前に施設を閉鎖しない
よくある質問 AI による整理
Q1保護施設とは何ですか?
生活保護法38条が定める救護施設、更生施設、医療保護施設、授産施設、宿所提供施設の5種類で、生活保護を受ける人が入所・利用する施設です。
Q2救護施設 閉鎖 認可 必要?
社会福祉法人又は日本赤十字社が運営する救護施設の閉鎖には、生活保護法42条により、休廃止の時期について事前に都道府県知事の認可が必要です。
Q3保護施設の一時休止も認可が必要ですか?
必要です。生活保護法42条は「休止し、又は廃止しようとするとき」と規定しており、一時的な休止であっても廃止と同じく知事の認可を受ける必要があります。
Q4保護施設の廃止申請で明らかにすべき事項は?
休廃止の理由、現に入所中の被保護者に対する措置、財産の処分方法の3点です。加えて交付金・補助金に残余額があれば返還が前提となります。
Q5保護施設の補助金 返還 いつまで?
生活保護法42条は、休廃止の時期について認可を受ける前に残余額を返還することを求めています。閉鎖を決める段階で都道府県と精算額を照合しておく必要があります。
Q6無認可で保護施設を閉鎖したら違法?
生活保護法42条違反となり、同法45条に基づく改善命令など都道府県知事による監督の対象となりえます。事後に手続を整えても認可を先に得たことにはなりません。
Q7市町村が設置した保護施設の廃止も42条ですか?
いいえ。42条の対象は社会福祉法人と日本赤十字社です。都道府県・市町村・地方独立行政法人が設置した保護施設の休廃止は、同法40条の規律を受けます。
Q8保護施設の廃止 誰に相談する?
入所者や家族は、担当する福祉事務所のケースワーカーに相談するのが基本です。運営者側は、施設所在地の都道府県の生活保護担当部署に事前相談します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1施設が閉まるって言われたんですけど、追い出されたら生活保護も止まっちゃうんですか?
止まらない。保護を受ける権利は本人についていて、施設が廃止されても、実施機関は居宅保護や別の施設への入所など方法を変えて保護を続ける(生活保護法30条)。施設側も、閉鎖の前に入所者への措置を明らかにする必要がある(同法42条)。実務のポイント:移転先の調整で実際に動くのは福祉事務所のケースワーカーである。家族が希望の地域や条件を早めに伝えた人ほど、条件のよい移転先が見つかりやすい
Q2補助金で建てた施設なのに、法人が勝手に売ってお金にしていいんですか?
勝手にはできない。休廃止の前に財産の処分方法を明らかにし、交付金・補助金の残額を返還したうえで知事の認可を受ける必要がある(生活保護法42条)。国庫補助で取得した財産は、補助金適正化法22条により、各省各庁の長の承認なしに処分できない。実務のポイント:社会福祉法人が解散しても、残った財産は定款に基づいて他の社会福祉法人などに帰属し、最終的には国庫に入る(社会福祉法47条)。理事個人の懐には戻らない仕組みになっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「施設がなくなったら生活保護も打ち切られるのか」という問い自体がずれている。保護施設は保護を実施するための手段の一つにすぎず、保護を受ける権利は施設ではなく本人についている。施設が廃止されても、実施機関は居宅での保護や別の施設への入所など、方法を変えて保護を続けることになる(生活保護法30条)
- 法人から見れば施設は自分の財産だが、法律から見れば公費で整えた公共のインフラでもある。だからこそ本条は、閉鎖前に交付金・補助金の残額を返させ、財産の処分方法まで明らかにさせる。この落差を理解していない運営者は、閉鎖の段階になって返還額の大きさに足をすくわれる
- 知事の認可が必要なことは知られていても、それが形だけの手続ではない点は見過ごされがちだ。認可を得ずに休廃止を進めれば法令違反となり、都道府県知事による監督(同法45条の改善命令等)の対象となりうる。後から帳尻を合わせることはできない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる設置主体 | 42条:社会福祉法人・日本赤十字社 | 40条:都道府県・市町村・地方独立行政法人 41条:社会福祉法人・日本赤十字社(設置の場面) |
| 規律する場面 | 保護施設の休止・廃止 | 自治体等による保護施設の設置・休廃止 保護施設の設置 |
| 知事の関与 | 休廃止の時期について事前の認可 | 自治体等の設置主体に応じた規律(42条の認可制とは別枠) 設置についての認可 |
| 入所者保護の仕組み | 入所者への措置を申請で明らかにさせる | 設置主体自身の責任で入所者の保護を確保 設置段階で運営基準等への適合を審査 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも社会救助機構は主管機関の許可・監督に服する。休止・廃止時の入所者の処遇については関連する設立許可の規定等で規律される
韓国では社会福祉施設の休止・廃止は申告制とされ、入所者の移転など保護措置を講じる義務が定められている
ドイツでは施設監督は州の権限で、運営停止時の届出や入所者の代替居所確保が各州法で規律される
米国では連邦医療保険の認定を受けたナーシングホームについて、閉鎖時の事前通知と入所者移転計画が求められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 兄が入所している救護施設が、老朽化を理由に半年後に閉鎖すると告げてきたら、兄はどうなるのか? 施設を閉めるには知事の認可が必要で、その前提として入所者への措置を明らかにしなければならない。家族がまずやることは、福祉事務所の担当ケースワーカーに、移転先の調整がどこまで進んでいるかを確かめることだ
- あなたは社会福祉法人の事務局長である。建て替え資金が尽き、宿所提供施設を年度末で休止したい。残された四か月で、入所者全員の移転先調整、財産処分計画、過去の設備整備補助金の残額精算をすべてそろえなければ、認可の申請にたどり着けない。「一時休止なら届け出だけで済む」という思い込みは通用せず、休止も本条の対象である
- 市町村が自ら設置した保護施設であれば、本条ではなく同法40条の規律を受ける。同じ救護施設でも、運営しているのが誰かによって閉鎖の手続が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 閉鎖の通知や説明会資料を必ず保管し、予定時期と理由を確認する2. 担当の福祉事務所(ケースワーカー)に連絡し、移転先の候補、居宅保護への切り替えの可否、引っ越し費用などの扱いを尋ねる3. 法人には、知事への認可申請の予定時期と、入所者への措置として何を書く予定かを書面で質問する4. 移転に伴う保護の変更決定に納得できなければ、決定を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求ができる(生活保護法64条、行政不服審査法18条)。認可そのものを入所者が争えるかは、実務上解釈が分かれている
訴えられた側:1. 休止も廃止も認可の対象であることを前提に、閉鎖の時期から逆算して工程表を作る2. 入所者一人ひとりについて、実施機関と移転先の調整を先に進め、その結果を措置として具体的に書けるようにしておく3. 同法70条・72条・74条に基づく交付金・補助金の残額を都道府県と照合し、返還の段取りを固める4. 財産の処分方法(売却、他法人への譲渡、転用)を明らかにする。国庫補助財産については、補助金適正化法上の承認が別途必要かを確認する
時効(請求できる期限):休止・廃止について法定の日数制限はないが、「あらかじめ」、つまり休止・廃止より前に認可を受けなければならない。時効について特定の規定はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。入所者側が保護の変更決定を争う場合、審査請求は決定を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:保護施設は公費で整備・運営される公共的性格を持つため、民間法人による休廃止も行政の監督下に置かれる。本条の認可制は、憲法89条の「公の支配」を担保する仕組みの一部と説明されることがある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法(昭和25年法律第144号)の制定により、社会福祉法人等による保護施設の休廃止の認可規定として設けられた
- 生活保護法 第38条保護施設の種類と定義
- 生活保護法 第41条社会福祉法人等による設置の認可
- 生活保護法 第45条知事の改善命令・事業停止・認可取消
- 生活保護法 第74条保護施設設備整備費の補助
- 生活保護法 第30条施設廃止後の保護方法の変更
- 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 第22条国庫補助で取得した財産の処分制限
- 社会福祉法 第47条解散した社会福祉法人の残余財産の帰属
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める