生活保護法 第51条(指定の辞退及び取消し)
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- 指定医療機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
- 2.指定医療機関が、次の各号のいずれかに該当するときは、厚生労働大臣の指定した医療機関については厚生労働大臣が、都道府県知事の指定した医療機関については都道府県知事が、その指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができる。
- 一指定医療機関が、第四十九条の二第二項第一号から第三号まで又は第九号のいずれかに該当するに至つたとき。
- 二指定医療機関が、第四十九条の二第三項各号のいずれかに該当するに至つたとき。
- 三指定医療機関が、第五十条又は次条の規定に違反したとき。
- 四指定医療機関の診療報酬の請求に関し不正があつたとき。
- 五指定医療機関が、第五十四条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提出若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。
- 六指定医療機関の開設者又は従業者が、第五十四条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。ただし、当該指定医療機関の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定医療機関の開設者が相当の注意及び監督を尽くしたときを除く。
- 七指定医療機関が、不正の手段により第四十九条の指定を受けたとき。
- 八前各号に掲げる場合のほか、指定医療機関が、この法律その他国民の保健医療若しくは福祉に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
- 九前各号に掲げる場合のほか、指定医療機関が、被保護者の医療に関し不正又は著しく不当な行為をしたとき。
- 十指定医療機関の管理者が指定の取消し又は指定の全部若しくは一部の効力の停止をしようとするとき前五年以内に被保護者の医療に関し不正又は著しく不当な行為をした者であるとき。
この条文の基本情報
指定の辞退及び取消しとは何ですか?
定義指定の辞退及び取消しとは、生活保護法第51条に定められた規定で、「指定医療機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第51条(指定の辞退及び取消し)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第51条の条文原文は「指定医療機関は、三十日以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。」で始まります。
- 生活保護法第51条は第七章 医療機関、介護機関及び助産機関に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第51条の前の条は生活保護法第50条の2です。
- 生活保護法第51条の次の条は生活保護法第52条です。
- 生活保護法第51条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第51条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第51条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/51
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法51条は、指定医療機関が30日以上の予告で指定を辞退できると定め、不正請求や報告命令違反など10の事由があれば、指定の取消しまたは期間を定めた効力停止ができるとする。
Q · 不正請求をしていなければ、生活保護の指定医療機関の指定は取り消されないの?
不正がなくても、報告命令の無視だけで取消事由になりうる
生活保護法51条2項は、指定の取消事由を10号に分けて列挙しています。診療報酬の不正請求(4号)のほか、54条1項による報告や診療録・帳簿の提出命令に従わないこと(5号)、出頭・答弁・検査への非協力(6号)も、それぞれ独立した取消事由です。処分は取消しに限らず、期間を定めた全部または一部の効力停止も選べます。従業者の行為については、開設者が相当の注意と監督を尽くしていれば6号の対象から除かれます。
解説
生活保護の医療扶助は、どの病院でも使えるわけではない。厚生労働大臣か都道府県知事の「指定」を受けた医療機関だけが、受給者を診て公費から報酬を受け取れる。51条は、その指定から外れる二つの道を定めている。一つ目は自分から降りる道で、30日以上前に予告すれば辞退できる(1項)。二つ目は外される道で、診療報酬の不正請求、報告命令の無視、検査の拒否、健康保険の指定を失ったことなど、10の事由のどれかに当たれば、指定の取消し、または期間を区切った効力停止(全部または一部)を受けうる(2項)。見落とされやすいのは、取消しのきっかけが「不正」だけではない点だ。書類を出さない、呼び出しに応じない、それだけで独立した取消事由になる。さらに、外部から招いた管理者(院長など)の過去5年の行いまで問われる(10号)。受給者にとっては、かかりつけ医が突然使えなくなる入口でもある。
法的な位置づけ
生活保護法51条は、医療扶助を担う指定医療機関について、指定が終了または制限される場合を定める規定である。1項は30日以上の予告期間を置いた辞退を認める。2項は、指定要件の喪失、診療報酬の不正請求、報告命令や検査への非協力、管理者による過去5年以内の不正行為など10の事由を掲げ、指定権者が指定の取消し、または期間を定めた全部もしくは一部の効力停止をできることを定める。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護の指定医療機関とは?
生活保護の医療扶助で受給者を診療し、公費から診療報酬を受け取れるよう、厚生労働大臣または都道府県知事の指定を受けた病院、診療所、薬局などのことです。
Q2生活保護 指定医療機関 取消事由は何がある?
51条2項は10の事由を定めています。指定要件の喪失、診療報酬の不正請求、報告・提出命令への不服従、検査の拒否、不正な手段による指定取得、管理者の過去5年以内の不正などです。
Q3生活保護の指定取消しと効力停止の違いは?
取消しは指定そのものを失わせる処分です。効力停止は、期間を決めて指定の全部または一部を止める中間の処分です。違反の程度に応じて指定権者が選びます。
Q4病院が生活保護の指定を辞退したら患者はどうなる?
その医療機関では医療扶助による受診ができなくなります。辞退の予告期間は最短30日なので、その間に福祉事務所と相談し、別の指定医療機関で医療券を受ける必要があります。
Q5生活保護の指導監査を拒否したら違法?
54条1項に基づく出頭の要求や検査を拒むと、51条2項6号により指定の取消しまたは効力停止の理由になりえます。請求内容に不正があるかどうかとは関係ありません。
Q6保険医療機関の指定を取り消されたら生活保護の指定も取り消される?
保険医療機関であることは指定要件(49条の2第2項1号)なので、それを失うと51条2項1号の取消事由に当たります。健康保険側の処分が生活保護側にも及ぶことになります。
Q7生活保護の指定取消しに不服があるときはいつまで争える?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は知った日から6か月以内が原則です。どちらも処分から1年を過ぎると、原則として申し立てられません。
Q8生活保護の指定を取り消すのは誰?
厚生労働大臣が指定した医療機関は厚生労働大臣、都道府県知事が指定した医療機関は都道府県知事が処分します。指定した行政機関が処分も行う仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのクリニック、生活保護の患者さんの受け入れをやめたいんですけど、すぐやめられますか?
すぐにはやめられない。30日以上の予告期間を置けば辞退できる(51条1項)。条文上、理由を示す必要はないが、指定した都道府県などの担当課に届け出の方法を先に確認しておくのが確実だ。実務のポイント:監査の気配を感じて辞退で逃げ切ろうとしても、辞退前の不正受給は78条2項による返還と加算金の対象から外れないと考えられる。聴聞の通知を受けた後に駆け込みで辞退すると、再指定の欠格事由として扱われる仕組みもある(49条の2第2項、号数は要確認)
Q2監査で職員がウソの説明をしちゃったら、クリニックごと処分されるんですか?
処分されうる。51条2項6号は、従業者が虚偽の答弁や検査の妨害をしたことも取消事由にしている。ただし但書があり、開設者がその行為を防ぐために相当の注意と監督を尽くしていた場合は除かれる。実務のポイント:但書が認められるかどうかは、事件が起きた後の弁明ではなく、事前の記録で決まる。監査対応マニュアル、研修の出席簿、「推測で答えず、確認してから回答する」という指示の文書。この三つがそろっているかどうかで、医療機関全体の結論が変わる
Q3一度取り消されたら、もう二度と生活保護の患者さんは診られないんですか?
永久に診られなくなるわけではない。ただし取消しの日から一定期間は、再指定の欠格事由に当たる(49条の2第2項)。なお、処分は取消しだけではない。51条2項は、期間を決めて指定の全部または一部の効力を停止するという中間の処分も用意している。実務のポイント:処分の重さの判断には、違反の悪質さに加えて、その地域で受給者が医療を受けられるかどうかという事情も関わりうる。地域医療でその医療機関が欠かせないことを示せれば、一部停止を求める材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「不正請求さえしなければ取消しはない」という前提そのものが間違っている。2項5号と6号は、報告や帳簿の提出、出頭、質問への答弁、検査への協力を怠ったこと自体を取消事由にしている。請求内容に問題がなくても、非協力はそれだけで処分の理由になる
- 取消しが怖いことは知っていても、その後に続く影響の大きさは知られていない。取消しを受けると、原則として一定期間は再指定の欠格事由に当たる(49条の2第2項)。不正に受け取った医療扶助費は、返還に加えて最大40%の加算金を徴収されうる(78条2項)。処分は一つで終わらない
- 受給者から見ると、辞退はクリニックの勝手な都合に映る。しかし法律上は、30日以上の予告さえ守れば理由を示す必要のない正当な選択である。法律が守るのは予告期間だけで、転院先を探す負担は患者と福祉事務所が負う。この認識のずれが、通院の空白を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 生活保護法51条:指定後の辞退と、取消し・効力停止 | 生活保護法49条の2:指定するときの要件と欠格事由 生活保護法78条:不正に受け取った費用の徴収 |
| 効果 | 指定の取消し、または期間を定めた全部もしくは一部の効力停止 | 指定をしない(要件を満たさない場合) 不正受給額の返還に加え、その40%以下の加算金を徴収 |
| 不正請求との関係 | 不正請求は4号の取消事由の一つにすぎず、非協力だけでも処分されうる | 取消し後の再指定を妨げる欠格事由として働く 不正に受け取った金銭の後始末(51条の処分とは別に科される) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では低所得世帯の医療は全民健康保険に組み込まれ、公費で保険料などが補助される。医療機関に対する処分は、健保の特約について停約・終止特約として行われ、日本のような生活保護専用の指定制度はない
韓国は医療給付(의료급여)を独立した制度とし、医療給付機関の不正に対して業務停止などの処分を定めている。公的扶助の医療を独立制度にしている点は日本と近い
ドイツでは社会扶助受給者の医療を法定医療保険の仕組みに乗せて提供し、医師の保険診療認可(Zulassung)の剥奪は SGB V が規律する
米国は Medicaid などの公的医療プログラムからの除外(exclusion)を連邦法で定め、不正行為者を一定期間参加させない。必要的除外と任意的除外に分かれている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたはクリニックの事務長。都道府県から、過去1年分の診療録とレセプト控えを提出するよう命じる文書が届いた。繁忙期だったので、返事をしないまま机に置いている。不正があるかどうかとは関係なく、この時点で5号の取消事由(報告・提出命令に従わない)がそろいかけている
- かかりつけの内科に「生活保護の指定を辞退します」という張り紙が出たら、どうなる? 予告期間は最短で30日しかない。その間に担当ケースワーカーへ連絡し、次の指定医療機関と医療券を手配しなければ、通院も薬も途切れる
- 新しく迎えた院長が、前の勤務先で生活保護の医療に関する不正をしていた。それが5年以内なら、あなたのクリニックの指定まで危うくなる。
- 監査の場で、看護師の一人がつじつまを合わせようとして事実と違う説明をした。開設者は知らなかった。それでも6号の取消事由になりうる。逃げ道は但書だけで、開設者が「相当の注意及び監督」を尽くしていたかが問われる。研修記録や対応マニュアルが残っているかどうかで結論が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. かかりつけ医から辞退を告げられたら、その日のうちに担当ケースワーカーへ連絡し、転院先の指定医療機関と医療券の発行を頼む2. 続けている処方や治療計画は、紹介状で引き継いでもらうよう医療機関に依頼する3. 受けていない診療が請求されている、受給者だけが不当に扱われているなどの疑いがあれば、日時と内容を記録して福祉事務所か都道府県の担当課へ伝える。それが指導監査のきっかけになる
訴えられた側:1. 報告命令や提出命令には期限内に応じる。遅れる場合は、理由と提出予定日を書面で伝え、無視したと見られないようにする2. 職員向けの監査対応研修を行い、その記録を残して、6号但書の「相当の注意及び監督」を証明できる状態にしておく3. 聴聞の通知が来たら弁護士と組み、事実関係への反論と再発防止策を示して、取消しではなく一部停止にとどめる余地を探る4. 処分を受けた後は、審査請求か取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):辞退には30日以上の予告期間が必要である(51条1項)。取消処分や効力停止処分に不服があるときは、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、知った日から6か月以内に取消訴訟を起こせる(行政事件訴訟法14条)。いずれも、処分から1年が過ぎると原則として申し立てられない
学説
通説:51条2項の処分は「できる」規定であり、取消しか効力停止か、全部か一部かの選択は指定権者の裁量に属する。ただし比例原則による統制を受け、受給者の受診機会への影響も考慮要素になりうる。
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成26年(2014年)7月施行 指定医療機関制度の見直しに伴って改正された。指定要件(49条の2)とあわせて取消事由を各号に整理し、期間を定めた全部または一部の効力停止を追加した。同じ改正で、不正受給に対する加算金(78条2項)も設けられた。改正の回数と細かな文言の変遷は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により、指定医療機関の指定の辞退と取消しに関する規定として設けられた。
- 2.平成25年(2013年) 改正:指定医療機関制度の見直し(平成26年7月施行)により、指定要件(49条の2)の新設とあわせて取消事由を各号に整理し、期間を定めた全部または一部の効力停止を加えた。細かな文言の変遷は人による検証が必要。
- 生活保護法 第49条の2指定要件と欠格事由、1号2号の参照先
- 生活保護法 第50条指定医療機関の診療担当義務
- 生活保護法 第52条診療方針及び診療報酬の基準
- 生活保護法 第54条報告命令・立入検査、5号6号の前提
- 生活保護法 第78条不正受給分の返還と40%以下の加算金
- 健康保険法 第80条保険医療機関指定取消、生保指定へ波及
- 行政手続法 第13条指定取消前の聴聞手続の義務付け
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