生活保護法 第55条の8(被保護者健康管理支援事業)
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- 保護の実施機関は、被保護者に対する必要な情報の提供、保健指導、医療の受診の勧奨その他の被保護者の健康の保持及び増進を図るための事業(以下「被保護者健康管理支援事業」という。)を実施するものとする。
- 2.保護の実施機関は、被保護者健康管理支援事業の実施に関し必要があると認めるときは、市町村長その他厚生労働省令で定める者に対し、被保護者に対する健康増進法(平成十四年法律第百三号)による健康増進事業の実施に関する情報その他厚生労働省令で定める必要な情報の提供を求めることができる。
- 3.前条第二項及び第三項の規定は、被保護者健康管理支援事業を行う場合について準用する。
この条文の基本情報
被保護者健康管理支援事業とは何ですか?
定義被保護者健康管理支援事業とは、生活保護法第55条の8に定められた規定で、「保護の実施機関は、被保護者に対する必要な情報の提供、保健指導、医療の受診の勧奨その他の被保護者の健康の保持及び増進を図るための事業(以下「被保護者健康管理支援事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第55条の8(被保護者健康管理支援事業)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第55条の8の条文原文は「保護の実施機関は、被保護者に対する必要な情報の提供、保健指導、医療の受診の勧奨その他の被保護者の健康の保持及び増進を図るための事業(以下「被保護者健康管理支援事…」で始まります。
- 生活保護法第55条の8は第九章 被保護者就労支援事業等に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第55条の8の前の条は生活保護法第55条の7です。
- 生活保護法第55条の8の次の条は生活保護法第55条の9です。
- 生活保護法第55条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第55条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第55条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/55_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法55条の8は、保護の実施機関に、受給者への情報提供・保健指導・受診勧奨などの健康管理支援事業の実施を義務付ける。本条自体に保護停止の効果はない。
Q · 生活保護の「被保護者健康管理支援事業」って、何をしてくれる制度なの?
健診情報をもとに保健指導や受診のすすめを行う支援です
生活保護法55条の8により、福祉事務所を置く自治体(保護の実施機関)は、受給者への健康に関する情報提供、保健指導、医療の受診勧奨などを行う被保護者健康管理支援事業を実施しなければなりません。必要があれば市町村長などに健康増進法による健診の情報を求めることもできます。あくまで支援事業であり、本条に基づく助言を断っただけで保護が停止・廃止される規定はありません。不利益処分は27条の指導指示と62条の問題です。
解説
生活保護を受けている人には、国民健康保険の保険証がない。国保の適用除外(国民健康保険法6条)に当たるため、会社員や自営業者に毎年届く特定健診の案内も来ない。医療費は医療扶助で自己負担なしになる一方、病気を早く見つける仕組みからは抜け落ちていた。その穴を埋めるために置かれたのが本条である。保護の実施機関(福祉事務所を置く自治体)は、情報の提供、保健指導、受診の勧奨(「一度病院で診てもらってはどうか」という働きかけ)などを行う「被保護者健康管理支援事業」を実施しなければならない。さらに、市町村が健康増進法に基づいて行う健診の情報などを取り寄せることもできる。押さえるべき線は一つだけだ。本条の保健指導はあくまで支援であり、生活保護法27条の「指導又は指示」とは別物である。本条には、助言を断っただけで保護を止める規定がない。ただし同じ内容が27条の書面による指示に切り替われば、話は変わる。健診を受け、結果を持って相談に行けば、この事業はあなたの側から使える支援になる
法的な位置づけ
被保護者健康管理支援事業とは、生活保護法55条の8に基づき、保護の実施機関が被保護者に対して行う情報提供、保健指導、医療の受診勧奨その他の健康の保持増進を図る事業をいう。国民健康保険の適用除外により特定健診の枠外に置かれる被保護者の健康管理を補う制度であり、実施機関には市町村長等への健診情報の提供請求権が付与されている。
よくある質問 AI による整理
Q1被保護者健康管理支援事業とは?
生活保護法55条の8に基づき、福祉事務所を置く自治体が受給者に情報提供・保健指導・受診勧奨などを行う健康づくりの支援事業です。
Q2被保護者健康管理支援事業はいつから始まった?
平成30年(2018年)の法改正で新設され、令和3年(2021年)1月から実施機関の必須事業として動いています。
Q3健康管理支援事業は誰が実施するの?
保護の実施機関、つまり福祉事務所を設置する都道府県・市・特別区などです。実務は福祉事務所の保健師やケースワーカーが担います。
Q4健康管理支援事業は外部に委託できる?
できます。本条3項が55条の7第2項・第3項を準用し、委託が認められる一方、委託先の職員にも守秘義務が課されます。
Q5生活保護受給者の健康情報を自治体間で共有するのは違法?
本条2項に基づく情報提供は法令に基づくもので、直ちに違法とはなりません。ただし事業に必要な範囲に限られ、目的外利用は許されません。
Q6生活保護受給者は保健指導を受ける義務がある?
60条は受給者に健康の保持増進に努める努力義務を課していますが、本条の保健指導を受けること自体を強制する規定はありません。
Q7生活保護受給者に国保の保険証がないのはなぜ?
国民健康保険法6条で被保護世帯が適用除外とされているためです。医療は生活保護の医療扶助でまかなわれます。
Q8生活保護の医療扶助に自己負担はある?
原則として自己負担はありません。ただし受診には福祉事務所への申請と医療券などの手続が原則として必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1健診の結果って、ケースワーカーに全部見られるんですか?
本条2項により、実施機関は市町村などに対し、健康増進法による健診の実施に関する情報などを求めることができる。ただし事業の実施に必要な範囲に限られ、委託先にも守秘義務がある(55条の7第3項の準用)。実務のポイント:どの情報がどこまで渡ったかは、個人情報の保護に関する法律76条の開示請求で本人が確認できる。担当者に口頭で聞くより確実で、記録としても残る
Q2保健師さんの指導を断ったら、保護を切られますか?
本条による保健指導そのものに、保護を停止・廃止する効果はない。不利益な処分は、27条の指導又は指示に従わなかった場合に62条3項にもとづいて行われる。施行規則上は書面による指示が前提で、処分の前には弁明の機会も与えられる。実務のポイント:口頭で「受診しないと困りますよ」と言われただけでは、処分の要件を満たさない。文書が届いたら、どの条文にもとづくものかを最初に確かめる
Q3生活保護だと、健診ってどこで受けられるんですか?
受給者は国民健康保険の適用除外(国民健康保険法6条)なので、国保の特定健診の対象にはならない。代わりに、市町村が健康増進法19条の2にもとづいて行う健康診査が受け皿になる。対象年齢や費用の扱いは自治体によって違う(最新の状況は居住地の自治体でご確認ください)。実務のポイント:案内は広報紙や福祉事務所経由で届くため見落としやすい。担当のケースワーカーに直接「健診の案内がほしい」と頼むのが一番早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「保健指導を断ったら保護が止まる」と恐れる人は多いが、本条に停止や廃止の効果はない。不利益な処分への入口は27条の指導又は指示と62条である。前提として書面による指示が必要で(生活保護法施行規則)、処分の前には弁明の機会も与えられる(62条4項)
- 受給者の健康管理を自己責任と考える人は、60条が受給者に健康の保持と増進に努める義務を課していることは知っていても、本条が行政の側に事業を実施する義務を置いたことの重さを知らない。受給者に課されているのは努力義務、行政に課されているのは実施義務である。責任は受給者と行政の双方にある
- 行政から見れば医療扶助費を抑える策、受給者から見れば監視に見える。だが本条が目的として掲げるのは「健康の保持及び増進」であって、費用の抑制ではない。通院の中断や重症化を指摘されたときは、話の軸を費用から健康へ引き戻せる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に何を課すか | 55条の8:実施機関に健康管理支援事業の実施義務 | 27条:実施機関が受給者に指導又は指示をできる 60条:受給者に健康保持増進などの努力義務 |
| 手段の性質 | 情報提供・保健指導・受診勧奨(支援型) | 生活の維持向上等のための指導指示(施行規則上、処分の前提は書面による指示) 受給者自身の生活上の心がけ |
| 従わない場合の効果 | 本条に停止・廃止の規定なし | 62条3項により保護の変更・停止・廃止がありうる(弁明の機会あり) 努力義務であり直接の制裁規定なし |
| 委託と守秘義務 | 55条の7第2項・第3項を準用し委託可、委託先に守秘義務 | 委託の規定なし(実施機関自らの権限) 該当なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では低収入戸も全民健康保険に加入し保険料が公費で負担されるため、日本のように健診の網から外れる構造にはなりにくい
韓国は受給者の医療を健康保険とは別の医療給付制度で扱う点で日本の医療扶助に近い
ドイツの社会扶助は予防的健康扶助(Vorbeugende Gesundheitshilfe)を給付の一類型として明文化している
米国では低所得者の医療を Medicaid が担い、予防サービスの範囲は州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 区から届いた健診の案内を放っておいたら、保護を打ち切られるのか? 本条にもとづく受診の勧奨は支援事業であり、それだけで保護を停止する規定はない。ただ、健康状態は就労指導の強さや医療扶助の判断にも関わる。受けておいた方が、あとの話し合いで使える材料が増える
- 市の福祉事務所で健康管理支援事業を担当する保健師として、医療扶助のレセプト(診療報酬明細書)から糖尿病の治療をやめてしまった受給者を洗い出し、訪問することになった。訪問を外部に委託するなら、委託先にも守秘義務がかかる(本条3項が準用する55条の7第3項)。委託契約に秘密保持や再委託の制限を書いておかないと、情報が漏れたときに自治体が矢面に立つことになる
- 一人暮らしで生活保護を受けている父の健診結果が、区から福祉事務所に回っていると知って驚いた。根拠は本条2項である
- 健診で血糖値が高いと出て、保健師から「2週間以内に受診を」と言われた。医療扶助で受診するには、原則として福祉事務所の医療券などの手続が要る。手続を後回しにすれば、その分だけ受診日が遅れる。今日のうちに福祉事務所へ電話して、受診したいと伝えるところから始まる
- 「受給者の健康情報を勝手に共有するのは違法だ」と友人が怒っている。本条2項による情報のやり取りは法令に基づくもので、個人情報の保護に関する法律の「法令に基づく場合」に当たる。問うべきは共有そのものが違法かどうかではなく、健康管理の目的の外で使われていないかである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた文書が本条の支援事業の案内なのか、27条にもとづく書面の指導又は指示なのかを確かめる。後者に従わないと、保護の変更や停止につながりうる2. 健診は受け、結果の写しをもらっておく3. 保健指導の場で、通院できない事情(交通、介護、心の負担)を具体的に伝え、記録に残してもらう4. 自分の健康情報がどこまで共有されたか不安なら、個人情報の保護に関する法律76条にもとづく開示請求で確かめられる
訴えられた側:(事業を担う自治体職員・委託先向け)1. 支援事業としての助言と27条の指示を、文書の上でもはっきり分ける。混ぜてしまうと、後で処分を出したときに手続の違法を問われる2. 委託するときは、秘密保持・再委託の制限・データの廃棄を契約に明記する(本条3項、55条の7第3項) 3. 2項による情報の請求は必要な範囲にとどめ、目的の外では使わない4. 本人が拒んだことを、記録の上で「指導違反」として扱わない
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。ただし健康状態を理由に保護の変更や停止などの処分を受けた場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求できる(行政不服審査法18条、生活保護法64条)。取消訴訟は、原則として審査請求の裁決を経てからでなければ起こせない(生活保護法69条)
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)改正 生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律により被保護者健康管理支援事業が新設され、令和3年(2021年)1月1日に施行されたと理解される。その後の改正による条番号の移動の有無を含め、人的な検証が必要
改正の年表
- 1.平成30年(2018年) 新設:生活困窮者等の自立を促進するための生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律(平成30年法律第44号)により被保護者健康管理支援事業を新設。令和3年(2021年)1月1日施行。その後の条番号移動の有無は要確認
- 生活保護法 第55条の7委託と守秘義務の準用元(前条)
- 生活保護法 第60条受給者の健康保持増進の努力義務
- 生活保護法 第27条処分につながる指導指示との区別
- 生活保護法 第62条指示違反時の変更停止廃止と弁明機会
- 生活保護法 第15条医療扶助の範囲
- 健康増進法 第19条の2市町村の健康増進事業、健診情報の源
- 国民健康保険法 第6条被保護世帯の国保適用除外
- 個人情報の保護に関する法律 第69条法令に基づく提供の利用提供制限例外
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