生活保護法 第15条(医療扶助)
クイックジャンプ
- 医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。
- 一診察
- 二薬剤又は治療材料
- 三医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
- 四居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
- 五病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
- 六移送
この条文の基本情報
医療扶助とは何ですか?
定義医療扶助とは、生活保護法第15条に定められた規定で、「医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第15条(医療扶助)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第15条の条文原文は「医療扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。」で始まります。
- 生活保護法第15条は第三章 保護の種類及び範囲に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第15条の前の条は生活保護法第14条です。
- 生活保護法第15条の次の条は生活保護法第15条の2です。
- 生活保護法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法15条は、医療扶助の範囲を診察、薬剤、手術・施術、在宅療養の看護、入院、移送の六項目と定める。医療扶助だけを単独で受けることもできる。
Q · 生活保護の医療扶助って、どこまでお金を出してもらえるの?
診察・薬・手術・在宅看護・入院・移送の六項目が対象
生活保護法15条は、医療扶助の範囲を、診察、薬剤または治療材料、医学的処置・手術・施術、居宅での療養上の管理と看護、入院と看護、移送の六項目と定めています。原則として指定医療機関での現物給付で行われ(同法34条)、診療内容は国民健康保険の例によります(同法52条)。差額ベッド代のような保険診療の枠外の費用は対象外です。生活費を自力でまかなえても、医療費を加えると最低生活費に届かない人は、医療扶助だけを受けられる場合があります。
解説
医療扶助は、日本の生活保護費のおよそ半分を占める。生活費よりも医療費のほうに多くのお金が使われているのである。条文は、困窮のために最低限度の生活を維持できない人に、診察、薬、手術や施術、在宅での療養と看護、入院、移送まで、医療の入口から出口までを保障すると定めている。見落とされやすい点が二つある。一つ目は、生活費をまかなえる収入があっても、医療費を払うと最低生活費を下回る人には、医療扶助だけを受ける道があることだ(いわゆる医療扶助単給)。二つ目は、条文の最後にある「移送」である。通院や転院のための交通費も、原則として事前に申請すれば対象になりうる。「生活保護は丸ごと受けるか、まったく受けないかの二択」と思い込んでいる人は、支払いの見通しが立たない入院費を前にして、最初から選択肢を一つ捨ててしまっている。
法的な位置づけ
医療扶助とは、生活保護法第11条が定める八種類の扶助の一つであり、困窮のため最低限度の生活を維持できない者に対し、同法第15条が列挙する診察、薬剤・治療材料、医学的処置・手術・施術、居宅療養の管理と看護、入院と看護、移送の範囲内で行われる給付をいう。原則として指定医療機関による現物給付の方法で行われる。
手順
- 1.福祉事務所に保護の申請書を提出する 医療費を払えない見通しが立った時点で、住所地の福祉事務所に保護の申請書を出し、控えを受け取る。入院中なら病院の医療ソーシャルワーカーに同行や代行を頼む。医療扶助は原則として申請日から効力が及ぶ
- 2.収入と医療費の資料をそろえて要否判定を受ける 診断書、医療費の見積もり、給与明細、通帳の写しを用意し、最低生活費と医療費の合計が収入を上回るかの判定を受ける。医療扶助だけを受ける可能性も含めて判断を求める
- 3.医療券または資格確認で指定医療機関を受診する 保護が決定したら、福祉事務所が発行する医療券、またはマイナンバーカードによる資格確認で、生活保護法の指定を受けた医療機関を受診する。受診前に指定の有無を受付で確認する
- 4.通院の交通費は移送費として事前に申請する 定期的な通院や転院で交通費がかかる場合、条文の「移送」として事前に福祉事務所へ申請し、経路と必要性の確認を受ける。領収書や経路のメモを保管しておく
よくある質問 AI による整理
Q1医療扶助とは何ですか?
生活保護の八種類の扶助の一つで、診察から入院、移送までの医療を保障する給付です。生活保護法15条が範囲を定め、原則として指定医療機関で現物給付されます。
Q2医療扶助で歯科治療は受けられる?
受けられます。歯科の診察や処置も医療扶助の対象です。ただし保険診療の範囲に限られ、インプラントなどの自費診療は原則として対象外です。
Q3医療扶助で眼鏡やコルセットは出る?
条文の「治療材料」として給付される場合があります。医師の意見書などで治療上の必要性を示し、購入前に福祉事務所へ申請するのが原則です。
Q4医療扶助で整骨院や鍼灸は使える?
条文の「施術」に含まれ、柔道整復やあん摩マッサージ、はり・きゅうが対象になりえます。指定を受けた施術者であること、医師の同意が必要な施術があることに注意が必要です。
Q5医療扶助で訪問看護は受けられる?
条文の「居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護」に当たり、対象になりえます。指定を受けた訪問看護事業者から提供を受けます。
Q6申請前にかかった医療費も医療扶助で払ってもらえる?
原則として申請日より前の医療費は対象になりません。急病など急迫した事情がある場合は例外的な扱いがありうるため、まず福祉事務所に事情を伝えることが重要です。
Q7医療扶助に自己負担はある?
原則として窓口負担はありません。ただし一定の収入がある場合は、医療費の一部を本人支払額として負担するよう決定されることがあります。
Q8医療扶助の決定に納得できないときは?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に、都道府県知事へ審査請求ができます。却下理由を書面で確認し、主治医の意見書などを添えて争います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生活保護までは受けたくないんですけど、入院費だけ助けてもらうことってできますか?
できる可能性がある。医療扶助は生活保護法11条が定める扶助の一種類で、単独でも受けられる。収入が最低生活費と医療費の合計に届かなければ対象になりうる。実務のポイント:窓口で「医療扶助の単給の要否判定をしてほしい」と具体的に言えるかどうかで、相談が生活保護全体を受けるかどうかの話に終わらず、医療費だけを受ける方向で進みやすくなる
Q2病院に通うバス代、けっこう高いんですけど、あれも出るんですか?
生活保護法15条の「移送」に含まれるため、通院移送費として認められる場合がある。原則は事前に福祉事務所へ申請し、経路や必要性の確認を受ける。実務のポイント:移送費は受給者本人から言い出さないと支給されないことが多い。定期的な通院なら、領収書や経路のメモを揃えて早めに相談したほうがいい
Q3生活保護だと、行ける病院が決められちゃうんですか?
医療扶助は原則として、生活保護法49条の指定を受けた医療機関で現物給付される(同法34条)。多くの病院や診療所は指定を受けているが、すべてではない。実務のポイント:受診前に、その医療機関が生活保護の指定を受けているかを病院の受付に一言確認しておけば、会計の段階での混乱を防げる。急病の場合は、事後の手続きで対応できることもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「生活保護を受けていなければ医療扶助は使えない」と思われがちだが、医療扶助は保護の一種類として、単独でも受けられる。判定の基準は「最低生活費+医療費」と収入の比較であり、生活費は自力で足りていても、医療費を加えると不足する人は対象になりうる
- 受給者は窓口負担がないことを多くの人は知っている。だが、その理由までは知られていない。受給者は原則として国民健康保険や後期高齢者医療制度の対象から外れ、医療費の全額を公費が負担している。そのため受診できるのは原則として指定医療機関に限られ、差額ベッド代のような保険診療の枠外の費用は対象にならない
- 「病院にかかるお金がないから我慢する」のは、個人の節約の問題に見える。だが法律から見れば、治療を先延ばしにして重症化すれば、本人の健康も公費の負担もいっそう悪化する。医療扶助は、早めに受診してもらうために用意された仕組みでもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 生活保護法15条:医療扶助で何が受けられるか(範囲の六項目) | 生活保護法34条:医療扶助をどう給付するか(現物給付、後発医薬品) 生活保護法49条:どこで受けられるか(指定医療機関の指定) |
| 具体例 | 診察、薬、手術、柔道整復などの施術、訪問看護、入院、通院移送 | 指定医療機関での受診、医師が認めた場合の後発医薬品の原則使用 病院・診療所・薬局が厚生労働大臣または都道府県知事の指定を受ける |
| 受給者への影響 | 保障される医療の幅が決まる | 受け取り方と薬の種類が決まる 受診できる医療機関が原則として限定される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では低収入戸は全民健康保険に加入したまま保険料を公費が負担し、自己負担分などを社会救助法の医療補助で補う。日本のように医療保険から外れて全額公費になる仕組みとは異なる
韓国は医療扶助を独立の法律(医療給付法)で定め、受給者を1種・2種に区分して自己負担を差別化している
ドイツでは社会扶助受給者の多くが法定医療保険の枠組みで給付を受け、社会扶助側が疾病時扶助を補完する
米国は連邦と州の共同財源による低所得者向け医療保障で、対象範囲や給付内容が州ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- パートの収入でぎりぎり暮らしている50代の単身者が、がんの手術を告げられた。貯金は20万円しかない。生活保護全体を受けなくても、医療費の部分だけを医療扶助で受けられるかどうか、福祉事務所で要否判定を受ける余地がある
- 入院した翌日に病院のソーシャルワーカーから「生活保護の申請を考えませんか」と言われた。医療扶助は原則として申請日以降の医療が対象になるため、迷っているあいだの一週間分の入院費は、あとから遡って扱われない可能性が高い。今日のうちに申請するかどうか、決めるのはあなただ
- 受給中のあなたが、福祉事務所の担当者から「通院の回数が多すぎる」と指導を受けた。医療扶助は必要な医療を保障するものだが、頻回受診は指導の対象になる。主治医の意見書で必要性を説明できるかどうかが分かれ目になる
- 人工透析のために週三回、バスを乗り継いで遠くの病院に通っている受給者の場合、その交通費は自腹になるのか? 条文にある「移送」には通院移送費が含まれうる。ただし原則として事前申請が必要だ
- 薬局で「ジェネリックになります」と言われ、先発品を希望したら断られた。受給者の医薬品は、医師が使用可能と認めた場合、原則として後発医薬品で給付される(生活保護法34条3項)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 医療費を払えない見通しが立った時点で、住所地の福祉事務所に保護の申請書を提出し、控えを受け取る。入院中なら病院の医療ソーシャルワーカーに同行や代行を頼む2. 診断書、見積もり、給与明細、通帳を用意し、医療扶助だけを受ける可能性も含めて要否判定を求める3. 通院の交通費が重い場合は、移送費を事前に申請する4. 却下や一部却下の決定には、都道府県知事への審査請求で争える
訴えられた側:1. 頻回受診や重複処方について指導を受けたら、主治医に受診の必要性を意見書にまとめてもらい、書面で説明する2. 指導や指示に従わなければ、保護の変更・停止・廃止につながる可能性がある(生活保護法27条、62条) 3. 指定医療機関の場合、不正請求を疑われれば指定取消の対象になるため、診療録と請求の整合を直ちに点検する4. 不正受給と判断されれば費用徴収の対象になる(同法78条)
時効(請求できる期限):申請に対する決定は原則として申請日から14日以内、特別な理由があっても30日以内に通知される(生活保護法24条5項)。30日以内に通知がなければ、却下されたものとみなせる(同条7項)。不服は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う(行政不服審査法18条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:医療扶助の診療方針と診療報酬は国民健康保険の例によるとされる(生活保護法52条)ため、保障される医療の水準は保険診療の範囲に準じると理解されている。差額ベッド代や自費診療は原則として範囲外となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により、医療扶助の範囲を定める規定として設けられた。
- 生活保護法 第11条医療扶助を含む八種類の扶助
- 生活保護法 第34条医療扶助の方法、現物給付と後発医薬品
- 生活保護法 第49条医療扶助を担う指定医療機関の指定
- 生活保護法 第52条診療方針と診療報酬の基準
- 生活保護法 第4条補足性の原則、他法他施策の優先
- 国民健康保険法 第6条被保護世帯を国保の適用から除外
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 第58条自立支援医療費の支給、医療扶助に優先
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める