生活保護法 第27条(指導及び指示)
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- 保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。
- 2.前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。
- 3.第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
指導及び指示とは何ですか?
定義指導及び指示とは、生活保護法第27条に定められた規定で、「保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第27条(指導及び指示)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第27条の条文原文は「保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。」で始まります。
- 生活保護法第27条は第四章 保護の機関及び実施に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第27条の前の条は生活保護法第26条です。
- 生活保護法第27条の次の条は生活保護法第27条の2です。
- 生活保護法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法27条は、保護の実施機関が被保護者に指導・指示できると定める一方、自由の尊重と必要最少限度を義務づけ、意に反する強制を禁じている。
Q · ケースワーカーの指導を断ったら、生活保護はすぐ打ち切られるの?
口頭指導だけでは打ち切れず、書面指示と弁明の機会が必要
生活保護法27条は、福祉事務所に指導・指示の権限を与える一方、2項で自由の尊重と必要最少限度を、3項で意に反する強制の禁止を定めています。保護の変更・停止・廃止を行うには、62条3項と施行規則19条により書面による指示とそれへの不服従が前提となり、処分前には62条4項の弁明の機会を与える必要があります。口頭で指導された段階では、直ちに打ち切りの要件はそろいません。
解説
ケースワーカーの「指導」は命令ではない。生活保護法27条は、この一点を三つの項で念押ししている。1項は福祉事務所(保護の実施機関)に指導・指示の権限を与える。2項は「被保護者の自由の尊重」と「必要の最少限度」を義務づける。3項は「意に反して強制できると解釈してはならない」と明記する。法律が行政の権限に、ここまで自分で手枷をはめる例は珍しい。ただし安心しきるのは早い。62条は指導・指示に従う義務を定めており、従わなければ保護の変更・停止・廃止(役所が保護費を減らしたり打ち切ったりする決定)がありうる。その切り札を使うには、施行規則19条により「書面による」指示が前提になる。さらに処分の前には弁明の機会(あなたが言い分を述べる場)を与えなければならない(62条4項)。口頭で「車を手放して」「今月中に仕事を探して」と言われた段階と、指示書が届いた段階では、取るべき行動がまったく違う。この段差を知っているかどうかで、同じ面談の結果が変わる。
法的な位置づけ
生活保護法27条は、保護の実施機関が被保護者に対して行う指導及び指示の根拠規定である。1項で生活の維持・向上その他保護の目的達成に必要な指導・指示の権限を認め、2項で被保護者の自由の尊重と必要最少限度の原則を課し、3項で指導・指示を被保護者の意に反して強制し得るものと解釈することを禁じている。
手順
- 1.口頭指導の内容を記録する 面談で指導を受けたら、その日のうちに日時・担当者名・指導内容・言われた期限をメモする。可能であれば、指導の理由と内容を書面で示してほしいと依頼する
- 2.医学的・生活上の事情を資料化する 就労や通院、自動車保有に関わる指導であれば、主治医の意見書、通院記録、公共交通機関での所要時間などを一枚にまとめ、必要最少限度(27条2項)の観点から事情を示す
- 3.書面の指示書の内容を精査する 指示書が届いたら、何をいつまでに求められているかが書面だけで客観的に読み取れるか確認する。履行が困難なら、その理由を文書で福祉事務所に伝え、写しを保管する
- 4.弁明の機会に出席し資料を提出する 62条4項の弁明の機会の通知が届いたら必ず出席し、意見書や求職記録など事情を示す資料を提出して、言い分を記録に残す
- 5.処分が出たら審査請求を検討する 停止・廃止の決定が出た場合、知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求を行う。法テラスや生活保護に詳しい弁護士・支援団体に早めに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護の指導指示とは何ですか?
福祉事務所(保護の実施機関)が被保護者に対し、生活の維持・向上や自立のために行う助言や具体的な求めです。根拠は生活保護法27条です。
Q2生活保護 指示書 無視したらどうなる?
書面による指示に従わない場合、62条3項により保護の変更・停止・廃止の対象となりえます。ただし処分前に弁明の機会が与えられます。
Q3ケースワーカーの指導は拒否できる?
27条3項により、指導・指示を意に反して強制することはできません。ただし書面指示への不服従は62条の処分につながるため、理由を文書で伝えるのが安全です。
Q4生活保護 就労指導 病気でも従う必要がある?
27条2項は必要最少限度を求めており、病状を無視した一律の就労指導は問題になりえます。主治医の意見書で就労制限を示すことが有効です。
Q5生活保護 弁明の機会 欠席するとどうなる?
言い分や資料が記録に残らないまま処分が決まるおそれがあります。後の審査請求や訴訟で主張できる材料が失われるため、出席が強く推奨されます。
Q6生活保護 廃止 審査請求 いつまで?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求します(行政不服審査法18条)。最新の改正状況もご確認ください。
Q7生活保護 指導指示 違法になるのはどんな場合?
必要最少限度を超える指示、自由を不当に制約する指示、書面の記載から内容を客観的に理解できない指示などが、違法と判断される可能性があります。
Q8生活保護 引っ越し 指導 断ったら?
口頭指導の段階で直ちに打ち切りはできません。まず転居が必要な理由を書面で説明するよう求め、事情があれば資料を添えて伝えましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ケースワーカーに「来月から働いて」って言われたけど、断ったらすぐ打ち切りですか?
すぐには打ち切れない。27条3項は強制を禁じており、停止・廃止には書面による指示、それへの不服従、弁明の機会という手順が必要である(62条3項・4項、施行規則19条)。実務のポイント:現場では、口頭指導の段階で「このままだと廃止になりますよ」と言われることがある。その時点では、まだ処分の要件がそろっていないことが多い。焦って同意書にサインする前に、手順のどこにいるかを確かめる
Q2指示書が来ました。もう従うしかないんですか?
内容が不合理なら争う余地はある。2項は必要最少限度を求めており、病状や家庭事情に照らして過大な指示は違法となりうる。指示書自体を審査請求の対象にできるかは、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:最判平成26.10.23は、書面に書かれていない事項を理由とする廃止を違法とした。指示書は捨てずに保管し、「何をいつまでに」が本当に書かれているかを読み込むことが、後の反論の土台になる
Q3車を手放せと言われたけど、通院に必要なんです。
生活保護では自動車の保有が原則として制限されるが、障害者の通院など、厚生労働省の通知で例外が認められる場合がある。27条2項の最少限度原則からも、必要性の検討なしに一律に処分させる指導は問題になりうる。実務のポイント:通院頻度、公共交通機関での所要時間、医師の意見を一枚にまとめて出すと、担当者は上司に例外を相談しやすくなる。担当者を説得するより、担当者が稟議を通しやすい材料を渡す方が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「ケースワーカーの言うことに逆らったら、その場で保護を切られる」と恐れる人は多い。実際には、3項が強制を明文で否定しており、停止・廃止には書面による指示とそれへの不服従、さらに弁明の機会が必要である(62条3項・4項、施行規則19条)。口頭指導への反論それ自体は、制裁の直接の根拠にならない
- 3項を読んで「従わなくても何も起きない」と受け取るのは、深刻度の読み違いである。27条は強制を禁じているが、62条は従う義務と制裁を用意している。つまり法律は、無理やりやらせることは禁じつつ、従わない場合に保護の条件を見直す道は残している。書面の指示を放置すれば、この道が現実の打ち切りにつながる
- 「指導が正しいか間違っているか」で揉める人が多いが、実務で結果を分けるのは中身よりも形式であることが多い。書面の有無、指示内容の具体性、弁明の機会が実際に与えられたか。最高裁(最判平成26.10.23)は、書面による指示の内容は書面自体の記載から客観的に理解できるものでなければならないとし、書面に書かれていない事項を理由とする廃止を違法と判断した
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 27条:実施機関の指導・指示の権限と、その限界(自由尊重・最少限度・強制禁止) | 27条の2:要保護者への相談・助言(支援的関与) 62条:指導・指示に従う義務と、不服従時の保護の変更・停止・廃止 |
| 対象者 | 被保護者(保護を受けている人) | 要保護者(保護を必要とする状態の人) 被保護者 |
| 不利益処分との関係 | それ自体は強制力なし(3項) | 不利益処分に直結しない 書面指示への不服従を前提に処分可能、弁明の機会が必要(4項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は有工作能力の低所得者に就業服務・職業訓練を提供し自立を促す構造で、就労支援と給付を結びつける点で日本の就労指導と同種の機能を持つ
韓国は勤労能力のある受給者に自活事業への参加を条件として給付する条件付受給制度を採り、日本より条件付けが制度上明示的である
ドイツは義務違反に対する給付減額を法定する。連邦憲法裁判所は2019年に、制裁の程度に比例性の限界があると判断した
米国の TANF は就労要件を中核とし、不遵守には給付削減の制裁を課す。受給者の自由尊重を明文で定める日本法とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 持病の腰痛で通院しているのに、ケースワーカーから毎月「ハローワークに週3回行って、記録を出して」と言われている。主治医は軽作業も難しいと言っている。医学的な就労制限を無視した一律の就労指導は、2項の「必要の最少限度」との関係で争う余地がある。まず主治医の意見書をもらい、面談の場に持っていく
- もし、自宅に「指示書」と書かれた封書が届き、「○月○日までに自動車を処分すること」と書かれていたらどうなる? ここからは口頭指導とは次元が違う。従わなければ62条3項による停止・廃止の土台になる書面だからだ
- 弁明の機会の通知が届いた。期日まであと5日。欠席すれば、あなたの言い分が記録に残らないまま停止・廃止が決まりかねない。通院記録、求職活動の記録、車が必要な理由を示す資料を、今夜のうちに揃える
- 福祉事務所に配属されて2年目、あなたは担当世帯の就労指導が進まず、上司から「指示書を出せ」と言われた。だが指示の内容が曖昧なまま廃止に進めば、裁判で処分が取り消されるのは役所の側だ。書面に何を書くかが、あなたの仕事の出来を決める
- 友人から「ケースワーカーに引っ越せと言われた、断ったら保護が切られるの?」とLINEが来た。口頭の段階で即打ち切りはできない。まず、その指導がなぜ必要なのか、理由を書面で出してほしいと頼むよう伝える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 口頭指導は日時・担当者・内容をその日のうちにメモし、可能なら書面での説明を求める2. 就労や通院に関わる指導なら、主治医の意見書で医学的な制限を示す3. 指示書が届いたら、指示内容が具体的か、期限は現実的かを確認し、困難なら理由を文書で伝える4. 弁明の機会には必ず出席し、資料を提出する5. 停止・廃止の決定が出たら、都道府県知事への審査請求を検討し、法テラスや生活保護に詳しい支援団体・弁護士に早めに相談する
訴えられた側:福祉事務所の職員として指導する側の場合:1. 指導の目的と必要性を記録に残し、本人の病状・家族状況を踏まえて最少限度にとどめる2. 制裁を視野に入れるなら、必ず書面で、書面だけを読めば何をすべきか分かる具体的な内容と期限を示す3. 62条4項の弁明の機会を形式ではなく実質的に設け、提出された資料を検討した記録を残す4. 口頭指導の段階で不利益処分を示唆する言動は避ける
時効(請求できる期限):指導・指示そのものに特定の期限はない。停止・廃止などの処分への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は審査請求を経る必要があり(生活保護法69条)、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:27条の指導・指示は3項により法的強制力を持たず、その実効性は62条の処分規定と手続(書面指示・弁明の機会)を通じてのみ担保される。指導・指示は必要最少限度原則による比例的な統制に服する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により、実施機関の指導・指示権限と、自由尊重・最少限度・強制禁止の三層構造を規定
- 生活保護法 第62条指導指示への服従義務と不服従時の処分
- 生活保護法 第27条の2要保護者への相談・助言、指導と異なる支援
- 生活保護法 第60条生活上の義務、指導の実質的な背景
- 生活保護法 第4条保護の補足性、就労指導の論拠
- 生活保護法 第69条審査請求前置、処分を争う順序
- 行政手続法 第32条行政指導の任意性原則(27条への適用関係は要確認)
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間3か月の一般則
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