毒物及び劇物取締法 第11条(毒物又は劇物の取扱)
クイックジャンプ
- 毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失することを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。
- 2.毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物若しくは劇物又は毒物若しくは劇物を含有する物であつて政令で定めるものがその製造所、営業所若しくは店舗又は研究所の外に飛散し、漏れ、流れ出、若しくはしみ出、又はこれらの施設の地下にしみ込むことを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。
- 3.毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、その製造所、営業所若しくは店舗又は研究所の外において毒物若しくは劇物又は前項の政令で定める物を運搬する場合には、これらの物が飛散し、漏れ、流れ出、又はしみ出ることを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。
- 4.毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物又は厚生労働省令で定める劇物については、その容器として、飲食物の容器として通常使用される物を使用してはならない。
この条文の基本情報
毒物又は劇物の取扱とは何ですか?
定義毒物又は劇物の取扱とは、毒物及び劇物取締法第11条に定められた規定で、「毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失することを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 毒物及び劇物取締法第11条(毒物又は劇物の取扱)は、日本の毒物及び劇物取締法に含まれる条文です。
- 毒物及び劇物取締法第11条の条文原文は「毒物劇物営業者及び特定毒物研究者は、毒物又は劇物が盗難にあい、又は紛失することを防ぐのに必要な措置を講じなければならない。」で始まります。
- 毒物及び劇物取締法の公布日は昭和25年12月28日です。
- 毒物及び劇物取締法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 毒物及び劇物取締法第11条の前の条は毒物及び劇物取締法第10条です。
- 毒物及び劇物取締法第11条の次の条は毒物及び劇物取締法第12条です。
- 毒物及び劇物取締法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000303 - 本サイト収録
毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000303/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点毒物及び劇物取締法11条は、毒物劇物営業者等に毒劇物の盗難・紛失防止、施設外への流出防止、運搬時の漏えい防止の措置を義務づけ、飲食物用容器の使用を禁じる。
Q · 劇物をペットボトルに小分けして使うのは違法ですか?
違法。すべての劇物で飲料用容器の使用が禁止されている
毒物及び劇物取締法11条4項は、毒物と厚生労働省令で定める劇物について、飲食物の容器として通常使用される物を容器に使うことを禁止しています。施行規則は対象を「すべての劇物」と定めているため、ペットボトルへの小分けはラベルを貼っていても、誰も誤飲していなくても違反です。登録のない業務上取扱者にも、法22条を通じて同じ義務が及びます。
解説
薬局の棚、町工場のメッキ槽、農家の倉庫。そこにある毒物や劇物には、盗まれないようにする義務、外に漏らさないようにする義務、運ぶときにこぼさないようにする義務、飲み物の容器に入れない義務の四つが課されている。毒物及び劇物取締法11条は、この四つの義務を毒物劇物営業者と特定毒物研究者に負わせる条文だ。ただし対象はこの二者にとどまらない。同法22条を通じて、めっき業者、シロアリ駆除業者、毒物を扱う運送業者など「業務上取扱者」(登録はないが仕事で毒劇物を使う人)にも同じ義務が及ぶ。見落とされやすいのは第4項だ。施行規則は対象となる劇物を「すべての劇物」と定めている。だから、作業しやすいように劇物をペットボトルへ小分けした時点で、それだけで違反になる。誤って飲む事故が起きていなくても違反は成立する。条文が求めているのは「事故を起こさないこと」ではなく、「事故を防ぐ措置を講じたこと」を示せる状態だ。鍵、在庫台帳、防液堤(漏れた液を食い止める囲い)。事故の後に問われるのは、こうした仕組みを事前に用意していたかどうかである
法的な位置づけ
毒物及び劇物取締法11条は、毒物劇物営業者および特定毒物研究者が負う取扱上の義務を定める規定である。盗難・紛失の防止、製造所等の外への飛散・漏出・流出・地下浸透の防止、施設外での運搬時の漏えい防止について必要な措置を講じる義務と、飲食物用容器の使用禁止の四つから成り、同法22条により業務上取扱者にも準用される。
手順
- 1.保管庫と鍵の管理体制を整える 毒物・劇物を施錠できる専用の保管庫に収め、鍵の保管者を特定し、鍵を保管庫の近くに放置しない。鍵の持ち出し記録も残す
- 2.受払簿で在庫を定期照合する 入庫・使用・廃棄ごとに受払簿へ記録し、定期的に実在庫と照合する。ずれを見つけたら直ちに警察署へ届け出る
- 3.流出・地下浸透の防止設備を確認する 液体の毒劇物を扱う施設では防液堤や受け皿、床面の不浸透処理を点検し、排水経路から外部へ流れ出ないかを確認する
- 4.小分け容器を総点検する 作業場の小分け容器を確認し、ペットボトルなど飲食物用の容器が使われていれば専用容器へ詰め替え、表示(法12条)も付ける
- 5.運搬時の漏えい防止を徹底する 車両で運搬する際は容器を固定し転倒・破損を防ぐ。施行令の運搬基準を確認し、漏えい時の連絡先と応急措置を携行する
よくある質問 AI による整理
Q1毒劇法11条とは何ですか?
毒物劇物営業者と特定毒物研究者に、盗難防止・流出防止・運搬時の漏えい防止・飲食物容器の使用禁止の四つの義務を課す条文です。
Q2毒物劇物の保管方法の基準は?
条文は「必要な措置」とだけ定め、具体策は実態で判断されます。施錠できる専用保管庫、鍵の管理者の特定、受払簿による在庫照合が実務上の基本です。
Q3劇物 ペットボトル 小分け 違法?
違法です。11条4項と施行規則によりすべての劇物で飲食物用容器の使用が禁止され、ラベルを貼っても誤飲がなくても違反が成立します。
Q4毒物 劇物 盗難 届出先は?
盗難・紛失に気付いたら直ちに警察署へ届け出る義務があります(法17条)。流出時は保健所・警察署・消防機関への届出も必要です。
Q5毒劇物の運搬で必要な措置は?
施設外で運搬する際、飛散・漏れ・流出・しみ出しを防ぐ措置が必要です(11条3項)。容器の固定や転倒防止、施行令の運搬基準の遵守が求められます。
Q6登録なしで劇物を使う業者も毒劇法の対象?
対象になり得ます。法22条により、めっき業・シロアリ防除業・運送業などの業務上取扱者にも11条の義務が準用されます。
Q7毒劇法11条違反の罰則は?
営業者は登録取消や業務停止(法19条)の対象となり得るほか、罰則規定の適用もあり得ます。具体的な罰則は最新条文で確認してください。
Q8農薬の保管にも毒劇法は適用される?
劇物に該当する農薬を業務で使うなら、業務上取扱者として11条の盗難防止・漏えい防止義務が及ぶ可能性があります。農薬取締法とは別規制です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1劇物の希釈液をスプレーボトルや空のペットボトルに分けて使ってるんですけど、ダメですか?
飲料用のペットボトルはアウトだ。11条4項と施行規則により、すべての劇物について飲食物用の容器の使用が禁止されている。スプレーボトルは飲食物用の容器ではないので4項には直接当たらないが、表示義務(法12条)は残る。実務のポイント:立入検査で真っ先に見られるのは保管庫ではなく作業場の小分け容器だ。現場の慣行が一番の違反源になっている
Q2鍵付きの棚に入れてれば、盗難防止の措置としては十分ですよね?
それだけでは足りないと判断されやすい。11条1項は「必要な措置」と書いているだけで、中身は実態で判断される。鍵の保管者が決まっているか、在庫と受払簿が照合されているかも見られる。実務のポイント:鍵が棚のすぐ横にぶら下がっている現場はとても多く、行政の指導でも定番の指摘事項になっている。鍵の置き場所が、措置の実効性を決める
Q3うちは農家で農薬を使うだけです。毒劇法の義務ってあるんですか?
劇物に当たる農薬を業務で使うなら、法22条の業務上取扱者として11条の盗難防止義務や漏えい防止義務が準用される可能性が高い(準用範囲は要確認)。農薬取締法とは別の規制である。実務のポイント:農薬の盗難は毎年のように起きていて、盗まれた側の倉庫管理が後から問題にされる。倉庫に鍵をかけ、使った量を記録しておくだけで、身を守る力が大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「登録していないから毒劇法は関係ない」と考える事業者は多い。しかし法22条が、めっき、金属熱処理、運送、シロアリ防除などの業務上取扱者や、届出の要らない業務上取扱者にまで11条を準用している。登録がなくても義務は外れない(準用の範囲は最新の条文で要確認)
- ペットボトルへの小分けは「ラベルを貼れば大丈夫」と思われがちだが、問われ方がずれている。11条4項は、飲食物の容器として通常使われる物そのものの使用を禁止している。施行規則で対象の劇物は「すべての劇物」とされているので、ラベルの有無は関係がない。容器の種類だけで違反が成立する
- 現場の担当者は「盗まれたのは自分たちが被害者だからだ」と感じる。だが法律の目線は違う。毒劇物を管理する者は、盗まれないよう措置を講じる義務を負っている。施錠、鍵の管理、在庫照合を欠いていれば、盗難の被害者であると同時に義務違反者として扱われる。この落差が、立入検査や登録の更新で効いてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 11条:盗難・流出・運搬・誤飲を防ぐ取扱上の措置 | 12条:容器・被包への「医薬用外」等の表示 17条:事故発生時の届出・応急措置 |
| 作用する時点 | 事故前の予防 | 容器・販売時の識別 盗難・流出の発生後 |
| 義務の性質 | 「必要な措置」という目標規定+飲食物容器の一律禁止 | 表示内容が具体的に定められた形式的義務 直ちに届け出る即時義務 |
| 業務上取扱者への適用 | 22条により準用 | 22条により一部準用 22条により準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は環境行政の枠組みで毒性化学物質の貯蔵・運送・事故防止を規律する。日本の毒劇法が保健衛生(厚生労働省)主導である点と所管の発想が異なる
韓国は2012年の亀尾フッ化水素漏出事故を契機に有害化学物質の取扱基準を強化した経緯がある
中国は危険化学品の貯蔵・運搬・使用を国務院の行政法規で包括的に規律する
ドイツは労働安全の観点から危険物質の保管・表示・取扱を規律し、EU の CLP 規則とも連動する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工場の夜勤明けに在庫を数えたら、シアン化ナトリウムの瓶が一本足りない。帳簿のミスだと思って翌週まで放置した。その一週間のあいだに、盗まれた毒物が使われていたら会社はどうなる? 盗難や紛失に気付いたら、直ちに警察署へ届け出る義務がある(法17条、現行条番号は要確認)。11条1項の予防措置が不十分だったことも同時に問われる
- ドラッグストアのバックヤードで、新人が業務用の劇物をジュースの空きペットボトルに移して棚に置いていた。それを見たあなたは店長代理だ
- あなたの家の隣はめっき工場だ。雨の翌朝、側溝の水が妙な色をしている。工場の地下に劇物がしみ込んでいるかもしれないとしたら、11条2項の「地下へのしみ込み防止」義務を果たしていたかが、行政指導、損害賠償、刑事責任すべての出発点になる
- シロアリ駆除の個人事業主として、薬剤をハイエースの荷台に積んで現場を回っている。毒劇物取扱業の登録は持っていないので、毒劇法は自分には関係ないと思っていた。ところが22条により、業務上取扱者にも11条の運搬時の飛散・漏えい防止義務が及ぶ。急ブレーキで容器が倒れて薬剤が漏れれば、責任を問われるのはあなただ
- 保健所の立入検査まであと3日。保管庫に鍵はかかるが、鍵は事務所の壁のフックにぶら下がったままで、誰でも持ち出せる。在庫の受払簿も半年分つけていない。いま何から手を付けるかで、指摘事項が一件で済むか五件になるかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近くの工場や事業所から異臭、変色した水、液体の漏れを見つけたら、写真、動画、日時、場所を記録する2. 保健所、消防、警察のいずれかに直ちに通報する。流出時には事業者側にも届出義務がある(法17条、現行条番号は要確認) 3. 健康被害が出たら受診し、診断書を取る4. 損害賠償は民法709条で請求できる。事業者が11条の措置を講じていなかったことは、過失を立証するうえで強い材料になる
訴えられた側:1. 盗難、紛失、流出に気付いたら、隠さずに直ちに警察署や保健所へ届け出る。遅れれば遅れるほど不利になる2. 施錠記録、受払簿、点検記録、防液堤の設置状況など、措置を講じていた証拠を保全する3. 再発防止策を書面にして行政へ提出する4. 登録取消や業務停止(法19条)の可能性があるため、早い段階で毒劇法に詳しい弁護士や行政書士に相談する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。不法行為による損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)。盗難・紛失・流出の届出は「直ちに」行う義務がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:毒物及び劇物取締法の制定。本条の現行文言に至る改正経緯は最新の官報・e-Gov で要確認
- 毒物及び劇物取締法 第12条容器・被包の表示義務
- 毒物及び劇物取締法 第17条盗難・流出時の届出義務(現行効力を要確認)
- 毒物及び劇物取締法 第19条違反時の登録取消・業務停止
- 毒物及び劇物取締法 第22条業務上取扱者への本条準用
- 毒物及び劇物取締法 第15条交付制限による流出経路の遮断
- 民法 第709条漏えい被害の損害賠償の根拠
- 刑法 第211条管理懈怠による業務上過失致死傷
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。