毒物及び劇物取締法 第18条(立入検査等)
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- 都道府県知事は、保健衛生上必要があると認めるときは、毒物劇物営業者若しくは特定毒物研究者から必要な報告を徴し、又は薬事監視員のうちからあらかじめ指定する者に、これらの者の製造所、営業所、店舗、研究所その他業務上毒物若しくは劇物を取り扱う場所に立ち入り、帳簿その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、若しくは試験のため必要な最小限度の分量に限り、毒物、劇物、第十一条第二項の政令で定める物若しくはその疑いのある物を収去させることができる。
- 2.前項の規定により指定された者は、毒物劇物監視員と称する。
- 3.毒物劇物監視員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
- 4.第一項の規定は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
この条文の基本情報
立入検査等とは何ですか?
定義立入検査等とは、毒物及び劇物取締法第18条に定められた規定で、「都道府県知事は、保健衛生上必要があると認めるときは、毒物劇物営業者若しくは特定毒物研究者から必要な報告を徴し、又は薬事監視員のうちからあらかじめ指定する者に、こ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 毒物及び劇物取締法第18条(立入検査等)は、日本の毒物及び劇物取締法に含まれる条文です。
- 毒物及び劇物取締法第18条の条文原文は「都道府県知事は、保健衛生上必要があると認めるときは、毒物劇物営業者若しくは特定毒物研究者から必要な報告を徴し、又は薬事監視員のうちからあらかじめ指定する者に、こ…」で始まります。
- 毒物及び劇物取締法の公布日は昭和25年12月28日です。
- 毒物及び劇物取締法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 毒物及び劇物取締法第18条の前の条は毒物及び劇物取締法第17条です。
- 毒物及び劇物取締法第18条の次の条は毒物及び劇物取締法第19条です。
- 毒物及び劇物取締法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000303 - 本サイト収録
毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000303/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点毒物及び劇物取締法18条は、都道府県知事が毒物劇物営業者等への報告徴収と、監視員による立入検査・質問・収去を行えると定める。権限は犯罪捜査目的では使えない。
Q · 毒物劇物監視員は、令状なしで店や倉庫に立ち入れるの?
立ち入れる。拒否・妨害は罰金の対象になる
毒物及び劇物取締法18条1項により、都道府県知事は保健衛生上必要と認めるとき、指定した薬事監視員(毒物劇物監視員)を製造所・営業所・店舗・研究所などに立ち入らせ、帳簿の検査、関係者への質問、試験に必要な最小限度の収去をさせることができます。令状は不要ですが、監視員は証票を携帯し、求められれば提示しなければなりません(同条3項)。また、この権限は犯罪捜査のためのものと解してはならないとされています(同条4項)。
解説
毒物劇物監視員は警察官ではない。それでも予告なしに倉庫へ入り、帳簿をめくり、棚の薬品を試験用に持ち帰ることができる。その根拠が本条である。都道府県知事は保健衛生上必要があると認めれば、毒物劇物営業者(製造業・輸入業・販売業の登録を受けた者)や特定毒物研究者に報告を求めることができる。さらに監視員を立ち入らせ、帳簿その他の物件の検査、関係者への質問、収去(試験に必要な最小限の現物を持ち帰ること)をさせることもできる。拒めば罰金の対象になる。一方で、本条には営業者を守る仕組みも組み込まれている。監視員は身分を示す証票を携帯し、求められれば提示しなければならない。第4項は、この権限を犯罪捜査のためのものと解してはならないと明記している。監視員への協力と刑事事件の取調べは、法律上は別物である。この境界線を知っている事業者は、検査当日に慌てず、拒みもせず、余計なことを話しすぎることもない。
法的な位置づけ
毒物及び劇物取締法18条は、都道府県知事による報告徴収および立入検査の権限を定める規定である。保健衛生上必要があるとき、毒物劇物営業者や特定毒物研究者から報告を徴し、指定された薬事監視員に立入検査、質問、試験に必要な最小限度の収去を行わせることができる。同条4項により、この権限は犯罪捜査のためのものと解されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証票の提示を求め、来訪を記録する 監視員が来訪したら、まず18条3項に基づいて証票の提示を求める。氏名、所属、来訪時刻を書き留め、検査を記録に残る公務として位置づける
- 2.毒物劇物取扱責任者を立ち会わせる 取扱責任者を呼び、検査に同席させる。質問には事実だけを答え、推測や憶測で答えない。分からない点は後日確認して回答すると伝える
- 3.帳簿と保管状況を提示する 14条の譲渡記録、在庫台帳、保管設備を提示する。欠落がある場合は書き足さず、欠落一覧と経緯メモを添えて正直に示す
- 4.収去品を確認し、控えを確保する 収去される品名と数量を確認し、同じロットの控えを自社で保管する。試験結果に疑義が生じた場合に検証できるよう備えておく
- 5.指摘事項に期限内で改善報告する 指摘事項を書面で受け取り、期限内に改善報告を提出する。刑事事件化の兆候があれば、その時点で弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1毒物劇物監視員とは何ですか?
都道府県知事が薬事監視員の中からあらかじめ指定した者で、毒劇法18条に基づく立入検査・質問・収去を行います。名称は同条2項で定められています。
Q2毒物劇物の立入検査では何を見られますか?
譲渡記録(14条)などの帳簿、保管設備、表示、在庫の状況などです。関係者への質問や、試験に必要な最小限度の現物の収去も行われます。
Q3立入検査に事前の予告はありますか?
毒劇法18条は事前予告を要件にしていません。実務では電話で日程を連絡してくる例もありますが、抜き打ちで来ることも法律上は可能です。
Q4収去された薬品の代金はもらえますか?
毒劇法18条は収去品の対価について定めていません。分量は試験に必要な最小限度に限られます。取扱いは自治体の運用によるため、検査時に確認してください。
Q5監視員の証票を見せてもらえないときはどうする?
18条3項は、関係者の請求があれば証票の提示を義務づけています。提示されない場合は所属の保健所に電話して身元を確認し、その経緯を記録しておきます。
Q6自宅で劇物を保管していても立入検査の対象になりますか?
販売業の登録を受けて自宅で在庫を管理していれば、業務上毒物劇物を取り扱う場所として立入りの対象になりえます。私生活の空間との区別を整理しておくことが大切です。
Q7毒劇法の報告徴収で嘘を書いたらどうなりますか?
虚偽報告は25条の罰金の対象であり、法人は両罰規定で処罰されえます。さらに19条の登録取消や業務停止を判断する際にも不利に働きます。
Q8立入検査の後に処分を受けたら争えますか?
登録取消などの処分を受けたときは、審査請求(行政不服審査法)や取消訴訟(行政事件訴訟法)で争えます。期間制限があるため、早めに弁護士へ相談してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保健所の立入検査って、断ったらどうなるんですか?
立入検査の拒否、妨害、忌避は25条により30万円以下の罰金の対象であり、法人であれば26条の両罰規定で会社も処罰されうる(最新の改正状況をご確認ください)。非協力だった事実は、19条の処分を判断する際の心証にも響く。実務のポイント:都合の悪い日時であれば、「拒否」ではなく理由を添えた「日程調整の申し入れ」として伝えるとよい。多くの自治体は応じる。言い方一つで、違反にも協議にもなる
Q2検査で話したことが、そのまま警察に伝わったりしませんか?
18条4項は、この権限を犯罪捜査のためのものと解してはならないと定めている。監視員の質問は行政目的に限られる。ただし、行政調査で得た資料が後に刑事手続で使われうるかについては、最決平成16.1.20が直ちに違法とはしておらず、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:重大な違反に心当たりがあるなら、検査の前に弁護士へ相談しておくと、説明の仕方そのものを整えられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「任意だから断ってもいい」か「強制だから全部言いなりになるしかない」か。この問いの立て方自体がずれている。本条の立入検査は令状のない間接強制(物理的にこじ開けるのではなく、拒めば罰金という形で協力させる仕組み)である。拒否、妨害、忌避は25条で罰金の対象になる。正解は二択の外にある。証票を確認し、検査の範囲を確認し、記録を取りながら協力するという第三の道である
- 収去は「サンプルを少し持っていくだけ」と軽く見られがちである。だが持ち帰られた現物の試験結果は、成分や表示の違反を示す動かぬ証拠になる。分量が必要最小限に限られる点は守られるべきだが、それ以上に重要なのは自衛である。同じロットの控えを自社でも確保しておかなければ、結果に納得できなくても争う材料が手元に残らない
- 事業者から見れば、第4項は「刑事事件にはならない」という安心材料に映る。法律から見れば、禁じているのはこの権限を捜査の手段として使うことにとどまる。検査で発覚した違反が、後に刑事事件として扱われることまでは止めていない。国税の質問検査について最高裁(最決平成16.1.20)は、取得資料が後に刑事手続で用いられうるとしても、直ちに捜査目的の行使にはならないとした。同じ考え方が毒劇法の検査にも及ぶかは、実務上、解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 毒劇法18条:報告徴収・立入検査・収去(調査権限) | 毒劇法19条:登録取消・業務停止等(不利益処分) 毒劇法25条:立入拒否・虚偽報告等への罰則 |
| 発動する主体 | 都道府県知事(毒物劇物監視員が実施) | 登録権者(厚生労働大臣または都道府県知事等) 裁判所(刑事手続) |
| 事業者への影響 | 協力義務(拒否は罰金で間接強制) | 営業そのものの停止・取消 罰金刑(法人は両罰規定) |
| 事業者側の手段 | 証票提示の請求、範囲の確認、記録化 | 弁明・聴聞、審査請求、取消訴訟 刑事弁護 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では環境部が化学物質の管理を所管し、主管機関による查核・検査の規定を置く。日本の毒劇法は厚生労働行政として保健衛生の観点から規律する点で異なる
韓国では、行政機関による報告徴収や出入検査の仕組みを化学物質管理の枠組みの中に置いている
ドイツでは州の監督官庁が化学物質の監督(Überwachung)を担い、立入り・情報提供要求の権限を持つ
米国ではEPAが事業所の検査権限を持ち、書面による通知と身分証の提示を要件とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保健所から「明日の午前10時に立入検査に伺います」と電話が来た。残された時間は18時間しかない。毒物劇物の譲渡記録(14条、5年保存)を見返すと、記載が欠けている書面が三枚ある。今夜やるべきことは書類の書き足しではない。欠落の一覧と経緯メモを作ることである。後から書き足した痕跡は、欠落そのものより重く見られる
- 作業着の二人組が「県の毒物劇物監視員です」と名乗り、店のバックヤードに入ろうとしたら、どうする? 最初の一言は「証票を見せてください」でよい。第3項が保障している正当な要求である
- あなたはホームセンター園芸売場の主任である。劇物に当たる農薬を、身分確認をせずに高校生らしき客へ売ってしまった記憶がある。18歳未満への交付は15条で禁止されている。監視員の質問に曖昧な答えでごまかすか、事実を話して改善策を示すか。この場の答え方が、指導で終わるか登録取消(19条)の検討に進むかを分ける
取るべき行動
被害を受けた側:近所の工場から刺激臭がする、勤務先で劇物がずさんに置かれている。そう感じたら、日時、場所、状況を写真とメモで残し、管轄の保健所の薬務担当に情報提供する。本条の立入検査を発動するのは都道府県知事であり、住民や従業員からの具体的な情報は「保健衛生上必要がある」と判断する材料になる。漏えいや体調不良が起きているときは、まず119番と110番に通報する
訴えられた側:1. 証票の提示を求め、監視員の氏名、所属、来訪時刻を記録する2. 毒物劇物取扱責任者を立ち会わせ、質問には事実だけを答え、推測では答えない3. 収去品は品名と数量を確認し、同じロットの控えを自社に残す4. 指摘事項は書面で受け取り、期限内に改善を報告する5. 刑事事件化の気配があれば、その時点で弁護士に相談する。拒否や妨害は25条の罰金対象なので、物理的に拒むという選択はしない
時効(請求できる期限):立入検査そのものに特定の時効はない。立入検査を拒んだり妨げたりする罪や、虚偽報告の罪(25条、罰金刑)の公訴時効は3年である(刑事訴訟法250条2項)。検査後に登録取消などの処分が出た場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を起こせる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(行政調査論):立入検査は罰則により協力を確保する間接強制調査であり、物理的に実力で強制することはできない。犯罪捜査目的の否定条項は、行政調査が刑事手続を潜脱する手段にならないようにする趣旨と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:毒物及び劇物取締法の制定(昭和25年法律第303号)に伴い、報告徴収・立入検査等の規定が置かれた
- 毒物及び劇物取締法 第11条危害防止措置、収去対象物の根拠
- 毒物及び劇物取締法 第14条譲渡記録の作成と保存、検査の対象
- 毒物及び劇物取締法 第19条検査結果を受けた登録取消等の処分
- 毒物及び劇物取締法 第22条業務上取扱者への準用(現行効力を要確認)
- 毒物及び劇物取締法 第25条立入拒否・虚偽報告への罰則
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第76条の3薬事監視員の設置根拠(通称 薬機法)
- 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 第69条薬機法上の立入検査、並行適用
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