毒物及び劇物取締法 第24条の2
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 一みだりに摂取し、若しくは吸入し、又はこれらの目的で所持することの情を知つて第三条の三に規定する政令で定める物を販売し、又は授与した者
- 二業務その他正当な理由によることなく所持することの情を知つて第三条の四に規定する政令で定める物を販売し、又は授与した者
- 三第二十二条第六項の規定による命令に違反した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 毒物及び劇物取締法第24条の2は、日本の毒物及び劇物取締法に含まれる条文です。
- 毒物及び劇物取締法第24条の2の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 毒物及び劇物取締法の公布日は昭和25年12月28日です。
- 毒物及び劇物取締法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 毒物及び劇物取締法第24条の2の前の条は毒物及び劇物取締法第24条です。
- 毒物及び劇物取締法第24条の2の次の条は毒物及び劇物取締法第24条の3です。
- 毒物及び劇物取締法第24条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第24条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000303 - 本サイト収録
毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第24条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000303/24_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点毒物及び劇物取締法24条の2は、乱用目的と知りながらシンナー等を販売・授与した者などに、2年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又は併科を定める。
Q · シンナーを吸うためだと知りながら売ったら、売った店員も罪になるの?
なる。2年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、併科もある
毒物及び劇物取締法24条の2第1号により、相手が吸入などの乱用目的だと知りながら、施行令32条の2で指定されたトルエン・シンナー・接着剤等を販売・授与すると、2年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に処され、両方を併科されることもあります。吸った本人の刑(24条の3、1年以下の拘禁刑等)より重い設計です。従業員の違反には、26条の両罰規定により会社にも罰金が科されえます。
解説
罰せられるのは「使った人」だけだと思われがちだが、本条が狙うのはその手前、レジの内側にいる人間である。トルエン、シンナー、接着剤など(毒物及び劇物取締法施行令32条の2)を、相手が吸入目的だと知りながら売った場合を考える。この場合、吸った客(24条の3、1年以下の拘禁刑)より重い2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される。両方を同時に科すこともできる。塩素酸塩類やピクリン酸など爆発につながる物(同令32条の3)を、正当な理由のない所持だと知りながら渡した場合も同じ刑である。三つ目の類型は、めっき工場などの業務上取扱者が、都道府県知事等の改善命令を無視したケースである。鍵になるのは「情を知つて」(相手の目的をわかっていたこと)という一語だ。確信までは要らず、「たぶん吸うのだろう」程度の認識でも足りると解されることが多い。怪しいと感じた瞬間に断れるかどうかが、あなたと被告人席を分ける。
法的な位置づけ
毒物及び劇物取締法24条の2は、乱用目的販売罪等を定める罰則規定である。施行令32条の2指定のトルエン等を摂取・吸入目的と知って販売・授与する行為、同令32条の3指定の塩素酸塩類等を正当な理由のない所持目的と知って販売・授与する行為、22条6項の命令違反を、2年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又はその併科に処する。
よくある質問 AI による整理
Q1毒物及び劇物取締法24条の2とは?
乱用目的や不正な所持目的と知りながら、シンナー等や塩素酸塩類等を販売・授与する行為などを処罰する規定です。法定刑は2年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又は併科です。
Q2シンナーを売ると何の罪になる?
相手が吸入目的だと知って売れば、毒物及び劇物取締法24条の2第1号の罪になります。知らずに通常の用途で売っただけなら、本条の罪にはなりません。
Q3接着剤を未成年に売るのは違法?
接着剤が劇物に当たる場合、18歳未満の者への交付は15条1項で禁止されています。さらに吸入目的と知って売れば、本条1号の罪にも当たりえます。
Q4「情を知つて」とはどういう意味?
相手の不正な目的を認識していることです。確信までは要らず、「たぶん吸うのだろう」程度の認識(未必的認識)でも足りると解されることが多いです。
Q5シンナーを吸った本人の罰則は?
3条の3違反として24条の3により、1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金、又は併科です。売った側(本条、2年以下)より上限が軽く設定されています。
Q6毒劇法22条6項の命令違反とは?
めっき工場など業務上取扱者が、都道府県知事等から受けた保健衛生上必要な措置の命令に従わない場合です。放置すると本条3号の罪が成立します。
Q7フリマアプリで塗料を売っても罰せられる?
相手の乱用目的を知って販売・授与すれば、販売業の登録の有無に関係なく本条の主体になりえます。無登録での反復販売は別途24条の問題にもなります。
Q8毒劇法24条の2の時効はいつまで?
公訴時効は3年です(長期5年未満の拘禁刑に当たる罪、刑事訴訟法250条2項6号)。販売・授与の行為が終わった時から起算します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1シンナーを中学生に売っちゃったんですけど、吸うとは思ってなかったです。それでもアウトですか?
本条1号は吸入目的などを「知つて」売った場合に成立するので、本当に知らなかったのであれば本罪は成立しにくい。ただし、18歳未満の者への毒物劇物の交付は15条1項で別に禁止されている。実務のポイント:捜査で「知っていたか」は、本人の言葉よりも制服・時間帯・繰り返しの購入・店内の様子といった外形から推認される。防犯カメラは味方にも敵にもなる
Q2店員が勝手に売った場合でも、会社まで罰せられるんですか?
罰せられうる。26条の両罰規定により、従業者が業務に関して本条に違反すれば、行為者本人とは別に法人にも罰金刑が科される。販売業の登録取消・業務停止(19条)も視野に入る。実務のポイント:両罰規定の一般的な解釈では、選任・監督に過失がなかったと示せれば会社が免責される余地がある。販売マニュアルと研修記録は、事件後に一番価値が出る社内文書である
Q3除草剤を大量に買う客って、どこまで確認すればいいの?
塩素酸塩類など3条の4の政令指定物を交付するときは、15条2項に基づき相手の氏名と住所を確認し、15条3項に基づき帳簿に記載する義務がある。正当な理由のない所持だと知って渡せば本条2号に当たる。実務のポイント:使用目的と使用場所も軽く尋ねておくとよい。答えに詰まったこと自体が断る根拠になる一方、売ってしまえば「疑う機会があった」証拠にもなる。尋ねるなら断る覚悟とセットで臨む
間違えやすい点 AI による整理
- 「相手が実際に吸ったかどうか」が問題だと考える人が多いが、問いの立て方がずれている。本条が問うのは、販売・授与の時点で相手の目的を知っていたかどうかである。購入者がその後何もしなかったとしても、渡した時点で犯罪は成立しうる
- 罰金で済む軽い規制という印象を持たれがちだが、深刻度は桁が違う。拘禁刑と罰金は併科できる。従業員が業務として行えば、26条の両罰規定によって会社にも罰金が科される。毒物劇物販売業者であれば、登録取消や業務停止(19条)という営業上の致命傷も控えている
- 店から見れば「商品を売っただけ」である。しかし法律から見れば、乱用や爆発につながる供給ルートを開けた者になる。この見え方の落差が、吸った客より売った店員の刑の上限が重いという逆転を生んでいる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 24条の2:乱用・不正所持目的と知って販売・授与した者/22条6項命令違反者 | 24条の3:シンナー等をみだりに摂取・吸入・所持した本人(3条の3違反) 24条の4:塩素酸塩類等を正当な理由なく所持した本人(3条の4違反) |
| 法定刑 | 2年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金、又は併科 | 1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金、又は併科 6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金、又は併科 |
| 主観要件 | 相手の目的についての「情を知つて」(認識)が必要 | 自らの乱用目的(故意) 正当な理由のない所持の故意 |
| 両罰規定(26条) | 対象。従業者の業務上の違反で法人にも罰金 | 対象外(個人の使用行為) 対象 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は化学物質を毒性・関注化学物質として指定し、運用・販売・交付を許可制等で管理する。日本のような「乱用目的と知って売る」行為に特化した販売罪の構造とは設計が異なる
韓国はトルエン等を幻覚物質として指定し、摂取・吸入目的の販売・提供を禁止する点で日本の本条に近い構造を持つ
ドイツは危険化学物質の販売に際し、販売者の資格や購入者への説明・記録義務を課す流通段階規制を中心に据える
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ドラッグストアでアルバイト中、制服姿の高校生が三日続けて同じ接着剤を買いに来た。売り場で袋の口を開けて匂いを確かめる仕草も見た。それでもレジを通せば、あなたは「情を知つて」販売した側に立つおそれがある
- ホームセンターの園芸売場で、客が塩素酸系除草剤を十袋まとめて欲しいと言う。庭の広さを聞くと答えに詰まった。後日その客が爆発物を作っていたと分かったら、売った店はどうなる? 本人確認と帳簿への記載があったかどうかで、捜査の向きは大きく変わる
- めっき工場に立入検査が入り、シアン化合物の保管庫の施錠不備を理由に改善命令が出た。期限まであと10日。工場長は繁忙期を理由に後回しにしようとしている。期限を過ぎて放置した瞬間、行政上の問題は刑事事件の入口に変わる
- 塗装に使うからと、友人にトルエンの一斗缶を譲ってほしいと頼まれた。その友人が吸っていることを、あなたは知っている。お金を取らなくても「授与」に当たる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子どもや家族がシンナー等を持っていたら、現物・レシート・購入店・日時を確保する2. 店が吸入目的を知り得た事情(制服姿、繰り返しの購入、店内での言動)をメモに残す3. 警察の少年係や保健所の薬務担当に情報を提供する。販売者の刑事責任と、毒物劇物営業者としての行政処分の両方が動きうる4. 健康被害が出ていれば、民法709条・715条による損害賠償も別に検討する
訴えられた側:1. 警察から事情聴取の連絡が来たら、当日の販売記録、防犯カメラ映像、帳簿を確保し、弁護士に相談してから応じる2. 争点は「情を知つて」の一点に集中する。相手の目的を知らなかったこと、正当な用途の説明を受けていたことを具体的に示す3. 法人であれば26条の両罰規定に備え、販売マニュアルや従業員研修の記録を整理する4. 22条6項の命令違反であれば、ただちに措置を完了して報告し、情状を整える
時効(請求できる期限):本条の罪の公訴時効は3年(長期5年未満の拘禁刑に当たる罪、刑事訴訟法250条2項6号)で、販売・授与の時から起算する。22条6項の命令違反は、命令で定められた期限の経過が実質的な分岐点になる。15条の帳簿は最終記載日から5年間の保存義務がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(故意論):「情を知つて」は相手方の乱用目的・不正所持目的についての認識を要件とするが、確定的認識は不要で未必的認識で足りる。認識の有無は購入者の外観、購入頻度、店内の言動等の客観的事情から推認される。
両罰規定の過失推定説:26条の両罰規定による法人処罰は、従業者の選任・監督上の過失を推定するもので、事業主が必要な注意を尽くしたことを証明すれば免責される。販売マニュアル・研修記録が実務上の防御資料となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」を「拘禁刑」に改正した
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」を「拘禁刑」に改めた。
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