司法書士法 第37条(法人の代表)
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- 司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
- 2.簡裁訴訟代理等関係業務を行うことを目的とする司法書士法人における簡裁訴訟代理等関係業務については、前項本文の規定にかかわらず、特定社員のみが、各自司法書士法人を代表する。ただし、当該特定社員の全員の同意によつて、当該特定社員のうち特に簡裁訴訟代理等関係業務について司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。
- 3.第一項の規定により司法書士法人を代表する社員は、司法書士法人の業務(前項の簡裁訴訟代理等関係業務を除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- 4.前項の権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
- 5.第一項の規定により司法書士法人を代表する社員は、定款によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
この条文の基本情報
法人の代表とは何ですか?
定義法人の代表とは、司法書士法第37条に定められた規定で、「司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第37条(法人の代表)は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第37条の条文原文は「司法書士法人の社員は、各自司法書士法人を代表する。ただし、定款又は総社員の同意によつて、社員のうち特に司法書士法人を代表すべきものを定めることを妨げない。」で始まります。
- 司法書士法第37条は第五章 司法書士法人に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第37条の前の条は司法書士法第36条です。
- 司法書士法第37条の次の条は司法書士法第38条です。
- 司法書士法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法37条は、司法書士法人の社員が各自法人を代表すると定める。ただし簡裁訴訟代理等関係業務では、認定を受けた特定社員のみが法人を代表する。
Q · 司法書士法人の社員なら、誰でも法人を代表して仕事を引き受けられるの?
登記等は社員なら誰でも可、簡裁代理は特定社員のみ
司法書士法37条1項により、司法書士法人の社員は原則として各自法人を代表します。定款や総社員の同意で代表社員を絞ることもできますが、その制限は善意の第三者に対抗できません(4項)。一方、簡裁訴訟代理等関係業務については、2項により法務大臣の認定を受けた特定社員だけが法人を代表します。依頼する業務の種類によって、誰が代表できるかが変わります。
解説
司法書士法人の名刺を出してきた人なら、誰でもその法人を代表して契約を結べるのか。答えは「原則イエス、ただし例外が二つある」である。1項は、社員(法人の出資者でもある司法書士)なら誰でも一人で法人を代表できるとする。登記・供託・書類作成の依頼なら、目の前の社員と交わした約束がそのまま法人の約束になる。例外の一つ目は、定款か総社員の同意で代表社員を絞った場合である。ただし4項により、その内部の制限を知らない依頼者(善意の第三者)に法人は「あの人に代表権はなかった」と言えない。例外の二つ目が要注意である。簡裁訴訟代理等関係業務(簡易裁判所での140万円以下の訴訟代理など)では、2項により特定社員、つまり法務大臣の認定を受けた認定司法書士の社員しか法人を代表できない。過払い金請求や少額の貸金請求を任せるとき、担当者が認定を受けているかどうかで委任の効力そのものが揺らぐ。確認するのはその人の肩書きではなく、認定の有無である。
法的な位置づけ
司法書士法37条は司法書士法人の代表権を定める規定であり、社員の各自代表を原則とし、定款または総社員の同意による代表社員の指定を認める。簡裁訴訟代理等関係業務については特定社員のみが代表権を有し、代表権への内部的制限は善意の第三者に対抗できず、代表社員は定款で禁止されない限り特定行為の代理を他人に委任できる。
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士法人の代表社員とは?
定款または総社員の同意によって、社員の中から特に法人を代表する者として定められた社員です。定めがなければ社員全員が各自代表します(司法書士法37条1項)。
Q2特定社員とは何ですか?
簡裁訴訟代理等関係業務を行う法人において、法務大臣の認定を受けた司法書士である社員です。簡裁業務について法人を代表できるのは特定社員だけです(37条2項)。
Q3認定司法書士かどうか確認する方法は?
担当者本人に認定番号を尋ねるのが最も早い方法です。所属する司法書士会への問い合わせや、事務所の公式サイトの表示でも確認できます。
Q4司法書士法人の代表者は登記で確認できる?
確認できます。法務局で司法書士法人の登記事項証明書を取得すると、社員や代表権に関する定めが記載されています。
Q5司法書士法人の社員の約束は法人を拘束する?
原則として拘束します。法人が内部で代表権を制限していても、その制限を知らない相手方には対抗できないためです(37条4項)。
Q6司法書士法人の事務員に書類を渡しても大丈夫?
事務員は社員ではないため、それだけでは法人を代表しません。代表社員からの委任状の提示を求めるか、法人に電話で確認すると安全です。
Q7司法書士法人は簡易裁判所で代理できる?
簡裁訴訟代理等関係業務を目的とする法人であれば可能ですが、法人を代表して代理できるのは特定社員に限られます。対象は訴額140万円以下の事件です。
Q8担当の司法書士が退職したら委任契約はどうなる?
契約の相手方は法人なので、委任関係は法人との間に残ります。ただし簡裁業務では、ほかに特定社員がいなければ法人として代理を続けられません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1法人の事務所に頼んだのに、担当の人が辞めちゃいました。契約ってどうなるんですか?
契約の相手は担当者個人ではなく法人なので、退職しても委任は法人との間に残ります。代表権は1項で残りの社員に引き継がれます。ただし簡裁訴訟代理等関係業務なら、2項により別の特定社員がいなければ法人として代理を続けられません。実務のポイント:認定司法書士の社員が一人しかいない小さな法人は、その一人が抜けた瞬間に簡裁業務が止まる。依頼時に特定社員が何人いるかを聞いておくのが保険になる
Q2140万円を超える借金の整理も司法書士法人に頼めますか?
簡裁での代理や裁判外の和解代理は、1件の債権額が140万円以下であることが条件です(司法書士法3条1項7号、最判平成28.6.27は個々の債権額を基準とした)。超える案件は弁護士の領域で、司法書士法人ができるのは裁判書類の作成支援にとどまります。実務のポイント:複数社の借金の合計ではなく、1社ごとの額で判断される。この区別を説明しない事務所には注意したほうがよい
Q3事務員さんが書類を取りに来たんですが、渡していいものですか?
事務員は社員ではないので、それだけでは法人を代表しません。5項は、定款が禁じていなければ代表社員が特定の行為を他人に任せられると定めています。迷ったら、代表社員名義の委任状か法人への電話で確認するのが確実です。実務のポイント:権利証や印鑑証明書のような重要書類は、受け渡しの記録を一筆もらっておく。紛失したとき、誰の責任なのかがこの記録で決まる
間違えやすい点 AI による整理
- 司法書士法人の担当者なら誰でも簡易裁判所であなたの代理人になれると思われがちだが、2項は簡裁訴訟代理等関係業務について特定社員だけに代表権を与えている。司法書士の資格を持っていることと、法務大臣の認定を受けていることは別物である
- 法人の内部で代表社員を一人に決めていれば、ほかの社員がした約束は無効にできる。法人側はそう考えがちだが、4項がその考えを封じている。内部の取り決めは、知らない依頼者に向けては紙切れ同然であり、損をかぶるのは法人と、独断で動いた社員の側である
- 「誰と契約しているのか」を問う前に、そもそも何の業務を頼んでいるのかを問う必要がある。同じ借金の相談でも、裁判外の書類作成なのか、簡裁での訴訟代理なのか、140万円を超える案件なのかで、代表権の構造も、法人が受任できるかどうかも変わる。そこを分けずに担当者の肩書きだけを見ても、答えは出ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 司法書士法37条:法人を外部に向けて代表する権限 | 司法書士法36条:社員の業務執行の権限(内部関係) 司法書士法38条:法人債務に対する社員の責任 |
| 簡裁業務の扱い | 特定社員のみが各自法人を代表する(2項) | 簡裁業務の執行は特定社員に限られる 簡裁業務に関する責任の特則が置かれている |
| 依頼者にとっての意味 | 誰と結んだ契約が法人を拘束するか | 誰が実際に業務を担当できるか 法人が払えない場合に誰へ請求できるか |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾で司法書士に近い職種は地政士だが、法人化の制度は置かれていない。共同事務所は合夥(組合)として民法の規律に服し、業務執行者の代表権が問題となる
ドイツの自由業者向けパートナーシャフト会社では、代表について合名会社(OHG)の規定が準用される。日本の司法書士法人の各自代表と同じ発想である
米国のパートナーシップでは、各パートナーが通常業務についてパートナーシップの代理人とされ、相手方が権限の欠缺を知っていた場合を除き行為はパートナーシップを拘束する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- マンション購入の決済の場に、司法書士法人から若い社員が一人で来た。所長は来ていない。その社員が受け取った登記費用と委任状は、法人に対して有効か。1項本文で各社員が代表権を持つため有効である。法人が内部で「決済は所長だけ」と決めていても、知らなかったあなたには関係ない(4項)
- テレビCMを見て過払い金請求を司法書士法人に頼んだ。相手の貸金業者と簡易裁判所で争う段階になって、担当者が認定司法書士ではないと分かった。簡裁での代理を法人として引き受けられるのは特定社員だけである(2項)。業者側の弁護士はこの点を突いて、手続の有効性を争ってくる
- あなたが司法書士法人の社員で、定款上は代表社員ではないのに、昔なじみの顧客から頼まれて報酬の大幅値引きを独断で約束してしまった。法人は「代表権のない社員の約束だ」と顧客に言えるか。顧客がその定款の定めを知らなければ、言えない。値引きの穴は内部で埋めるしかない
- 簡裁の判決が届いた。控訴期限は送達から2週間。ところが代理してくれた法人の特定社員が退職していて、残っている社員は全員、認定を受けていない。誰が控訴の手続を代理できるのか、今週中に確かめないと期限が切れる
- 相続登記を頼んだ法人の事務員が「うちの代表に代わって」と書類を受け取りに来たら? 事務員は社員ではない。5項で代理を任されているかどうか、委任状の提示を求めてよい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 委任契約書と担当者の名刺を手元に用意し、担当者が社員か事務員か、簡裁業務なら特定社員かを確認する2. 法人の登記事項証明書を法務局で取り、社員と代表権の定めを確かめる3. 担当者の約束を法人が否定してきたら、4項を根拠に、内部の制限は知らなかったと書面で伝える4. 担当者の権限不足で損害が出たなら、法人と社員の責任(38条)の追及を視野に、司法書士会の相談窓口や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 法人側として責任を問われたら、まず問題の行為が簡裁業務か否かで代表権の根拠を分けて整理する2. 相手が内部制限を知っていた(悪意)と言える証拠があれば、4項の保護を外せる可能性を検討する3. 社員の独断が原因なら、法人として相手に対応したうえで社員に内部で求償する4. 再発防止として、定款の代表社員の定め、特定社員の配置、5項の代理委任のルールを見直す
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。法人への損害賠償請求には、一般消滅時効(民法166条:権利行使できると知った時から5年、行使できる時から10年)または不法行為の時効(民法724条:知った時から3年)が適用される。簡裁の判決に控訴する場合は送達から2週間(民事訴訟法285条)
学説
通説:司法書士法人の代表権は合名会社の社員の代表権にならった構造で、各自代表が原則となる。内部的制限の対抗不能(4項)は取引の安全を守る規定と理解されている。簡裁業務についての特則(2項)は、訴訟代理の能力を担保するための例外と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:司法書士法の改正により、司法書士法人制度と認定司法書士による簡裁訴訟代理制度が創設され、法人の代表権に関する規定が置かれた。
- 司法書士法 第3条簡裁訴訟代理等関係業務の範囲と認定要件
- 司法書士法 第29条司法書士法人の業務範囲(現行効力を要確認)
- 司法書士法 第36条社員の業務執行権限、特定社員の業務執行(現行効力を要確認)
- 司法書士法 第38条社員の無限連帯責任(現行効力を要確認)
- 会社法 第599条持分会社の業務執行社員の代表権に関する類似規定
- 民法 第110条権限外の行為の表見代理による相手方保護
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