司法書士法 第29条(業務の範囲)
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- 司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。
- 一法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部
- 二簡裁訴訟代理等関係業務
- 2.簡裁訴訟代理等関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する司法書士がある司法書士法人(司法書士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる。
この条文の基本情報
業務の範囲とは何ですか?
定義業務の範囲とは、司法書士法第29条に定められた規定で、「司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第29条(業務の範囲)は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第29条の条文原文は「司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。」で始まります。
- 司法書士法第29条は第五章 司法書士法人に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第29条の前の条は司法書士法第28条です。
- 司法書士法第29条の次の条は司法書士法第30条です。
- 司法書士法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法第29条は司法書士法人の業務範囲を定める。登記・供託代理や書類作成は当然に行え、後見等の附帯業務と簡裁訴訟代理は定款の定めが必要、後者は認定司法書士の社員も要る。
Q · 司法書士法人なら、どこでも簡易裁判所の訴訟代理を頼めるの?
頼めない。定款の定めと認定司法書士の社員が必要
司法書士法29条により、司法書士法人が当然に行えるのは登記・供託の代理や書類作成など3条1項1号から5号の業務です。簡裁訴訟代理等関係業務は、定款に定めがあり(1項)、かつ社員の中に法務大臣の認定を受けた司法書士がいる法人に限って行えます(2項)。さらに代理できるのは訴訟の目的の価額が140万円以下の事件に限られます。依頼前に定款と社員構成を確認するのが確実です。
解説
看板に「司法書士法人」とあれば、どの事務所でも同じことを頼めると思いがちだ。実はそうではない。本条によれば、司法書士法人がそのまま行えるのは第3条第1項第1号から第5号までの業務である。具体的には、登記・供託の代理、法務局や裁判所に出す書類の作成、それらに関する相談だ。それ以外の業務は「定款に書いてあるとき」に限って行える。対象は二つある。一つは、法務省令で定める業務である。成年後見人への就任や財産管理などがこれに当たる(司法書士法施行規則31条)。もう一つは、簡易裁判所で依頼者の代わりに訴訟をする「簡裁訴訟代理等関係業務」だ。後者にはさらに条件があり、社員(法人の出資者兼経営者)の中に、法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」が一人以上いなければならない。つまり、同じ「司法書士法人」の看板でも、140万円以下の貸金返還請求や敷金トラブルで法廷に立てる法人と、立てない法人がある。依頼する前に定款と社員構成を確認するだけで、途中で「うちではここまでしかできません」と言われ、弁護士を探し直す二度手間を防げる。
法的な位置づけ
司法書士法29条は、司法書士法人の業務範囲を定める規定である。法人は同法3条1項1号から5号の業務(登記・供託手続の代理、審査請求の代理、法務局・裁判所等への提出書類の作成、これらの相談)を行うほか、定款の定めにより、法務省令で定める附帯業務および簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができる。後者は、認定司法書士を社員に含む法人に限られる。
手順
- 1.依頼内容がどの業務に当たるかを整理する 依頼したい内容が、登記・供託・書類作成(3条1項1〜5号)、後見・財産管理(施行規則31条)、簡裁での訴訟代理・交渉(簡裁訴訟代理等関係業務)のどれに当たるかを整理する。紛争であれば請求額が140万円以下かも確認する
- 2.法人の登記事項証明書で目的と社員を確認する 法務局で司法書士法人の登記事項証明書を取得し、目的欄に後見等の業務や簡裁訴訟代理等関係業務が含まれているか、社員が誰かを確認する
- 3.社員・担当者が認定司法書士かを確認する 初回面談で「社員に認定司法書士はいるか」「担当者本人は認定を受けているか」を質問し、回答を記録する。支店では常駐する社員が異なる点に注意する
- 4.委任契約書で業務範囲と目的額を明記する 委任契約書に受任業務の範囲と紛争の目的額を明記してもらう。範囲外と分かった場合の辞任・弁護士紹介の取扱いも事前に確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士法人とは何ですか?
司法書士が社員となって設立する法人です(司法書士法26条)。登記・供託の代理や書類作成を法人として行え、支店を設けて業務を展開できます。
Q2司法書士法人ができることは?
登記・供託の代理、審査請求の代理、法務局や裁判所への書類作成と相談は当然に行えます。後見・財産管理と簡裁代理は定款の定めが条件です(同法29条)。
Q3認定司法書士とは?
所定の研修を修了し、簡裁訴訟代理等関係業務を行う能力があると法務大臣が認定した司法書士です(司法書士法3条2項)。法人の簡裁代理にはこの社員が必要です。
Q4司法書士法人の定款はどこで確認できる?
定款そのものは法人に開示を求めるのが確実です。目的は登記事項にもなっているため、法務局で登記事項証明書を取得して業務内容を確認できます。
Q5司法書士法人は成年後見人になれる?
定款に法務省令(施行規則31条)で定める業務が定められていれば、法人として後見人等に就任できます。定款に記載がなければ法人としては受任できません。
Q6司法書士法人に140万円を超える請求を頼める?
訴訟代理や交渉の代理はできません。簡裁代理の範囲は140万円以下に限られるため、これを超える事件は弁護士に依頼する必要があります。
Q7認定司法書士の社員が辞めたらどうなる?
社員に認定司法書士がいなくなれば、法人は簡裁訴訟代理等関係業務を行えなくなります(同法29条2項)。後任確保や受任事件の引継ぎが問題になります。
Q8司法書士法人に頼むのと弁護士に頼むのはどちらが安い?
報酬は事務所ごとに自由に定められるため一概には言えません。ただし範囲外の事件で途中から弁護士に切り替えると二重の費用がかかるため、範囲の確認が先決です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1司法書士法人って、普通の司法書士事務所と何が違うんですか?
登記や書類作成など第3条第1項第1号から第5号までの業務は同じように行える。違いは、後見や簡裁代理が定款と社員構成によって制限される点だ(本条1項・2項)。法人であれば支店を設けられるため、全国展開している事務所もある。実務のポイント:支店ごとに常駐する社員が違うため、本店に認定司法書士がいても、あなたが行く支店の担当者が認定を受けているとは限らない。担当者個人の認定の有無を確認すること
Q2家賃の滞納で入居者を訴えたいんですが、司法書士法人に頼めますか?
請求額が140万円以下で、法人が本条2項の要件(認定司法書士の社員がいること)を満たし、定款に簡裁訴訟代理等関係業務が入っていれば頼める。ただし、建物明渡しを請求する場合は、目的額の算定が家賃とは別になる点に注意が必要だ(裁判所法33条)。実務のポイント:明渡請求の目的額は建物の固定資産評価額を基準に算定するのが実務である。家賃が少額でも上限を超えることがあるので、評価証明書を持参して相談すると話が早い
間違えやすい点 AI による整理
- 「司法書士法人は個人の司法書士より大きいから、何でもできる」と思われがちだが、逆の場合もある。個人の認定司法書士は簡裁代理ができても、認定司法書士の社員がいない法人は簡裁代理ができない。組織の規模と業務の範囲は比例しない
- 簡裁代理ができる法人であることは知っていても、その上限の厳しさは知られていない。代理できるのは訴訟の目的の価額が140万円以下の事件に限られる(裁判所法33条1項1号、司法書士法3条1項6号)。債務整理では、総額ではなく個々の債権額で判断するとした最高裁判例がある(最判平成28.6.27)。上限を超えた代理は弁護士法72条違反の問題になりうる
- 「この法人に頼んで大丈夫か」と考える人が多いが、問うべきことが少しずれている。確認すべきは評判ではなく、「この依頼はどの扉に当たり、その扉の鍵をこの法人は持っているか」だ。登記、後見、簡裁代理のどれに当たるかで、確認すべき書類(定款か、社員の認定の有無か)が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 司法書士法29条:司法書士法人の業務範囲 | 司法書士法3条:個人の司法書士の業務範囲と認定要件 司法書士法26条:司法書士法人の設立根拠 |
| 簡裁訴訟代理の要件 | 定款の定め+社員に認定司法書士がいること | その司法書士本人が法務大臣の認定を受けていること 定めなし(設立できることのみを規定) |
| 後見・財産管理などの附帯業務 | 定款に定めがある場合に限り法人として行える | 個人の司法書士は定款の制約を受けない 定めなし |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾で登記代理を担うのは地政士だが、法人化の制度はなく、訴訟代理権も認められていない。日本の司法書士法人のような三段階の業務区分は存在しない
韓国の法務士は登記・書類作成を中心とし、法務士法人の制度もある。日本の簡裁代理に相当する訴訟代理権は一般に認められていない点が異なる
ドイツでは法律事務は原則として弁護士が担い、法人化は弁護士の職業遂行会社として規律される。司法書士に相当する独立の職能は存在しない
フランスは自由業の法人(SEL)制度で、各職能が法人として業務を行える。業務範囲は各職能の規制に従う
米国では法律業務は原則弁護士に限られ、一部の州が限定的な非弁護士資格を試行している。日本の認定司法書士に近い発想だが州ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続登記を頼んだ司法書士法人に、ついでに兄弟との遺産分割の交渉もお願いしたら断られたら? 交渉の代理は登記業務の範囲外で、しかも紛争の目的額によっては簡裁代理の範囲すら超える。断られたのは不親切だからではなく、法律の線引きによるものだ
- 元入居者から敷金30万円の返還を求めて簡易裁判所に訴えられた大家のあなた。顧問の司法書士法人に代理を頼もうとしたところ、社員に認定司法書士がいないことが判明した。第1回期日まで残り2週間で、代理人探しを最初からやり直すことになる
- 高齢の母の成年後見を、近所の司法書士法人に任せたいと考えている。その法人の定款に施行規則31条の業務が入っているかどうか、確認したことはあるだろうか
- あなたは司法書士法人の代表社員である。唯一の認定司法書士だった社員が独立して出て行った。その翌日から、法人としては簡裁訴訟代理の新規受任ができなくなる。受任中の案件をどう引き継ぐかを、今週中に決めなければならない
- 過払い金の請求を「司法書士法人なら安い」と考えて依頼した友人から相談を受けた。業者1社あたりの請求額が140万円を超えていたら、その法人は代理人として交渉できない。依頼の初日に確認すべきだったのはこの一点だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 依頼した法人が範囲外の業務(140万円超の交渉など)を受けていた疑いがあれば、委任契約書と報酬明細を保全する2. 法人の登記事項証明書で社員を確認し、日本司法書士会連合会の検索などで社員が認定司法書士かどうかを照会する3. 範囲外の代理で生じた報酬は返還請求の対象になりうるため、所属司法書士会の相談窓口に相談する4. 訴訟中であれば、すぐに弁護士への切り替えを検討する
訴えられた側:1. 法人の側であれば、定款の目的条項に施行規則31条の業務と簡裁訴訟代理等関係業務が明記されているかを点検する2. 認定司法書士の社員が退社する予定があれば、事前に後任の確保と受任中案件の引継ぎ計画を立てる3. 受任の際に紛争の目的額を確認し、記録に残す4. 範囲外であることが判明したら、速やかに辞任し、弁護士を紹介する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。範囲外の業務に支払った報酬の返還請求には、一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
学説
立法趣旨に関する一般的理解:法人化による利便性を認めつつ、簡裁代理の権限は認定を受けた個人の能力担保に基づくものであるため、法人が行う場合も認定司法書士が社員にいることを要件として資格要件の空洞化を防ぐ構造とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)改正 司法書士法人制度の創設と簡裁訴訟代理権の付与に伴い、法人の業務範囲を定める規定として整備された。その後の改正の有無と内容は人的な検証が必要である
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:司法書士法の改正により司法書士法人制度と認定司法書士による簡裁訴訟代理権が導入され、法人の業務範囲を定める規定として設けられた。その後の改正内容は原典で要確認。
- 司法書士法 第3条司法書士の業務範囲と認定司法書士の要件
- 司法書士法 第26条司法書士法人の設立根拠
- 司法書士法 第30条法人が簡裁代理業務を取り扱う際の担当者規律(現行効力を要確認)
- 司法書士法 第73条非司法書士等による業務の禁止
- 弁護士法 第72条非弁護士の法律事務取扱い禁止、範囲外代理の限界
- 裁判所法 第33条簡易裁判所の事物管轄、140万円の上限
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