司法書士法 第60条(法務大臣に対する報告義務)
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司法書士会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令に違反すると思料するときは、その旨を、法務大臣に報告しなければならない。
この条文の基本情報
法務大臣に対する報告義務とは何ですか?
定義法務大臣に対する報告義務とは、司法書士法第60条に定められた規定で、「司法書士会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令に違反すると思料するときは、その旨を、法務大臣に報告しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第60条(法務大臣に対する報告義務)は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第60条の条文原文は「司法書士会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令に違反すると思料するときは、その旨を、法務大臣に報告しなければならない。」で始まります。
- 司法書士法第60条は第七章 司法書士会に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第60条の前の条は司法書士法第59条です。
- 司法書士法第60条の次の条は司法書士法第61条です。
- 司法書士法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法60条は、司法書士会が所属会員の同法またはこれに基づく命令への違反を思料したとき、法務大臣への報告を義務づける。懲戒の判断は法務大臣が行う。
Q · 司法書士会は、問題のある司法書士を国に知らせる義務があるの?
ある。ただし処分を決めるのは法務大臣
司法書士法60条により、司法書士会は、所属会員が司法書士法またはこれに基づく命令に違反すると思料するとき、法務大臣に報告しなければなりません。会自体には懲戒権がなく、戒告・2年以内の業務停止・業務の禁止を決めるのは法務大臣です(47条)。報告するかどうかの出発点となる「思料する」の判断は会に委ねられているため、苦情を申し出る側は、どの義務に違反したかを具体的な事実と証拠で示すことが重要です。
解説
司法書士会は、弁護士会と違って会員を処分する権限を持っていない。司法書士に対する戒告・業務停止・業務禁止を決めるのは法務大臣である(司法書士法47条)。そのうえで本条は、司法書士会に一つの義務を課している。所属会員が司法書士法やその命令に違反していると考えたら、法務大臣に報告しなければならない。「報告してもよい」ではなく「しなければならない」と書かれている。つまり司法書士会は、会員を守る業界団体であると同時に、違反を国へ知らせる立場にも置かれている。依頼した司法書士の対応に納得できないとき、あなたが使える窓口は二つある。一つは司法書士会への苦情申出で、会が違反の疑いありと判断すれば本条に基づく報告につながる。もう一つは、誰でも直接法務大臣に事実を通知できる49条の通知である。どちらに何を出すかで、話が「業界内の注意」で終わるか「国の懲戒手続」に乗るかが変わってくる。
法的な位置づけ
司法書士法60条は、司法書士会の法務大臣に対する報告義務を定める規定である。所属会員が司法書士法またはこれに基づく命令に違反すると司法書士会が思料したとき、その旨を法務大臣に報告しなければならない。懲戒権を持たない司法書士会と、懲戒権者である法務大臣とを結ぶ違反情報の伝達経路として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.依頼の経緯と証拠を時系列で整理する 依頼日、依頼内容、支払った報酬、受け取った書類、メール・LINE・通話履歴を時系列で一覧にする。「対応が遅い」ではなく「何月何日から何をしていないか」を事実として書き出す
- 2.違反と考える条文を特定する 業務放置、秘密漏えい(24条)、無資格者への業務丸投げなど、司法書士法またはこれに基づく命令のどの義務に違反した疑いがあるかを特定する。接客態度だけの不満は報告対象になりにくい
- 3.所属の司法書士会に書面で申し出る 対象の司法書士が所属する司法書士会の相談窓口に、違反と考える具体的事実と証拠の写しを添えて書面で申し出る。会が違反を思料すれば本条に基づき法務大臣へ報告される
- 4.必要に応じて法務大臣への通知を併用する 懲戒手続を直接求めたい場合は、司法書士法49条に基づき法務大臣に違反事実を通知し、適当な措置を求めることもできる。会への申出と併用してよい(窓口の運用は最新情報を確認)
- 5.金銭被害は別手続で回復を図る 懲戒は損害を回復する手続ではないため、返金や損害賠償は債務不履行(民法415条)や不法行為(民法709条)に基づき、交渉・調停・訴訟で別に進める
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士会の報告義務とは何ですか?
司法書士法60条が定める義務で、所属会員が同法や関連命令に違反すると会が考えたとき、その旨を法務大臣に報告しなければなりません。任意ではなく義務です。
Q2司法書士の懲戒処分にはどんな種類がありますか?
司法書士法47条により、戒告、2年以内の業務の全部または一部の停止、業務の禁止の3種類です。処分を行うのは法務大臣です。
Q3司法書士の懲戒処分は公表されますか?
法務大臣が懲戒処分をしたときは、官報で公告されます(司法書士法51条)。処分を受けた司法書士の氏名や処分内容は公開情報となります。
Q4司法書士の懲戒に時効はありますか?
懲戒事由があった時から7年を経過すると、懲戒の手続を開始できません(令和元年改正で新設された除斥期間)。最新の改正状況は原典で確認してください。
Q5司法書士会が報告を怠ったらどうなりますか?
本条の報告義務違反について、司法書士法上に直接の罰則は置かれていないと解されます。報告の要否は「思料する」という会の判断に委ねられています。
Q6司法書士が依頼を放置したら懲戒対象になりますか?
正当な理由なく業務を放置すれば、司法書士の職責や会則に反するとして懲戒対象になりえます。放置の経緯を時系列の書面と証拠で示すことが重要です。
Q7司法書士と示談したら懲戒手続は止まりますか?
止まるとは限りません。損害賠償などの民事上の解決と、法務大臣による懲戒手続は別の手続です。示談の成立は処分判断の一事情にとどまります。
Q8司法書士法人も報告の対象になりますか?
司法書士法人も司法書士会の会員となるため、本条の報告対象になりえます。法人への懲戒は48条が定め、処分権者は同じく法務大臣です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1司法書士会に苦情を言ったら、その司法書士は資格を失うんですか?
司法書士会自体には処分権限がありません。会ができるのは、違反の疑いがあれば法務大臣に報告すること(本条)と、会則による注意・勧告(61条)です。戒告、2年以内の業務停止、業務禁止を決めるのは法務大臣です(47条)。実務のポイント:苦情の大半は、会の段階での事情聴取と注意で終わります。懲戒まで進めたいなら、申出書に「どの義務に違反したか」と客観証拠を付けることが分かれ目になります
Q2会に言うのと、法務局に直接言うのは何が違うの?
司法書士会への申出は、会が事実を確認し、違反と考えれば本条で法務大臣へ報告するルートです。一方、49条は誰でも法務大臣に違反事実を通知し、適当な措置を求められると定めています。実務のポイント:会のルートは注意・勧告などの柔軟な解決にもつながり、国へのルートは最初から懲戒手続の土俵に乗ります。どちらか一方に限る必要はなく、両方に出すこともできます。目的が「謝罪と是正」なのか「処分」なのかで、出す先と順番を決めるとよいです(窓口の運用は最新情報をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「司法書士会に苦情を出しても、身内をかばって終わりだろう」と考えがちだが、本条は会に法務大臣への報告を義務として課している。違反だと考えたら報告しなければならず、会が見て見ぬふりをする余地は条文上ない。ただし、どの程度の疑いで「違反すると思料する」に当たるかは会の判断に委ねられており、基準は明文化されていない
- 司法書士会が会員を業務停止にできると思われているが、そもそも問いの立て方が違う。会ができるのは、本条の報告と、会則にもとづく注意・勧告(61条)までである。業務停止や業務禁止を決めるのは法務大臣だけなので、処分を求めるなら最終的な宛先は国になる
- 依頼者から見れば「対応が遅い、態度が悪い」という一つの不満でも、法律から見ると、民事上の債務不履行、会則違反、司法書士法違反の三層に分かれる。本条の報告対象は「この法律又はこの法律に基づく命令」への違反であり、単なる接客態度の問題では乗らないことがある。申出書に違反の具体的事実を書かないと、報告まで進まない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が行うか | 60条:司法書士会(義務) | 49条:何人も(権利) 61条:司法書士会(任意) |
| 宛先・相手方 | 法務大臣へ報告 | 法務大臣へ通知し適当な措置を求める 当該会員へ注意・勧告 |
| 発動の要件 | 同法または命令に違反すると思料するとき | 懲戒事由に該当する事実があると思料するとき 同法または命令に違反するおそれがあると認めるとき |
| その後の流れ | 法務大臣が47条の懲戒の要否を判断 | 法務大臣が47条・48条の懲戒の要否を判断 会内部の是正で完結しうる(懲戒処分ではない) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾で登記代理を担う地政士について懲戒制度を定める。資格者団体と主管機関の役割分担という点で比較対象になるが、日本の本条に直接対応する報告義務規定の有無は要確認
韓国の法務士は日本の司法書士に近い資格。懲戒と協会の関与に関する規定があるが、本条と同じ報告義務の構造かどうかは要確認
米国では団体ではなく個々の弁護士に、他の弁護士の重大な非行を報告する義務を課すモデル規則がある。報告義務の主体が異なる点が日本との違い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続登記を頼んだ司法書士が、半年たっても申請しない。電話にも出ない。司法書士会の相談窓口に経緯を時系列で書いて出せば、会は事実を確認し、違反と考えれば法務大臣への報告に進む。感情的な電話を何度もかけるより、書面一枚のほうが手続は動く
- もし、あなたが勤める司法書士事務所で、所長が資格のない事務員に登記申請書の作成を丸ごと任せていたら、どうなるか? 会の調査で発覚すれば報告の対象になりうる。その場合、懲戒の矢面に立つのは所長である
- 司法書士として開業3年目のあなたに、会から事情聴取の通知が届いた。回答期限まであと10日しかない。ここで出す説明書面と資料が、そのまま法務大臣への報告に使われるかもしれない
- 不動産売買の決済で本人確認が甘かったせいで、なりすましの所有者による登記が通ってしまった。被害者は損害賠償を請求する一方で、司法書士会にも申出をする。民事の請求と懲戒手続は別々に進むので、示談が成立しても懲戒手続が自動で止まるわけではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 依頼日、依頼内容、受け取った書類、やり取りの記録(メール、LINE、領収書)を時系列で整理する2. 所属する司法書士会の相談窓口に、違反と考える具体的事実を書面で申し出る。本条の報告につなげたいなら、業務放置や秘密漏えい(24条)など法令違反の観点で書く3. 並行して、法務大臣への通知(49条)も検討する4. 金銭被害の回復は懲戒とは別の手続なので、損害賠償請求(民法415条、709条)を別に進める
訴えられた側:1. 会からの照会には期限内に必ず書面で回答する。無視すると、それ自体が不利な事情として扱われうる2. 事実を認める部分と争う部分を分け、裏付け資料を付ける3. 返金や再申請などの是正措置を早めに実行し、記録しておく4. 法務大臣の懲戒手続に進んだら、弁明の機会で主張を尽くす。処分が出たら審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):本条の報告自体に期限はない。ただし懲戒は、懲戒事由があった時から7年を経過すると手続を開始できない(令和元年改正で新設された除斥期間、最新の改正状況をご確認ください)。依頼者の損害賠償請求は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)、不法行為なら民法724条による
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正、令和2年(2020年)8月1日施行 懲戒権者が法務局長・地方法務局長から法務大臣に改められたのに合わせ、報告先も法務大臣に変更されたとみられる。改正回数の全体は要検証
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:司法書士法(昭和25年法律第197号)制定。司法書士会と懲戒に関する制度の基本的な枠組みが設けられた。条番号の変遷は原典で要確認
- 2.令和元年(2019年) 改正:懲戒権者が法務局長・地方法務局長から法務大臣に改められ(令和2年8月1日施行)、本条の報告先も法務大臣とされたとみられる。改正経過の詳細は要検証
- 司法書士法 第47条法務大臣による司法書士の懲戒
- 司法書士法 第48条司法書士法人に対する懲戒
- 司法書士法 第49条何人も可能な法務大臣への通知
- 司法書士法 第61条会による注意・勧告(報告前段階)
- 行政手続法 第13条懲戒処分前の聴聞・弁明手続(現行効力を要確認)
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