司法書士法 第61条(注意勧告)
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司法書士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。
この条文の基本情報
注意勧告とは何ですか?
定義注意勧告とは、司法書士法第61条に定められた規定で、「司法書士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 司法書士法第61条(注意勧告)は、日本の司法書士法に含まれる条文です。
- 司法書士法第61条の条文原文は「司法書士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要…」で始まります。
- 司法書士法第61条は第七章 司法書士会に置かれています。
- 司法書士法の公布日は昭和25年5月22日です。
- 司法書士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 司法書士法第61条の前の条は司法書士法第60条です。
- 司法書士法第61条の次の条は司法書士法第62条です。
- 司法書士法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000197 - 本サイト収録
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC1000000197/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点司法書士法61条は、司法書士会が会員に法令違反のおそれがあると認めるとき、会則に従い注意を促し、必要な措置を勧告できると定める。懲戒とは別の内部措置である。
Q · 司法書士会の「注意勧告」って、懲戒処分と何が違うの?
違反の「おそれ」段階で会が出す、制裁を伴わない内部措置
司法書士法61条の注意勧告は、所属の司法書士会が、会員に法律や命令に違反する「おそれ」があると認めたときに、会則に従って注意を促し、必要な措置を勧告するものです。違反の確定を要しない点、資格や業務への法的制裁を伴わない点で、法務大臣が行う戒告・業務停止・業務禁止の懲戒(47条)とは性質が異なります。依頼者の損害を回復する効果もありません。
解説
司法書士会が会員に出す「注意勧告」は、懲戒ではない。法務大臣が下す戒告・業務停止・業務禁止(47条)とは別系統の、業界内部の軽いブレーキである。対象になるのは、違反が確定した会員ではない。「違反するおそれ」がある段階の会員だ。法務大臣の懲戒が「起きた違反への処罰」だとすれば、注意勧告は「起きる前の介入」にあたる。依頼した司法書士の対応に引っかかりを覚えたとき、あなたが選べる窓口は法務局(法務大臣への懲戒の申出、49条)だけではない。所属の司法書士会という、もっと手前で動ける窓口がある。ただし注意勧告は行政処分(役所が個人に直接下す具体的な決定)ではない。あなたの損害を埋めてくれる制度でもない。何を止めたいのか、何を取り戻したいのか。その目的によって叩くドアは変わる。
法的な位置づけ
司法書士法61条に定める注意勧告とは、司法書士会が、所属会員に同法またはこれに基づく命令に違反するおそれがあると認める場合に、会則の定める手続に従い、当該会員に注意を促し、または必要な措置を講ずべきことを勧告する措置をいう。違反の確定を要件とせず、懲戒処分とは異なり法的制裁を伴わない、専門職団体による予防的な自律的監督手段である。
手順
- 1.経緯を時系列で整理する 依頼日、約束された期日、連絡の履歴(メール・電話・書面)、司法書士からの説明内容を時系列で一覧にまとめる。日付と証拠の所在を明記しておく
- 2.司法書士の所属会を特定する 名刺・委任状・領収書に記載の登録番号や事務所所在地から、所属する都道府県の司法書士会を確認する
- 3.所属会の相談窓口に書面で伝える 整理した経緯を添えて、所属司法書士会の相談窓口に書面で相談する。何を止めたいのか(対応改善)を明確に書く
- 4.目的に応じて別ルートを並行検討する 処分を求めるなら法務局を窓口とする法務大臣への懲戒の申出(49条)、損害の回復なら民法415条・709条による民事請求を、注意勧告とは別に検討する
よくある質問 AI による整理
Q1司法書士への苦情はどこに言えばいいですか?
まずは所属の司法書士会の相談窓口が手前の窓口です。制裁を求めるなら法務局を窓口とする法務大臣への懲戒の申出(49条)、損害の回復は民事請求と、目的で使い分けます。
Q2司法書士の注意勧告とは何ですか?
司法書士会が、所属会員に法令違反のおそれがあると認めるときに、会則に従い注意を促し、必要な措置を勧告する措置です(司法書士法61条)。
Q3司法書士の所属会はどうやって調べられますか?
司法書士は事務所所在地の司法書士会への入会が義務です。名刺や委任状の登録番号・事務所所在地から、該当する都道府県の司法書士会を特定できます。
Q4司法書士が連絡をくれないのは違法ですか?
直ちに違法とは限りませんが、受任事務を正当な理由なく放置すれば法令や会則に反するおそれがあります。会への相談で注意勧告を検討する入口になります。
Q5注意勧告を受けた司法書士は業務を続けられますか?
続けられます。注意勧告は懲戒(戒告・業務停止・業務禁止)ではなく、資格や業務への法的制裁を伴いません。
Q6司法書士会は会員を処分できますか?
懲戒処分の権限は法務大臣にあり(47条)、会は持ちません。会ができるのは注意勧告(61条)と、違反を思料するときの法務大臣への報告(60条)です。
Q7注意勧告で損害賠償を受けられますか?
受けられません。注意勧告は会員への内部措置で、依頼者への賠償命令の効果はありません。金銭の回復は債務不履行・不法行為の民事請求で行います。
Q8注意勧告に不服がある司法書士はどうすればいいですか?
勧告は会則に基づく手続のため、会則に定められた方法で書面により事情を説明するのが基本です。誤解の訂正と改善策の提示を並行して行います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1注意勧告を受けたら、その司法書士の名前は公表されるんですか?
本条には公表の定めがない。手続は会則に委ねられており、懲戒処分(47条)のような公告とは性質が違う。実務のポイント:注意勧告は公表されないことが多い。気になる司法書士の過去を調べたいなら、公表される懲戒処分の情報を当たるほうが確実である(運用は会ごとに確認を)
Q2司法書士会に相談するのと、法務局に申し出るのと、どっちがいいですか?
目的で選ぶ。早く行動を改めさせたいなら会への相談、制裁を求めるなら法務大臣への懲戒の申出(49条)。両方を同時に使うこともできる。実務のポイント:会は違反を疑えば法務大臣への報告義務(60条)を負うので、会への相談が結果として懲戒ルートにつながる場合もある
間違えやすい点 AI による整理
- 「司法書士会に苦情を入れれば相手は処分される」と思われがちだが、注意勧告は懲戒(47条)ではなく、資格や業務への法的制裁を伴わない。依頼者に対する賠償命令の効果もない。処分を求めるなら、法務大臣への懲戒の申出(49条)は別ルートとして残っている
- 司法書士の側は、注意勧告を「懲戒ではないから軽い」と受け流しがちだ。しかし会は、会員の法令違反を疑うときは法務大臣に報告しなければならない(60条)。勧告を受けた事実と、その後の改善の有無は、次の段階の判断材料になりうる。軽いのは手続であって、そこに込められた意味まで軽いわけではない
- 「違反してからでないと会は動けない」という問いの立て方自体が誤っている。条文の要件は「違反するおそれ」であり、違反の確定を待たずに介入できる点にこそ本条の存在意義がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体 | 61条:所属の司法書士会 | 47条:法務大臣(懲戒) 49条:何人も(懲戒の申出) |
| 要件 | 法令に違反する「おそれ」があると認めるとき | 法令違反等の懲戒事由があること 懲戒事由があると思料すること |
| 効果 | 注意・勧告(法的制裁なし、公告の定めなし) | 戒告・業務停止・業務禁止 法務大臣に適当な措置をとることを求める |
| 近接規定 | 60条:違反を思料するとき会は法務大臣に報告義務 | 53条:勧告の手続は会則で定める |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾で登記代理を担う地政士は地政士公會に加入し、公會の規律と主管機関の懲戒の二層で監督される点が類似する
韓国の法務士も地方法務士会・大韓法務士協会による指導監督を受ける。会の監督と懲戒の分担を比較する価値がある
ドイツに司法書士はないが、公証人会(Notarkammer)が軽微な義務違反に Ermahnung を行える点で、会による非懲戒的措置として近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続登記を頼んで半年、司法書士から連絡が途絶えた。もし懲戒の申出までは大げさだと迷っているなら、どうする? 所属司法書士会の相談窓口に経緯を書面で伝えれば、会が「違反するおそれ」として注意勧告を検討する入口になる
- あなたは開業三年目の司法書士で、本人確認の記録を簡略化していた。会から届いた注意勧告の書面には、懲戒ではないと書いてある。だが放置して同じ運用を続ければ、次に記録が残るのは法務大臣への報告(60条)のほうだ
- 不動産の決済が来週に迫っている。立会いの司法書士が売主側と不自然に親しく、利益相反が気になる。あと七日しかない。会への相談は今日中に入れるべきだ
- 友人から「司法書士会に苦情を入れたら、その先生は資格を失うのか」と聞かれた。答えは否。注意勧告は資格に直接の影響を与えない内部措置である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 依頼日、約束された期日、連絡の履歴を時系列で整理する2. 司法書士の所属会を確認し、会の相談窓口に書面で経緯を伝える3. 処分を求めるなら、法務大臣(窓口は法務局)への懲戒の申出(49条)を並行して検討する4. 金銭的な損害は注意勧告では回復しないため、民事での請求(民法415条・709条)を別途考える
訴えられた側:1. 勧告書面で指摘された事実と、どの規定に関わるかを特定する2. 誤解であれば、会則に定められた手続に従って書面で事情を説明する3. 指摘が当たっている部分は、業務フローの改善策を具体的に書いて報告する4. 同様の運用をしているほかの案件がないか点検し、依頼者への説明を先回りして行う
時効(請求できる期限):注意勧告に時効の定めはない。懲戒手続は、令和元年(2019年)改正により懲戒事由があった時から7年で開始できなくなった(司法書士法50条の2、最新の改正状況をご確認ください)。依頼者の損害賠償請求には、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される
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