宗教法人法 第68条(登記事項)
クイックジャンプ
登記官は、前条第一項の規定による申請があつたときは、その建物又は土地の登記記録中権利部に、建物については当該宗教法人において礼拝の用に供するものである旨を、土地については当該宗教法人において礼拝の用に供する建物の敷地である旨を記録しなければならない。
この条文の基本情報
登記事項とは何ですか?
定義登記事項とは、宗教法人法第68条に定められた規定で、「登記官は、前条第一項の規定による申請があつたときは、その建物又は土地の登記記録中権利部に、建物については当該宗教法人において礼拝の用に供するものである旨を、土地…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第68条(登記事項)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第68条の条文原文は「登記官は、前条第一項の規定による申請があつたときは、その建物又は土地の登記記録中権利部に、建物については当該宗教法人において礼拝の用に供するものである旨を、土地…」で始まります。
- 宗教法人法第68条は第二節に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第68条の前の条は宗教法人法第67条です。
- 宗教法人法第68条の次の条は宗教法人法第69条です。
- 宗教法人法第68条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第68条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第68条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/68
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法68条は、67条1項の申請があれば、登記官が建物・土地の権利部に礼拝用である旨を記録しなければならないと定める。この記録が83条の差押禁止の前提となる。
Q · お寺が本堂を「礼拝用」として登記したいと申請したら、法務局は断れるの?
断れない。適法な申請なら登記官は必ず記録する
宗教法人法68条は、67条1項による申請があったとき、登記官は建物について礼拝の用に供する旨、土地について礼拝用建物の敷地である旨を権利部に「記録しなければならない」と定めています。記録するかどうかの裁量はありません。ただし申請書類に不備があれば受理されません。記録されると、83条により登記後に原因が生じた私法上の金銭債権による差押えから原則として保護されます。
解説
登記簿の権利部には、所有者の名前や抵当権に混じって、まれに変わった一行が載る。「当該宗教法人において礼拝の用に供するものである」。宗教法人が67条1項に基づいて申請すると、登記官(法務局で登記簿を管理する公務員)は、建物ならこの一行を、土地なら「礼拝用建物の敷地である」旨を記録しなければならない。条文は「しなければならない」と書いており、登記官に記録するかどうかを選ぶ余地はない。この一行が効いてくるのは83条の場面である。礼拝用の旨が登記された本堂や境内地は、登記後に生じた私法上の金銭債権(お金の貸し借り、工事代金など)のためには差し押さえられない。ただし抵当権・先取特権・質権の実行と破産手続開始は例外とされている。寺社の責任役員として本堂を守りたい立場でも、寺に工事代金や貸付金の回収を待つ立場でも、「一行があるか、いつ記録されたか」で打てる手が変わる。
法的な位置づけ
宗教法人法68条は、礼拝用建物及びその敷地の登記の記録方法を定める規定であり、67条1項の申請があった場合、登記官は建物の登記記録中権利部に礼拝の用に供する旨を、土地には礼拝用建物の敷地である旨を記録する義務を負う。この記録は同法83条の差押禁止効の公示上の前提となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象物件の登記事項証明書を取得する 本堂・拝殿などの建物と境内地について法務局で登記事項証明書を取り、所有者が宗教法人名義か、権利部に礼拝用の記録がすでにあるかを確認する
- 2.責任役員会で申請方針を決める 礼拝の実態がある建物・敷地を特定し、申請の範囲と時期を責任役員会で確認する。新築・取得時は所有権の登記と同時期の申請を検討する(83条は登記後に原因が生じた債権にしか及ばないため)
- 3.67条1項に基づき法務局へ申請する 宗教法人として、礼拝用建物・敷地である旨の登記を管轄法務局に申請する。必要書類は事前に法務局へ確認し、不備のない形で提出する
- 4.記録後の登記事項証明書で内容と日付を確認する 登記官が68条に基づき権利部へ記録したことを証明書で確認し、記録日を保存する。取引先や金融機関との交渉時に保護の有無と時点を示す根拠となる
よくある質問 AI による整理
Q1礼拝用建物の登記とは何ですか?
宗教法人が所有する本堂などの建物や境内地について、礼拝用である旨を登記簿の権利部に記録する制度です。宗教法人法66条から68条が根拠です。
Q2礼拝用の登記はどこに申請しますか?
建物・土地の所在地を管轄する法務局(登記所)に、宗教法人が申請します。申請があれば登記官は権利部に礼拝用の旨を記録します(68条)。
Q3登記事項証明書で礼拝用の記録はどこに載りますか?
権利部に記録されます。建物は「礼拝の用に供するもの」、土地は「礼拝の用に供する建物の敷地」である旨が記載され、記録日も確認できます。
Q4礼拝用の登記をすると何が変わりますか?
宗教法人法83条により、登記後に原因が生じた私法上の金銭債権のためには、その建物・敷地を差し押さえられなくなります。担保権実行と破産は例外です。
Q5神社の境内地も礼拝用の登記ができますか?
宗教法人が所有し、礼拝用建物の敷地として使っている土地であれば対象になります。寺院・神社・教会などの宗派を問いません。
Q6礼拝用の登記があれば抵当権は実行できない?
実行できます。83条は不動産の先取特権・抵当権・質権の実行を例外としているため、担保権者は登記の有無にかかわらず競売を申し立てられます。
Q7礼拝に使わなくなった建物の登記はどうなりますか?
礼拝用でなくなった場合の登記の扱いは同法の後続規定で定められています。現行条文の文言は e-Gov で確認し、実態と登記を一致させることが重要です。
Q8礼拝用の登記は宗教法人でなくてもできますか?
できません。66条以下の登記は宗教法人が所有する礼拝用建物と敷地に限られます。法人格のない宗教団体や個人名義の建物は対象外です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お寺の本堂って、借金があっても差し押さえられないって本当ですか?
条件付きで本当である。66条以下の登記がされた礼拝用建物と敷地は、登記後に原因が生じた私法上の金銭債権のためには差し押さえられない(83条)。ただし抵当権・先取特権・質権の実行と破産は例外で、登記前の借金にも保護は及ばない。実務のポイント:回収に慣れた業者は、寺と取引する前に必ず権利部と登記日を確認する。確認せずに無担保で工事を請けた業者だけが、後から回収できなくなる
Q2申請すれば登記官は必ず記録してくれるんですか?中身を調べたりしないんですか?
68条は、67条1項による申請があれば記録しなければならないと定めており、登記官に記録するかどうかの裁量はない。ただし申請書類に不備があれば受理されない。実務のポイント:登記官の審査は書類中心で、現地で礼拝の実態まで確かめるわけではないとされる。登記は保護を得るための入口にすぎず、実際に礼拝に使っていなければ、執行の場面で債権者から争われる余地が残る(実務上、争点になりうる)
間違えやすい点 AI による整理
- 「お寺や神社の本堂は宗教施設だから当然差し押さえられない」と思われがちだが、法律はそう扱わない。66条以下の登記をしていなければ、本堂も境内地も普通の不動産と同じく強制執行の対象になる。保護を生むのは建物の用途ではなく、登記簿の記録である
- 礼拝用の登記に差押禁止の効果があることは知っていても、その守備範囲の狭さは見落とされやすい。83条が及ぶのは登記後に原因が生じた私法上の金銭債権に限られ、抵当権・先取特権・質権の実行と破産手続開始の決定は例外である。銀行融資のために本堂へ抵当権を付けた時点で、その融資については登記の効果はない
- 固定資産税がかからないことと、この登記は同じだと思われがちである。しかし固定資産税の非課税は地方税法348条に基づき、境内建物・境内地を専ら本来の用途に使っているかという実態で判断され、礼拝用登記の有無で決まるものではない。さらに83条は私法上の債権に限った規定なので、税金の滞納処分は止められない。登記があれば税も差押えも安全だと思っていると、役所からの通知で足元をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 68条:登記官が権利部に礼拝用の旨を記録する義務 | 67条:宗教法人による登記の申請手続 83条:登記済み礼拝用建物・敷地の差押禁止 |
| 主体 | 登記官 | 宗教法人 債権者・執行裁判所 |
| 効果 | 権利部への記録(公示) | 記録を求める手続の開始 登記後に原因が生じた私法上の金銭債権による差押えの禁止 |
| 限界・例外 | 書類不備なら受理されない、礼拝の実態までは現地調査しないとされる | 宗教法人所有の礼拝用建物・敷地に限る 先取特権・抵当権・質権の実行、破産手続開始は例外 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は祭祀・礼拝に用いる動産を差押禁止とするが、日本のように礼拝用不動産を登記で公示して保護する制度はない
韓国は登録された伝統寺刹の境内地等について差押えを制限する特別法を持つが、対象は伝統寺刹に限られる
ドイツは憲法レベルで教会財産を保障する。登記による個別公示ではなく、公法上の地位と結び付いた保護である
フランスでは1905年以前の多くの教会建物が公有で礼拝に供されており、日本とは所有構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本堂の屋根改修を請け負った工務店として、2,000万円の代金が半年未払いのまま止まっている。本堂を差し押さえようと登記事項証明書を取ると、権利部に礼拝用の旨が記録されていた。登記が工事契約より前なら、通常の強制執行の道は83条で塞がれる。着工前に不動産工事の先取特権(民法327条、338条)を登記していれば、話はまったく別になる
- 檀家総代会で、寺が業者から運転資金を借りる話が進んでいる。来週には契約書に判を押す予定だ。その前に、本堂が礼拝用の登記を済ませているか確かめたか? 登記後に生じた借金なら本堂は差押えの対象外になるが、相手が抵当権の設定を求めてきて応じた瞬間、その保護は抵当権の実行に対しては働かない
- 礼拝用の登記がある建物が、実際は倉庫として使われていたらどうなる? 83条が守るのは「礼拝の用に供する」建物で、登記をしたものに限られる。実態が伴わなければ、債権者は保護の前提そのものを争える
取るべき行動
被害を受けた側:宗教法人の役員として本堂を守りたい場合:1. 法務局で本堂と境内地の登記事項証明書を取り、権利部に礼拝用の旨の記録があるか、その日付はいつかを確認する2. 記録がなく、実際に礼拝に使っているなら、67条に基づく申請を早急に検討する3. 借入れで抵当権を求められたら、その融資については保護が外れることを責任役員会で共有したうえで決議する4. 経営難が深刻なら、破産では保護が効かない前提で、弁護士と再建策を詰める
訴えられた側:宗教法人に債権を持つ側の場合:1. 登記事項証明書で礼拝用の記録の有無と登記日を確認し、自分の債権の発生原因がそれより前か後かを特定する2. 登記前に原因があれば差押えの対象になりうる3. 登記後であれば、本堂以外の財産(預金、収益事業の資産、礼拝に使っていない不動産)を調べる4. 建物が実際には礼拝に使われていない疑いがあれば、写真などの証拠を集め、執行手続で争う余地を弁護士と検討する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。ただし83条の差押禁止は「登記後に原因を生じた」債権にしか及ばないため、登記の日付が事実上の分岐点になる。債権者の請求権には一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正に伴う整備(要検証) 登記簿の電子化に合わせ、「登記記録中権利部」という現行の文言に改められたとみられる。改正法令名と改正回数は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法の制定により、礼拝用建物・敷地の登記制度と登記官の記録義務が設けられた
- 宗教法人法 第66条礼拝用建物・敷地の登記の根拠規定
- 宗教法人法 第67条本条の前提となる登記申請手続
- 宗教法人法 第83条登記済み礼拝用建物の差押禁止効果
- 宗教法人法 第69条礼拝用でなくなった場合の登記の扱い(現行効力を要確認)
- 地方税法 第348条境内建物の固定資産税非課税、登記とは別の要件
- 民法 第327条不動産工事の先取特権、83条の例外となる担保
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める