宗教法人法 第69条(礼拝の用途廃止に因る登記の抹消)
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- 宗教法人は、前条の規定による登記をした建物が礼拝の用に供せられないこととなつたときは、遅滞なく同条の規定による登記の抹消を申請しなければならない。前条の規定による登記をした土地が礼拝の用に供する建物の敷地でなくなつたときも、また同様とする。
- 2.登記官は、前項前段の規定による申請に基き登記の抹消をした場合において、当該建物の敷地について前条の規定による登記があるときは、あわせてその登記を抹消しなければならない。
この条文の基本情報
礼拝の用途廃止に因る登記の抹消とは何ですか?
定義礼拝の用途廃止に因る登記の抹消とは、宗教法人法第69条に定められた規定で、「宗教法人は、前条の規定による登記をした建物が礼拝の用に供せられないこととなつたときは、遅滞なく同条の規定による登記の抹消を申請しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第69条(礼拝の用途廃止に因る登記の抹消)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第69条の条文原文は「宗教法人は、前条の規定による登記をした建物が礼拝の用に供せられないこととなつたときは、遅滞なく同条の規定による登記の抹消を申請しなければならない。」で始まります。
- 宗教法人法第69条は第二節に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第69条の前の条は宗教法人法第68条です。
- 宗教法人法第69条の次の条は宗教法人法第70条です。
- 宗教法人法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法69条は、礼拝用建物・敷地の登記をした建物が礼拝に使われなくなったとき、宗教法人が遅滞なく抹消を申請すべきと定める。敷地の登記は登記官があわせて抹消する。
Q · お寺の本堂を使わなくなったら、差押禁止の登記はそのまま残せるの?
残せない。宗教法人は遅滞なく抹消を申請する義務を負う
宗教法人法69条1項により、礼拝用建物の登記をした建物が礼拝に使われなくなったときは、宗教法人が遅滞なく登記の抹消を申請しなければなりません。土地が礼拝用建物の敷地でなくなった場合も同じです。建物の登記を抹消したとき、その敷地に同種の登記があれば、登記官があわせて抹消します(同条2項)。この登記は83条の差押禁止の前提となるため、放置すると債権者や買主との争いの火種になります。
解説
寺の本堂や教会の礼拝堂には、差押えをはね返す特別な登記がある。宗教法人法の第7章第2節にある「礼拝用建物・敷地である旨の登記」で、これがあると、登記後に発生した一般の金銭債権では原則として差し押さえられない(83条)。ただし本条は、この盾を外す義務も定めている。建物が礼拝に使われなくなったとき、あるいは土地が礼拝用建物の敷地でなくなったとき、宗教法人は「遅滞なく」(正当な理由なくぐずぐずせずに)登記の抹消を自分で申請しなければならない。本堂を閉じて倉庫にした、礼拝堂を取り壊して駐車場にした、合併で建物を使わなくなった。こうした場面で登記を放置しても、盾が残り続けるわけではない。実態と登記が食い違えば、債権者や取引の相手方から真っ先に突かれる。反対に債権者の立場なら、登記簿の記載よりも建物が今どう使われているかを見ればよい。登記より実態がものを言う、その仕組みが見えていれば、寺院の不動産の取引でも債権回収でも判断を誤らない。
法的な位置づけ
宗教法人法69条は、同法68条により礼拝の用に供する建物・敷地である旨の登記をした不動産について、建物が礼拝の用に供されなくなった場合または土地がその敷地でなくなった場合に、宗教法人が遅滞なく登記の抹消を申請する義務を定め、建物登記の抹消に伴う敷地登記の抹消を登記官に義務づける規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.礼拝の実態がなくなったかを確認する 建物が一時休止なのか用途廃止なのかを、法要記録・使用状況・役員会の議事録で整理する。倉庫転用、取壊し、合併による不使用などは廃止と評価されやすい
- 2.登記事項証明書で対象の登記を特定する 建物と敷地それぞれについて、礼拝用建物・敷地である旨の登記の有無と登記日を確認する。建物の抹消で足りるのか、土地だけ個別に抹消申請が要るのかを切り分ける
- 3.規則上の内部手続を確認する 境内建物の用途変更や処分を伴う場合は、宗教法人法23条の公告や規則で定める手続が済んでいるかを確認する
- 4.管轄の法務局に抹消を申請する 代表役員の名義で抹消申請書を作成し、管轄の法務局に提出する。土地が敷地でなくなった場合は土地についても法人自身が申請する。司法書士への依頼が一般的
- 5.抹消後の登記簿を確認する 抹消完了後に登記事項証明書を取り直し、建物と敷地の記載が実態と一致しているかを確認する。売買の決済書類として買主にも提示する
よくある質問 AI による整理
Q1宗教法人法69条とは?
礼拝用建物・敷地である旨の登記について、礼拝の用途がなくなったときに宗教法人が遅滞なく抹消を申請する義務を定めた条文です。
Q2礼拝用建物の登記の抹消はいつまでに申請する?
条文は「遅滞なく」とだけ定め、日数の期限はありません。建物が礼拝に使われなくなった時点から、正当な理由なく遅らせずに申請する必要があります。
Q3本堂を倉庫に転用したら登記はどうなる?
礼拝の用に供されなくなったと評価されれば、宗教法人は抹消を申請する義務を負います。登記が自動で消えることはありません。
Q4礼拝用建物の登記の抹消を怠ると罰則はある?
登記を怠った代表役員等には、宗教法人法88条で10万円以下の過料が定められています。抹消申請に適用されるかは、最新の条文で確認してください。
Q5礼拝用建物の登記の抹消申請は誰がする?
申請義務を負うのは宗教法人自身です。実務上は代表役員の名義で、司法書士に依頼して管轄の法務局へ申請するのが一般的です。
Q6礼拝用建物の登記があるとお寺は差し押さえられない?
83条により、登記後に原因が生じた一般の金銭債権では原則として差し押さえられません。抵当権などの担保権の実行や破産の場合は例外です。
Q7お寺の土地を買うとき登記簿で何を確認する?
所有権や抵当権に加え、礼拝用建物・敷地である旨の登記が残っていないかを確認します。残っていれば、決済前に抹消する段取りを契約で決めておきます。
Q8礼拝用建物の登記の抹消に必要な書類は?
抹消申請書のほか、用途がなくなったことを示す書面などが求められる場合があります。具体的な添付書面は、管轄の法務局か司法書士に事前に確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本堂を何年か閉めているだけで、いずれ再開するつもりです。それでも抹消しないといけないんですか?
条文の基準は「礼拝の用に供せられないこととなつたとき」なので、一時的な休止か用途の廃止かが分かれ目になる(69条1項)。修繕や一時休止なら直ちに抹消とはならないが、倉庫に転用した、何年も法要に使っていないといった事情が積み重なれば、廃止とみられやすい。実務のポイント:休止中も法要記録や清掃記録を残しておくと、実態を問われたときにそのまま反論の材料になる
Q2建物の登記を消したら、土地の登記も自分で消さないといけないの?
建物の用途廃止で抹消したとき、その敷地に同様の登記があれば、登記官が一緒に抹消する(69条2項)。一方、建物はそのままで土地の一部だけが敷地でなくなった場合は、法人自身が申請しなければならない(69条1項後段)。実務のポイント:境内地の一部を分筆して売るときがまさにこの場面で、分筆と抹消の申請を同じ段取りに組み込まないと、買主側の決済が止まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「一度登記すれば差押禁止はずっと続く」と考えがちだが、差押禁止の前提は礼拝に使われているという実態である。用途が終われば法人は抹消を申請する義務を負う。登記が残っていても、実態のない保護がそのまま通るとは考えないほうがよい。実務上、登記と実態がずれているときの差押えの扱いは解釈が分かれうる
- 抹消は登記官が勝手にやってくれると思われやすいが、自動で抹消されるのは、建物の抹消に伴う敷地の登記だけである(2項)。用途廃止の申請も、土地だけ敷地でなくなった場合の申請も、宗教法人自身の仕事だ。役員が交代した法人ほど、この責任の所在がうやむやになる
- 寺院の内部から見れば本堂は「いつか再開する建物」でも、法律が問うのは今礼拝に使われているかどうかである。役員会の心づもりと法の物差しのこの差を放置すると、ある日の債権者との交渉で、法人の主張の土台が丸ごと崩れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 宗教法人法69条:礼拝の用途がなくなったときの登記の抹消 | 宗教法人法68条:礼拝用建物・敷地である旨の登記 宗教法人法83条:登記した礼拝用建物等の差押禁止 |
| 主体 | 宗教法人(抹消申請)と登記官(敷地の連動抹消) | 登記を受ける宗教法人と登記官 債権者による差押えを制限 |
| きっかけ | 建物が礼拝に使われなくなる、土地が敷地でなくなる | 礼拝用建物・敷地の登記の申請 登記後に原因が生じた金銭債権による差押え |
| 実務上の効果 | 差押禁止の盾を外し、登記簿を実態にそろえる | 差押禁止の前提となる公示をつくる 担保権の実行・破産を除き差押えを禁じる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には宗教法人法に当たる統一法がなく、祭祀・礼拝に用いる物の差押禁止は強制執行法の差押禁止物の規定で扱われる。不動産を登記で保護して抹消を義務づける日本型の仕組みとは構造が異なる
ドイツでは公法上の法人である教会に対する強制執行が制限され、公の任務に不可欠な財産が保護される。登記ではなく、法人格と財産の用途で保護の範囲が決まる
フランスでは1905年以前の礼拝用建物の多くが公有とされ、信徒に供用されている。私法上の差押禁止登記という発想とは前提が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 檀家が減って本堂を閉じ、物置として使い始めてから三年。登記簿には「礼拝の用に供する建物」の記載が残ったままだ。取引先への支払いが滞り、相手の弁護士は「礼拝に使われていない以上、差押禁止の前提を欠く」と主張してきた。抹消を怠っていた事実そのものが、法人の管理体制を疑わせる材料になる
- 後継者のいない寺の境内地を買わないかと不動産業者から持ちかけられたら、何を確認すべきか? 権利部の所有権や抵当権だけでなく、礼拝用建物・敷地の登記が残っていないかを見る。残っていれば、決済までに抹消の段取りが組まれているかを契約条項で詰めておく必要がある
- 教会の礼拝堂を取り壊し、跡地を月極駐車場にする工事が来週終わる。敷地の登記は建物の抹消に連動して登記官が抹消するが、建物が残ったまま土地だけ切り離すなら話は別で、法人自身が申請しなければならない。工事の完了日が、そのまま申請準備の締切になる
取るべき行動
被害を受けた側:宗教法人に対する債権を回収したい立場なら、1. 登記事項証明書で礼拝用建物・敷地の登記と登記日を確認する2. 現地を写真で記録し、礼拝の実態がないことの証拠を集める3. 債権の発生日が登記日より前か後かを整理する(83条の保護は登記後の債権に及ぶ) 4. 抵当権など担保権があれば差押禁止の例外になるので、担保の有無を確認したうえで弁護士に執行の可否を相談する
訴えられた側:宗教法人の役員で、抹消の遅れを指摘された場合は、1. 礼拝の実態が本当になくなったのか、一時休止にすぎないのかを記録で整理する2. 用途を廃止したのであれば、速やかに抹消申請書を作り、管轄の法務局に提出する3. 境内建物の処分や用途変更を伴うなら、23条の公告など規則上の手続が済んでいるかも確認する4. 申請を怠った場合の過料(88条)の適用も踏まえ、司法書士に早めに依頼する
時効(請求できる期限):本条の期限は「遅滞なく」で、日数の定めはない。起算点は、建物が礼拝に使われなくなった時、または土地が礼拝用建物の敷地でなくなった時。登記を怠ったときの代表役員等への過料は88条で10万円以下とされている(抹消申請への適用範囲と最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法の制定に伴い、礼拝用建物・敷地の登記制度とあわせて、用途がなくなったときの抹消義務と敷地登記の連動抹消を定めた
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