宗教法人法 第88条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合においては、宗教法人の代表役員、その代務者、仮代表役員又は清算人は、十万円以下の過料に処する。
- 一所轄庁に対し虚偽の記載をした書類を添付してこの法律の規定による認証(第十二条第一項の規定による認証を除く。)の申請をしたとき。
- 二第九条又は第四十三条第三項の規定による届出を怠り、又は虚偽の届出をしたとき。
- 三第二十三条の規定に違反して同条の規定による公告をしないで同条各号に掲げる行為をしたとき。
- 四第二十五条第一項若しくは第二項の規定に違反してこれらの規定に規定する書類若しくは帳簿の作成若しくは備付けを怠り、又は同条第二項各号に掲げる書類若しくは帳簿に虚偽の記載をしたとき。
- 五第二十五条第四項の規定による書類の写しの提出を怠つたとき。
- 六第四十八条第二項又は第四十九条の五第一項の規定による破産手続開始の申立てを怠つたとき。
- 七第四十九条の三第一項又は第四十九条の五第一項の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。
- 八第五十一条第二項の規定による裁判所の検査を妨げたとき。
- 九第七章第一節の規定による登記をすることを怠つたとき。
- 十第七十八条の二第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。
- 十一第七十九条第一項の規定による事業の停止の命令に違反して事業を行つたとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第88条は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第88条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合においては、宗教法人の代表役員、その代務者、仮代表役員又は清算人は、十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 宗教法人法第88条は第十章に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第88条の前の条は宗教法人法第87条の2です。
- 宗教法人法第88条の次の条は宗教法人法第89条です。
- 宗教法人法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第88条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/88
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法88条は、書類提出や登記・公告の懈怠、所轄庁の質問への答弁拒否など11類型の手続違反について、代表役員等の個人に十万円以下の過料を科す規定。
Q · お寺が県に書類を出さないと、誰が罰せられるの?
住職など代表役員個人に十万円以下の過料
宗教法人法88条により、財産目録等の写しの提出(25条4項)や登記、公告を怠った場合、過料を科されるのは法人ではなく代表役員・代務者・仮代表役員・清算人の個人で、上限は十万円です。刑罰ではない秩序罰のため前科はつきませんが、地方裁判所が非訟事件手続で決定します。提出の遅れが長期に及ぶと、不活動宗教法人として所轄庁の監視対象にもなりえます。
解説
上限十万円と聞いて「たいしたことはない」と思ったなら、見落としが二つある。一つ目は、払うのが法人ではないことだ。過料(刑罰ではない金銭の制裁で、前科はつかない)を科されるのは、代表役員、その代務者、仮代表役員、清算人という個人である。寺や教会の口座からではなく、住職や宮司本人の名前で裁判所の決定が届く。二つ目は、本条が「違反の記録」を残す装置だということだ。本条が並べる十一の行為は、書類作成の怠り、毎年の書類提出の怠り、境内地を処分する前の公告の欠落、登記の放置、所轄庁の質問に答えないこと、といった地味な手続違反ばかりである。だが2023年、文部科学省は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が質問権の行使に一部回答しなかったとして本条を使い、裁判所は過料十万円を科した。金額は小さいが、その記録は解散命令請求の材料と同じ流れの中に積み上がっていった。あなたが宗教法人の役員なら、本条はその流れの入口にあたる。
法的な位置づけ
宗教法人法第88条は、宗教法人の手続上の義務違反に対する秩序罰を定める規定である。認証申請への虚偽書類添付、届出・登記・公告の懈怠、書類帳簿の作成備付け及び写し提出の懈怠、破産手続開始申立ての懈怠、裁判所検査の妨害、報告徴収・質問への答弁拒否、事業停止命令違反につき、代表役員等の個人を十万円以下の過料に処する。
よくある質問 AI による整理
Q1宗教法人法88条の過料はいくら?
上限は十万円です。裁判所が違反の内容や是正の状況を踏まえ、その範囲内で金額を決めます。刑罰ではない秩序罰として扱われます。
Q2代表役員の代務者や清算人も過料の対象になる?
なります。本条は代表役員、その代務者、仮代表役員、清算人を対象として明記しており、その職にある個人が責任を負います。
Q3宗教法人の財産目録はいつまでに提出?
毎会計年度終了後四か月以内に、財産目録や役員名簿などの写しを所轄庁へ提出します(25条4項)。怠ると88条5号の過料対象です。
Q4宗教法人の境内地を売るときの公告とは?
境内地や境内建物などの処分は、少なくとも一か月前に信者その他の利害関係人へ公告が必要です(23条)。欠くと過料の対象になり、処分の無効も問題になります。
Q5宗教法人の質問権とは?
解散命令事由などの疑いがある場合に、所轄庁が宗教法人審議会の意見を聴いたうえで報告を求め、質問できる権限です(78条の2)。答弁拒否は88条10号の対象です。
Q6宗教法人の過料決定に不服がある場合は?
略式手続の決定なら告知から一週間以内に異議を申し立てられます。通常手続の決定には即時抗告で争います(非訟事件手続法)。
Q7宗教法人の登記を怠るとどうなる?
第7章第1節の登記(変更登記など)を怠ると、88条9号により代表役員等が十万円以下の過料に処せられます。登記期間の経過に注意が必要です。
Q8宗教法人法88条に違反すると解散になる?
過料そのもので解散にはなりません。ただし手続違反の積み重ねは記録として残り、81条の解散命令の判断で事情として考慮されうるものです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのお寺、何年も書類を県に出してなかったんですけど、今から出しても過料になりますか?
過去の未提出は88条5号の対象になりうるため、今から出しても過料の可能性は消えない。ただし、所轄庁が裁判所に通知するかどうか、裁判所がいくら科すかの判断では、是正済みかどうかが考慮されやすい。実務のポイント:所轄庁はまず督促を送り、それでも反応がない法人を選んで裁判所に通知するのが一般的とされる。督促が届いた時点ですぐ提出することが、事実上の分かれ目になる
Q2過料って、お寺のお金から払っちゃだめなんですか?
本条が過料の対象としているのは代表役員などの個人であり、法人ではない。法人の財産から立て替えると、目的外の支出として責任役員会で問題になり、税務上は役員個人への給与(賞与)と扱われるおそれもある(実務上、扱いの確認が必要)。実務のポイント:代替わりした直後の住職が、前任者の時代から続く未提出の責任をまとめて負うケースが多い。就任時に過去の提出状況を所轄庁で確認しておくのが、最も安く済む予防策である
Q3旧統一教会の過料って、たった十万円で意味あったんですか?
金額だけを見れば小さい。だが裁判所が「78条の2による質問権の行使は適法で、回答を拒んだのは違反」と判断したことは、所轄庁の調査権限の有効性を司法の場で確認したことを意味する。過料事件は2025年に最高裁で確定したと報じられている(最新の状況をご確認ください)。実務のポイント:本条の過料は、解散命令(81条)を請求する際の手続面の裏付けとしても働く。金額ではなく、記録として残ることに意味がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料は罰金と同じで、前科がつく」と思われがちだが、過料は刑罰ではなく秩序罰である。刑事裁判を経ず、地方裁判所が非訟事件手続(非訟事件手続法119条以下)で決定する。前科にはならない。その一方で、警察沙汰ではないからと油断すると、所轄庁からの通知だけで手続が淡々と進んでいく
- 書類提出の遅れは事務の不手際にすぎないと考える役員は多いが、深刻度の見積もりが甘い。25条4項の書類提出が何年も途絶えた法人は、所轄庁から活動実態のない「不活動宗教法人」として扱われやすい。法人格の売買や脱税の受け皿として悪用されることへの警戒から、解散命令の検討対象にもなりうる。十万円で済むかどうかではなく、法人格を維持できるかどうかの問題である
- 「信教の自由があるから、行政の質問に答える義務はない」と考える人がいる。宗教者から見れば信仰への介入に映るが、法律から見れば、78条の2の質問は解散命令事由の疑いがある場合に限って、宗教法人審議会の意見を聴いたうえで行う法定の手続である。答えないこと自体が本条10号の違反となり、旧統一教会の事例で裁判所はこの構図を認めた。両者の見え方の落差が、そのまま過料の決定につながる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 88条:十万円以下の過料(秩序罰) | 81条:裁判所による解散命令 24条:公告を欠く処分行為の無効 |
| 誰に向くか | 代表役員・代務者・仮代表役員・清算人の個人 | 宗教法人そのもの(法人格の消滅) 処分行為(売買等)の効力 |
| 発動のきっかけ | 所轄庁の通知等により地方裁判所が非訟事件手続で決定 | 所轄庁・利害関係人・検察官の請求 利害関係人による無効の主張(善意の相手方・第三者には対抗不可) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には宗教法人法がなく、宗教団体は寺廟登記や財団法人として規律される。財団法人法には主管機関への報告懈怠に対する罰鍰規定がある
韓国では宗教団体の多くが非営利法人として民法の規律を受け、登記懈怠などについて理事等の個人に過料(과태료)が科される構造は日本と近い
ドイツの登記社団では、登記裁判所が届出を怠った理事に強制金を科すことができる。公法上の団体である教会には別の規律がある
フランスの宗教団体(associations cultuelles)は1905年法により会計や財産管理の規律を受け、違反には管理者への罰則が置かれている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父から寺を継いで三年、新しい住職のあなたは、毎年の財産目録の写しを都道府県に出す仕組みがあることを知らなかった。ある日、地方裁判所から過料の決定書が届く。宛名は寺ではなく、あなた個人である
- もし、檀家総代の一人が「境内の駐車場を売った話を、誰も聞いていない」と言い出したら、どうなる? 23条の公告をせずに処分していれば、代表役員は本条で過料の対象になる。さらに24条によって、その売買自体が無効と主張される余地も生まれる
- 所轄庁から報告徴収の文書が届いた。回答期限まであと二週間ある。「宗教上の秘密だから答えない」で済ませた場合、答弁拒否として本条10号の対象になる。答えない部分には、答えない理由を個別に書面で示しておく必要がある
- 宗教法人格を「買った」知人から代表役員を引き受けてほしいと頼まれた。帳簿は前任者の時代から作られていない。名前を貸すだけのつもりでも、作成・備付けを怠った責任は代表役員個人に来る
- 解散した宗教法人の清算人になった。債務超過に気付いたのに破産手続開始の申立てをしなかった
取るべき行動
被害を受けた側:檀家・信者・取引相手として法人の運営に疑問がある場合の手順である。1. 25条3項に基づき、財産目録や役員名簿などの備付け書類の閲覧を書面で請求する(正当な利益があり、不当な目的でないことが条件)2. 境内地や宝物の処分を知ったら、23条の公告がされたか確認する3. 書類が存在しない、公告がないなどの事実が分かったら、日付入りで記録し、所轄庁(都道府県知事または文部科学大臣)に情報提供する4. 処分行為の無効(24条)を争う場合は弁護士に相談する
訴えられた側:1. 過料の対象は代表役員個人であることを前提に、未提出の書類を直ちに作成・提出し、是正の事実を記録に残す2. 裁判所から陳述を求められたら、違反に至った経緯と是正の状況を具体的に書面で説明する3. 当事者の陳述を聴かずに出される略式の過料決定には、告知から一週間以内に異議を申し立てられる(非訟事件手続法122条)4. 質問への回答を拒む部分がある場合は、拒否の理由を項目ごとに書面化しておく
時効(請求できる期限):財産目録などの書類の写しは、毎会計年度終了後四か月以内に所轄庁へ提出する(25条4項)。境内地などの処分は、少なくとも一か月前に公告する(23条)。過料決定に対する不服申立ては、略式手続の場合は告知から一週間以内の異議、通常手続の場合は即時抗告となる(非訟事件手続法120条・122条)。過料を科す権限の期間制限については明文がなく、実務上、解釈が分かれている。上限額を含め、最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:本条の過料は行政上の義務の履行を確保するための秩序罰であり、刑罰ではない。そのため刑事手続ではなく非訟事件手続法に基づき地方裁判所が決定し、刑法総則の適用はない
改正沿革 AI による整理
- 平成7年(1995年)改正 オウム真理教事件を受けた改正で、書類の写しを所轄庁に提出する義務(25条4項)と、所轄庁の報告徴収・質問権(78条の2)が設けられた。これに対応する過料の対象行為が本条に加えられた
- 平成16年(2004年)前後の破産法改正 「破産の宣告」から「破産手続開始」への用語変更に伴い、本条の文言が整理されたとみられる。正確な改正年と経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法の制定とともに、代表役員等に対する過料規定として設けられた
- 2.平成7年(1995年) 改正:オウム真理教事件を受けた改正で、書類の写しの所轄庁への提出義務(25条4項)と報告徴収・質問権(78条の2)が新設され、これらの違反が本条の過料対象に加えられた
- 宗教法人法 第25条書類の作成・備付け・提出義務の本体
- 宗教法人法 第23条不動産等処分前の公告義務
- 宗教法人法 第24条公告を欠く処分行為の無効
- 宗教法人法 第78条の2所轄庁の報告徴収・質問権
- 宗教法人法 第81条解散命令、違反記録が判断材料に
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄と裁判手続
- 非訟事件手続法 第122条略式過料裁判と異議申立て
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