宗教法人法 第70条(所有権の移転に因る登記の抹消)
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- 登記官は、第六十八条の規定による登記をした建物又は土地について所有権移転の登記をしたときは、これとともに当該建物又は土地に係る同条の規定による登記を抹消しなければならない。
- 2.前条第二項の規定は、前項の規定により建物について登記の抹消をした場合に準用する。
- 3.前二項の規定は、宗教法人の合併の場合には適用しない。
この条文の基本情報
所有権の移転に因る登記の抹消とは何ですか?
定義所有権の移転に因る登記の抹消とは、宗教法人法第70条に定められた規定で、「登記官は、第六十八条の規定による登記をした建物又は土地について所有権移転の登記をしたときは、これとともに当該建物又は土地に係る同条の規定による登記を抹消しなけれ…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宗教法人法第70条(所有権の移転に因る登記の抹消)は、日本の宗教法人法に含まれる条文です。
- 宗教法人法第70条の条文原文は「登記官は、第六十八条の規定による登記をした建物又は土地について所有権移転の登記をしたときは、これとともに当該建物又は土地に係る同条の規定による登記を抹消しなけれ…」で始まります。
- 宗教法人法第70条は第二節に置かれています。
- 宗教法人法の公布日は昭和26年4月3日です。
- 宗教法人法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 宗教法人法第70条の前の条は宗教法人法第69条です。
- 宗教法人法第70条の次の条は宗教法人法第71条です。
- 宗教法人法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000126 - 本サイト収録
宗教法人法(昭和二十六年法律第百二十六号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000126/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宗教法人法70条は、礼拝用登記のある建物・土地について所有権移転登記をした登記官が、その礼拝用登記を職権で抹消すると定める。宗教法人の合併の場合は適用されない。
Q · お寺の本堂と土地を買ったら、「礼拝用」の登記は誰がいつ消すの?
登記官が移転登記と同時に職権で抹消する
宗教法人法70条1項により、68条の礼拝用登記がある建物・土地について所有権移転の登記をした登記官は、同時にその礼拝用登記を職権で抹消しなければなりません。当事者の抹消申請は不要です。建物の登記を抹消した場合は前条2項が準用されます。ただし宗教法人の合併による承継には適用されず、礼拝用登記とそれに基づく差押え制限(83条)は存続法人の下で維持されます。
解説
宗教法人の本堂やその敷地には、不動産登記簿に「礼拝用建物」「礼拝用敷地」と書き込める仕組みがある(宗教法人法7条、66条、68条)。この記載があると、記載後に生じた普通の金銭債権のための差押えから守られる(83条)。ただし、抵当権などの担保権を実行する場合は例外である。この記載は、所有権が他人へ移った時点で失われる。本条によると、登記官は所有権移転の登記をしたとき、礼拝用の登記も職権(申請を待たずに役所が自ら行うこと)で一緒に消さなければならない。建物の記載を消したときは、敷地側の処理を定めた前条2項も準用される。例外は宗教法人どうしの合併だけで、この場合は記載が消えない。寺院の土地建物を買う人、売る人、そこに融資する人は、売買契約の決済と同時に「差押えから守られる地位」も消えると覚えておけばよい。この一点を知っているかどうかで、取引の見え方が変わる
法的な位置づけ
宗教法人法70条は、礼拝用建物・敷地の登記(同法68条)がされた不動産について所有権移転の登記がなされた場合に、登記官が当該礼拝用登記を職権で抹消すべき旨を定める規定である。建物の抹消には同法69条2項を準用し、宗教法人の合併による承継には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で礼拝用登記を確認 対象の建物・土地の登記事項証明書を取得し、礼拝用建物・礼拝用敷地の記載の有無、所有者が宗教法人であるか、抵当権等の担保権の設定状況を確認する
- 2.売主側の処分手続の履践を確認 売主の宗教法人に、規則で定める手続、責任役員の議決、処分の1か月前までの公告(23条)を済ませているか確認し、議事録や公告の写しを受け取る
- 3.決済日に所有権移転登記を申請 売買代金の決済と同時に所有権移転登記を申請する。礼拝用登記の抹消申請は不要で、登記官が移転登記とともに職権で抹消する(70条1項)
- 4.抹消の反映を登記簿で確認 登記完了後に改めて登記事項証明書を取得し、礼拝用登記が抹消されていることを確認する。融資を受ける場合は金融機関にもこの証明書を提出する
よくある質問 AI による整理
Q1礼拝用建物の登記とは何ですか?
宗教法人が所有する本堂などの礼拝用建物とその敷地について、不動産登記簿に礼拝用である旨を記載する制度です。宗教法人法7条・66条以下が根拠で、83条の差押え制限の前提になります。
Q2お寺の本堂は差し押さえできる?
礼拝用登記があれば、登記後に原因が生じた一般の金銭債権による差押えはできません(83条)。ただし抵当権などの担保権の実行や破産手続開始の場合は例外です。
Q3礼拝用登記をしていない本堂はどうなる?
礼拝用登記がなければ83条の差押え制限は及びません。実際に礼拝に使われていても、登記がない限り一般の不動産と同様に差押えの対象になり得ます。
Q4寺の境内地を売却するにはどんな手続が必要?
宗教法人の規則で定める手続や責任役員の議決に加え、処分の少なくとも1か月前に信者その他の利害関係人へ公告する必要があります(23条)。
Q5礼拝用登記があるかどうかはどこで確認できる?
法務局で取得できる登記事項証明書で確認します。オンラインの登記情報提供サービスでも閲覧でき、寺院物件の調査では最初に見るべき箇所です。
Q6抵当権が付いたお寺の本堂は競売される?
されることがあります。83条は抵当権・質権・不動産先取特権の実行を例外としているため、礼拝用登記があっても担保権者による競売は妨げられません。
Q7宗教法人が破産したら本堂はどうなる?
83条は破産手続開始の決定があった場合も例外としています。礼拝用登記があっても、本堂や敷地は破産財団に組み込まれ、換価の対象になり得ます。
Q8寺の土地を買うときの注意点は?
礼拝用登記の有無、23条の公告や責任役員の議決といった処分手続の履践、担保権の設定状況を確認します。手続に瑕疵があると、後で処分の効力を争われる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お寺から本堂と土地を買ったけど、「礼拝用」の記載は自分で消す手続が要るの?
不要である。宗教法人法70条1項により、登記官が所有権移転の登記をするとき、職権で一緒に抹消する。建物の記載を抹消したときは、前条2項の処理も準用される。実務のポイント:本当に確認すべきなのは記載の抹消ではなく、売主側で境内地処分の公告(23条)と責任役員の議決が済んでいるかである。ここが抜けていると、後から処分の効力を争われる余地が残る
Q2宗教法人同士が合併したら、本堂の差押え禁止はどうなる?
本条3項により、合併の場合は抹消の規定が適用されない。礼拝用の記載は残り、83条の差押え制限も原則として引き継がれる。実務のポイント:合併前の法人に貸付けをしている債権者は、統合を担保価値が上がる好機と誤解しがちである。実際には、差押えできない財産がそのまま残る。合併の公告期間中に異議を述べる手続(34条)を検討する価値がある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「お寺の本堂は差し押さえられない」と一律に信じている人が多い。しかし保護を受けるのは、宗教法人が所有し、礼拝用の登記をした建物と敷地だけである。保護の範囲も、登記後に原因が生じた一般の金銭債権に限られる(83条)。登記をしていなければ最初から保護はなく、売却されれば本条によって登記ごと消える
- 売主の宗教法人が礼拝用の記載の抹消を自分で申請しなければならないと考えるのは、前提が誤っている。所有権移転の登記をした登記官に、職権で抹消する義務がある。当事者が抹消を忘れても、記載が買主の下で残り続けることはない
- 買主から見れば「宗教色の付いた物件」が普通の不動産に変わる手続にすぎない。だが売主の債権者から見ると、差押えの対象が売却代金へ移る転換点である。立場によって、同じ登記の意味がまったく変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 70条:所有権移転登記に伴う礼拝用登記の職権抹消 | 69条:礼拝用でなくなった場合の登記の抹消 83条:礼拝用登記による差押え制限 |
| きっかけ | 第三者への所有権移転の登記 | 礼拝の用に供されなくなったこと(用途の廃止) 登記後に原因が生じた一般金銭債権による差押え |
| 誰が動くか | 登記官が職権で抹消(申請不要) | 宗教法人側の手続が中心 執行裁判所・執行機関が差押えを制限 |
| 例外 | 宗教法人の合併には適用しない(3項) | — 担保権の実行・破産手続開始の場合 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では寺廟の不動産処分に所属教会の決議と主管官署の許可を求める処分統制型で、日本のような登記連動の差押え制限と職権抹消の仕組みはない
韓国は伝統寺院として指定・登録された寺院の財産について処分許可や差押えの制限を設ける。対象は宗教一般ではなく伝統寺院に限られる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 檀家が減って維持できなくなった寺が、境内の一角にあるお堂と土地を不動産会社に売却した。決済の日に所有権移転登記が入り、礼拝用建物の記載は同時に消える。買主側にとっては、宗教施設特有の差押え制限を気にせず担保に使える物件に変わったことを意味する
- もし宗教法人どうしが合併して、本堂が存続法人のものになったら、礼拝用の記載はどうなる? 本条3項により抹消の規定は適用されず、記載はそのまま残る。売買による移転と合併による承継は、同じ「所有者が変わる」話でも扱いが分かれる
- あなたは宗教法人に貸付けをしている債権者で、来週その法人の礼拝用建物が第三者に売却される。登記が移れば礼拝用の記載は消えるが、差し押さえる相手は買主の財産になる。決済までの数日のうちに、売買代金の流れを押さえる手を打たなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 宗教法人に対する債権者なら、礼拝用建物の売却や担保設定の動きを継続して確認する。2. 売却が判明したら、売却代金債権の仮差押え(民事保全法)を弁護士と検討する。3. 責任役員会の議決や境内地処分の公告(23条)の有無を確認し、手続違反があれば処分の効力を争う(24条)。善意の相手方には対抗できない点に注意する。
訴えられた側:1. 礼拝用不動産を売る宗教法人の側なら、規則で定める手続、責任役員の議決、公告(23条)を先に済ませる。2. 買主には、礼拝用の記載は移転登記と同時に職権で抹消されることを説明しておく。3. 合併による承継なら記載は残るので、存続法人の財産目録や債権者への説明を整理しておく。
時効(請求できる期限):本条に固有の期限はない。抹消は所有権移転の登記と同時に、登記官の職権で行われる。境内建物等の処分については、処分の少なくとも1月前に公告が必要(23条)。債権の回収は一般の消滅時効(民法166条:知った時から5年、行使できる時から10年)による
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:宗教法人法(昭和26年法律第126号)の制定により、礼拝用建物・敷地の登記制度とあわせて規定された
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