高圧ガス保安法 第60条の2(調査の要請)
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経済産業大臣は、認定高度保安実施者その他の保安の確保上特に重要な者として経済産業省令で定める者において保安に係るサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法(平成二十六年法律第百四号)第二条に規定するサイバーセキュリティをいう。)に関する重大な事態が生じ、又は生じた疑いがある場合において、必要があると認めるときは、独立行政法人情報処理推進機構に対し、その原因究明のための調査を要請することができる。
この条文の基本情報
調査の要請とは何ですか?
定義調査の要請とは、高圧ガス保安法第60条の2に定められた規定で、「経済産業大臣は、認定高度保安実施者その他の保安の確保上特に重要な者として経済産業省令で定める者において保安に係るサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 高圧ガス保安法第60条の2(調査の要請)は、日本の高圧ガス保安法に含まれる条文です。
- 高圧ガス保安法第60条の2の条文原文は「経済産業大臣は、認定高度保安実施者その他の保安の確保上特に重要な者として経済産業省令で定める者において保安に係るサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法…」で始まります。
- 高圧ガス保安法第60条の2は第五章に置かれています。
- 高圧ガス保安法の公布日は昭和26年6月7日です。
- 高圧ガス保安法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 高圧ガス保安法第60条の2の前の条は高圧ガス保安法第60条です。
- 高圧ガス保安法第60条の2の次の条は高圧ガス保安法第61条です。
- 高圧ガス保安法第60条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第60条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000204 - 本サイト収録
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第60条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000204/60_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点高圧ガス保安法60条の2は、認定高度保安実施者等で保安に係るサイバーセキュリティの重大な事態が生じた疑いがある場合、経済産業大臣がIPAに原因究明調査を要請できると定める。
Q · プラントの制御システムに不正アクセスの疑いがあるだけでも、国の調査が入ることはあるの?
疑いの段階でも国がIPAに原因究明を要請できる
高圧ガス保安法60条の2により、認定高度保安実施者など経済産業省令で定める保安上特に重要な事業者で、保安に係るサイバーセキュリティの重大な事態が生じ、又は生じた疑いがある場合、経済産業大臣は必要と認めるときに情報処理推進機構(IPA)へ原因究明の調査を要請できます。被害の確定は要件ではありません。調査の目的は原因の技術的な解明であり、処罰そのものではありません。
解説
高圧ガスの事故と聞けば、多くの人はバルブの破損や配管の腐食を思い浮かべる。だが本条が想定する事故は、制御システムへの不正アクセスから始まる。保安上とくに重要な事業者(認定高度保安実施者など、経済産業省令で定める者)に、保安に関わるサイバーセキュリティ上の重大な事態が起きたとき、または起きた疑いがあるとき、経済産業大臣は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に原因究明の調査を要請できる。ここで押さえておくべき点は二つある。一つ目は、「生じた疑い」の段階で発動できることだ。被害が確定するまで、国は待たない。二つ目は、調査を担うのが警察ではなく IPA だということだ。目的は犯人を処罰することではなく、なぜ破られたのかを技術的に解き明かすことにある。あなたがプラントの保安や情報システムを担当しているなら、異常を検知した最初の数時間に何を記録し、何を保全したかが、その後の調査であなたの会社をどう評価させるかを左右する
法的な位置づけ
高圧ガス保安法60条の2は、サイバーセキュリティ事案に関する原因究明調査の要請を定める規定であり、認定高度保安実施者その他経済産業省令で定める保安上特に重要な者において、保安に係るサイバーセキュリティの重大な事態が生じ、又は生じた疑いがある場合に、経済産業大臣が独立行政法人情報処理推進機構に対し原因究明の調査を要請できる旨を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.異常検知直後に記録を保全する 制御系やITシステムを再起動・初期化する前に、ログ、通信記録、端末イメージ、制御系のスナップショットを保全する。時刻と操作した担当者を記録しておく
- 2.社内報告ラインを動かし事故届の要否を判断する 保安統括者と経営層に即時報告し、圧力・温度の管理喪失など高圧ガスの事故に当たるかを判断する。該当する場合は63条の事故届を遅滞なく提出する
- 3.調査対応の窓口を一本化して資料を準備する 経済産業省やIPAから連絡が入る前提で窓口担当者を決め、ネットワーク構成図、委託先との接続一覧、時系列表をそろえる。法務・情報システム・保安部門で提供範囲をすり合わせる
- 4.委託先に契約に基づく記録提出を求める 保守ベンダーのVPN機器など委託先が関わる経路があれば、契約のインシデント条項に基づきログや作業記録の提出を求める。条項がない場合は、書面で協力を要請し記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1高圧ガス保安法60条の2とは?
保安上特に重要な事業者でサイバーセキュリティの重大な事態が生じた(疑いを含む)とき、経済産業大臣がIPAに原因究明調査を要請できる規定です。
Q2認定高度保安実施者とは何ですか?
IoTやAIなどの先進技術を活用し、高度な自主保安体制を持つとして経済産業大臣の認定を受けた事業者です。検査や手続の柔軟化を受けられます。
Q3IPAの原因究明調査は強制ですか?
本条は経済産業大臣がIPAに調査を「要請」できる根拠規定で、事業者への直接の強制規定ではありません。ただし別途、報告徴収(61条)等の権限が使われる可能性があります。
Q4工場へのサイバー攻撃 どこに報告する?
社内の保安統括者と経営層へ即時に報告したうえで、高圧ガスの事故に当たれば都道府県知事等への事故届(63条)を検討します。IPAや経済産業省からの連絡には窓口を一本化して対応します。
Q5サイバー攻撃の疑いだけで調査対象になる?
なります。本条は重大な事態が「生じた疑いがある場合」も対象にしており、被害が確定するまで待つ必要はありません。
Q6IPA調査に協力しないと違法?
本条自体に事業者の協力義務や罰則はありません。ただし報告徴収(61条)に応じない、または虚偽報告をした場合は罰則の対象になりえます。最新の条文をご確認ください。
Q7制御システムのログはいつまで保存すべき?
本条に保存期間の定めはありませんが、機器や委託先によってはログが数日で上書きされます。異常を検知した直後の保全が、事実上の期限になります。
Q8委託先経由の侵入でも事業者の責任になる?
原因が保守ベンダー経由だったとしても、高圧ガスの保安責任は事業者に残ります。委託契約に、インシデント時の記録提供と調査協力の条項を入れておくことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1IPA の調査が入ったら、うちの会社は処分されるってことですか?
本条(60条の2)による調査の目的は原因究明であり、処分の手続そのものではない。ただし、調査で明らかになった事実をもとに、経済産業大臣が報告徴収(61条)などの別の権限を使う可能性は否定できない。実務のポイント:調査対応の質は、記録として残る。平時からインシデント対応の手順書と訓練記録を整えていた会社は、同じ被害に遭っても「備えていた事業者」として扱われやすい
Q2まだ被害が出てないのに、報告しないといけないんですか?
本条は「生じた疑いがある場合」にも国が IPA に調査を要請できると定めている。ただし、本条そのものが事業者に報告義務を課しているわけではない。高圧ガスの事故に当たれば63条の事故届が問題になる。実務のポイント:疑いの段階で同業他社にも同じ攻撃が来ていることは珍しくない。早期に共有した会社ほど、業界全体の被害を抑えた側として評価される
間違えやすい点 AI による整理
- 「IPA の調査は警察の捜査と同じだから、弁護士を通して最小限だけ答えればいい」と考える担当者がいる。だが本条の調査は原因究明が目的で、刑事責任の追及を目的としていない。防御一辺倒の対応で技術情報を出し渋ると、原因の特定が遅れ、同じ穴から再度侵入される危険を自社が背負うことになる。ただし、並行して行政処分や民事責任が問題になりうる以上、提供範囲を法務と調整しておくことは必要である
- サイバー攻撃は情報システム部門の問題で、高圧ガスの保安とは別物だと思われがちだ。だが本条は、サイバーセキュリティ上の重大な事態を、高圧ガス保安法の枠組みの中に正面から位置付けた。制御系が乗っ取られれば、それは圧力・温度の管理を失うことを意味する。経営層がこのつながりを理解していない会社ほど、事故時の説明に詰まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動くか | 60条の2:経済産業大臣がIPAに調査を要請 | 61条:経済産業大臣等が事業者に報告を求める 63条:事業者が自ら事故を届け出る |
| 発動の場面 | 保安に係るサイバーセキュリティの重大な事態の発生または発生の疑い | 法の施行に必要な限度で報告を求めるとき 高圧ガスに関する災害などの事故が発生したとき |
| 目的 | 技術的な原因究明 | 行政監督のための情報収集 事故の行政への速やかな把握 |
| 事業者への義務・罰則 | 本条自体は事業者に直接の義務を課さない | 報告拒否・虚偽報告は罰則の対象になりうる 届出義務があり、違反は罰則の対象になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重要インフラ提供者を特定非公務機関として位置付け、資安事件の通報と主管機関による対応を求める。日本のように産業保安法の中に調査要請を置く方式ではなく、横断的なサイバー法で規律する
韓国は主要情報通信基盤施設を指定し、侵害事故の際は政府の対応体制が原因分析にあたる。横断法で規律する点は台湾と同じ
ドイツは KRITIS 事業者に BSI への報告義務を課し、BSI が技術的な分析と支援を担う。日本の IPA と BSI は技術機関という点で役割が近い
米国は重要インフラ事業者に CISA へのサイバーインシデント報告を求める連邦法を整備し、詳細は規則で定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜2時、化学プラントの DCS(分散制御システム)に見覚えのない遠隔ログインの記録が残っていた。被害はまだ出ていない。それでも「疑い」の段階で本条の射程に入る。ログを消さずに保全し、社内の報告ラインを即座に動かす
- もしランサムウェアでスマート保安用の IoT センサー網が止まり、圧力監視データが6時間欠落したら、どうなる? 経済産業省から問い合わせが入り、IPA の技術者が原因究明に来る可能性がある。そのとき社内でまず問われるのは、ネットワーク構成図と委託先との接続経路を説明できるかどうかだ
- 保安部門の課長として、あなたは「様子を見よう」と経営層に進言した。72時間後、同じ侵入経路を使った攻撃が同業他社でも見つかった。初動の遅れは、報告徴収(61条)で記録を求められた時点で明るみに出る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 異常を検知したら、システムを再起動・初期化する前にログ、通信記録、端末イメージを保全する2. 社内の保安統括者と経営層に即時報告し、高圧ガスの事故に当たる場合は都道府県知事等への事故届(63条)の要否を判断する3. 経済産業省や IPA から連絡があれば、窓口を一本化し、ネットワーク構成図・委託先接続一覧・時系列表を準備する4. 委託先が関わる場合は、契約に基づき記録の提出を求める
訴えられた側:1. 調査の対象になったことは、それだけで違反の認定を意味しないと理解する2. 技術情報の提供範囲を法務・情報システム・保安部門で事前にすり合わせ、虚偽や隠蔽と受け取られる対応は避ける3. 平時の対策記録(脆弱性対応の履歴、教育記録、アクセス管理)を整理し、注意を尽くしていたことを示せるようにする4. 報告徴収(61条)を拒んだり虚偽の報告をしたりすると罰則の対象になりうるため、IPA 調査とは別に行政への報告義務を確認する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし、高圧ガスの事故に該当する場合は、事故届(63条)を遅滞なく出さなければならない。ログの保存期間は機器や委託先によって数日から数か月と幅があるため、実務上は検知直後の保全が事実上の期限になる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:高圧ガス保安法等の一部を改正する法律により、認定高度保安実施者制度の創設などスマート保安推進の改正とあわせて、サイバーセキュリティ事案についてIPAに原因究明調査を要請できる規定が整備された(施行日・条文の詳細は e-Gov で要確認)
- 高圧ガス保安法 第61条経済産業大臣等による報告徴収(現行効力を要確認)
- 高圧ガス保安法 第62条立入検査権限(現行効力を要確認)
- 高圧ガス保安法 第63条事故発生時の届出義務
- サイバーセキュリティ基本法 第2条本条のサイバーセキュリティの定義
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