税理士法 第48条の11(業務を執行する権限)
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- 税理士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。
- 2.税理士法人の社員は、定款によつて禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。
この条文の基本情報
業務を執行する権限とは何ですか?
定義業務を執行する権限とは、税理士法第48条の11に定められた規定で、「税理士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 税理士法第48条の11(業務を執行する権限)は、日本の税理士法に含まれる条文です。
- 税理士法第48条の11の条文原文は「税理士法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負う。」で始まります。
- 税理士法第48条の11は第五章の二に置かれています。
- 税理士法の公布日は昭和26年6月15日です。
- 税理士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 税理士法第48条の11の前の条は税理士法第48条の10です。
- 税理士法第48条の11の次の条は税理士法第48条の12です。
- 税理士法第48条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第48条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237 - 本サイト収録
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第48条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000237/48_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点税理士法48条の11は、税理士法人の社員全員が業務執行の権利と義務を負うと定める。定款で禁止されていなければ、特定の行為に限り代理を他人に委任できる。
Q · 税理士法人に「名前だけの社員」として入ることはできるの?
できない。社員は全員が業務執行の権利と義務を負う
税理士法48条の11第1項により、税理士法人の社員は全員が業務を執行する権利を有し、義務を負います。株式会社の出資者のように経営を人任せにする席はありません。さらに法人の財産で債務を完済できない場合、社員は連帯して弁済する責任を負います(48条の13)。2項により、定款で禁止されていなければ特定の行為の代理を他人に委任できますが、業務執行を丸ごと預けることまでは認められていません。
解説
「名前だけ貸してくれれば、実務は全部こっちでやるから」。税理士法人の設立や事務所の承継では、こうした誘いが実際にある。だが税理士法48条の11は、税理士法人のすべての社員に、業務を執行する権利と義務の両方を負わせている。ここでいう社員は従業員ではなく、出資者であり経営者でもある立場で、税理士でなければなれない。株式会社のように「出資だけして経営は人に任せる」という席は用意されていない。しかも法人の財産で債務を払いきれなければ、社員は連帯して弁済する責任を負う(48条の13)。名義だけのつもりで就任した社員も、知らなかったでは済まない立場に置かれる。一方、2項は、定款で禁止されていない限り、特定の行為の代理を他人に委任することを認めている。任せられるのはあくまで「特定の行為」であり、業務執行そのものを丸ごと預けることではない。打診にうなずく前に、引き受けるのは肩書ではなく責任だと知っておくべきである。
法的な位置づけ
税理士法第48条の11は、税理士法人における業務執行の原則を定める規定である。税理士法人の社員は全員が業務を執行する権利を有し、同時にその義務を負う。社員は、定款で禁止されていない場合に限り、特定の行為の代理を他人に委任することができるが、業務執行の包括的な委任は予定されていない。
手順
- 1.就任前に定款を取り寄せて読む 社員就任を打診されたら、返事の前に税理士法人の定款を入手し、代表社員の定め、2項の代理委任を禁止する条項の有無、社員の退社に関する定めを確認する
- 2.顧問先の規模と賠償保険を確認する 他の社員が担当する顧問先の件数と規模、税理士職業賠償責任保険の加入状況と補償限度額を確認する。法人財産で賄えない債務は社員全員の連帯責任になるため、保険が最後の防波堤になる
- 3.案件管理とダブルチェック体制を整える 就任後は担当外の案件にも業務執行義務がある前提で、案件管理表と相互チェックの仕組みを設け、関与の記録を残す
- 4.代理を委任するときは書面で特定する 2項に基づき他人に代理を委任する場合、定款で禁止されていないことを確認したうえで、委任する行為を委任状に個別具体的に記載する。「一切の件」といった包括的記載は避け、無資格者に税理士業務そのものをさせない(52条)
よくある質問 AI による整理
Q1税理士法人の社員になれるのは誰?
税理士法人の社員は税理士でなければなりません(税理士法48条の4)。社員に就任すると、48条の11により業務執行の権利と義務を負います。
Q2税理士法人の社員は業務執行を拒否できる?
できません。税理士法48条の11第1項は、社員の業務執行を権利であると同時に義務と定めています。担当外であることを理由に関与を放棄できるわけではありません。
Q3税理士法人の社員の連帯責任とは?
法人の財産で債務を完済できない場合、社員が連帯して弁済する責任です(税理士法48条の13)。担当していない顧問先の賠償債務も対象になりえます。
Q4税理士法人で名前だけの社員は違法?
本条は全社員に業務執行義務を課しているため、名前だけの社員は想定されていません。関与しなくても義務と連帯責任は残り、懲戒や内部責任の場面で問題になりえます。
Q5税理士法人の社員はどこまで代理を委任できる?
委任できるのは特定の行為の代理に限られます(48条の11第2項)。定款で禁止されていないことが前提で、業務執行の包括的な丸投げは認められません。
Q6定款で代理の委任を禁止できる?
できます。48条の11第2項は「定款によつて禁止されていないときに限り」委任を認めているため、定款で禁止すれば社員は特定行為の代理も委任できなくなります。
Q7税理士法人を退社したら責任はなくなる?
直ちになくなるとは限りません。退社前に生じた法人の債務については、会社法の規定の準用により一定期間責任が残る仕組みがあります。期間は最新の準用関係で確認が必要です。
Q8税理士法48条の11に違反するとどうなる?
本条そのものに罰則はありません。ただし業務執行義務を怠った社員は、社員間の責任追及や懲戒の場面で、その不作為を問われる可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税理士法人の「社員」って、会社員の社員と同じ意味ですか?
同じではない。税理士法人の社員は出資者であり経営者でもある立場で、税理士でなければなれない(48条の4)。雇われて働く税理士は社員ではなく、本条の業務執行の権利と義務を負うのは社員だけである。実務のポイント:名刺の肩書が「社員税理士」か「所属税理士」かは、責任の重さの違いを示している。顧問契約を結ぶ前に確認すれば、誰が最終責任を負う立場なのかが分かる。
Q2定款で「業務は代表社員だけが執行する」と決められますか?
本条1項は、すべての社員に業務執行の権利と義務を与えている。定款によって一部の社員から業務執行権を外すことは想定されていないと解される。定款で定められるのは代表社員(48条の12)や、2項の代理委任の禁止などである。実務のポイント:代表権と業務執行権は別物である。代表社員を決めても、他の社員の業務執行義務は消えない。この二つを混同した内部規程は、紛争になったときに盾として機能しにくい。
Q3社員が職員に仕事を振るのも、2項の「代理の委任」になるんですか?
日常の補助業務を職員にさせることと、社員が自分の業務執行権に基づく特定の行為について他人に代理権を与えることは区別される。2項が扱うのは後者で、定款で禁止されていないときに限り、特定の行為についてのみ認められる。包括的な丸投げは許されない。実務のポイント:委任状に「一切の件」と書く習慣がある事務所は要注意である。委任する行為を個別に特定しておかないと、2項の範囲を超えていると争われる余地を自ら作ってしまう。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「業務執行権」は口を出せる権限である。だが法律から見れば、それは同時に「義務」でもある。権利だけを持って義務を放置した社員は、懲戒処分や法人内部での責任追及の場面で、何もしなかったこと自体を問われうる。この見え方の差が、名義だけの社員を追い詰める。
- 「税理士法人では、誰が業務を執行するかを定款で決めればいい」という問いの立て方そのものが誤っている。会社法上の持分会社なら、定款で業務執行社員を絞り込める(会社法590条、591条)。しかし税理士法人の社員は、全員が業務執行の権利と義務を負う。定款で調整できるのは代表社員(48条の12)や2項の代理委任の可否であり、業務執行を担う社員を限定することではない。
- 2項の委任は「外注できる」という意味だと理解している人もいるが、その危うさまでは知られていない。委任できるのは特定の行為の代理に限られ、しかも定款で禁止されていないことが前提である。さらに、資格のない者に税理士業務そのものを行わせれば52条の問題になる。委任の範囲をあいまいにしたまま任せることは、法人と社員の両方を危険にさらす。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 48条の11:社員全員の業務執行の権利・義務と代理委任 | 48条の12:法人を対外的に代表する権限 48条の13:法人債務に対する社員の連帯弁済責任 |
| 定款による調整 | 業務執行社員の限定は想定されない。代理委任の禁止は定款で可能 | 定款等で代表社員を定めることが可能 定款で責任を免除・限定することはできない |
| 社員にとっての意味 | 全件について関与する権利と義務を負う | 代表権がなくても業務執行義務は消えない 法人財産で足りなければ個人財産で弁済する |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾には税理士法人に相当する制度はない。組合事務は原則として組合員全員で執行する民法の規律が、業務執行の構造として最も近い
韓国にも税務専門職の法人形態として세무법인がある。社員の業務執行に関する具体的な規律は条文の確認が必要
中国の合伙企業でも、合伙人は合伙事務の執行について平等な権利を有する。ただし委託による執行合伙人の指定が可能な点で日本の税理士法人より柔軟である
ドイツでは2022年の改正で職業遂行会社(Berufsausübungsgesellschaft)の枠組みが整備された。人的会社の業務執行は原則として社員全員に帰属する
米国のパートナーシップでは、各パートナーが経営について平等な権利を持つのが原則。LLP など責任限定の形態を選べる点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 引退を考えている父親が税理士事務所を法人化することになり、資格を取ったばかりのあなたが「社員として名前を入れておく」と言われたら、どうなる? 就任した時点で、あなたも業務執行の権利と義務を負い、法人の財産で払いきれない債務を連帯して弁済する責任を負う側に入る。
- あなたは社員3人で運営する税理士法人の一員で、担当外の顧問先の申告は他の社員に任せきりだった。その顧問先で過少申告が見つかり、損害賠償を請求された。請求はまず法人に向かうが、法人の財産で足りなければ、社員全員が連帯して弁済責任を負う(48条の13)。「担当ではなかった」は、業務執行の義務を負う社員の言い分としては弱い。
- 定款を一度も読んだことのない社員は多い。だが2項の代理委任ができるかどうかは、その定款の一文で決まる。
- 申告期限まであと3日というところで、担当社員が急病で入院した。別の社員が引き継ぐこと自体は業務執行権の範囲内である。問題は、社員ではない職員に税務署とのやり取りを任せる場合だ。定款が代理委任を禁止していないか、資格のない者に税理士業務そのものをさせることにならないか(52条)。今夜のうちに確認しておかなければならない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 税理士法人のミスで損害を受けたら、まず契約の相手方である法人に対し、内容証明郵便で事実関係と損害額を示して請求する2. 法人が税理士職業賠償責任保険に加入しているかを確認する3. 法人の財産で賄えない見込みがあれば、社員の連帯責任(48条の13)を検討する4. 懲戒に相当しうる事案であれば、所属の税理士会や国税庁への情報提供も選択肢になる
訴えられた側:1. 担当外の案件にも業務執行の義務がある前提で、案件管理やダブルチェックの体制とその記録を整えておく2. 他人に代理を委任する場合は、定款を確認したうえで、委任する行為を書面で具体的に特定する3. 資格のない職員に税理士業務そのものを行わせない(52条) 4. 責任を追及されたら、法人としての責任か社員個人の責任かを区別し、早めに弁護士へ相談する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。顧問先からの損害賠償請求も原則としてこれに従う。退社した社員の責任には、別途、期間の制限がかかる仕組みがある(会社法の準用関係。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)改正 税理士法人制度の創設に伴い新設されたと考えられる(施行は平成14年)。その後に文言の改正があったかどうかは、人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 新設:税理士法改正により税理士法人制度が創設され、社員の業務執行に関する本条が設けられた(施行は平成14年)。その後の文言改正の有無は要確認
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