税理士法 第54条(税理士の使用人等の秘密を守る義務)
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税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者でなくなつた後においても、また同様とする。
この条文の基本情報
税理士の使用人等の秘密を守る義務とは何ですか?
定義税理士の使用人等の秘密を守る義務とは、税理士法第54条に定められた規定で、「税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 税理士法第54条(税理士の使用人等の秘密を守る義務)は、日本の税理士法に含まれる条文です。
- 税理士法第54条の条文原文は「税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない。」で始まります。
- 税理士法第54条は第七章に置かれています。
- 税理士法の公布日は昭和26年6月15日です。
- 税理士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 税理士法第54条の前の条は税理士法第53条です。
- 税理士法第54条の次の条は税理士法第54条の2です。
- 税理士法第54条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第54条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC1000000237 - 本サイト収録
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第54条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC1000000237/54
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点税理士法54条は、税理士事務所や税理士法人の使用人等が、正当な理由なく業務上知った秘密を漏らし、又は盗用することを禁じる。この義務は退職後も続く。
Q · 税理士事務所の事務員やパートにも守秘義務はあるの?
あります。退職後も続き、違反は刑事罰の対象です
税理士法54条は、税理士又は税理士法人の「使用人その他の従業者」に対し、正当な理由なく税理士業務に関して知り得た秘密を漏らすことと盗用することを禁じています。資格の有無や雇用形態による区別はなく、事務所を辞めた後も同じ義務が続きます。違反すると第59条の罰則の対象になりますが、親告罪のため被害者の告訴がなければ起訴されません。
解説
確定申告の書類を受け取る受付スタッフも、記帳を入力するパートも、決算期だけの短期アルバイトも、あなたの年収・借金・家族構成・取引先を見ている。税理士法54条は、税理士本人ではなく、税理士事務所や税理士法人で働く「使用人その他の従業者」に、正当な理由なく業務上知った秘密を漏らすことと盗用することを禁じている。ポイントは三つある。第一に、資格の有無は関係ない。第二に、禁止されるのは「漏らす」だけでなく「盗用」、つまり自分や第三者の利益のために使うことも含む。第三に、事務所を辞めた後も義務は続く。違反すれば第59条により刑事罰の対象になる。ただし親告罪なので、被害を受けた側が告訴しなければ起訴されない。情報を預ける側にとっては「誰に見られているか」を把握する根拠になり、働く側にとっては、退職後の何気ない一言が犯罪になりうるという境界線になる
法的な位置づけ
税理士法54条は、税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者に課される守秘義務の規定である。正当な理由なく、税理士業務に関して知り得た秘密を他に漏らす行為と盗用する行為の両方を禁止し、その義務は従業者の地位を失った後も存続する。税理士本人の守秘義務を定める同法38条と対をなす。
よくある質問 AI による整理
Q1税理士法54条とは?
税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者に、業務上知った秘密を漏らすことと盗用することを禁じる規定です。退職後も義務が続きます。
Q2税理士事務所 守秘義務 退職後 いつまで続く?
条文に期限の定めはありません。54条後段は「従業者でなくなつた後においても、また同様とする」と定めており、退職後も義務が続きます。
Q3税理士事務所の職員が情報漏洩したら違法?
正当な理由なく業務上の秘密を漏らせば54条違反になり、第59条の罰則の対象になります。ただし親告罪のため、処罰には被害者の告訴が必要です。
Q4秘密の「盗用」とはどういう意味?
業務で知った秘密を、自分や第三者の利益のために使うことです。外部に漏らさなくても、副業や転職先の営業に顧客情報を使えば盗用に当たりえます。
Q5税理士法54条違反の罰則は?
第59条により刑事罰の対象となります。54条違反の罪は親告罪とされ(第59条第2項)、被害者の告訴がなければ起訴されません。
Q6記帳代行業者にも税理士法の守秘義務はある?
54条の対象は税理士又は税理士法人の使用人等に限られます。税理士と関係のない記帳代行業者には本条は及ばず、契約や個人情報保護法などで守られます。
Q7税理士法54条の「正当な理由」とは?
本人の同意がある場合や、法令に基づき開示が求められる場合などが考えられます。事務所内で業務に必要な範囲の共有も、通常は問題になりません。
Q8税理士事務所の情報漏洩 どこに相談する?
まず事務所の代表税理士に書面で事実確認を求めます。刑事責任を問うなら警察・検察への告訴、対応が不十分なら所属税理士会への相談も選択肢です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1事務所のパートさんにも守秘義務ってあるんですか?
あります。税理士法54条は「税理士又は税理士法人の使用人その他の従業者」を対象としており、資格の有無は問いません。雇用形態による区別も条文にはありません。実務のポイント:多くの事務所は入所時に誓約書を取りますが、法律上の義務は誓約書がなくても発生します。逆に、誓約書の有無を聞いて即答できない事務所は、スタッフ教育が手薄な可能性があります
Q2辞めた職員が前の事務所の顧客に営業してくるのは違法ですか?
営業すること自体は直ちに違法ではありません。しかし前職で知った顧客情報や財務内容を使って営業していれば、54条の「盗用」に当たりえます。後段により退職後も義務は続きます。実務のポイント:独立開業の場面では、競業避止条項の有無ばかりが争点になりがちですが、刑事罰のある54条のほうが元職員への抑止力は強い。どの情報を使ったかの立証が勝負になります
Q3漏らされたら、すぐ警察に行けば処罰されますか?
違反は第59条により刑事罰の対象ですが、親告罪のため被害者の告訴がなければ起訴されません(第59条第2項)。告訴期間は犯人を知った日から6か月です。実務のポイント:告訴するかどうかとは別に、事務所の税理士には監督義務違反による懲戒(41条の2、46条)の問題が生じます。事務所にとっては職員個人の処罰よりこちらが重く、交渉の軸になります
Q4税理士の家族とか、同じ事務所の別の担当者に話すのもダメ?
家族への雑談は「他に漏らす」に当たりうるので避けるべきです。事務所内で業務上必要な範囲の共有は、通常は正当な理由のある情報のやり取りと考えられます。実務のポイント:問題になりやすいのは、悪意ある漏洩より、帰宅後の「今日こんな客が来てね」という何気ない一言です。小さな町や同業者が多い地域ほど、相手が特定されやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「守秘義務は税理士本人の話で、資格のない事務員には関係ない」と思われがちだが、54条はまさに資格のない使用人・従業者を名宛人にしている。雇用形態による区別は条文になく、パートやアルバイトも含まれると解されている
- 「漏らさなければ大丈夫」という理解は浅い。条文は「漏らし、又は盗用」と二つの行為を並べている。顧客情報を外に出さず、自分の副業や転職先の営業に使うだけでも盗用に当たりうる。秘密を守るとは、黙っていることではなく、使わないことまで含む
- スタッフから見れば「辞めた職場の話」にすぎないが、法律から見れば義務は終わっていない。54条後段は従業者でなくなった後も同様と明記している。退職で守秘義務がリセットされるという感覚と条文の落差が、退職後のトラブルを生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う人 | 税理士法54条:税理士・税理士法人の使用人その他の従業者(資格の有無は問わない) | 税理士法38条:税理士本人 税理士法41条の2:税理士(従業者を監督する側) |
| 禁止・要求される行為 | 業務上知った秘密を漏らすこと、盗用すること | 業務上知った秘密を漏らすこと、盗用すること 使用人その他の従業者を監督すること |
| 退職・廃業後 | 従業者でなくなった後も同様に義務が続く | 税理士でなくなった後も同様に義務が続く 監督する立場にある間の義務 |
| 違反時の効果 | 第59条の罰則(親告罪) | 第59条の罰則(親告罪)と懲戒 第46条等による懲戒の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個別の士業法ではなく刑法で、会計師とその業務上の補佐人、元職者による業務上秘密の漏洩を処罰する。従業者と元職者まで及ぶ点は日本と同じ
韓国も税務士法で秘密の厳守を定める。対象の範囲や罰則の構造は原典で確認が必要
ドイツは税理士が使用人に守秘を義務付けることを求め、刑法203条で職業上の補助者による秘密漏洩も処罰する
米国は申告書作成者による納税者情報の開示だけでなく「使用」も処罰対象にしており、盗用まで禁じる日本の54条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の決算を担当していた事務所スタッフが独立して、あなたの取引先リストを使って営業をかけていたら、どうなる? 秘密を漏らしていなくても「盗用」に当たる可能性がある。退職後であっても54条の後段がそのまま適用される
- あなたは税理士事務所でパートとして入力作業をしている。飲み会で「近所のあの医院、年収すごいよ」と口にした。冗談のつもりでも、業務で知った秘密を他人に漏らした事実は残る
- 地元の小さな町で、確定申告を頼んだ事務所のスタッフが同級生の母親だった。数日後、同級生から離婚の財産分与の話を振られた。偶然とは思えない。告訴するかどうか、あなたに残された時間は犯人を知った日から6か月しかない
- 繁忙期の短期アルバイトが、顧客の申告書をスマホで撮影して SNS に「有名人の確定申告やってる」と投稿した。投稿者本人だけでなく、監督していた税理士も監督義務(41条の2)の違反で懲戒を問われうる
- 家族の相続税申告を任せた事務所の元職員が、別の不動産業者に転職し、あなたの実家の土地の評価額を知った上で売却を持ちかけてきた。不自然に情報を持ちすぎている営業は、出所を確かめる価値がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏洩・盗用を疑う根拠(相手が知りえないはずの情報を知っていた経緯、メッセージ、営業資料)を日付付きで保存する2. 事務所の代表税理士に書面で事実確認を求める。税理士には従業者の監督義務(41条の2)がある3. 刑事責任を問うなら、犯人を知った日から6か月以内に告訴(刑事訴訟法235条) 4. 損害があれば本人に民法709条、事務所に民法715条で賠償請求を検討5. 事務所の対応が不十分なら、所属する税理士会への相談も選択肢になる
訴えられた側:1. 口外した内容が「業務に関して知り得た秘密」に当たるか、すでに公知の情報ではないかを整理する2. 本人の同意など「正当な理由」があったかを確認する3. 親告罪のため、被害者への謝罪と示談が告訴の有無を左右しうる。早い段階で弁護士に相談する4. 退職後に元顧客へ営業しているなら、前職で得た情報を使っていないことを説明できるよう、営業リストの出所を記録しておく
時効(請求できる期限):54条違反は第59条の罪となり、親告罪とされている(第59条第2項)。告訴期間は犯人を知った日から6か月(刑事訴訟法235条)。民事の賠償請求は、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成13年(2001年) 改正:税理士法人制度の創設に伴い、税理士法人の使用人その他の従業者も本条の対象に含める形となった
- 税理士法 第38条税理士本人の守秘義務、本条と対をなす
- 税理士法 第41条の2税理士の従業者に対する監督義務
- 税理士法 第59条本条違反の罰則と親告罪の定め
- 税理士法 第46条監督不十分な税理士への懲戒
- 個人情報の保護に関する法律 第27条事業者としての第三者提供の制限
- 民法 第715条従業者の漏洩に対する事務所の使用者責任
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