出入国管理及び難民認定法 第25条の2(出国確認の留保)
クイックジャンプ
- 入国審査官は、本邦に在留する外国人が本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする場合において、関係機関から当該外国人が次の各号のいずれかに該当する者である旨の通知を受けているときは、前条の出国の確認を受けるための手続がされた時から二十四時間を限り、その者について出国の確認を留保することができる。
- 一出国の制限(刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第三百四十二条の二(同法第四百四条(同法第四百十四条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定又は同法第三百四十五条の二(同法第四百四条において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)若しくは第四百九十四条の三の規定による決定により、裁判所の許可を受けなければ本邦から出国してはならないとされていることをいう。以下同じ。)を受けている者(裁判所の許可(同法第三百四十二条の二の規定により出国の制限を受けている者については同条の許可、同法第三百四十五条の二の規定による決定により出国の制限を受けている者については同条の許可、同法第四百九十四条の三の規定による決定により出国の制限を受けている者については同条の許可をいう。第六十条の二第一項第一号において同じ。)を受けている者を除く。)
- 二死刑若しくは無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に当たる罪につき訴追されている者(当該訴追に係る刑につき出国の制限を受けている者を除く。)又はこれらの罪を犯した疑いにより逮捕状、勾引状、勾留状若しくは鑑定留置状が発せられている者
- 三拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部につき執行猶予の言渡しを受けなかつた者で、刑の執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでのもの(当該刑につき、出国の制限を受けている者、仮釈放中の者及びその一部の執行猶予の言渡しを受けて執行猶予中の者を除く。)
- 四逃亡犯罪人引渡法(昭和二十八年法律第六十八号)の規定により仮拘禁許可状又は拘禁許可状が発せられている者
- 2.入国審査官は、前項の規定により出国の確認を留保したときは、直ちに同項の通知をした機関にその旨を通報しなければならない。
この条文の基本情報
出国確認の留保とは何ですか?
定義出国確認の留保とは、出入国管理及び難民認定法第25条の2に定められた規定で、「入国審査官は、本邦に在留する外国人が本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする場合において、関係機関から当該外国人が次の各号のいずれかに該当する者である旨の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第25条の2(出国確認の留保)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第25条の2の条文原文は「入国審査官は、本邦に在留する外国人が本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする場合において、関係機関から当該外国人が次の各号のいずれかに該当する者である旨の…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第25条の2は第四章 在留及び出国に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第25条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第25条です。
- 出入国管理及び難民認定法第25条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第26条です。
- 出入国管理及び難民認定法第25条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第25条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第25条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/25_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法25条の2は、関係機関から通知を受けた外国人について、入国審査官が出国確認の手続から24時間に限り出国確認を留保できると定める。対象は四類型に限られる。
Q · 空港の出国審査で外国人が止められたら、どのくらいの時間止められるの?
最大24時間。過ぎれば出国確認をしなければならない
入管法25条の2第1項により、入国審査官は関係機関から通知を受けている外国人について、出国確認の手続がされた時から24時間を限り出国確認を留保できます。対象は、裁判所の出国制限を受けている者、長期3年以上の拘禁刑等に当たる罪で訴追中または逮捕状等が出ている者、拘禁刑以上の実刑が未執行の者、逃亡犯罪人引渡法上の拘禁許可状等が出ている者の四類型に限られます。24時間を超えて留保する根拠は本条にはありません。
解説
空港の出国審査ブース。パスポートを出し、顔認証が終わり、あとはスタンプだけ。そこで審査官が席を立ち、あなたのパスポートを持って奥へ消える。飛行機の搭乗時刻は40分後。これが出入国管理及び難民認定法25条の2が発動した瞬間である。入国審査官は、関係機関(検察庁、警察、裁判所など)から「この外国人は該当者だ」という通知を受けているとき、出国確認の手続がされた時から24時間を限り、出国確認を留保できる。逮捕でも勾留でもない。刑事訴訟法上の身柄拘束ですらない。だが結果としてあなたは飛行機に乗れない。留保される対象は四類型に限定されている。裁判所の出国制限を受けている者、死刑・無期・長期3年以上の拘禁刑に当たる罪で訴追されている者または逮捕状等が出ている者、拘禁刑以上の刑が確定して執行未了の者、逃亡犯罪人引渡法上の拘禁許可状が出ている者。この四つに入らなければ、審査官に留保する権限はない。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法25条の2は、出国確認の留保を定める規定である。入国審査官は、関係機関から、出国しようとする外国人が出国制限を受けている者、一定の重罪で訴追中または令状発付中の者、拘禁刑以上の実刑未執行者、逃亡犯罪人引渡法上の拘禁許可状発付者のいずれかに該当する旨の通知を受けているとき、出国確認の手続から24時間を限り確認を留保できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.留保の時刻と根拠を記録する 出国確認の手続がされた時刻を控え、審査官に留保の根拠が本条1項何号か、通知した関係機関がどこかを確認する。可能であれば書面での説明を求める
- 2.弁護人・大使館に連絡する 直ちに弁護人または本国の大使館・領事館に連絡し、通知元の機関と事件の状況を伝える。通知元が特定できれば、弁護人がその機関と直接協議できる
- 3.刑事事件のステータスを確認する 在宅起訴、実刑未執行、出国制限決定、犯罪人引渡手続のどれが動いているかを弁護人と確認し、裁判所の出国許可を取れる余地があるか検討する
- 4.航空券・宿泊を並行して手配する 24時間の結論を待つ間に航空券の振替と宿泊を手配する。24時間を超えて留保が続く場合は、弁護人を通じて根拠の欠如を指摘する
よくある質問 AI による整理
Q1出国確認の留保とは何ですか?
入国審査官が、関係機関から通知のあった外国人の出国確認を最大24時間止める措置です。入管法25条の2が根拠で、身体拘束そのものではありません。
Q2在宅起訴中の外国人は出国できる?
起訴された罪が死刑・無期・長期3年以上の拘禁刑に当たり、関係機関から通知されていれば、2号により出国確認が留保されることがあります。
Q3執行猶予中の外国人は出国を止められますか?
刑の全部に執行猶予が付いていれば3号の対象外です。一部執行猶予で猶予期間中の者や仮釈放中の者も、3号の対象から除外されています。
Q4出国制限を受けていても出国できる方法は?
裁判所の許可を受けていれば、1号の留保対象から除外されます。出発日から逆算して、弁護人を通じ早めに許可を申請するのが実務の基本です。
Q5出国確認の留保24時間 いつから数える?
起算点は「前条の出国の確認を受けるための手続がされた時」です。審査官に止められた時刻ではなく、出国審査の手続を始めた時点が基準になります。
Q6犯罪人引渡請求が出ている外国人は日本で止められる?
逃亡犯罪人引渡法により仮拘禁許可状または拘禁許可状が発せられていれば、4号により出国確認が留保され得ます。日本での前科の有無は関係ありません。
Q7出国確認を留保されたら入管から誰に連絡が行く?
入国審査官は留保したとき、直ちに通知をした関係機関(検察庁・警察など)にその旨を通報しなければなりません(本条2項)。
Q8日本人も空港で出国を止められることはある?
本条は外国人が対象です。日本人の出国確認の留保は入管法60条の2などの別規定で扱われ、刑事訴訟法の出国制限と連動します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1留保って、要は逮捕されるってことですか?
違います。留保は出国確認という行政手続を最大24時間止めるだけで、本条は身体拘束の権限を与えていません。逮捕は刑事訴訟法に基づく別の手続で、逮捕状が執行されてはじめて成立します。実務のポイント:留保中に逮捕状が執行されると身柄は警察へ移ります。逆に24時間以内に執行されなければ出国できる。だから弁護人がまず確認するのは、逮捕状が現に発付済みかどうかです
Q2罰金を滞納してるんですが、空港で止められますか?
本条3号は「拘禁刑以上の刑」に処せられた者を対象としており、罰金刑はこれに当たりません。したがって罰金滞納それ自体では25条の2の留保対象になりません。実務のポイント:ただし罰金を納めない場合の労役場留置は換刑処分であり、執行のために所在を把握される可能性はあります。制度が別である以上、留保されたなら根拠条文の号数を必ず確認してください
Q324時間を過ぎても帰してもらえなかったら、どうすればいいですか?
本条の留保権限は24時間で切れるため、それを超える留保には法的根拠がありません。その場合は弁護人を通じて違法性を指摘し、状況によっては国家賠償法1条に基づく請求の対象になりえます。実務のポイント:争うときに決定的なのは起算点の記録です。手続がされた時刻を自分で控えておく、審査ブースの時計を撮影する、同行者に時刻をメモさせる。記録がなければ主張が立ちません
間違えやすい点 AI による整理
- 「留保されたら逮捕されたのと同じ」と理解されがちだが、法的性質は全く違う。留保は出国確認という行政手続の一時停止であり、身体を拘束する権限を審査官に与えるものではない。ただし現実には空港の制限区域から出られず、実質的な行動制限を受ける。この法的評価と現実の落差が、当事者を混乱させる
- 多くの人が「24時間あれば入管が調べてくれる」と考えるが、問いの立て方が間違っている。24時間は入管の調査時間ではなく、関係機関(検察・警察)が逮捕状執行や出国制限の手続を間に合わせるための猶予時間である。入管は通知を受けて留保するだけで、実体判断はしていない
- 「外国人だから止められた」と受け取られやすいが、法律の側から見れば逆である。本条は日本人に適用されない代わりに、留保できる場合を四類型に限定し、上限を24時間に切っている。日本人に対しては刑事訴訟法342条の2などの出国制限制度が別途機能する。制度の枠組みが違うのであって、外国人だけ無制限に止められる仕組みではない
- 実務上、関係機関からの通知の運用詳細(通知の範囲、タイミング、記録の保存)は公開情報が乏しく、解釈が分かれる部分がある。争う場合はこの不透明性自体が論点になりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 入管法25条の2:通知を受けた外国人の出国確認を留保 | 入管法25条:外国人の出国確認の本則 入管法60条の2:日本人の出国確認の留保 |
| 対象者 | 出国しようとする外国人のうち1項各号の四類型 | 出国しようとするすべての外国人 出国しようとする日本人のうち法定の類型 |
| 審査官の権限 | 手続がされた時から24時間を限り確認を留保できる | 出国の確認を受けさせる(止める権限は定めない) 法定の要件の下で日本人の出国確認を留保できる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では司法機関の通知により移民署が外国人の出国を禁止する構造で、時間制限付きの留保ではなく禁止処分として運用される
韓国は法務部長官による外国人の出国停止制度を置き、刑事手続中の者などを対象とする
刑事被告人・被疑者、刑の執行未了者などの外国人は出国を許可しない旨を法律で列挙する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日本で働く外国人エンジニアが、3年前の交通事故で在宅起訴されたまま帰国しようとした。危険運転致傷は長期3年以上の罪。本人は「罰金で終わった」と思い込んでいたが、実は公判継続中だった。成田で留保され、24時間以内に検察官が身柄確保の手続を取る。チケットは紙くずになる
- もし、あなたの外国人配偶者が略式命令の罰金を払い忘れたまま出国しようとしたら? 罰金は「拘禁刑以上の刑」ではないので3号には該当しない。留保の法的根拠がない。それでも足止めされたなら、根拠条文を聞く権利がある
- 母国で経済犯罪の容疑をかけられた外国人実業家が日本を経由地に使う。母国からの犯罪人引渡請求で仮拘禁許可状が出ていれば、4号で留保される。本人は日本での前科がないから安全だと思っていた
- 審査官に「少しお待ちください」と言われてから、あなたに残された時間は24時間。この間に関係機関が逮捕状を執行できなければ、審査官は出国確認をしなければならない。時計は手続がされた時から動いている
- 日本人の友人から「彼、空港で止められたらしい」と相談された。あなたが最初に確認すべきは、留保なのか、上陸拒否なのか、退去強制なのか。三つは全く別の制度で、打つ手も違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 留保された時刻を記録する。起算点は「出国の確認を受けるための手続がされた時」であり、この時刻が24時間の基準になる2. 審査官に留保の根拠が1項各号のどれか、通知した関係機関はどこかを尋ね、可能なら書面を求める3. 直ちに弁護人または大使館・領事館に連絡する。通知元が検察なら弁護人が出頭日程を調整できる場合がある4. 該当する刑事事件があるなら、出国制限の裁判所許可(刑事訴訟法342条の2等)が取れないか弁護人に確認する5. 航空券の振替・宿泊の手配を並行して進める
訴えられた側:1. 出国前に自分の刑事事件のステータスを確認する。在宅起訴・略式命令・執行猶予なしの実刑・犯罪人引渡請求のいずれかが動いていないか2. 出国制限を受けている場合は、出発日から逆算して裁判所の許可申請を行う3. 執行猶予が全部猶予か一部猶予かを確認する。一部執行猶予中の者は3号の除外に含まれる4. 仮釈放中の場合も3号から除外されるが、保護観察上の別の制限があるため保護観察官に確認する
時効(請求できる期限):留保の上限は、出国の確認を受けるための手続がされた時から24時間(本条1項)。これを超えて留保を続ける法的根拠はない。審査官は留保したとき直ちに通知機関へ通報する義務を負う(同条2項)ため、関係機関側の動きはこの通報からカウントされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律により懲役・禁錮が拘禁刑に一本化され、本条2号・3号の文言も「拘禁刑」に改められた
- 2.令和5年(2023年) 改正:刑事訴訟法改正で保釈中の被告人等に対する出国制限制度が新設され、本条1号に出国制限を受けている者が加えられた
- 出入国管理及び難民認定法 第25条出国確認の本則、本条はその例外
- 出入国管理及び難民認定法 第60条の2日本人の出国確認留保の対応規定
- 出入国管理及び難民認定法 第61条日本人の帰国確認手続との対比
- 出入国管理及び難民認定法 第2条外国人の定義、本条の人的適用範囲
- 刑事訴訟法 第342条の2保釈中被告人の出国制限決定の根拠
- 刑事訴訟法 第345条の2保釈取消等に伴う出国制限の根拠
- 逃亡犯罪人引渡法 第5条仮拘禁許可状の発付、本条4号の前提
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める