出入国管理及び難民認定法 第29条(容疑者の出頭要求及び取調)
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- 入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、容疑者の出頭を求め、当該容疑者を取り調べることができる。
- 2.前項の場合において、入国警備官は、容疑者の供述を調書に記載しなければならない。
- 3.前項の調書を作成したときは、入国警備官は、容疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、署名をさせ、且つ、自らこれに署名しなければならない。
- 4.前項の場合において、容疑者が署名することができないとき、又は署名を拒んだときは、入国警備官は、その旨を調書に附記しなければならない。
この条文の基本情報
容疑者の出頭要求及び取調とは何ですか?
定義容疑者の出頭要求及び取調とは、出入国管理及び難民認定法第29条に定められた規定で、「入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、容疑者の出頭を求め、当該容疑者を取り調べることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第29条(容疑者の出頭要求及び取調)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第29条の条文原文は「入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、容疑者の出頭を求め、当該容疑者を取り調べることができる。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第29条は第一節 違反調査に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第29条の前の条は出入国管理及び難民認定法第28条です。
- 出入国管理及び難民認定法第29条の次の条は出入国管理及び難民認定法第30条です。
- 出入国管理及び難民認定法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点出入国管理及び難民認定法29条は、入国警備官が違反調査のため容疑者に出頭を求めて取り調べ、供述を調書に記載し、読み聞かせて署名させる手続を定める。署名拒否時はその旨を附記する。
Q · 入管から出頭を求められたら、必ず行かないといけないの?
任意で罰則はないが、収容令書に進むリスクがある
出入国管理及び難民認定法29条1項の出頭要求は任意調査であり、拒否そのものへの直接の罰則はありません。ただし出頭しなければ違反調査は本人の言い分がないまま進み、入国警備官が39条の収容令書を請求する方向に進みうる。出頭した場合、供述は調書に記載され、閲覧または読み聞かせの後に署名を求められます(2項・3項)。署名は拒むことができ、拒否した事実は調書に附記されます(4項)。
解説
入国警備官から「ちょっと話を聞きたいので来てください」と連絡が来る。ここで多くの外国人が勘違いする。警察の取調べと同じだろう、と。違う。この29条の出頭要求には、逮捕状のような裁判官のチェックが入っていない。任意の出頭要求であり、拒んでも直ちに処罰されるわけではない。しかし現実には、出頭しなければ次は39条の収容令書、つまり身柄を取られる手続に進む。そして最も重要なのが第2項から第4項だ。あなたが話した内容は必ず調書に記載され、あなたに読み聞かせられ、署名を求められる。この署名が後の口頭審理、法務大臣への異議申出、さらには退去強制処分の取消訴訟まで、すべての段階であなたを縛り続ける。第4項は署名を拒めることを前提にしている。拒否は違法ではない。内容が事実と違うなら、署名する前に訂正を求める権利があり、それでも直らないなら署名しないという選択肢が条文上用意されている。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法29条は、入国警備官が退去強制事由に関する違反調査において容疑者の出頭を求めて取り調べる権限と、その供述を調書に記載し、閲覧または読み聞かせを経て容疑者と入国警備官の双方が署名する手続を定める規定である。容疑者が署名できない場合または署名を拒んだ場合は、その旨を調書に附記する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭要求の内容を確認し、日程を即答しない 入管からの連絡を受けたら、出頭日時・場所・担当部署を控え、その場で日程を即答せずに折り返す旨を伝える。連絡が書面なら原本を保管する
- 2.出頭前に入管事件に詳しい弁護士へ相談 弁護士会の外国人・入管相談窓口などで、在留状況と調査の見込みを説明し、述べるべき事実と持参資料を整理する。在留特別許可(50条)の余地も含めて方針を立てる
- 3.資料の時系列整理と通訳の手配 入国日、在留資格の変遷、勤務先と業務内容、家族関係を時系列表にまとめる。日本語に不安がある場合は通訳を付けてほしい旨を事前に申し入れる
- 4.取調べでは推測で述べない 記憶にないことは「覚えていない」と答え、推測で埋めない。質問の意味が分からないときは聞き返す。出頭時の同席者と使用言語を後でメモに残す
- 5.読み聞かせで一文ずつ確認し、必要なら訂正または署名拒否 29条3項の閲覧または読み聞かせの際、事実と違う箇所を具体的に指摘して訂正を求める。訂正されなければ4項により署名を拒むことができ、その旨が調書に附記される
よくある質問 AI による整理
Q1入国警備官とは何をする人ですか?
出入国在留管理庁に属し、退去強制事由に当たる疑いのある外国人の違反調査、収容、送還などを担う職員です。入管法29条の取調べもこの入国警備官が行います。
Q2違反調査とは何ですか?
不法残留や資格外活動など退去強制事由に当たる疑いがある外国人について、入国警備官が事実を調べる手続です(入管法27条以下)。退去強制手続の最初の段階にあたります。
Q3入管の呼び出しは電話や手紙で来ますか?
出頭の求め方について29条は形式を定めていません。実務上は書面や電話で連絡が来ることがあります。内容が不明確なら、出頭前に弁護士に確認するのが安全です。
Q4入管の取調べは何時間くらいかかりますか?
29条に時間の上限は定められていません。事案の内容、通訳の有無、調書の読み聞かせと訂正に要する時間により変わります。時間に追われて署名しないことが大切です。
Q5入管の調書に書かれた内容を訂正できますか?
29条3項の閲覧または読み聞かせの段階で、事実と異なる部分を具体的に指摘して訂正を求めることができます。直らなければ署名を拒む選択肢があり、その旨が附記されます。
Q6入管の取調べで黙っていても違法ではない?
29条の取調べは任意調査が前提で、供述を拒んだこと自体に直接の罰則規定は置かれていません。ただし言い分が記録されないまま手続が進む不利益はあります。
Q7入管の調書は後で見られますか?
その後の違反審査・口頭審理・取消訴訟の過程で記録として扱われるため、弁護士を通じて記録の開示や閲覧を求めるのが一般的です。自分の供述内容の確認は防御の出発点です。
Q8オーバーステイで入管に呼ばれたら収容されますか?
出頭したからといって直ちに収容されるとは限りません。収容には39条の収容令書が必要で、2023年改正で導入された監理措置など収容以外の選択肢もあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入管から出頭してくださいと言われました。行かなかったらどうなりますか?
29条の出頭要求は任意であり、拒否したこと自体に直接の罰則はない。ただし違反調査はあなたの言い分がないまま進み、入国警備官は39条の収容令書を請求する方向へ動く。実務のポイント:実務では、自ら出頭して事情を説明した事実が、在留特別許可(法50条)の判断で有利な情状として扱われることがある。逃げ続けるより、弁護士同伴で早く出る方が結果的に選択肢が広い
Q2日本語がよく分からないまま調書にサインしてしまいました。取り消せますか?
署名済みの調書を後から撤回する明文の手続はない。ただし後の口頭審理(法48条)や訴訟の段階で、供述の任意性や内容の正確性を争うことは可能である。実務のポイント:争うなら、当時の通訳の有無・言語・理解度を具体的に主張する必要がある。出頭時に誰が同席し何語で行われたかを、記憶が新しいうちにメモで残しておくと、後の主張の裏付けになる
Q3調書って、その場限りの書類じゃないんですか?
違う。違反調査の調書は、入国審査官の違反審査(法45条)、特別審理官の口頭審理(法48条)、法務大臣の裁決(法49条)へと引き継がれ、取消訴訟でも証拠として扱われる。実務のポイント:弁護士が最初に請求するのが、この調書を含む一件記録の開示である。自分が何を述べたことになっているかを知らないまま争うのは、相手の手札だけ見えない将棋を指すのと同じだ
Q4取調べに弁護士を連れて行けますか?
刑事手続の弁護人選任権とは制度が異なり、入管の違反調査における弁護士の立会いの可否は運用上の扱いとなり、実務上、対応が分かれている。実務のポイント:立会いが認められない場合でも、出頭前に弁護士と供述内容を整理し、出頭後すぐ報告する体制を組むだけで違いが出る。弁護士は届出をして手続に関与でき、資料の提出や在留特別許可を求める意見書の準備を並行できる
間違えやすい点 AI による整理
- 「入管の出頭要求は令状と同じで、拒否すれば逮捕される」と信じている人が多い。29条の出頭要求自体に強制力はなく、拒否そのものへの直接の罰則もない。ただし拒否すれば違反調査は容疑者不在のまま進み、39条の収容令書請求という別ルートが開く。強制されないことと、不利益がないことは別物だ
- 調書に署名させられることは知っていても、その調書がどこまで生き続けるかを知らない人がほとんどだ。違反調査の調書は、入国審査官の違反審査、特別審理官の口頭審理、法務大臣の裁決、さらに退去強制令書発付処分の取消訴訟における証拠として、数年にわたってあなたの供述として扱われ続ける。その場限りの書類ではない
- 「署名を拒んだら心証が悪くなるのでは」と考える時点で、問いの立て方が違う。第4項はそもそも署名拒否を想定し、その事実を附記せよと定めている。法が制度として織り込んだ選択肢を使うことを、法は不利益扱いの根拠にしていない。本当に問うべきは、この調書の記載は自分が実際に述べたことと一致しているか、だ
- 「通訳が付いたから内容は正確だ」という前提も危うい。実務上、通訳の質や専門用語の訳し方について争いが生じることがあり、解釈が分かれる論点である。読み聞かせの段階で少しでも違和感があれば、その場で具体的に指摘して訂正を求めるべきだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 29条:違反調査の容疑者本人 | 30条:容疑者以外の参考人(証人) 39条:収容令書により収容される容疑者 |
| 手続の性質 | 出頭要求と取調べ(任意調査が前提) | 参考人への出頭要求と取調べ(任意) 収容令書による身柄拘束(強制処分) |
| 書面化 | 供述を調書に記載、閲覧・読み聞かせ後に署名、拒否は附記 | 参考人の供述についても調書作成の規律あり 主任審査官が発付する収容令書 |
| 本人への影響 | 調書が違反審査・口頭審理・訴訟まで証拠として残る | 参考人の供述が容疑者側の証拠資料になる 原則30日、延長で最大さらに30日の収容(41条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では移民署が強制出国手続を担い、事実調査のため関係者に書面で陳述を求める一般規定を行政程序法が置く。日本と同様、手続の書面化が防御の軸になる
韓国も出入国管理公務員による容疑者の出席要求と信問、調書作成を定め、日本の入管法と構造が近い
ドイツは外国人の協力義務を定め、官庁が本人の出頭を命じることができる。日本の任意出頭要求より義務的色彩が強い
米国は移民官の尋問・逮捕権限を定め、退去強制手続は移民裁判所で審理される。行政内部で完結する日本の構造とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 在留資格は「技術・人文知識・国際業務」なのに、実際は工場のライン作業をしていた。入管から出頭要求の電話。行けば資格外活動(19条)の調査、行かなければ収容令書のリスク。この二択を前に、まず弁護士に電話するか、そのまま一人で出頭するかで、その後の数か月が分かれる
- オーバーステイの友人から「入管に呼ばれた、通訳なしで日本語の調書にサインしてきた」と相談された。あなたが確認すべきは一点。調書の内容を本人が本当に理解していたか。理解できないまま署名した調書は、後の争訟で覆すのが極めて難しい
- あなたが調書に署名を求められる側だとしたら。読み聞かせられた内容に「不法就労の認識があった」と書かれている。認識はなかった。ここで訂正を求めずに署名すれば、その一文が退去強制の決定的証拠になる。訂正申立てはその場でしかできない
- 在留期限まであと12日、更新申請中に出頭要求が来た。申請中は特例期間で在留できるが、違反調査の対象になれば話は別。この12日間に何を準備し、誰に相談するかで、更新が通るか収容されるかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:違反調査の対象になった側として。1. 出頭日を即答せず、まず入管業務に詳しい弁護士(入管問題に取り組む弁護士会の相談窓口)に連絡2. 在留カード、パスポート、雇用契約書、給与明細、婚姻・家族関係の資料を時系列で整理3. 日本語に不安があれば通訳の手配を事前に申し入れる4. 取調べでは記憶にないことを推測で述べない5. 読み聞かせで一文ずつ確認し、違う部分は具体的に訂正を求める。直らなければ署名しない選択肢がある(4項)
訴えられた側:雇用主・関係者として調査に関わる側なら。1. 従業員の在留資格と実際の業務内容の一致を全件点検、資格外活動の有無を先に把握2. 雇用契約書・タイムカード・給与記録を改変せず保全(事後の改変は別の刑事責任を招く) 3. 自社が不法就労助長罪(73条の2)の対象になりうるかを弁護士に確認してから供述内容を整理4. 「知らなかった」だけでは免責されない構造なので、確認を尽くした記録の有無が分水嶺になる
時効(請求できる期限):29条の取調べ自体に特定の期限はない。ただし収容令書による収容は原則30日、やむを得ない事由があるときは30日延長(法41条1項)。退去強制令書発付処分などの取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月(行政事件訴訟法14条1項)、処分の日から1年(同2項)。法務大臣への異議の申出は口頭審理の判定の通知を受けた日から3日以内(法49条1項)と極端に短い(最新の改正状況をご確認ください)
学説
条文構造からの一般的理解:29条の出頭要求と取調べは、違反調査を任意調査で行うとする28条の枠内にあり、それ自体に強制力はない。身柄拘束は39条の収容令書という別の手続に委ねられている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)の制定により、入国審査官・入国警備官による違反調査と容疑者の取調べ規定が設けられた
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約への加入に伴う改正で、題名が「出入国管理及び難民認定法」に改められた(1982年1月1日施行)。29条の手続構造自体は維持されている
- 出入国管理及び難民認定法 第27条入国警備官の違反調査権限の根拠
- 出入国管理及び難民認定法 第28条違反調査の任意調査原則を定める
- 出入国管理及び難民認定法 第30条容疑者以外の参考人の出頭要求と取調
- 出入国管理及び難民認定法 第39条調査結果を受けた収容令書による収容
- 出入国管理及び難民認定法 第45条入国審査官による違反審査への引継ぎ
- 出入国管理及び難民認定法 第48条特別審理官の口頭審理での証拠利用
- 行政手続法 第3条出入国関係処分を適用除外とする特則
- 行政事件訴訟法 第14条退去強制関係処分の取消訴訟の出訴期間
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