出入国管理及び難民認定法 第31条の2(通信事務を取り扱う者に対する差押え)
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- 入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、許可状の交付を受けて、容疑者から発し、又は容疑者に対して発した郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものを差し押さえることができる。
- 2.入国警備官は、前項の規定に該当しない郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規定に基づき通信事務を取り扱う者が保管し、又は所持するものについては、違反事件に関係があると認めるに足りる状況があるものに限り、許可状の交付を受けて、これを差し押さえることができる。
- 3.入国警備官は、前二項の規定による処分をした場合においては、その旨を発信人又は受信人に通知しなければならない。ただし、通知によつて違反調査が妨げられるおそれがある場合は、この限りでない。
この条文の基本情報
通信事務を取り扱う者に対する差押えとは何ですか?
定義通信事務を取り扱う者に対する差押えとは、出入国管理及び難民認定法第31条の2に定められた規定で、「入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、許可状の交付を受けて、容疑者から発し、又は容疑者に対して発した郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第31条の2(通信事務を取り扱う者に対する差押え)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第31条の2の条文原文は「入国警備官は、違反調査をするため必要があるときは、許可状の交付を受けて、容疑者から発し、又は容疑者に対して発した郵便物、信書便物又は電信についての書類で法令の規…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第31条の2は第一節 違反調査に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第31条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第31条です。
- 出入国管理及び難民認定法第31条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第31条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第31条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第31条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第31条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/31_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法31条の2は、入国警備官が許可状を得て、郵便局等が保管する容疑者の郵便物等を差し押さえられると定める。第三者の通信物は事件との関係性が必要。
Q · 入管は、郵便局にある自分宛の手紙を勝手に押さえられるの?
許可状があれば入国警備官が差し押さえられる
出入国管理及び難民認定法31条の2により、入国警備官は違反調査に必要なとき、裁判官の許可状を得て、郵便事業者等が保管する容疑者発受の郵便物・信書便物・電信書類を差し押さえられます(1項)。容疑者以外の通信物は、違反事件に関係があると認めるに足りる状況がある場合に限られます(2項)。差押え後は発信人又は受信人に通知するのが原則ですが、調査が妨げられるおそれがあれば通知は留保されます(3項)。
解説
郵便局や宅配便業者の倉庫に、あなた宛の封筒が眠っている。その封筒を、警察官ではなく「入国警備官」という入管職員が差し押さえられる。それが出入国管理及び難民認定法31条の2である。あなたが知っておくべきは三つの層だ。第一に、対象は容疑者が発した、または容疑者に宛てた通信物(1項)。これは比較的緩やかに差押えできる。第二に、容疑者と無関係な第三者の通信物(2項)。こちらは「違反事件に関係があると認めるに足りる状況」がある場合に限られ、ハードルが一段上がる。つまりあなたが外国人の友人と手紙をやり取りしていただけでも、2項の要件を満たせば差押えの射程に入る。第三に、3項の通知義務。差し押さえたら発信人または受信人に通知しなければならないが、「調査が妨げられるおそれ」があれば通知しなくてよい。この但書が、あなたが自分の郵便物を押さえられたことを永遠に知らない可能性を生んでいる。しかもこれは刑事捜査ではなく、退去強制という行政手続のための調査である。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第31条の2は、入国警備官による通信物の差押えを定める規定である。違反調査に必要な場合、許可状に基づき、通信事務取扱者が保管・所持する容疑者発受の郵便物、信書便物及び電信書類を差し押さえることができ、それ以外の通信物は違反事件との関係を認めるに足りる状況がある場合に限られる。処分後は原則として発信人又は受信人への通知を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の内容を記録・保全する 3項の通知書が届いたら、受領日、差し押さえられた物の特定、許可状の発付裁判官・日付を控え、通知書原本と封筒を保管する。通知がないまま差押えを知った場合は、知った日時と経緯をメモに残す
- 2.1項か2項かを見極める 自分が容疑者本人か第三者かを確認する。第三者であれば、2項の「違反事件に関係があると認めるに足りる状況」の有無が争点になるため、その通信が事件と無関係である事情(時期、内容、取引の性質)を書面化する
- 3.入管手続に詳しい弁護士へ相談 入管実務に詳しい弁護士に通知書と整理した資料を持参して相談する。外国人の出入国に関する処分は行政不服審査法の審査請求の適用除外とされているため、争い方(退去強制手続内での主張、行政訴訟の可否)を個別に検討する
- 4.後続手続で証拠の適法性を主張 違反審査・口頭審理(入管法48条)の段階で、弁護士を通じて差押証拠の範囲を確認し、許可状の要件や2項の関係性要件の充足を争点化する。期間制限の起算点となる「知った日」の記録を提出資料に組み込む
よくある質問 AI による整理
Q1入国警備官とは何ですか?
出入国在留管理庁に置かれる職員で、入管法違反の容疑者の違反調査、収容、送還などを担います。警察官ではありませんが、許可状に基づく差押え等の権限を持ちます。
Q2入管の違反調査とは?
退去強制事由に該当する疑いのある外国人について、入国警備官が事実を調べる行政手続です(入管法27条以下)。刑事罰を科すための捜査ではなく、退去強制の可否を判断する前段階です。
Q3信書便物とは何ですか?
郵便事業者以外で信書便事業の許可を受けた事業者が送達する信書のことです。入管法31条の2は郵便物と並べて信書便物も差押えの対象としています。
Q4入管法の差押え 宅配便の荷物も対象?
本条の対象は郵便物・信書便物・電信書類で、法令に基づき通信事務を扱う者が保管するものです。一般の宅配便の荷物は文言上含まれず、別の押収規定の問題となります。
Q5入管はメールやLINEも差し押さえできる?
本条が定めるのは郵便物・信書便物・電信についての書類の差押えです。電子メールやメッセージアプリのデータは、本条の直接の対象として規定されていません。
Q6許可状なしの郵便物差押えは違法?
違法です。本条1項・2項はいずれも許可状の交付を受けることを要件としています。また2項の第三者の通信物は、事件との関係を認めるに足りる状況も必要です。
Q7入管の郵便物差押えは刑事事件になる?
本条は退去強制のための行政調査で、刑事捜査ではありません。ただし不法残留等は入管法上の犯罪でもあるため、警察・検察による刑事手続が別途進む場合があります。
Q8入管から差押えの通知書が届いたら何をすべき?
通知書の日付、差押物の特定、許可状の情報を記録し原本を保管します。そのうえで入管手続に詳しい弁護士に相談し、対象が1項か2項かを確認するのが第一歩です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入管が郵便物を押さえるのに、裁判所の許可は要らないんですか?
許可状が必要である。入国警備官は許可状の交付を受けて初めて差押えができる(本条1項、2項)。ただし裁判官の審査は一方的な書面審査で、あなたが反論する場面はない。実務のポイント:争う実益は許可状の有無ではなく、差押えの対象が本条1項(容疑者の通信)か2項(第三者の通信)かの振り分けにある。2項なら関係性の疎明が要求されるので、攻め口が一段増える
Q2自分が容疑者じゃなくても郵便を押さえられるんですか?
ありうる。2項は容疑者の発受した通信以外についても、違反事件に関係があると認めるに足りる状況があれば差押えを認めている(本条2項)。1項より要件は厳しいが、第三者が完全に除外されるわけではない。実務のポイント:この「状況」の疎明資料は許可状請求の段階でしか提出されない。後から争うときは、疎明が実際に足りていたかを手続記録から逆算するしかなく、通知書の日付がその入口になる
Q3押さえられたら必ず教えてもらえるんですよね?
原則は通知義務がある(本条3項本文)。だが但書で「通知によつて違反調査が妨げられるおそれがある場合」は通知不要とされている。調査が継続している間は通知が留保されることがある。実務のポイント:通知がなかったこと自体が直ちに違法になるわけではないが、いつ現実に知ったかが後続手続の期間計算の起算点を左右する。知った経緯をメモに残す習慣が、後で期間制限の争いを救う
間違えやすい点 AI による整理
- 「郵便物の差押えは警察がやるもので、入管にそんな権限はない」と思われがちだが、入国警備官は許可状の交付を受けて直接差し押さえられる。しかもこれは犯罪捜査ではなく行政調査。刑事訴訟法の枠組みとは別の条文体系で動いているため、刑事弁護の感覚だけで対応すると手続の入口を間違える
- 許可状が要る点を知っている人でも、その深刻度を見落としている。入管法上の許可状は裁判官が発するが(入管法31条参照)、その審査は当事者の反論を聞かない一方的な手続である。あなたが「私の郵便物は関係ない」と主張する機会は、押さえられた後にしか来ない
- あなたから見れば「自分は日本人だから入管とは無関係」だ。だが法律から見れば、2項の対象は容疑者本人の通信に限られない。外国人の友人・同僚・取引先がいるだけで、あなたの書いた手紙は「違反事件に関係がある」書面になりうる。この落差が、備えのない人を不意打ちする
- 3項の通知義務があるから必ず知らされると考えるのは、条文の後半を読んでいない。但書で「調査が妨げられるおそれ」があれば通知は不要。実務上、調査中は通知が留保されることが珍しくない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 入管法31条の2:通信事務取扱者が保管・所持する郵便物・信書便物・電信書類 | 入管法31条:臨検・捜索・押収の一般規定(住居・物件等) 刑事訴訟法100条:刑事手続における郵便物等の押収 |
| 目的 | 退去強制事由の違反調査(行政手続) | 退去強制事由の違反調査(行政手続) 犯罪の証拠収集(刑事手続) |
| 第三者の通信の扱い | 違反事件に関係があると認めるに足りる状況がある場合に限る(2項) | 郵便物に特化した段階的要件はない 被告事件に関係があると認めるに足りる状況がある場合に限る(同様の二段構造) |
| 事後通知 | 発信人又は受信人へ通知、調査を妨げるおそれがあれば不要(3項) | 本条のような通信物特有の通知規定はない 発信人又は受信人へ通知、審理を妨げるおそれがあれば不要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では郵電物の扣押は刑事手続の枠内で規律されており、入管の行政調査として同種の規定は見当たらない
韓国も郵便物の押収を刑事訴訟法で規律し、被告事件との関連性を要件とする点で日本の刑訴100条と近い
ドイツは郵便物差押え(Postbeschlagnahme)を刑事訴訟法で規律し、原則として裁判官の命令を要する
米国では封緘郵便物は修正4条の保護を受け、開披には令状が必要とされる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 留学生の元ルームメイトがオーバーステイで摘発された。あなたが彼に送った年賀状や、シェアハウスの家賃精算の書面が、郵便局の保管段階で差し押さえられる可能性がある。あなたは日本人で、何の違反もしていない。それでも2項の「事件に関係があると認めるに足りる状況」の網にかかる
- 技能実習生を雇用している会社の総務担当。実習生の失踪が発覚し、入管の違反調査が入った。会社が実習生宛に送った通知書、実習生が母国へ送った送金関係の書類、これらが通信事務取扱業者の手元にある段階で押さえられる。会社は差押えの事実を知らされないまま、後日の審査で自社の書面を証拠として突きつけられる
- もし、あなたが差押えの通知を受け取ったとしたら、それは何を意味するか? 3項の通知は「差し押さえた」という事実の告知であって、その中身がどう使われるかまでは書かれていない。通知が来た時点で、すでに入管はあなたの通信内容を読んでいる。抗議の手続を考える前に、まず何が押さえられたのかを特定する必要がある
- 在留資格の更新申請中、あなたは母国の家族と書類をやり取りしている。入管があなたを資格外活動の容疑者と見ていれば、そのやり取りは1項の直球の対象だ。更新申請の結果を待つ数か月が、そのまま調査期間と重なる
- あと数日で退去強制手続の口頭審理。弁護士から「入管が持っている証拠を開示させよう」と言われた。そこで初めて、半年前に押さえられた郵便物が一覧に出てくる。通知が来ていなかったのは、3項但書が発動していたからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 3項の通知書が届いたら、差し押さえられた物の特定・日付・許可状の発付主体を記録し、原本を保管する2. 自分が容疑者でない場合、2項の「違反事件に関係があると認めるに足りる状況」の有無が争点になるので、その通信が事件と無関係である事情(時期、内容、取引の性質)を書面化しておく3. 入管手続に詳しい弁護士へ相談し、退去強制手続の各段階(違反審査、口頭審理、異議申出)で証拠の適法性を争えるか検討する4. 通知がないまま差押えを知った場合は、いつ、どの手続で知ったかを記録する
訴えられた側:1. 容疑者として調査対象になっている場合、既に発信済みの通信は回収できない前提で、今後の連絡手段と内容を弁護士と整理する2. 差押えられた通信の内容について、供述との齟齬が生じないよう事実関係を先に固める3. 許可状の要件(差押えの必要性、対象の特定)に瑕疵がないかを弁護人に検証してもらう4. 在留を求める立場であれば、在留特別許可(入管法50条)の判断材料は生活実態全体なので、通信の一部だけで結論が決まるわけではないことを踏まえて主張を組む
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限の定めはない。ただし差押えを違法として争う場合、行政不服審査法による審査請求は処分を知った日の翌日から3か月、取消訴訟は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)が一般的な期間制限となる。3項の通知が留保された場合、起算点は現実に知った時点となるため、知った日付の記録が決定的に重要である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政調査と令状主義:本条は刑事訴訟法100条と同様の二段構造を採り、許可状と事件関係性の要件によって、行政調査における通信の秘密への制約を限定するものと理解される。
- 出入国管理及び難民認定法 第27条入国警備官の違反調査権限の根拠
- 出入国管理及び難民認定法 第31条臨検・捜索・押収の許可状手続、本条の基本形
- 出入国管理及び難民認定法 第32条許可状の呈示義務、執行時の手続的統制
- 出入国管理及び難民認定法 第39条収容令書による容疑者の収容、調査後の手続接続
- 出入国管理及び難民認定法 第48条口頭審理、差押証拠が用いられる審査段階
- 刑事訴訟法 第100条刑事手続における郵便物差押えの対応規定
- 郵便法 第8条郵便物の検閲禁止と秘密保持義務の原則
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