出入国管理及び難民認定法 第46条(容疑者の立証責任)
クイックジャンプ
前条の審査を受ける容疑者のうち第二十四条第一号(第三条第一項第二号に係る部分を除く。)又は第二号に該当するとされたものは、その号に該当するものでないことを自ら立証しなければならない。
この条文の基本情報
容疑者の立証責任とは何ですか?
定義容疑者の立証責任とは、出入国管理及び難民認定法第46条に定められた規定で、「前条の審査を受ける容疑者のうち第二十四条第一号(第三条第一項第二号に係る部分を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第46条(容疑者の立証責任)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第46条の条文原文は「前条の審査を受ける容疑者のうち第二十四条第一号(第三条第一項第二号に係る部分を除く。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第46条は第三節 審査、口頭審理及び異議の申出に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第46条の前の条は出入国管理及び難民認定法第45条です。
- 出入国管理及び難民認定法第46条の次の条は出入国管理及び難民認定法第47条です。
- 出入国管理及び難民認定法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法46条は、違反審査で不法入国・不法上陸(24条1号・2号)に当たるとされた容疑者に、該当しないことを自ら立証させる規定。在留期間経過には適用されない。
Q · 入管で「不法入国ではないか」と疑われたら、誰が証明しないといけないの?
24条1号・2号の疑いなら本人が反証する
出入国管理及び難民認定法46条により、入国審査官の違反審査で24条1号(不法入国)または2号(不法上陸)に該当するとされた容疑者は、該当しないことを自ら立証しなければなりません。在留期間経過(24条4号ロ)など他の号には転換が及ばず、不法入国罪の刑事裁判でも検察官が立証責任を負います。まず自分が何号で疑われているかを確認することが出発点です。
解説
パスポートを失くした、あるいは雇い主の金庫に預けたまま返ってこない。その一点で足元が抜ける。日本の行政手続は原則として、役所の側が「あなたは違反した」と証明する。ところが入管法46条だけは向きが逆に倒れている。退去強制の違反審査で24条1号(不法入国)または2号(不法上陸)に当たるとされた者は、自分がそれに当たらないことを自ら立証しなければならない。入管が黒を証明するのではなく、あなたが白を証明する構造である。上陸許可の証印、在留カード、航空券の控え、出入国記録。手元に何も残っていなければ、事実として適法に入国していても、手続の上では押し切られる。逆に言えば、46条が向いているのは1号と2号の回路だけだ。在留期間を過ぎて残留したケース(24条4号ロ)にはこの逆転は及ばない。自分が何号で疑われているのかを最初に確認すること、それがこの条文の使い方のほぼ全部である。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法46条は、退去強制手続の違反審査において、不法入国(24条1号。ただし3条1項2号に係る部分を除く)または不法上陸(同条2号)に該当するとされた容疑者に対し、非該当であることの立証責任を負わせる規定である。行政手続上の立証責任の転換であり、刑事手続には及ばない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.疑われている号を確認する 違反審査の場で、24条の何号に該当するとされているのかを明示的に確認する。1号・2号でなければ46条の立証責任転換は働かない
- 2.適法入国を示す証拠を集める 上陸許可証印の写し、在留カード、旧旅券、航空券・搭乗記録、当時の住所記録や写真など、入国経緯を裏づける資料を時系列で整理する
- 3.出入国記録の開示請求を出す 出入国在留管理庁に保有個人情報開示請求を行い、自分の出入国記録を書面で取得する。結果が届くまで時間がかかるため、疑いが生じた時点で即時に出す
- 4.3日以内に口頭審理を請求する 入国審査官の認定に不服があれば、通知を受けた日から3日以内に口頭審理を請求する(48条1項)。判定にも不服なら3日以内に異議の申出(49条1項)
- 5.在留特別許可の材料へ争点を組み替える 46条の立証が難しい見込みなら、家族関係・在留期間・生活実績を整理し、50条の在留特別許可の判断材料として提出する準備を並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1入管法46条とは?
退去強制の違反審査で、不法入国・不法上陸を疑われた容疑者に「該当しないこと」を自ら立証させる規定です。行政手続の立証責任を例外的に本人側へ移しています。
Q2入管法46条が適用されるのはどんな場合?
24条1号(3条1項2号に係る部分を除く)または2号に該当するとされた場合に限られます。旅券を持たない入国や、上陸許可を受けない上陸が典型です。
Q3オーバーステイでも自分で潔白を立証する必要がある?
ありません。在留期間経過(24条4号ロ)は46条の対象外で、該当性の立証は入管側の問題として扱われます。46条の対象と混同しないことが重要です。
Q4入管の違反審査とは何ですか?
入国審査官が、容疑者が24条の退去強制事由に該当するかを審査する手続です(入管法45条)。46条の立証責任はこの審査の場で働きます。
Q5口頭審理の請求はいつまで?
入国審査官の認定の通知を受けた日から3日以内です(入管法48条1項)。期限を過ぎると、特別審理官の前で証拠を出す機会を失います。
Q6不法上陸とはどういう意味?
入国審査官から上陸の許可等を受けないまま本邦に上陸することで、24条2号の退去強制事由です。46条の立証責任転換が及ぶ類型の一つです。
Q7在留カードがあれば適法入国を証明できる?
有力な材料になりますが、それだけで足りるとは限りません。上陸許可証印の写し、旧旅券、搭乗記録などと組み合わせて入国経緯を示すのが実務の形です。
Q8入管の口頭審理に弁護士を代理人としてつけられる?
口頭審理では代理人の関与が認められています。立証責任を本人が負う46条の場面こそ、証拠の組立てを早い段階で専門家に依頼する意味が大きくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1パスポートを失くしたら、もう不法入国扱いになっちゃうんですか?
直ちにそうなるわけではないが、46条の下では「適法に入国した」側の材料をあなたが出す必要がある。上陸許可証印の写し、在留カード、出入国記録の開示結果を組み合わせて示すのが実務の形だ。実務のポイント:出入国記録は本人が出入国在留管理庁へ保有個人情報開示請求をすれば書面で取得できる。多くの人は入管に「調べてください」と口頭で頼むが、自分で開示請求して書面を持ち込む方が説得力は桁違いに上がる(様式・手数料は最新の運用を確認)
Q2刑事では無罪だったのに、どうして退去強制されるんですか?
立証責任の置き場所が違うからである。不法入国罪(入管法70条1項1号)の刑事裁判では検察官が立証し、疑わしきは被告人の利益に働く。一方、退去強制の違反審査は行政手続であり、46条により立証責任はあなた側にある。同じ事実でも結論が割れうる。実務のポイント:刑事の不起訴裁定や無罪判決の記録は行政手続でも有力な反証材料になる。刑事弁護人と入管手続の代理人が別人になる場合、刑事側の記録を確実に引き継がせること
Q3証明できなかったら、そこで終わりですか?
46条の立証に失敗しても、48条の口頭審理、49条の異議の申出と段階が残り、最後に50条の在留特別許可という別の土俵がある。ここでは入国の適法性ではなく、家族関係、在留期間、生活実績が判断材料になる。実務のポイント:法務省の「在留特別許可に係るガイドライン」は公開されており、考慮要素が列挙されている。46条で押し切られる見込みが立った時点で、争点を50条側へ組み替えられるかが実務の分かれ目(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 立証責任が逆転していること自体は知っていても、それが刑事裁判では逆転しないことまでは意識されていない。不法入国罪(入管法70条1項1号)の刑事裁判では検察官が有罪を立証し、疑わしきは被告人の利益に働く。同じ事実、二つの手続、正反対の立証責任。刑事で無罪でも、行政の側では46条の壁がそのまま残る
- 「どうやって不法入国でないと証明するのか」と考え始める前に、確認すべきは「自分は24条の何号で疑われているのか」である。在留期間経過後の残留(24条4号ロ)には46条は適用されず、立証責任は入管側にある。問いの立て方を間違えると、負わなくてよい責任を自分から背負い込む
- あなたから見れば「30年まじめに働き、税金も納め、子も育てた」。46条から見れば、論点は入国したあの一日だけである。この落差が、生活実績のある人を一気に退去強制へ押し流す。生活実績は46条ではなく、50条の在留特別許可という別の土俵で戦う材料だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 立証責任を負う者 | 46条(24条1号・2号):容疑者本人が非該当を立証 | 24条4号ロ等の他の退去強制事由:転換規定なし 70条1項1号(不法入国罪):検察官が有罪を立証 |
| 手続の性質 | 行政手続(45条の違反審査) | 行政手続(45条の違反審査) 刑事手続(刑事訴訟法) |
| 立証失敗時の帰結 | 該当認定 → 口頭審理・異議・在留特別許可の判断へ | 該当認定 → 同じく48条以下の手続へ 犯罪の証明がなければ無罪(刑訴336条) |
他国ではどう定めているか 3 か国
外国人の強制出国事由を定めるが、日本の46条のような立証責任転換の明文規定は置かれていない
外国人に自己に有利な事情の申告・証明についての協力義務を課す。立証責任の明文転換ではなく協力義務の形をとる
入国の時期・場所・方法の立証責任を外国人側に課す明文規定があり、日本の46条と同種の構造を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし20年前の入国を「不法入国だった」と指摘されたら、あなたは何を出せる? 当時のパスポートは更新時に返納済み、航空券の控えもない。入国審査官の認定通知を受けてから口頭審理を請求できるのは3日(入管法48条1項)。この72時間で、出入国記録の開示請求と代理人の手配を同時に走らせることになる
- 技能実習生のパスポートを「紛失防止のため」会社の金庫で預かっていた。実習生が違反審査にかけられたとき、彼の手元には自分の入国が適法だったと示す紙が一枚もない。預かっていた側のあなたは、技能実習法違反と不法就労助長罪(入管法73条の2)の両面から説明を求められる立場に回る
- 空港で在留カードを落とした。翌日、職務質問で提示できない。携帯義務違反(入管法23条)と入国の適法性の説明が、同じ場で同時に問われる
- 日本人配偶者と30年暮らしてきた義母が、在留資格の手続の中で入国の経緯を問われ始めた。家族から相談されたあなたが最初にやるべきは慰めることではなく、何号で疑われているのかを確認し、古いアルバムに挟まったままの上陸許可証印のコピーを探し出すことだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が24条の何号で疑われているかを審査の場で明示的に確認する。1号・2号でなければ46条は働かない2. 上陸許可証印の写し、在留カード、旧旅券、航空券・搭乗記録、家族の写真や当時の住所記録を集める3. 出入国在留管理庁へ保有個人情報開示請求を出し、自分の出入国記録を書面で入手する4. 認定通知から3日以内に口頭審理を請求(48条1項)、その判定にも異議があれば3日以内に異議の申出(49条1項)。期限を落とした時点で争う場が消える
訴えられた側:1. 雇用主・身元保証人・同居家族の側なら、まず旅券や在留カードを預かっていないか確認し、直ちに本人へ返還する。保管自体が別の違反を構成しうる2. 在留資格と就労可否の確認記録(在留カードの写し、就労資格証明書)を時系列で整理する3. 不法就労助長罪(入管法73条の2)や退去強制を免れさせる目的の蔵匿・隠避(同74条の8)に触れないよう、本人の所在を隠す行為は避け、代理人を通じて対応する4. 本人の入国経緯を裏づける社内記録(採用時書類、渡航手配記録)は廃棄せず保全する
時効(請求できる期限):入国審査官の認定に対する口頭審理の請求は通知を受けた日から3日以内(入管法48条1項)、特別審理官の判定に対する異議の申出も3日以内(同49条1項)。退去強制令書発付処分の取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。令和5年改正法の施行に伴い送還や収容代替措置の運用が変わっているため、最新の改正状況をご確認ください
学説
証拠距離説による一般的説明:入国の適法性を示す資料は本人の手元にあるのが通常であることから、本人に立証を負わせることに合理性があると説明される。ただし証拠を失った者への過酷さが指摘され、射程は24条1号・2号に限定される
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正、令和6年施行分あり 46条の文言そのものの改正の有無は要検証だが、退去強制手続の周辺が大きく動いた。収容に代わる監理措置の新設、難民認定申請中の送還停止効の例外化などにより、立証に失敗した後の帰結が変わっている。施行状況を含め最新の改正状況をご確認ください
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。退去強制手続の違反審査における立証責任の規定を置く
- 2.昭和57年(1982年) 改正:難民条約等への加入に伴い、題名を「出入国管理及び難民認定法」に改め、難民認定手続を整備
- 3.令和5年(2023年) 改正:監理措置の新設、難民認定申請中の送還停止効の例外化など退去強制手続の周辺を改正。46条自体の文言改正の有無は要確認
- 出入国管理及び難民認定法 第24条立証責任が転換される退去強制事由の内容
- 出入国管理及び難民認定法 第45条本条が前提とする入国審査官の違反審査
- 出入国管理及び難民認定法 第3条不法入国の判断基準となる入国要件
- 出入国管理及び難民認定法 第48条認定に対する三日以内の口頭審理請求
- 出入国管理及び難民認定法 第70条不法入国罪、刑事では立証責任が転換しない
- 刑事訴訟法 第336条犯罪の証明がない場合の無罪、立証責任の対比
- 行政事件訴訟法 第3条退去強制令書発付処分の取消訴訟での立証責任の帰趨(実務上、解釈が分かれている)
- 行政手続法 第3条出入国に関する処分を適用除外とする
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。