出入国管理及び難民認定法 第55条の33(領置物の引渡し)
クイックジャンプ
入国者収容所長等は、被収容者の出所の際、領置している物品をその者に引き渡すものとする。
この条文の基本情報
領置物の引渡しとは何ですか?
定義領置物の引渡しとは、出入国管理及び難民認定法第55条の33に定められた規定で、「入国者収容所長等は、被収容者の出所の際、領置している物品をその者に引き渡すものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の33(領置物の引渡し)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の33の条文原文は「入国者収容所長等は、被収容者の出所の際、領置している物品をその者に引き渡すものとする。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の33は第三節 金品の取扱い等に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の33の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の32です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の33の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の34です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の33には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の33 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の33(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点出入国管理及び難民認定法55条の33は、入国者収容所長等が被収容者の出所の際、領置物品を本人に引き渡すことを義務づける。仮放免や送還も出所に含まれると解される。
Q · 入管の収容施設を出るとき、預けた荷物は必ず返してもらえるの?
返されます。出所時の引渡しは所長等の義務です
出入国管理及び難民認定法55条の33は、入国者収容所長等が被収容者の出所の際、領置している物品を本人に引き渡すものとすると定めています。所長の裁量で返さないという選択肢は予定されておらず、仮放免や送還による出所も対象と解されます。ただし実際に争いになるのは返還の有無より品目・数量・状態であり、その根拠は収容時の領置品目録です。未返還や毀損があれば、国家賠償法1条による請求が考えられます。
解説
スマートフォン、財布の中の現金、母国の家族から届いた手紙。入管施設に収容された瞬間、これらは手元から消える。だが法的には消えていない。「領置」という形で施設が預かっているだけである。55条の33が定めるのはたった一行、その預かり物を出所の際に本人へ引き渡す、という義務だ。重みは「引き渡すものとする」という語尾にある。法令用語の「ものとする」は原則として義務を意味し、所長の裁量で返さないという選択肢は存在しない。返ってこなければ、それは好意の不足ではなく違法状態であり、国家賠償の対象になる。もう一つ押さえるべきは「出所の際」の射程だ。仮放免も、監理措置への移行も、強制送還も、すべて出所である。つまり明日送還される人にも、この引渡し請求は生きている。ただし現実の攻防は出所の日ではなく、収容初日の領置品目録にある。そこに書かれなかった物は、法的には最初から存在しなかったことになる。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法55条の33は、被収容者の領置物品の返還に関する規定であり、入国者収容所長等に対し、被収容者の出所の際に、施設が領置している物品を当該被収容者本人へ引き渡す義務を課す。収容に伴う施設の占有が一時的な保管にすぎず、所有権は本人に残ることを前提とする出口規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.収容初日に領置品目録を確認する 署名前に品目・数量を自分の目で確認し、スマートフォンの機種名、現金の額、破損の有無まで記載させる。読めない言語なら通訳を求め、確認できない項目は署名しない
- 2.目録の写しを外部に確保する 目録の写しを入手し、面会に来る家族・支援者・弁護士にも共有しておく。手元にない場合は所長あてに書面で交付を求める
- 3.出所が見えたら迎えと宅下げを手配する 仮放免・監理措置・送還の見通しが立った段階で、迎えの人と荷物の運搬手段を決める。送還が迫る場合は、重要書類を宅下げで先に外へ出す
- 4.出所当日にその場で照合し、受領書に異議を書き添える 引き渡された品目を目録番号ごとに照合し、不足や破損があれば職員に指摘する。受領書に「○○未返還」「画面に亀裂あり」と自筆で書き添えてから署名し、写真を撮る
- 5.未解決なら申入れから国家賠償請求へ 未返還・毀損が解決しなければ、まず入管に書面で申し入れ、応じなければ国家賠償法1条に基づく請求を弁護士と検討する。損害と加害者を知った時から3年の時効に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1入管の領置とは何ですか?
収容された人の所持品を、施設が保安上の理由で本人の手元から離して預かることです。所有権は本人に残り、出所の際に引き渡されます(入管法55条の33)。
Q2入管に収容されたら所持品はどうなる?
危険物や通信手段などは施設が領置し、目録に記録されます。収容中は手元に置けませんが、出所時に本人へ引き渡すことが所長等の義務とされています。
Q3仮放免のとき荷物はいつ返ってくる?
仮放免も「出所」にあたるため、施設を出る際に領置物品が引き渡されます。出所は急に決まることが多いので、迎えの人と目録の写しを事前に用意しておくと安心です。
Q4入管で荷物をなくされたら賠償請求できる?
職員の職務上の過失による紛失・毀損であれば、国家賠償法1条に基づき国に賠償を請求できる可能性があります。収容時の目録の記載が立証の決め手になります。
Q5領置品目録の写しはもらえる?
手元にない場合は、施設の所長あてに書面で交付や開示を求めるのが実務上の第一歩です。応じない場合は、行政機関の保有個人情報の開示請求も検討できます。
Q6入管の受領書にサインしたら後から文句は言えない?
言えなくなるわけではありませんが、無条件に署名すると「異議なく受領した」証拠になり、主張が難しくなります。不足や破損は署名前に受領書へ自筆で書き添えるのが鉄則です。
Q7領置物の返還請求に期限はある?
本条自体に期限はなく、出所の際に即時に果たされるべき義務です。金銭賠償を求める場合は、民法724条により損害と加害者を知った時から3年が目安になります。
Q8収容中に家族が荷物を受け取ることはできる?
面会者を通じた「宅下げ」で、領置物の一部を外部の人に引き渡してもらう運用があります。可否や手続は施設ごとに確認が必要で、送還が見えたら早めの相談が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1携帯電話も返してもらえるんですか?
返されます。55条の33は領置している物品を種類で区別せず引き渡す義務を課しており、携帯電話も当然に対象です。ただし戻るのは端末であって回線ではない。収容中に料金未払いで解約されていれば、番号もSMS認証も失われています。実務のポイント:収容が長引きそうなら、面会に来る支援者に回線維持か番号の保管手続を頼む。端末が戻った日に番号が死んでいると、銀行も役所も再開できず、生活再建が一か月単位で遅れる
Q2強制送還されるときでも、荷物は返ってくるんですか?
送還も条文上の「出所」にあたるため、引渡しの対象です(55条の33)。問題は物ではなく時間で、送還当日は施設から空港へ移送され、中身を確認する余裕がほとんどありません。実務のポイント:送還日が見えた段階で、面会者を通じた宅下げで重要書類を先に外へ出しておく。納税証明、通帳、契約書のように日本国内でしか意味を持たない書類は、母国へ持ち帰った瞬間に価値が落ちる。誰に何を託すかを、通知が来る前に決めておく
Q3荷物が壊れて返ってきました。泣き寝入りですか?
公務員の職務上の過失による損害として、国家賠償法1条で請求できます。時効は同法4条が民法を準用し、知った時から3年(民法724条)。勝敗の鍵は、収容時の目録に状態の記載があるかどうかです。実務のポイント:受領書に署名する前に「破損あり」と自筆で書き足す。無条件に署名してしまうと「異議なく受領した」と扱われ、後からの主張は一段重くなる。ペンを持つ三十秒が分水嶺になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「どうせ全部返ってくる」ことは多くの人が知っている。知られていないのは、返ってくる物の価値が収容中に静かに失われていることだ。スマートフォンは箱ごと戻るが、半年止まった回線は解約され、電話番号も二段階認証も口座アクセスも失われている。物は戻る、その物が持っていた機能は戻らない
- 「返してもらえますか」という問いの立て方そのものが誤っている。引渡しは施設の恩恵ではなく所長に課された義務であり、正しい問いは「いつ、どの品目が、目録のどの番号で戻るのか」である。問いの形を変えた瞬間、窓口での扱われ方も変わる
- 送還される人には関係ない話だと思われがちだが、送還も条文上の「出所」であり、引渡しの対象になる。むしろ危ないのは、空港へ移送される当日の慌ただしさの中で、中身を確認しないまま受領書に署名してしまう場面のほうだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 入管法55条の33:出所の際の領置物品の引渡し | 入管法54条:仮放免(収容を解かれる典型場面) 入管法52条:退去強制令書の執行(送還) |
| 本条との関係 | 出所の理由を問わず、引渡し義務が発生する出口規定 | 仮放免が許可されると出所となり、本条の引渡しが生じる 送還による施設からの移送も出所と解され、本条の対象となる |
| 実務上の注意点 | 目録と受領書の記載が争いの帰趨を決める | 許可が突然出るため、迎えと目録の写しを事前に準備 移送当日は確認時間が乏しく、宅下げでの事前搬出が有効 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も移民署の収容施設における収容者の物品保管と退所時の返還を規則レベルで定める。条番号・文言は要確認
韓国も外国人保護施設での所持品の保管と、保護解除時の返還を規則で整備している。細目は要確認
ドイツでは退去強制拘禁の執行は州法が規律し、所持品の保管・返還も州ごとに定められる
米国は法律ではなく ICE の拘禁基準で、被拘禁者の金銭・所持品の目録化と釈放時の返還を定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 明日の朝に仮放免許可が出るかもしれない、と弁護士から連絡が来たら、あなたは何を準備する? 出所は突然決まる。迎えに行く人、荷物を運ぶ手段、そして収容時の領置品目録の写し。この三つが揃っていないと、渡された段ボールの中身を確認する時間もないまま、施設の門の外に立つことになる
- 施設から出た友人のスマートフォンが、電源を入れても起動しなかった。八か月放置された端末では珍しくない。目録に機種名と状態が書かれていなければ、壊れて戻ったのか元から壊れていたのか、誰にも証明できない
- 職員の側から見れば、一日に何人もの出所があり、荷物を渡して受領書に署名をもらえば手続は完了する。その署名が後に「異議なく受け取った」という証拠になることを、渡される側はたいてい知らない。窓口の三十秒は、事務処理の時間ではなく、証拠が作られている時間である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 収容時の領置品目録の写しを入手する。手元になければ所長あてに書面で開示を求める2. 出所当日はその場で品目を照合し、不足や破損があれば職員に指摘したうえで、受領書に「○○未返還」「画面に亀裂あり」と自筆で書き添えてから署名する3. 署名済み受領書と目録の写しを保管4. 未返還・毀損が解決しなければ、まず入管への申入書、応じなければ国家賠償法1条に基づく請求へ5. 送還が迫るなら宅下げで先に外へ出す
訴えられた側:施設・行政の側に立つなら、争点は「引き渡した事実」の立証に集約される。1. 領置台帳と受領書の記載を品目単位で一致させる2. 本人が読める言語で目録を確認させ、通訳が関与した事実を記録に残す3. 本人受領が困難な場合(送還直前、重篤な病状)の代理受領の可否と根拠を事前に整理しておく4. 毀損・紛失が判明したら隠さず記録する。国家賠償の実際の争点は、損害の有無より隠蔽の有無に移りやすい
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。引渡しは「出所の際」に履行されるべき即時の義務である。未返還や毀損を金銭で争う場合の期限は国家賠償請求権の消滅時効(国家賠償法4条が民法を準用、民法724条により損害及び加害者を知った時から3年、不法行為時から20年)。起算点は出所の日になりやすいため、出所直後の記録と写真が決定的になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
法令用語の一般的理解:「ものとする」は「しなければならない」よりやや柔らかい表現だが、原則として義務を定める語と理解される。本条では所長等の裁量による返還拒否を予定しない趣旨と読むのが自然である。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)入管法改正(令和6年6月10日施行) 被収容者の処遇に関する規律が章として整備され、領置物の取扱いと出所時の引渡しが条文上明示された。本条が同改正による新設か、従前規定からの移設・整理かは条文沿革の確認が必要であり、人的検証を要する
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める