出入国管理及び難民認定法 第56条(協力の義務)
クイックジャンプ
本邦に入る船舶等の長及びその船舶等を運航する運送業者は、入国審査官の行う審査その他の職務の遂行に協力しなければならない。
この条文の基本情報
協力の義務とは何ですか?
定義協力の義務とは、出入国管理及び難民認定法第56条に定められた規定で、「本邦に入る船舶等の長及びその船舶等を運航する運送業者は、入国審査官の行う審査その他の職務の遂行に協力しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第56条(協力の義務)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第56条の条文原文は「本邦に入る船舶等の長及びその船舶等を運航する運送業者は、入国審査官の行う審査その他の職務の遂行に協力しなければならない。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第56条は第六章 船舶等の長及び運送業者の責任に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第56条の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の88です。
- 出入国管理及び難民認定法第56条の次の条は出入国管理及び難民認定法第56条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法56条は、本邦に入る船舶・航空機の長と運航する運送業者に、入国審査官の審査その他の職務遂行への協力を義務付ける。協力の具体的内容は条文に列挙されていない。
Q · 入国審査待ちで機内から降りられないとき、航空会社の判断で先に降ろしてもらえないの?
できない。会社には審査を追い越して降ろす裁量がない
出入国管理及び難民認定法56条により、本邦に入る航空機・船舶の長と運送業者は、入国審査官の審査その他の職務の遂行に協力する義務を負います。そのため審査体制が整うまで乗客を降ろさないのは会社の段取りではなく法律上の義務の履行です。一方、乗り継ぎ便の振替や宿泊手配は運送契約上の問題なので、航空会社のカウンターで別途交渉できます。
解説
着陸したのに機内のドアが開かない。客室乗務員が「入国審査の準備が整うまで、そのままお待ちください」とアナウンスする。あの待ち時間の法的な背骨が、入管法56条である。本邦に入る船舶や航空機の長、そしてそれを運航する運送業者は、入国審査官の審査その他の職務の遂行に協力しなければならない。つまりあなたが乗客として見ているのは、航空会社や船会社が国の出入国管理業務の一部を法律で背負わされている現場だ。乗客名簿の提出、機内での書類配布、審査が終わるまでの乗客の管理、上陸を認められなかった人の引き渡しと連れ戻し。これらは会社のサービスではなく義務であり、しかも義務の相手はあなたではなく国である。だからあなたが「早く降ろしてくれ」と言っても、乗務員にはその裁量が最初から存在しない。怒る相手を間違えている人が、毎日空港で生まれている。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法56条は、船舶等の長及び運送業者の協力義務を定める規定であり、本邦に入る船舶・航空機の長とその運航者である運送業者に対し、入国審査官の行う審査その他の職務の遂行に協力する一般的義務を課す。協力の具体的態様は条文上列挙されておらず、報告義務(57条)や送還義務(59条)などの個別規定により具体化される。
手順
- 1.就航前に管轄の入管局へ事前相談する 56条は協力の中身を列挙していないため、新規就航・チャーター便・クルーズ寄港の計画段階で、管轄の地方出入国在留管理局に求められる協力内容を確認し、回答を文書で残す
- 2.乗員・乗客報告を運航手順書に組み込む 57条の乗員・乗客に関する報告の期限と様式を運航管理手順に明記し、担当者個人の記憶に頼らない仕組みにする
- 3.到着時は審査官の指示に従い乗客を管理する 到着後、審査体制が整うまで乗客を機内・船内に留め、審査官の指示に沿って案内する。到着時刻とドア開放時刻を記録しておく
- 4.上陸拒否者が出た場合の送還手順を事前整備する 上陸を認められなかった乗客が出た場合に備え、59条の送還義務に対応する手配フローと費用負担の社内ルールを整え、現場職員に周知する
よくある質問 AI による整理
Q1入管法56条とは何ですか?
本邦に入る船舶・航空機の長と、それを運航する運送業者に対し、入国審査官の審査その他の職務遂行への協力を義務付ける規定です。
Q2着陸後 飛行機から降りられない 理由は?
入国審査の受け入れ体制が整うまで待機しているケースがあります。航空会社は入管法56条の協力義務を負い、審査官の指示より先に乗客を降ろせません。
Q3運送業者の協力義務の範囲はどこまで?
56条は「協力しなければならない」とだけ定め、具体的行為は列挙していません。乗客報告(57条)や送還(59条)など個別規定で具体化されています。
Q4入管法56条に違反すると罰則はある?
本条自体に直接の罰則は置かれていないと解されています。ただし関連する報告義務や送還義務の違反は、別途の制裁や行政指導の対象になりえます。
Q5船長にも入国審査への協力義務がある?
あります。56条は「船舶等の長」を義務主体として明記しており、クルーズ船の船長や航空機の機長も運送業者と並んで協力義務を負います。
Q6入国審査で待たされた場合 補償はある?
審査待ち自体への法定補償はありません。乗り継ぎ便の振替や宿泊は運送契約の問題として、航空会社の約款に基づき個別に交渉することになります。
Q7チャーター便 入国審査 事前に何が必要?
乗員・乗客に関する報告(57条)を所定時期までに行う必要があります。協力内容は条文に列挙されていないため、管轄の地方出入国在留管理局への事前相談が実務的です。
Q8入管法56条の「船舶等」に飛行機は含まれる?
含まれます。入管法2条の定義により「船舶等」は船舶と航空機を指すため、旅客機の機長や航空会社も本条の義務主体となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入国審査で機内に足止めされたとき、航空会社に文句を言っても意味ないんですか?
審査の進み方そのものについては意味がない。56条により審査官の職務遂行が優先し、会社に降機の裁量はないからだ。ただし乗り継ぎ便の振替や宿泊手配は運送契約の話で、まったく別軌道で交渉できる。実務のポイント:補償の可否は、遅延の原因が審査体制にあるのか自社の到着遅れかで変わる。到着時刻とドア開放時刻の両方を控えておくと、後の交渉で立場が変わる
Q2上陸を拒否されたら、帰りの航空券は自腹になりますか?
原則は違う。上陸を認められなかった外国人の送還は、その人を運んできた運送業者の義務とされている(第59条)。56条の協力義務はその前段に位置する。実務のポイント:空港カウンターの職員が自社の送還規定を把握していないことは実際にある。「入管法59条の送還義務」と具体的に口に出すと、担当部署へ話が上がる速度が明らかに変わる
Q3協力義務に違反したら、運送業者はどうなるんですか?
56条は「協力しなければならない」とだけ定め、この条文自体に直接の罰則は置かれていないと解されている(最新の改正状況をご確認ください)。一方で報告義務(第57条)や送還義務(第59条)の違反は別途の制裁・行政指導の対象になりうる。実務上、協力の範囲については解釈が分かれている。実務のポイント:行政指導は処分性がなく取消訴訟の対象にならないため、その場で争う手段がない。求められた内容と日時を記録に残し、後の交渉材料として積む方が現実的である
間違えやすい点 AI による整理
- 機内で待たされるのは航空会社の段取りが悪いからだと思われがちだが、審査官の職務遂行に協力する義務を負う会社側には、審査の進行を追い越して乗客を降ろす裁量がそもそもない。クレームを入れる宛先そのものがずれている
- 運送業者に義務があること自体は知られている。知られていないのは、その義務が「協力しなければならない」という一行の抽象文言だけで書かれている深刻さだ。具体的な行為が列挙されていないため、現場で求められる協力の範囲は事実上その場で決まる。どこまでやれば足りるのかが条文から読めない、これが事業者側の実務リスクの本体である
- あなたから見れば航空会社は運賃を払った相手のサービス提供者だが、法律から見れば出入国管理の一端を担わされた義務主体である。この落差があるため、乗客の利便は審査官の指示の前では常に後回しになる。落差を知らないまま怒鳴る人が、最も長く空港に留まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の内容 | 入管法56条:審査その他の職務遂行への一般的な協力義務 | 入管法57条:乗員・乗客に関する報告義務 入管法59条:上陸拒否者等の送還義務 |
| 具体性 | 具体的行為は列挙されていない抽象的規定 | 報告すべき事項と時期が定められた具体的義務 送還という具体的行為を求める義務 |
| 発生する場面 | 船舶等が本邦に入るたびに継続的に発生 | 入港・到着の前後 上陸拒否や退去強制の決定があったとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も運輸業者に乗客情報の通報や入出国管理への協力を求める。具体的義務を条文で列挙する傾向が日本より強い
韓国も運輸業者等に出入国審査への協力義務を課しており、日本法と構造が近い
ドイツは運送業者に有効な旅券・査証を持たない外国人を運ばない義務を課し、違反に過料を科す。EU シェンゲン体制の運送業者制裁指令と連動する
米国は乗客名簿の事前提出と入国検査への協力を運送業者に義務付け、違反には民事制裁金がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜便で成田に着いたが、機内で40分間シートベルトサインが消えない。原因は前の便の審査が押していることだった。航空会社は自分の判断で乗客を降ろせない。56条の協力義務がある以上、審査官の指示より先に動けばそれ自体が義務違反の問題になる
- もし乗客の一人が入国審査を受けないまま空港内で姿を消したら、責任はどこへ行く? 審査官の職務に協力する義務を負っていた運送業者にも及ぶ。さらに59条の送還義務が続けて発動する。1人の失踪が、会社に送還費用と行政指導をまとめて背負わせる
- クルーズ船が博多港に入る。船長は乗客名簿を入国審査官に渡す。これは船長個人に課された義務で、本社の経営判断で拒否できる性質のものではない
- 訪日チャーター便を仕立てた旅行会社。出発まであと18時間なのに、乗客名簿の事前送信がまだ終わっていない。入港前の報告(57条)と現場での協力(56条)は一続きの構造で、ここが崩れると到着後の審査が便全体で止まる。遅れは自社便だけでなく空港のスロット全体を巻き込む
- 外国籍の親を日本に呼び寄せた友人から相談が来る。上陸を認められなかった場合、帰りの航空券を自腹で買い直すのかと聞かれる。あなたが答えられるのは、送還の手配はまず運送業者側の義務だという一点だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 到着時刻とドア開放時刻の両方を記録する。審査体制が原因の待機と、自社便の遅延は補償の扱いが別軌道になる2. 乗り継ぎ便の振替や宿泊手配は運送契約の問題なので、審査官ではなくカウンターへ3. 家族が上陸を認められなかった場合、航空券を買い直す前に運送業者の送還義務(第59条)を口頭で確認する4. 現場職員が規定を把握していないことは珍しくないため、担当部署へのエスカレーションを求め、やり取りの日時と担当者名を控える
訴えられた側:1. 協力の範囲は条文に列挙されていないため、就航前に地方出入国在留管理局へ事前相談し、求められる協力内容を文書で残す2. 乗員・乗客に関する報告(第57条)の期限と様式を運航管理の手順書に組み込み、属人運用にしない3. 上陸を認められなかった乗客が出た場合の送還手順と費用負担のフローを事前に整備する4. 現場で追加の協力を求められた際は、行政指導なのか法律上の義務なのかをその場で確認し、記録する
時効(請求できる期限):協力義務そのものに期限や時効はなく、船舶等が本邦に入る都度、継続的に発生する。関連する乗員・乗客の報告義務(第57条)は入港前の所定時期まで、送還義務(第59条)は上陸拒否や退去強制の決定時点から起算される。運送契約上の損害賠償など民事請求は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)による
学説
一般的理解:56条は具体的行為を列挙しない一般的・訓示的な協力義務であり、その内容は57条の報告義務や59条の送還義務など個別規定と行政実務によって具体化されると理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。船舶等の長及び運送業者の協力義務が置かれた
- 2.昭和57年(1982年) 改正:難民条約加入に伴い、題名が出入国管理及び難民認定法に改められた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。