出入国管理及び難民認定法 第70条の2
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- 前条第一項第一号から第二号の二まで、第五号若しくは第七号又は同条第二項の罪を犯した者については、次の各号に該当することの証明があつたときは、その刑を免除する。ただし、当該罪に係る行為をした後遅滞なく入国審査官の面前において、次の各号に該当することの申出をした場合に限る。
- 一難民であること。
- 二その者の生命、身体又は身体の自由が難民条約第一条A(2)に規定する理由によつて害されるおそれのあつた領域から、直接本邦に入つたものであること。
- 三前号のおそれがあることにより当該罪に係る行為をしたものであること。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第70条の2は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第70条の2の条文原文は「前条第一項第一号から第二号の二まで、第五号若しくは第七号又は同条第二項の罪を犯した者については、次の各号に該当することの証明があつたときは、その刑を免除する。た…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第70条の2は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第70条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第70条です。
- 出入国管理及び難民認定法第70条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第71条です。
- 出入国管理及び難民認定法第70条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第70条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第70条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/70_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法70条の2は、不法入国等の罪を犯した難民が三要件を証明した場合に刑を免除する規定。ただし行為後遅滞なく入国審査官の面前で申し出たことが条件となる。
Q · 難民が偽造旅券で日本に入国したら、必ず処罰されるの?
三要件の証明と入国審査官への遅滞なき申出で刑は免除
入管法70条の2により、不法入国(70条1項1号)などの罪を犯した者でも、難民であること、迫害のおそれのある領域から直接日本に入ったこと、そのおそれゆえに違法な入国をしたことの証明があれば、刑が免除されます。ただし行為後遅滞なく入国審査官の面前で申し出ていることが条件です。刑の免除は有罪判決の一種であり、退去強制手続は別に進みます。
解説
偽造旅券で、あるいは旅券を持たずに日本の空港に降り立てば、その瞬間に入管法70条の不法入国罪が成立する。だが、その人が難民であれば、70条の2が刑そのものを消しにいく。条件は三つ。難民であること、迫害のおそれがあった領域から直接日本に入ったこと、そのおそれゆえに違法な入国をしたこと。そして但書がすべてを決める。行為の後「遅滞なく」、しかも「入国審査官の面前において」申し出なければならない。逮捕された警察署で警察官に「自分は難民だ」と訴えただけで但書を満たすかは、実務上、解釈が分かれている。あなたが支援者の立場なら、最初に確認すべきは弁護人の名前ではなく、入国審査官への申出が済んだか、いつ済んだかだ。この規定は難民条約31条1項を国内法に落とし込んだものだが、落とし込みきれていない隙間も残している。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第70条の2は、難民条約31条1項の不処罰原則を国内法化した刑の免除規定である。同法70条1項の列挙された号および同条2項の罪について、難民該当性、迫害領域からの直接入国、迫害のおそれと違法行為との因果関係の三要件の証明と、行為後遅滞なき入国審査官への申出を条件に、刑を必要的に免除する。
よくある質問 AI による整理
Q1入管法70条の2とは何ですか?
不法入国などの罪を犯した難民について、一定の要件を満たせば刑を免除する規定です。難民条約31条1項の不処罰原則を国内法化したものです。
Q2難民の刑の免除の要件は?
難民であること、迫害のおそれのある領域から直接入国したこと、そのおそれゆえに違法行為をしたことの三つの証明と、入国審査官への遅滞なき申出です。
Q370条の2で免除される罪はどれ?
入管法70条1項1号から2号の2まで、5号、7号の罪と、同条2項の罪に限られます。列挙外の罪は難民でも通常どおり処罰されます。
Q4「遅滞なく」とは何日以内ですか?
条文に具体的な日数の定めはありません。通訳の手配や身柄拘束の状況など客観的事情を踏まえて個別に判断されます。
Q5難民不認定でも刑の免除は受けられる?
可能性はあります。刑事裁判所が独自に難民該当性を判断した裁判例があり、行政の不認定処分が刑事の結論を直ちに決めるわけではありません。
Q6刑の免除と無罪の違いは?
刑の免除は犯罪の成立を認めたうえで刑を科さない有罪判決の一種です(刑事訴訟法334条)。無罪は犯罪の成立自体を否定する判決です。
Q7第三国を経由して来日した難民も対象?
二号の「直接本邦に入つた」要件が争点になります。短期の通過なら直接性を認める解釈もありますが、日本の実務は厳格とされ、解釈が分かれています。
Q8刑が免除されたら退去強制されない?
されないとは限りません。退去強制手続(入管法24条)は刑事手続とは別に進み、在留の可否は難民認定や在留特別許可で決まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1難民申請さえしておけば、不法入国で捕まっても刑は免除されるんですか?
申請の有無が直接の条件ではありません。70条の2が求めるのは、難民であること、迫害のおそれがあった領域から直接入ったこと、そのおそれゆえに違法な入国をしたことの証明と、行為後遅滞なく入国審査官の面前で申し出たことです。実務のポイント:法務大臣の難民不認定処分が出ていても、刑事裁判所が独自に難民該当性を判断した裁判例があります。行政手続で負けた時点で刑事も終わりだと考える弁護人と、そこから争う弁護人で結論が変わります。
Q2逮捕された警察署で「自分は難民です」と言いました。これで足りますか?
条文は「入国審査官の面前において」申し出ることを明示しています(70条の2但書)。警察官への供述だけで要件を満たすかは、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:弁護人は初回接見で、入国審査官の面前での申出が済んでいるかを必ず確認し、済んでいなければ入管への通知と記録化を急ぎます。この一手の有無が、後の公判で「遅滞なく」を立証できるかを左右します。
Q3刑が免除されたら、そのまま日本で暮らせるんですよね?
別の話です。刑の免除は刑事手続の結論にすぎず、入管法24条の退去強制手続は並行して進みます。日本に残れるかは難民認定(61条の2)や在留特別許可の判断で決まります。実務のポイント:刑の免除は無罪ではなく有罪判決の一種で、刑事訴訟法334条により判決で言い渡されます。ただし刑法34条の2第2項により、確定から2年間罪を犯さなければ言渡しは効力を失います。
間違えやすい点 AI による整理
- 「難民申請しておけば刑が免除される」という問いの立て方自体が外れている。免除を決めるのは難民申請の有無ではなく、刑事裁判所が三つの要件の証明を認めるかどうかである。法務大臣の難民不認定処分が先に出ていても、刑事裁判所が独自に難民該当性を判断した裁判例があり、行政手続の敗北がそのまま刑事の結論になるとは限らない
- あなたから見れば「刑の免除=無罪放免」に見える。法律から見れば刑の免除は有罪判決の一種であり、刑事訴訟法334条により判決でその旨が言い渡される。犯罪の成立自体は認められている。ただし刑法34条の2第2項により、免除の言渡しが確定した後2年間罪を犯さなければ、言渡しは効力を失う。この落差を知らずに「無罪を取った」と周囲に説明すると、後の手続で足をすくわれる
- 免除の射程を広く見積もる誤解も多い。70条の2が消せるのは70条1項の列挙された号と同条2項の罪だけで、列挙されていない罪までは届かない。旅券の偽変造や行使に関わる罪のように、入国の局面で同時に問題になりやすい犯罪が射程外に残るため、入管法の罪が免除されても別罪で有罪になる構図は現実に起こる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 入管法70条の2:違法入国した後の刑事責任(刑の免除) | 入管法18条の2:入国の入口での一時庇護上陸許可 入管法24条:退去強制事由(行政上の送還) |
| 判断主体 | 刑事裁判所(判決で刑の免除を言渡し) | 入国審査官(上陸の許可) 入国警備官・入国審査官・特別審理官・法務大臣 |
| 難民性の位置づけ | 三要件の一つとして証明が必要 | 難民条約上の理由等による庇護の必要性 難民であっても事由該当性自体は消えない |
| 効果 | 有罪だが刑を科さない(犯罪の成立は維持) | 一時的に適法な上陸が認められ、違法入国を回避 本邦からの退去が命じられる可能性 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は難民法が未制定であり、無許可入国を処罰する規定に難民を刑罰から免除する明文の特則はない。日本の70条の2のような国内実施規定の有無が大きな違い
ドイツは滞在法の罰則規定に難民条約31条1項を留保する条項を置き、条約の不処罰原則を刑事罰則に直接接続させている
米国は不法入国を連邦犯罪とするが、難民条約31条を直接実施する刑の免除規定は置いておらず、訴追裁量に委ねられる面が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 空港で旅券の偽変造を見破られ、その場で身柄を取られた。取調べは日本語で進み、母語の通訳が手配されるまで丸一日。その間も但書の「遅滞なく」という時計は動き続けている。残り時間の定義は条文にも判例にも明確な日数がない、だからこそ早く動いた側だけが後で立証できる
- もし、本国を出てから第三国で半年間足止めされ、そこから日本に来ていたとしたら? 二号の「直接本邦に入つた」という要件が正面からぶつかる。難民条約31条の「直接来た」を短期の通過なら許容すると読む立場と、日本の実務の厳格な運用との間で、解釈が分かれている論点である
- 支援団体の電話番をしていたあなたに相談が入る。「友人が入管に捕まった、難民申請したい」。最初に聞き返すべきは、入国審査官の面前で難民である旨を申し出たか、その日付はいつかだ
- 刑事公判で70条の2の適用を勝ち取り、刑の免除の判決が出た。ところがその日のうちに入管の収容施設へ戻される。刑事手続と退去強制手続は別の線路を走っており、判決は後者を止めない。在留できるかどうかは難民認定と在留特別許可の側で決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 迫害を逃れて入国した本人または支援者は、身柄を取られた直後に入国審査官の面前で難民である旨を申し出て、日時と担当官を記録する2. 出国から入国までの経路を、航空券、乗継記録、滞在日数で時系列化する。二号の直接性はここで争われる3. 本国の迫害を示す資料(逮捕状、報道、所属団体の証明、診断書)を母語のまま確保し、後から翻訳する4. 難民認定申請と刑事弁護を同じ事実関係で組み、陳述の食い違いを作らない
訴えられた側:1. 起訴された罪名が70条1項の列挙号または2項に当たるか、まず射程を確認する。射程外の罪が併合されていれば防御方針は別立てになる2. 但書の「遅滞なく」は、通訳手配や勾留状況などの客観的事情で説明できる。申出が遅れた理由を記録で残す3. 難民不認定処分が先行していても、刑事裁判所での独自判断を求める余地がある4. 刑の免除が得られても退去強制手続は進むため、在留特別許可を見据えた主張を並行させる
時効(請求できる期限):「遅滞なく」に具体的な日数の定めはなく、勾留や通訳の事情を含めた個別判断になる。入管法70条の罪は長期3年の刑にあたるため公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)、不法残留のような継続犯は状態が終わった時から起算する。刑名や罰金額は2025年6月1日施行の拘禁刑統合を含め改正が続いているため、最新の改正状況をご確認ください
学説
条約適合的解釈論:70条の2は難民条約31条1項の国内実施規定であるから、「直接」や「遅滞なく」の要件は条約の趣旨に沿って解釈すべきであり、短期間の第三国通過なら直接性を失わないとする立場がある
改正沿革 AI による整理
- 新設時期は要人的検証 難民条約31条1項の国内実施として追加された規定であり、平成16年(2004年)の難民認定制度改正の一環で新設されたと整理されることが多いが、新設年と改正履歴は確信度が低いため人的検証が必要である。関連して令和5年(2023年)改正(令和6年6月10日施行)で補完的保護対象者制度が導入されており、本条の適用範囲への波及の有無も要確認
- 出入国管理及び難民認定法 第70条免除の対象となる不法入国等の罰則本体
- 出入国管理及び難民認定法 第24条刑が免除されても残る退去強制事由
- 出入国管理及び難民認定法 第61条の2難民の認定、難民該当性判断の行政手続
- 出入国管理及び難民認定法 第61条の2の4仮滞在の許可、申請中の法的地位の安定
- 出入国管理及び難民認定法 第18条の2一時庇護のための上陸の許可、入口側の受皿
- 刑事訴訟法 第334条刑の免除は判決で言い渡す有罪判決の一種
- 刑法 第34条の2免除の言渡しが2年経過で効力を失う
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