農地法 第23条(公売の特例)
クイックジャンプ
- 国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)による滞納処分(その例による滞納処分を含む。)により公売に付された農地又は採草放牧地について買受人がない場合に、当該滞納処分を行う行政庁が、農林水産省令で定める手続に従い、農林水産大臣に対し、国がその土地を第十条第一項の政令で定めるところにより算出した額で買い取るべき旨の申出をしたときは、農林水産大臣は、前条第二項第二号から第四号までに掲げる場合を除いて、その行政庁に対し、その土地を買い取る旨を申し入れなければならない。
- 2.前項の申入があつたときは、国は、公売により買受人となつたものとみなす。
この条文の基本情報
公売の特例とは何ですか?
定義公売の特例とは、農地法第23条に定められた規定で、「国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)による滞納処分(その例による滞納処分を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第23条(公売の特例)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第23条の条文原文は「国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)による滞納処分(その例による滞納処分を含む。」で始まります。
- 農地法第23条は第三章 利用関係の調整等に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第23条の前の条は農地法第22条です。
- 農地法第23条の次の条は農地法第24条です。
- 農地法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法23条は、滞納処分の公売で買受人がない農地等について、行政庁の申出により国が政令算定額で買い取る特例を定める。大臣の申入れで国は買受人とみなされる。
Q · 差し押さえられた農地が公売で売れなかったら、どうなるの?
行政庁の申出で国が買い取り、国が買受人とみなされる
農地法23条により、国税徴収法による滞納処分(地方税など、その例による滞納処分を含む)で公売に付した農地や採草放牧地に買受人がない場合、行政庁は農林水産省令の手続に従って、国による買取りを農林水産大臣に申し出ることができます。大臣は、前条2項2号から4号に当たる場合を除き、買い取る旨を申し入れなければならず、申入れがあれば国は公売の買受人とみなされます。買取価格は10条1項の政令で算出した額です。
解説
田んぼや畑は、差し押さえても売れないことが多い。農地は誰でも買えるわけではなく、原則として農地法3条の許可を得られる耕作者しか取得できない。公売(税金の滞納処分として役所が差押財産を競りにかける手続)に出しても、入札者が現れないまま終わる。役所は税を回収できず、農地は誰も耕さずに荒れていく。この行き詰まりを解くのが本条である。国税徴収法による滞納処分で公売にかけた農地や採草放牧地に買受人がいなければ、滞納処分を行う行政庁は農林水産大臣に「国が買い取ってほしい」と申し出ることができる。大臣は、前条2項2号から4号に当たる場合を除き、買い取る旨を申し入れなければならない。申入れがあれば、国は公売の買受人になったものとみなされる。価格は市場の相場ではなく、10条1項の政令に基づいて計算される。農地を持つ人の立場から言えば、「売れないから差押えも怖くない」という見込みは通用しない。最後には国が買い手として現れるのである。
法的な位置づけ
農地法23条は公売の特例を定める規定であり、国税徴収法による滞納処分(その例による滞納処分を含む)で公売に付された農地又は採草放牧地に買受人がない場合に、行政庁の申出を受けた農林水産大臣が、所定の除外事由を除き国による買取りを申し入れ、その申入れによって国を公売の買受人とみなす制度を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公売の経過と不調の記録を整える 徴収担当の行政庁は、農地又は採草放牧地を公売に付したこと、買受人がなかったことを示す公売公告・入札経過などの記録を整理する
- 2.除外事由に当たらないか確認する 農地法22条2項2号から4号に掲げる場合に当たると国は買取りを申し入れないため、申出前に該当性を確認する
- 3.農林水産大臣に買取りを申し出る 農林水産省令で定める手続に従い、国が10条1項の政令で算出した額で買い取るべき旨を農林水産大臣に申し出る
- 4.申入れを受けて権利移転の事務を進める 大臣から買い取る旨の申入れがあれば国は公売の買受人とみなされるため、代金の受領と権利移転の事務を進め、滞納者への説明記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1農地法23条とは何ですか?
滞納処分の公売で買い手がつかなかった農地や採草放牧地を、行政庁の申出により国が買い取る特例を定めた規定です。申入れで国が公売の買受人とみなされます。
Q2農地の公売に参加するには何が必要ですか?
原則として農業委員会が発行する買受適格証明書が必要です。農地法3条の許可を受けられる見込みのある人でなければ入札できません。
Q3固定資産税の滞納でも農地法23条は使われますか?
条文は「その例による滞納処分を含む」と定めています。地方税の滞納処分は国税徴収法の例によるため、本条の対象に入ると解されます。
Q4国が農地を買い取る価格はいくらですか?
市場の相場ではなく、農地法10条1項の政令で定める方法により算出した額です。具体的な金額は個別の土地ごとに計算されます。
Q5農地の公売を止める方法はありますか?
公売前に分納や換価の猶予(国税徴収法151条・151条の2)を相談するのが基本です。猶予が認められれば換価手続は止まります。
Q6農林水産大臣は必ず買い取らなければいけませんか?
原則として買い取る旨を申し入れなければなりません。ただし農地法22条2項2号から4号に掲げる場合は除かれます。
Q7国が買い取った農地はその後どうなりますか?
国が取得した農地は、農地法の売払いの仕組みを通じて耕作者等に渡ることが想定されています。具体的な扱いは個別の手続によります。
Q8農地の公売公告に不服があるときはいつまでに争えますか?
公売公告の違法を理由とする不服申立ては、原則として公売期日等までに限られます(国税徴収法171条)。早めに専門家へ相談してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差し押さえられた畑、公売で誰も買わなかったらそのまま自分のものになるんですか?
なりません。農地法23条により、行政庁が国に買取りを申し出て、農林水産大臣が申し入れれば、国が公売の買受人とみなされます。売れ残っても土地は手元に戻りません。実務のポイント:一度の不調で「手続が止まった」と思って放置する滞納者は多いですが、実際には担当者が次の手を準備しているだけのことが多い。不調の直後こそ分納交渉に応じてもらいやすい時期です
Q2国が買い取るなら、相場どおりの値段で買ってくれるんですよね?
相場どおりとは限りません。買取価格は、農地法10条1項の政令で定める方法で算出した額です。市場で付く値段とは別の物差しで決まります。実務のポイント:地元の耕作者に、3条許可を前提とした任意売却で引き取ってもらえるなら、そちらのほうが手取りが多くなる場合があります。公売にかかる前に地元の農業委員会で買い手候補の情報を集めておくのが、知っている人の動き方です
間違えやすい点 AI による整理
- 「農地は買い手がつかないから、差し押さえられても実害はない」と考える人がいる。実際には、公売で売れなければ国が買受人とみなされる仕組みがある。売れ残りは、手続が終わる理由にならない
- 多くの人は差押えを最大の山場だと考え、公売公告が届いた段階なら交渉の余地がまだあると思っている。深刻度を見誤っている。公売期日を過ぎて国の申入れまで進めば、国は買受人とみなされ、土地は手元から離れる。分納や換価の猶予を本気で交渉できるのは公売前の段階であり、残り時間は思っているより短い
- 滞納者の目には「役所に土地を奪われる」と映る。法律の目線では、本条は農地を耕作者に戻すための中継点である。国が買い取った土地は、のちに耕作者への売払いに回ることが想定されている。この落差を理解しないと、感情的な抵抗に時間を使い、分納交渉の機会を逃す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる手続 | 農地法23条:国税徴収法による滞納処分(その例による滞納処分を含む)の公売 | 農地法22条:強制競売・担保権の実行としての競売の特例 農地法3条:通常の売買等による権利移転 |
| 誰が動くか | 滞納処分を行う行政庁が農林水産大臣に申し出る | 競売手続の関係者が前提(詳細は同条を確認) 当事者が農業委員会の許可を申請する |
| 取得者・価格 | 国が買受人とみなされ、10条1項の政令算定額で取得 | 同条の定める特例による(23条は同条2項2〜4号を除外事由として準用) 許可を受けた耕作者等が当事者間の合意価格で取得 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では公法上の金銭債権の執行に強制執行法が準用され、拍売で買い手がない場合の承受などで処理される。農地に限った国の買取り制度は本条ほど明確ではない
ドイツでは公的な入植機関が農地売買に先買権を行使し、農地を農業者に留める仕組みがある。売れ残り公売の受け皿ではないが、耕作者主義を守る点で機能が近い
フランスでは SAFER が農地売買に先買権を持ち、取得した土地を農業者へ再配分する。国側が受け皿になる発想は本条と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した郊外の田んぼを放置したまま、固定資産税と相続税の滞納が積み重なった。市役所から差押通知が届いても「農地なんて誰も買わない」と高をくくっていた。ところが公売で入札がなくても、本条を使えば国が買い取る道がある。差押えは本気の手続である
- 督促状を三回無視した結果、農地の公売公告がポストに入っていた。公売期日は3週間後。換価の猶予を申請するか、分納計画を持って税務署に出向くか、選べる時間はほとんど残っていない
- あなたは市の納税課で滞納整理を担当している。差し押さえた畑を公売に二度かけたが、入札はゼロ。上司は「塩漬けで仕方ない」と言う。農地法23条による国への買取申出を検討したことはあるだろうか?
- 農家の知人から「隣の畑が公売に出ているから買いたい」と相談された。農業委員会の買受適格証明書がなければ入札にすら参加できない。まずそこを確認するよう伝える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差押通知と公売公告に書かれた期日を確認し、カレンダーに書き込む。2. 公売前に納税窓口で分納や換価の猶予(国税徴収法151条、151条の2)を相談する。収支表を持参すると話が早い。3. 親族や地元の耕作者に、農地法3条許可を前提とした任意売却を打診する。国の買取価格は政令の算定額で決まるため、相場より不利になる可能性がある。4. 手続に違法があれば、税理士や弁護士と不服申立てを検討する
訴えられた側:徴収担当の行政庁の場合:1. 公売不調の経過と記録を整える。2. 農林水産省令の手続に沿って、農林水産大臣に買取申出を行う。3. 前条2項2号から4号の除外事由に当たらないかを事前に確認する。4. 申入れを受けた時点で国が買受人とみなされることを前提に、代金納付と権利移転の事務を進める。滞納者への説明記録も残しておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。公売公告の違法を理由とする不服申立ては、原則として公売期日等までに限られる(国税徴収法171条)。申請による換価の猶予は、原則として納期限から6か月以内に申請しなければならない(国税徴収法151条の2)。地方税は各条例・地方税法の定めに従う(最新の改正状況をご確認ください)
- 農地法 第3条農地取得の許可制、公売不調の構造的原因
- 農地法 第10条国の買取価格の算定根拠
- 農地法 第22条強制競売等の特例、本条の除外事由を規定
- 国税徴収法 第94条差押財産の公売、本条の前提手続
- 国税徴収法 第151条換価の猶予、公売を回避する手段
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める