農地法 第10条(対価)
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- 前条第一項第三号の対価は、政令で定めるところにより算出した額とする。
- 2.買収すべき農地若しくは採草放牧地の上に先取特権、質権若しくは抵当権がある場合又はその農地若しくは採草放牧地につき所有権に関する仮登記上の権利若しくは仮処分の執行に係る権利がある場合には、これらの権利を有する者から第八条第二項の期間内に、その対価を供託しないでもよい旨の申出があつたときを除いて、国は、その対価を供託しなければならない。
- 3.国は、前項に規定する場合のほか、次に掲げる場合にも対価を供託することができる。
- 一対価の支払の提供をした場合において、対価の支払を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
- 二対価の支払を受けるべき者が対価を受領することができない場合
- 三相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行つてもなお対価の支払を受けるべき者を確知することができない場合
- 四差押え又は仮差押えにより対価の支払の禁止を受けた場合
- 4.前二項の規定による対価の供託は、買収すべき農地又は採草放牧地の所在地の供託所にするものとする。
この条文の基本情報
対価とは何ですか?
定義対価とは、農地法第10条に定められた規定で、「前条第一項第三号の対価は、政令で定めるところにより算出した額とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第10条(対価)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第10条の条文原文は「前条第一項第三号の対価は、政令で定めるところにより算出した額とする。」で始まります。
- 農地法第10条は第二章 権利移動及び転用の制限等に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第10条の前の条は農地法第9条です。
- 農地法第10条の次の条は農地法第11条です。
- 農地法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法10条は、国が買収する農地に抵当権等や仮登記・仮処分がある場合、権利者の申出がない限り対価を農地所在地の供託所へ供託しなければならないと定める。
Q · 抵当権が付いた農地を国に買収されたら、代金は誰に払われるの?
原則は供託所へ。担保権者の申出があれば直接払い
農地法10条2項により、買収する農地に先取特権・質権・抵当権、所有権に関する仮登記上の権利、仮処分の執行に係る権利がある場合、国は対価を供託しなければなりません。例外は、これらの権利者が8条2項の期間内に「供託しないでもよい」と申し出たときだけです。供託先は農地所在地の供託所に限られ(同条4項)、所有者は還付請求の手続を経て代金を受け取ることになります。
解説
国に農地を買い上げられる場面で、代金はそのまま所有者の口座に振り込まれるとは限らない。農地法10条を読むと二つのことが分かる。一つ目は、代金(対価)の額を当事者の話し合いでは決めないということだ。金額は政令の算定方法で機械的に出される。二つ目は、その農地に抵当権・質権・先取特権、所有権の仮登記、仮処分のどれかが付いていると、国は原則として代金を法務局(供託所)に預ける義務を負うということだ。この原則が外れるのは、担保権者などが8条2項の期間内に「供託しなくてよい」と申し出た場合に限られる。受領を拒否したとき、受領できないとき、所定の探索をしても相手が見つからないとき、差押えを受けているときも、国は供託を選ぶことができる。つまり、農地を担保に借入れをしている農業法人や、相続登記を放置している一族にとって、買収代金は「手に入るお金」ではなく「取りに行かなければならないお金」に変わる。供託先は農地の所在地にある供託所に限られる。遠方に住む相続人にとっては、それ自体が一つの壁になる
法的な位置づけ
農地法10条は、同法に基づく国の農地・採草放牧地の買収における対価の算定と支払方法を定める規定である。対価は政令の算定方法による額とし、担保権・仮登記・仮処分が付着する土地では権利者の申出がない限り供託を義務とし、受領拒否等の場合には裁量的供託を認め、供託所を土地の所在地に限定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記簿で権利関係を確認する 買収の公示や通知を受けたら、農地の登記事項証明書を取得し、乙区の抵当権・質権・先取特権、仮登記、仮処分の有無を確認する。これらがあれば代金は原則供託となる
- 2.担保権者と供託不要の申出について協議する 直接受領を望む場合、8条2項の期間内に担保権者(金融機関等)と残債の処理方法を合意し、国に対する供託不要の申出をしてもらうよう依頼する
- 3.対価額と算定方法を照合する 買収令書に記載された対価を、政令で定める算定方法と照らし合わせ、計算の誤りがないか確認する。不服がある場合は訴訟による救済を専門家と検討する
- 4.供託された場合は還付請求を行う 対価が供託されたら、農地所在地の供託所で供託書の内容を確認し、権利を証明する書類をそろえて還付請求を行う。相続未了なら先に相続関係を整理する
よくある質問 AI による整理
Q1農地の買収対価とは何ですか?
農地法に基づき国が農地や採草放牧地を買収する際に支払う代金です。額は当事者の交渉ではなく、政令で定める算定方法で算出されます(農地法10条1項)。
Q2農地の買収代金が供託されるのはどんな場合?
抵当権等の担保権、所有権に関する仮登記、仮処分がある場合は原則として義務的に供託されます。受領拒否・受領不能・確知不能・差押えの場合も国は供託できます。
Q3農地 買収 対価 供託 どこの供託所?
買収される農地または採草放牧地の所在地の供託所です(農地法10条4項)。所有者や相続人の住所地ではない点に注意が必要です。
Q4供託された買収代金はどうやって受け取る?
供託所に還付請求をし、受け取る権利があることを書類で証明します。相続の場合は戸籍一式や遺産分割協議書などが求められるのが一般的です。
Q5農地の買収代金を受け取り拒否したらどうなる?
国が支払の提供をしたのに受領を拒めば、国は対価を供託できます(農地法10条3項1号)。拒否しても買収手続そのものは止まりません。
Q6差押えを受けている農地の買収代金はどうなる?
差押えや仮差押えで対価の支払が禁止されている場合、国は対価を供託できます(農地法10条3項4号)。債権者との関係は供託後に整理されます。
Q7農地の買収価格に不服がある場合どうする?
対価は政令の算定方法で決まるため窓口交渉の余地は乏しく、不服は訴訟で争うことになります。根拠条文と出訴期間は最新の条文で確認が必要です。
Q8仮登記がある農地も国の買収で供託になる?
なります。所有権に関する仮登記上の権利がある場合も、権利者から供託不要の申出がない限り、国は対価を供託しなければなりません(農地法10条2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1銀行の抵当権が付いてるんですけど、国からの買収代金って結局自分のところには来ないんですか?
原則として、国は代金を供託しなければなりません(農地法10条2項)。例外は、抵当権者が8条2項の期間内に「供託しないでもよい」と申し出た場合だけです。実務のポイント:銀行にとってこの申出は担保を手放すことに近いので、何もしなければ申出は出てきません。残債の返済方法を先に合意しておけば、申出に応じてもらえる余地が生まれます。動き出すのは公示の直後が勝負です
Q2親戚が行方不明で連絡がつかないんですが、買収の手続は止まるんですか?
止まりません。政令で定める方法で探索をしても受け取る人を確知できなければ、国は代金を供託できます(農地法10条3項3号)。供託先は農地の所在地の供託所です(同条4項)。実務のポイント:止まらないのは代金の支払いだけではありません。供託した時点で国は支払義務を果たしたことになり、所有権の移転も進みます。あとで受け取りに行くのは相続人側の仕事です。登記を先に整えておく家と放置する家とでは、何年分もの手間の差がつきます
間違えやすい点 AI による整理
- 国が土地を買う以上、代金は当然所有者に支払われると思われがちだ。実際には、担保権・仮登記・仮処分が付いた農地は「供託しなければならない」とされており、国は供託を義務づけられている。供託は国が選べるオプションではなく、権利者の申出がない限り必ず行われる手続である
- 「供託されたなら、もう受け取ったのと同じ」と軽く考える人は、その先の手間を見落としている。還付を受けるには、供託所で還付請求をして権利を証明しなければならない。担保権者が物上代位(民法304条)で差押えに来れば、所有者の取り分は残債を差し引いた残りになる。そして還付請求権は、放置すれば時効で消える可能性がある(最新の改正状況をご確認ください)
- 「買収価格は交渉で上げられるか」という問いは、そもそも立て方を間違えている。対価は政令で定める算定方法によって決まる。国の担当者と話し合いで値上げする余地は、構造上ほとんどない。額に不服があるなら、争う場所は窓口ではなく訴訟である(農地法55条、出訴期間は要確認)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 農地法10条:対価の算定方法と供託(義務的・裁量的) | 農地法8条:買収の公示と、権利者が申出できる期間 農地法9条:買収令書とその記載事項(対価を含む) |
| 所有者・権利者への影響 | 代金が直接払いか供託かを決める | 申出期間の起点となり、担保権者の判断期限を画する 対価額が書面で示され、照合の出発点となる |
| 実務上の確認ポイント | 登記簿の担保権・仮登記・仮処分の有無、供託所の所在地 | 公示の日と8条2項の期間 令書記載の対価と政令算定方法との一致 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、受領拒否・受領不能・所在不明の場合、補償費を国庫の保管専戸に預ける仕組みがあり、受け皿を残して手続を進める発想は日本と共通する
韓国の土地補償法も、受領拒否・受領不能・補償金受領者不明・差押え等の場合に補償金を公託できると定め、構造が近い
ドイツ建設法典は収用補償金の供託(Hinterlegung)を規定し、担保権者等の権利を補償金上に存続させる考え方をとる
米国連邦の収用(Declaration of Taking)では補償見積額を裁判所に預託し、権利者間の配分は裁判所で決める点で日本の供託と機能が似る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、出資構成が変わって農地所有適格法人の要件を満たさなくなった会社の農地を、国が買収することになったらどうなる? 銀行の抵当権が付いていれば、代金は原則として会社の口座ではなく法務局に入る。資金繰りの計算に買収代金を入れていた経営者は、ここで予定が狂う
- 地元の農業法人に融資している信用金庫の担当者であれば、買収の公示を見た時点から8条2項の期間が動き出すと考えるべきだ。供託不要の申出をすれば代金は所有者に直接支払われ、担保の裏付けとなる金銭を押さえる手段を自分で手放すことになる。申出をするかどうかは、期間内に社内で決めなければならない
- 祖父名義のまま相続登記をしていない田んぼが買収の対象になった。相続人は十数人いて、連絡先の分からない人もいる。国が政令で定める方法で探索しても受け取る人を確知できなければ、代金は田んぼの所在地にある供託所に預けられる。受け取るには相続関係を証明する書類一式が必要になる
- 国の買収代金が低すぎると感じて受け取りを拒否した。それで交渉の材料が生まれると思うかもしれないが、拒否すれば国は供託ができる(3項1号)。受取拒否で止められるのは、お金が自分の手元に届くことだけだ
取るべき行動
被害を受けた側:(担保権者・相続人など代金を受け取る側の場合)1. 公示を見たらすぐに登記簿を取り、自分の権利の順位を確かめる2. 担保権者であれば、8条2項の期間内に供託不要の申出をするかどうかを社内で決める。担保の裏付けを確保したいなら申出をしない3. 供託された後は、所在地の供託所に還付請求をするか、物上代位による差押え(民法304条)で回収する4. 相続人であれば、戸籍一式と遺産分割協議書をそろえて還付請求の準備をする
訴えられた側:(買収される法人・所有者の場合)1. 買収令書に記載された対価と政令の算定方法を照らし合わせ、計算の誤りがないか確かめる2. 期間内に担保権者と交渉し、申出をしてもらうことで代金を直接受け取れるようにする3. 受け取りを拒否しても供託されるだけなので、拒否を交渉材料にしない4. 額に不服があるなら、窓口での交渉ではなく訴訟(農地法55条)を出訴期間内に検討する
時効(請求できる期限):供託不要の申出ができるのは8条2項に定める期間内に限られる(起算点は買収手続の公示、詳細は条文で要確認)。対価の額への不服は農地法55条の訴えによる(処分を知った日から6か月以内とされる。最新の改正状況をご確認ください)。供託金の還付請求権も時効で消滅しうる
- 農地法 第7条要件を欠いた法人の農地の国による買収
- 農地法 第8条買収の公示と供託不要申出の期間
- 農地法 第9条買収令書の記載事項としての対価
- 農地法 第55条対価の額の増減を求める訴え(現行効力を要確認)
- 民法 第304条供託金に対する担保権者の物上代位
- 民法 第494条弁済供託の一般原則に対する特則
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