農地法 第55条(対価等の額の増減の訴え)
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- 次に掲げる対価、借賃又は補償金の額に不服がある者は、訴えをもつて、その増減を請求することができる。ただし、これらの対価、借賃又は補償金に係る処分のあつた日から六月を経過したときは、この限りでない。
- 一第九条第一項第三号(第十二条第二項において準用する場合を含む。)に規定する対価
- 二第三十九条第二項第四号に規定する借賃
- 三第四十一条第二項において読み替えて準用する第三十九条第二項第四号に規定する補償金
- 2.前項第一号に掲げる対価の額についての同項の訴えにおいては国を、同項第二号に掲げる借賃の額についての同項の訴えにおいては農地中間管理機構又は第三十七条の規定による申請に係る農地の所有者等を、同項第三号に掲げる補償金の額についての同項の訴えにおいては農地中間管理機構又は第四十一条第一項の規定による申請に係る農地の所有者等を、それぞれ被告とする。
- 3.第一項第一号に掲げる対価につきこれを増額する判決が確定した場合において、増額前の対価が第十条第二項(第十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により供託されているときは、国は、その増額に係る対価を供託しなければならず、また、この場合においては、第十条第三項の規定を準用する。
- 4.第十一条第二項の規定は、前項の規定により供託された対価について準用する。
この条文の基本情報
対価等の額の増減の訴えとは何ですか?
定義対価等の額の増減の訴えとは、農地法第55条に定められた規定で、「次に掲げる対価、借賃又は補償金の額に不服がある者は、訴えをもつて、その増減を請求することができる。ただし、これらの対価、借賃又は補償金に係る処分のあつた日から六…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第55条(対価等の額の増減の訴え)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第55条の条文原文は「次に掲げる対価、借賃又は補償金の額に不服がある者は、訴えをもつて、その増減を請求することができる。ただし、これらの対価、借賃又は補償金に係る処分のあつた日から六…」で始まります。
- 農地法第55条は第五章 雑則に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第55条の前の条は農地法第54条です。
- 農地法第55条の次の条は農地法第56条です。
- 農地法第55条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第55条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第55条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/55
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法55条は、国の買収対価、裁定による借賃、所有者不明農地の補償金の額に不服がある者が、訴えで増減を請求できると定める。期限は処分のあった日から6か月。
Q · 農地の裁定で決まった借賃が安すぎると思ったら、どうやって争えばいいの?
55条の訴えだけで争え、期限は処分から6か月
農地法55条により、知事の裁定で定められた借賃や、国の買収対価、所有者不明農地の補償金の額に不服がある場合は、訴えで増減を請求します。53条1項により審査請求では金額への不服を理由にできません。被告は知事ではなく、借賃・補償金なら農地中間管理機構または所有者等、対価なら国です。処分のあった日から6か月を過ぎると、正当な理由がない限り訴えられません。
解説
金額への不満は、審査請求(役所の決定に対して上級の行政庁などに見直しを求める手続)では一言も言えない。農地法53条1項がそう定めているからだ。対象は三つの金額である。農地所有適格法人の要件を欠いた農地を国が買い取るときの対価。都道府県知事の裁定で農地中間管理機構が遊休農地を借りるときの借賃。所有者が分からない農地を機構が使うときの補償金。どれかに納得できないとき、残る道は55条の訴えだけである。被告は裁定や買収令書を出した知事や大臣ではなく、お金をやり取りする当事者になる。対価なら国、借賃や補償金なら機構か所有者等だ。行政事件訴訟法4条の形式的当事者訴訟(決定そのものは争わず、決まった金額だけを当事者同士で争う訴訟)にあたる。期限は処分のあった日から6か月。審査請求の結論を待ってから金額を争おうとすると、その間に期限は過ぎてしまう。処分の当否と金額は、別々の手続で同時に進める必要がある。
法的な位置づけ
農地法55条は、買収対価(9条1項3号)、裁定借賃(39条2項4号)、所有者不明農地の補償金(41条2項による読替準用)の額に不服がある者が、訴えによりその増減を請求できると定める規定である。出訴期間は処分のあった日から6か月、被告は対価につき国、借賃・補償金につき農地中間管理機構または所有者等である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.処分日を特定し6か月の期限を記録 買収令書・裁定通知・公告の日付を確認し、処分のあった日として考えられる最も早い日から6か月後をカレンダーに記録する
- 2.争う対象と被告を確定 争うのが対価(被告=国)、借賃(被告=農地中間管理機構または所有者等)、補償金(同)のどれかを特定する。知事・大臣を被告にしない
- 3.近隣相場の証拠を集める 農業委員会が提供する借賃等の情報や近隣の売買・賃貸事例を集め、裁定額との差を数字で示す資料にまとめる
- 4.審査請求と訴えを並行して準備 処分自体の当否は審査請求、金額は55条の訴えと分け、審査請求の結論を待たずに期限内に訴状を提出する
よくある質問 AI による整理
Q1農地法55条とは
農地の買収対価・裁定借賃・所有者不明農地の補償金の額に不服がある者が、訴えで増額または減額を請求できると定めた条文です。
Q2農地 裁定 借賃 不服 誰を訴える
裁定を出した知事ではなく、農地中間管理機構または所有者等が被告です。国の買収対価の場合だけ国が被告になります(55条2項)。
Q3農地法55条 期限 いつまで
処分のあった日から6か月以内です。通知を開封した日ではなく処分日から数えるため、最も早い日付を基準に計算するのが安全です。
Q4農地中間管理機構 借賃 増額 できる?
できます。所有者等は55条の訴えで機構を被告として、裁定で定められた借賃の増額を請求できます。審査請求では額を争えません。
Q5農地 買収 対価 安い 争える?
争えます。9条1項3号の対価に不服があれば、国を被告として増額を請求する訴えを処分から6か月以内に起こします。
Q6農地 借賃 裁定 高すぎる 機構側から減額できる?
できます。55条2項は機構が所有者等を被告とする形も想定しており、裁定借賃が高すぎると考えれば減額を請求する訴えを起こせます。
Q7農地 対価 増額判決 供託 どうなる
増額前の対価が供託されていれば、国は増額分も供託しなければなりません(55条3項)。抵当権者などはその供託金にも権利を行使できます。
Q8所有者不明農地 補償金 後から争える?
41条2項で準用する補償金も55条の対象ですが、期限は処分から6か月です。後から相続人が判明しても、期限経過後は原則争えません。
この条文についての質問 AI による整理
Q16か月過ぎちゃったんですけど、もう金額は争えないんですか?
原則として55条1項ただし書により訴えは出せない。ただ、本条の訴えは行政事件訴訟法上の当事者訴訟にあたり、同法40条1項は、法令で出訴期間が定められた当事者訴訟でも正当な理由があれば期間後の提起を認めている。実務のポイント:「正当な理由」は狭く解される傾向がある。通知が届かなかったなどの事情を裏付ける記録が、ほぼ唯一の頼りになる
Q2裁定を取り消してって審査請求するとき、ついでに借賃が安すぎるって書いてもいいですか?
書いても、その不満は審査請求の理由として扱われない。53条1項は、買収令書の交付や39条の裁定に対する審査請求で、金額への不服を理由にすることを禁じている。例外は、所有者が分からない農地で裁定を受けた者が55条の訴えを起こせない場合だけである。実務のポイント:金額の不満を審査請求書に長々と書く人は多いが、時間の無駄になりやすい。最初から金額は訴えの準備に回すのが近道である
間違えやすい点 AI による整理
- 知事の裁定に不満があれば審査請求で何でも主張できると思われがちだが、対価・借賃・補償金の額への不服は53条1項で審査請求の理由から外されている。金額を争える場は55条の訴えだけである
- 「県を訴えるのか、国を訴えるのか」という問い自体がずれている。借賃や補償金について裁定を出した知事は被告にならず、被告は機構か所有者等になる。対価の場合だけ国が被告になる(55条2項)。被告を取り違えると、訴えは入口でつまずく
- 6か月という期限は知っていても、数え始めが「知った日」ではなく「処分のあった日」である点の重さは見落とされやすい。封筒を開けずに置いていた期間も期限は進む。どの時点を処分のあった日とみるかは事案によって争いの余地があるため、考えられる最も早い日付から数えておくのが安全である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争える内容 | 55条:対価・借賃・補償金の額の増減 | 53条:処分の当否(額の不服は理由にできない) 39条:裁定そのものと借賃等の内容 |
| 手続の種類 | 55条:裁判所への訴え(形式的当事者訴訟) | 53条:行政不服審査(審査請求) 39条:知事による裁定手続 |
| 相手方 | 55条:国、農地中間管理機構または所有者等 | 53条:処分をした行政庁側 39条:機構の申請に基づき知事が裁定 |
| 期限 | 55条:処分のあった日から6か月 | 53条:行政不服審査法等の審査請求期間による 39条:期限ではなく裁定の要件・手続を規律 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では補償価額への不服はまず主管機関への異議・復議を経て行政救済に進む。金額を当事者訴訟へ切り出す日本型とは手続の入口が異なる
韓国も補償金増減訴訟を設け、行政庁ではなく事業施行者または土地所有者を被告とする点で日本と近い構造
ドイツは補償額をめぐる争いを憲法上通常裁判所に委ね、収用処分の適法性審査と分けている
米国では just compensation の額は裁判所で決まる。収用手続の中で陪審等が額を判断する点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親から相続した隣県の田んぼを十年放置していた。農業委員会の利用意向調査、機構との協議の勧告を経て、知事の裁定で機構が借りることになった。通知に書かれた借賃は、近所の相場の半分にしか見えない。この額を争うなら、被告は知事ではなく農地中間管理機構である
- 裁定の通知を受けてから5か月がたった。審査請求の結論を待ってから借賃の訴えを出すつもりでいたら、どうなる? 審査請求では借賃の額を理由にできず、訴えの期限である6か月も残り一か月を切っている
- 機構の担当者のもとに、所有者から借賃の増額を求める訴状が届いた。被告欄に書かれているのは知事ではなく、自分たちの機構の名前だった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 買収令書や裁定通知・公告の日付を確認し、そこから6か月の期限を記録する2. 近隣農地の借賃水準や売買事例、農業委員会の情報を集め、裁定額との差を数字にする3. 処分自体にも不満があれば審査請求、金額は55条の訴えと分けて同時に準備する4. 被告は対価なら国、借賃・補償金なら機構(55条2項)。農地や行政訴訟に詳しい弁護士へ早めに相談する
訴えられた側:1. 機構が被告になったら、裁定額の根拠(近隣の借賃水準、農地の状態)を書面にまとめ、裁定手続の資料も確認する2. 所有者側の比較事例が本当に近隣の類似農地といえるかを精査する3. 機構側が借賃を高すぎると考える場合は、逆に所有者等を被告として減額を求めることもできる4. 増額判決に備え、差額の支払・供託の手順を確認しておく
時効(請求できる期限):処分のあった日から6か月(農地法55条1項ただし書)。法律で定められた出訴期間であり、正当な理由がない限り過ぎると訴えられない(行政事件訴訟法40条1項)。審査請求をしてもこの期間は止まらない前提で動くのが安全である
学説
通説:本条の訴えは、処分で定まった金額を当事者間で争う形式的当事者訴訟(行訴法4条前段)にあたる。処分の効力そのものは争わず、金額の増減のみが審理対象となる。
改正沿革 AI による整理
- 改正時期要検証 借賃・補償金の訴えの被告として農地中間管理機構が規定されている。農地中間管理事業の推進に関する法律の制定(平成25年(2013年))に伴う改正を経たとみられるが、改正年と改正内容は未照合
- 農地法 第53条審査請求で金額の不服を主張できない
- 農地法 第9条買収令書に記載される対価
- 農地法 第10条対価の算出と供託の規定
- 農地法 第39条裁定で定める借賃
- 農地法 第41条所有者不明農地の補償金と供託
- 行政事件訴訟法 第4条形式的当事者訴訟としての位置付け
- 行政事件訴訟法 第40条法定出訴期間と正当な理由による例外
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