農地法 第9条(買収令書の交付及び縦覧)
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- 農林水産大臣は、前条第一項の規定により送付された書類に記載されたところに従い、遅滞なく(同条第二項の規定による通知をした場合には、同項の期間経過後遅滞なく)、次に掲げる事項を記載した買収令書を作成し、これをその農地又は採草放牧地の所有者に、その謄本をその農業委員会に交付しなければならない。
- 一前条第一項各号に掲げる事項
- 二買収の期日
- 三対価
- 四対価の支払の方法(次条第二項の規定により対価を供託する場合には、その旨)
- 五その他必要な事項
- 2.農林水産大臣は、前項の規定による買収令書の交付をすることができない場合には、その内容を公示して交付に代えることができる。
- 3.農業委員会は、買収令書の謄本の交付を受けたときは、遅滞なく、その旨を公示するとともに、その公示の日の翌日から起算して二十日間、その事務所でこれを縦覧に供しなければならない。
この条文の基本情報
買収令書の交付及び縦覧とは何ですか?
定義買収令書の交付及び縦覧とは、農地法第9条に定められた規定で、「農林水産大臣は、前条第一項の規定により送付された書類に記載されたところに従い、遅滞なく(同条第二項の規定による通知をした場合には、同項の期間経過後遅滞なく)、次…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第9条(買収令書の交付及び縦覧)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第9条の条文原文は「農林水産大臣は、前条第一項の規定により送付された書類に記載されたところに従い、遅滞なく(同条第二項の規定による通知をした場合には、同項の期間経過後遅滞なく)、次…」で始まります。
- 農地法第9条は第二章 権利移動及び転用の制限等に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第9条の前の条は農地法第8条です。
- 農地法第9条の次の条は農地法第10条です。
- 農地法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法9条は、農林水産大臣が買収の期日・対価・支払方法を記載した買収令書を作成し、所有者に交付すると定める。交付できない場合は公示で交付に代えられる。
Q · 国の農地買収令書を受け取っていなければ、買収の手続は止まるの?
止まらない。公示で交付に代えられるため手続は進みうる
農地法9条1項により、農林水産大臣は買収の期日、対価、対価の支払の方法などを記載した買収令書を作成し、所有者に交付します。ただし同条2項により、交付できない場合は令書の内容を公示して交付に代えることができます。さらに3項により、農業委員会は謄本の交付を受けたことを公示し、公示の日の翌日から20日間、事務所で縦覧に供します。受け取っていないことだけを理由に効力を否定するのは難しいため、所在の届出と縦覧の確認が重要です。
解説
国が農地を強制的に買い取る話は、戦後の農地改革で終わったわけではない。現行の農地法にも、農地所有適格法人(農地を所有できる要件を満たした法人)が要件を欠いた場合などに、国が農地を買収する仕組みが残っている(7条以下)。本条はその最終段階を定める。農林水産大臣が「買収令書」を作り、所有者に交付する手続である。令書には買収の期日、対価、支払の方法が書かれる。あなたの土地がいつ国のものになり、いくらで買われるかが、この一枚で決まる。気を付ける点は二つある。一つ目に、令書を交付できない場合、大臣は内容を公示して交付の代わりにできる(2項)。住所の届出を放置していると、自分の知らないところで手続が進んでしまう。二つ目に、令書の謄本(写し)は農業委員会でも公示され、公示の翌日から20日間、事務所で縦覧される(3項)。令書の存在を知った日が、争うための期限の起点になりうる。
法的な位置づけ
買収令書とは、農地法に基づき国が農地又は採草放牧地を買収する際に農林水産大臣が作成する文書であり、前条第1項各号の事項、買収の期日、対価、対価の支払の方法その他必要な事項を記載する。所有者への交付(交付できない場合は公示)によって示され、その謄本は農業委員会で20日間縦覧に供される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.令書の記載事項を確認する 買収令書が届いたら、対象の土地(地番・面積)、買収の期日、対価、対価の支払の方法、供託の有無を一つずつ確認し、写しを取って保管する
- 2.農業委員会で縦覧中の謄本を確認する 公示の日の翌日から20日間、農業委員会の事務所で謄本が縦覧される。手元の令書との相違や、公示で交付に代えられていないかを確認する
- 3.争う期限を逆算してカレンダーに記録する 令書を知った日を起点に、行政不服審査法18条の審査請求期間(原則3か月)、行政事件訴訟法14条の出訴期間(原則6か月)を確認する。農地法に特別の規定がある場合はそちらが優先するため、条文を必ず照合する
- 4.証拠を整理し弁護士に相談する 法人の議決権構成や要件回復の経過、近隣農地の取引事例や評価資料を集め、買収そのものを争うか対価の額を争うかを弁護士と方針決定する
よくある質問 AI による整理
Q1買収令書とは何ですか?
国が農地法に基づき農地や採草放牧地を買収するとき、農林水産大臣が作成する文書です。買収の期日、対価、支払の方法などが記載されます(農地法9条1項)。
Q2買収令書には何が書かれていますか?
前条1項各号の事項、買収の期日、対価、対価の支払の方法(供託する場合はその旨)、その他必要な事項の5項目です(農地法9条1項)。
Q3買収令書が届かない場合はどうなりますか?
農林水産大臣は交付できない場合、令書の内容を公示して交付に代えることができます(農地法9条2項)。受け取っていなくても手続は進みえます。
Q4買収令書の縦覧期間はいつまで?
農業委員会が謄本の交付を受けた旨を公示した日の翌日から起算して20日間です。農業委員会の事務所で見ることができます(農地法9条3項)。
Q5国による農地の買収は今もあるのですか?
あります。現行の農地法にも、要件を欠いた農地所有適格法人の農地などを国が買収する規定が残っています(7条以下、対象の詳細は条文で要確認)。
Q6買収令書の対価に不服がある場合どうする?
窓口での値段交渉の場ではありません。農地法の不服申立てや訴えに関する規定で経路と期限を確認する必要があり、早めに弁護士へ相談すべきです。
Q7買収令書はいつ作成されますか?
農業委員会から書類が送付された後、遅滞なく作成されます。前条2項の通知をした場合は、その期間経過後遅滞なく作成されます(農地法9条1項)。
Q8買収令書の謄本はどこに交付されますか?
所有者には令書本体が、その農地等を管轄する農業委員会には謄本が交付されます。農業委員会は公示と20日間の縦覧を行います(農地法9条1項・3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1引っ越して令書を受け取ってないのに、手続って進んじゃうんですか?
進むことがある。農林水産大臣は令書を交付できない場合、内容を公示して交付に代えられる(農地法9条2項)。受け取っていないというだけでは、効力を否定するのは難しい。実務のポイント:公示が適法かどうかは、行政が「交付できない」と言えるだけの所在調査をしたかに左右されうる。争うなら、行政側の調査記録の開示を求めるところから始めることになる
Q2令書に書いてある対価が安すぎる気がします。交渉できますか?
窓口で値段交渉をする性質のものではない。対価は令書の記載事項であり(9条1項)、支払と供託は10条で定められる。額に不服がある場合の争い方は、農地法の不服申立てに関する規定で確認する必要がある(条番号と期限は要確認)。実務のポイント:近隣の農地の売買事例や評価資料を早く集めた側が有利になる。縦覧期間は、記載内容を確かめられる貴重な機会である
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が農地を強制的に買収したのは戦後の農地改革だけ」と思われがちだが、現行の農地法にも国による買収の規定は残っている。対象は要件を欠いた農地所有適格法人の農地などに限られるが、制度としては今も動きうる
- 所有者から見れば「令書を受け取っていないのだから、まだ何も始まっていない」。しかし法律から見れば、交付できない場合は公示によって交付に代えられる(2項)。郵便受けを見ていないことは、手続を止める理由にならない。この見え方のずれが、争う時間を奪う
- 令書に対価が書かれることは知っていても、その数字の重みは見落とされやすい。対価は国の側で算定され、支払の方法や供託(法務局に預けて支払に代える手続)するかどうかまで令書で一方的に示される。窓口で値段交渉をする場ではない。額に不満がある場合、争うための法的な経路と期限を早く押さえる必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続上の位置 | 農地法9条:農林水産大臣が買収令書を作成・交付する段階 | 農地法8条:農業委員会の公示・通知と書類送付の段階(要確認) 農地法10条:対価の支払と供託の段階 |
| 主な担い手 | 農林水産大臣(作成・交付)と農業委員会(公示・縦覧) | 農業委員会 国(対価の支払者) |
| 所有者にとっての意味 | 買収の期日と対価が確定的に示される | 令書作成前に事情を説明・要件回復を図れる最後の段階になりうる 対価が支払われるか、供託により支払に代えられる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徴収の核准後、直轄市・県(市)主管機関が公告し、所有権者等に書面で通知する。公告と個別通知を併用する点で、日本の令書交付と公示・縦覧の組合せに近い
韓国は公益事業のための土地取得と補償を一般法で規律する。農地に特化した国の買収令書制度との一対一対応ではない
ドイツの公用収用は建設法典に手続が置かれ、補償と手続保障が詳細に定められる。農地法上の要件不適合を理由とする買収とは目的が異なる
米国連邦政府は Declaration of taking により所有権を取得し、補償額は裁判所で争われる。令書による期日と対価の一方的提示とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 農業法人の議決権の過半数を、農業に関わらない投資家に渡したらどうなるのか? 要件を欠いた状態が解消されないまま手続が進めば、法人が持つ農地は国の買収手続に乗りうる。その終着点で届くのが本条の買収令書である
- あなたは農地所有適格法人の代表で、農業委員会から買収に関する連絡を受けた。令書が届いたら、買収期日と対価の欄を確認し、不服申立ての期限を今日から数え始める。審査請求の原則的な期限は3か月で、思っているより短い
- 所有者が転居して連絡がつかない。それでも令書は公示によって交付に代えられる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 令書の記載(対象の土地、買収期日、対価、支払方法、供託の有無)を写しに取り、確認する2. 公示で交付に代えられている可能性もあるため、農業委員会で縦覧されている謄本も確認する3. 買収そのものを争うか、対価の額だけを争うかによって手続の経路が異なりうるため、農地法の不服申立てに関する規定を弁護士と確認する4. 期限から逆算し、法人の構成や要件回復の経過を示す証拠を整理する
訴えられた側:要件不適合を指摘された法人の経営側の場合:1. 令書が作られる前の段階(7条、8条の手続)で、議決権の構成や役員の要件を回復できないか直ちに検討する2. 事情と回復計画を農業委員会に書面で説明し、記録を残す3. 令書の記載に誤り(地番、面積、所有者)があれば、縦覧期間中に指摘する。行政の担当者の場合:交付できないと判断した根拠(所在調査の記録)を残すことが、公示の適法性を支える
時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。農業委員会での縦覧は公示の日の翌日から20日間(3項)。買収令書の交付を行政処分として争う場合の一般原則は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)、取消訴訟が6か月(行政事件訴訟法14条)。農地法に特別の規定がある場合はそちらが優先する(最新の改正状況をご確認ください)
- 農地法 第7条国による買収の対象と要件(要確認)
- 農地法 第8条農業委員会の公示と書類送付(要確認)
- 農地法 第10条対価の支払と供託
- 農地法 第11条買収期日の所有権移転(要確認)
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間の一般原則
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間
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