農地法 第31条(農業委員会に対する申出)
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- 次に掲げる者は、次条第一項各号のいずれかに該当する農地があると認めるときは、その旨を農業委員会に申し出て適切な措置を講ずべきことを求めることができる。
- 一その農地の存する市町村の区域の全部又は一部をその地区の全部又は一部とする農業協同組合、土地改良区その他の農林水産省令で定める農業者の組織する団体
- 二その農地の周辺の地域において農業を営む者(その農地によつてその者の営農条件に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるものに限る。)
- 三農地中間管理機構
- 2.農業委員会は、前項の規定による申出があつたときは、当該農地についての利用状況調査その他適切な措置を講じなければならない。
この条文の基本情報
農業委員会に対する申出とは何ですか?
定義農業委員会に対する申出とは、農地法第31条に定められた規定で、「次に掲げる者は、次条第一項各号のいずれかに該当する農地があると認めるときは、その旨を農業委員会に申し出て適切な措置を講ずべきことを求めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第31条(農業委員会に対する申出)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第31条の条文原文は「次に掲げる者は、次条第一項各号のいずれかに該当する農地があると認めるときは、その旨を農業委員会に申し出て適切な措置を講ずべきことを求めることができる。」で始まります。
- 農地法第31条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第31条の前の条は農地法第30条です。
- 農地法第31条の次の条は農地法第32条です。
- 農地法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法31条は、農業者団体・営農に著しい支障を受ける周辺農家・農地中間管理機構に、遊休農地について農業委員会へ措置を求める申出権を認め、委員会に調査義務を課す規定。
Q · 隣の耕作放棄地に困っているとき、農業委員会を動かす方法はある?
農地法31条の申出をすれば、委員会に調査義務が生じる
農地法31条1項により、農業協同組合・土地改良区などの農業者団体、その農地のせいで営農条件に著しい支障が生じている(またはおそれがある)周辺の農業者、農地中間管理機構は、遊休農地について農業委員会に適切な措置を求める申出ができます。同条2項により、申出を受けた農業委員会は利用状況調査その他適切な措置を講じなければなりません。非農家の住民は申出人に含まれないため、農協など団体を通じて申出してもらう方法があります。
解説
役所への「相談」と「申出」は、法律の上ではまったく重みが違う。農地法31条は、遊休農地(耕作されずに放置され今後も使われる見込みがない農地、または周りの畑と比べて利用ぶりが著しく劣る農地)について、農業委員会(市町村に置かれ、農地の売買許可や見回りを担う行政委員会)に申出できる者を三つに絞っている。地元の農協や土地改良区などの農業者団体、その農地のせいで営農に著しい支障を受けている周辺の農家、そして農地中間管理機構(農地を借りて担い手に貸し出す都道府県ごとの公的機関)だ。申出を受けた農業委員会は、利用状況調査その他の適切な措置を講じなければならない。「検討します」で済ませることはできない。その先には、所有者への利用意向調査、勧告、固定資産税の負担増、知事の裁定へと続く道がある。荒れ地に悩む側にとっては扉であり、相続した畑を放置している側にとっては近づいてくる足音である。
法的な位置づけ
農地法第31条は遊休農地に関する申出制度を定める規定であり、農業者団体、営農条件に著しい支障を受ける周辺の農業者および農地中間管理機構が、同法32条1項各号に該当する農地について農業委員会に適切な措置を求めることができ、申出を受けた農業委員会は利用状況調査その他適切な措置を講ずる義務を負う旨を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.被害と現況を記録する 問題の農地の状況(雑草・害虫・獣害・用水路の不全など)を日付入りの写真で撮影し、自分の圃場の収量低下や等級落ちの伝票を保管する
- 2.申出人の資格を確認する 自分が周辺で営農し著しい支障を受けているかを確認する。該当しない、または名義を出したくない場合は、地元の農業協同組合や土地改良区に事情を伝え団体から申出してもらう
- 3.地番を特定する 法務局の登記情報や市町村の地番図、農地ナビなどで問題の農地の所在地番を特定する
- 4.農業委員会に書面で申出する 「農地法31条に基づく申出」と明記し、地番、現況、営農への支障の内容を記載した書面に写真等を添えて提出し、受付日の控えを受け取る
- 5.対応状況を確認し私法上の救済を並行検討する 一定期間後に調査の実施状況を委員会に確認する。越境した枝や損害は民法233条・709条による対応を並行して検討する
よくある質問 AI による整理
Q1遊休農地とは何ですか?
現に耕作されておらず今後も耕作される見込みがない農地、または周辺と比べて利用の程度が著しく劣る農地です。農地法32条1項各号が要件を定めています。
Q2耕作放棄地の苦情はどこに相談すればいいですか?
その農地がある市町村の農業委員会が窓口です。周辺で営農し支障を受けている農家なら、農地法31条に基づく正式な申出として書面で提出できます。
Q3農業委員会への申出は書面が必要ですか?
条文上は様式の定めがありませんが、地番・現況・支障の内容を記した書面で提出し、受付控えを取るのが実務上確実です。様式を用意している委員会もあります。
Q4農業委員会は申出を無視できますか?
できません。農地法31条2項は、申出があったときに利用状況調査その他適切な措置を講じることを農業委員会に義務付けています。
Q5遊休農地に指定されると固定資産税は上がりますか?
利用意向調査を経て勧告を受けると、固定資産税評価の軽減補正が外れ、税額がおおむね1.8倍になる仕組みがあります。最新の取扱いは市町村で確認してください。
Q6申出をしたら所有者に名前が知られますか?
法律上、申出人を所有者に通知する規定はありません。ただし調査の過程で推測される可能性はあるため、気になる場合は農協などの団体経由での申出も検討できます。
Q7所有者が分からない耕作放棄地はどうなりますか?
農業委員会が調査を行い、所有者を確知できない場合は公示など別の手続が用意されています。相続登記の義務化により所有者の特定もしやすくなっています。
Q8申出してから調査までどのくらいかかりますか?
法定期限はありません。毎年の利用状況調査(農地法30条)の巡回時期に合わせて重点確認されることが多いため、巡回前の申出が効果的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは農家じゃないけど、隣の空き畑の草がひどいんです。農業委員会に申出できますか?
31条1項が挙げる申出人は、農業者団体、営農に支障を受ける周辺の農家、農地中間管理機構の三者だけなので、非農家は本条の申出人には当たりません。ただし、農業委員会は30条に基づき毎年すべての農地の利用状況を調査しており、情報提供は受け付けています。実務のポイント:農業委員会には地区ごとに農地利用最適化推進委員がいます。窓口で担当の推進委員を聞き、地番を伝えれば、巡回の優先対象に入りやすくなります
Q2相続した畑をほったらかしにしていると、勝手に他人に貸されるって本当ですか?
所有権を失うことはありません。ただし、利用意向調査に応じず、勧告を受けても動かなければ、農地中間管理機構の申請に基づき、知事の裁定で機構に利用権(農地中間管理権)が設定される可能性があります(農地法の該当条番号は現行効力を要確認)。実務のポイント:裁定よりも先に、勧告の時点で固定資産税の負担増として影響が出ます。意向調査の回答で「機構に貸したい」と書くのが、最も穏便な出口になることが多いです
間違えやすい点 AI による整理
- 「農地をどう使おうが持ち主の勝手」と思われがちだが、農地は普通の土地とは扱いが違う。農地法は第4章で遊休農地に公的に介入する仕組みを用意しており、本条はその入口として、第三者が行政を動かす経路を法律で開いている
- 「隣の荒れ地のせいで損をした。31条で相手に責任を取らせよう」という問いの立て方そのものがずれている。本条は農業委員会に調査などを義務付けるもので、草刈りの実施や損害賠償を保証するものではない。被害の回復は、越境した枝の切除(民法233条)や損害賠償(民法709条)という私法上の別ルートで並行して組み立てる
- 所有者から見れば「しばらく使っていないだけ」の畑でも、法律から見れば遊休農地であり、利用意向調査から勧告へ進む対象になる。勧告を受けると、固定資産税の評価で農地に適用される軽減の補正が外れ、税額がおおむね1.8倍になる仕組みがある(最新の改正状況をご確認ください)。放置していると感じていない時間が、そのまま課税リスクとして積み上がっていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の起点 | 農地法31条:農業者団体・周辺農家・機構の申出 | 農地法30条:農業委員会が毎年職権で調査 農地法32条:調査結果に基づく所有者への利用意向調査 |
| 主体 | 申出人(三者に限定)→ 農業委員会 | 農業委員会(区域内の全農地) 農業委員会 → 遊休農地の所有者等 |
| 法的効果 | 農業委員会に利用状況調査その他適切な措置の義務 | 利用状況の定期把握 所有者に利用意向の表明を求め、勧告への前段となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は私有荒地に荒地税を課す税制による利用促進が中心で、周辺農家が行政の調査を起動する申出制度は明文化されていない
韓国は農業経営に利用しない農地について所有者に処分義務を課す仕組みを持ち、日本より所有者への直接的な強制が強い
フランスは未耕作・著しく低利用の土地について、第三者が利用許可を求め得る「mise en valeur」手続を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の田んぼは五年前から放置され、背丈を超える草むらがイノシシの通り道になった。夏にはカメムシが湧き、あなたの米は等級が一つ落ちた。等級検査の伝票と被害写真があれば、「営農条件に著しい支障」を示す材料になる。電話で愚痴を言う段階は終わりにして、地番を書いた書面で申出をする段階だ
- 親から相続した遠方の畑を三年放置していたら、ある日、郷里の農業委員会から利用意向調査の封筒が届いた。どうなる? 回答期限まで残り二週間。黙っていれば勧告に進み、固定資産税の評価が引き上げられるおそれがある。その起点が、隣の農家の31条申出だった可能性もある
- 農家ではない自治会長は、31条の申出人リストに入っていない。だが地元の農協に事情を伝えれば、同じ扉を開けることができる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害を記録する:日付入りの写真、害虫や獣害の痕跡、収量や等級低下の伝票。2. 自分が申出人に当たるか確認する:営農に著しい支障があれば本人として、難しければ地元の農協や土地改良区に事情を伝えて団体から申出してもらう。3. 地番、現況、支障の内容を書いた書面で農業委員会に提出し、受付日の控えを取る。4. 越境した枝や損害については、民法233条や709条による対応を並行して検討する
訴えられた側:1. 利用意向調査の書面が届いたら、期限内に必ず回答する。2. 選択肢を整理する:自ら耕作する、農地中間管理機構へ貸し付ける、売却する(3条許可が必要)、転用する(4条・5条許可が必要)。3. 当面の草刈りを委託するなど、利用の程度を改善した記録を残す。4. 回答を放置すると、勧告、固定資産税の負担増、知事の裁定へと進むおそれがある。早い段階で農業委員会と話す方が有利になる
時効(請求できる期限):申出そのものに期限はない。隣接農地による被害について損害賠償を求める場合は、民法724条の時効(損害と加害者を知った時から3年)が別に進む。所有者側にとっては、利用意向調査の書面に記載された回答期限が実質的な締切になる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 改正:農地中間管理事業の推進に関する法律の制定に伴い、遊休農地に関する措置が見直され、農地中間管理機構が申出人に位置付けられた
- 農地法 第30条農業委員会による毎年の利用状況調査
- 農地法 第32条遊休農地の要件と利用意向調査
- 農地法 第36条機構との協議を求める勧告(現行効力を要確認)
- 農地法 第3条貸付・売却時の権利移動許可
- 農地中間管理事業の推進に関する法律 第2条農地中間管理機構の定義と事業
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