農地法 第42条(措置命令)
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- 市町村長は、第三十二条第一項各号のいずれかに該当する農地における病害虫の発生、土石その他これに類するものの堆積その他政令で定める事由により、当該農地の周辺の地域における営農条件に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認める場合には、必要な限度において、当該農地の所有者等に対し、期限を定めて、その支障の除去又は発生の防止のために必要な措置(以下この条において「支障の除去等の措置」という。)を講ずべきことを命ずることができる。
- 2.前項の規定による命令をするときは、農林水産省令で定める事項を記載した命令書を交付しなければならない。
- 3.市町村長は、第一項に規定する場合において、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、自らその支障の除去等の措置の全部又は一部を講ずることができる。この場合において、第二号に該当すると認めるときは、相当の期限を定めて、当該支障の除去等の措置を講ずべき旨及びその期限までに当該支障の除去等の措置を講じないときは、自ら当該支障の除去等の措置を講じ、当該措置に要した費用を徴収する旨を、あらかじめ、公告しなければならない。
- 一第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命ぜられた農地の所有者等が、当該命令に係る期限までに当該命令に係る措置を講じないとき、講じても十分でないとき、又は講ずる見込みがないとき。
- 二第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命じようとする場合において、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行つてもなお当該支障の除去等の措置を命ずべき農地の所有者等を確知することができないとき。
- 三緊急に支障の除去等の措置を講ずる必要がある場合において、第一項の規定により支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずるいとまがないとき。
- 4.市町村長は、前項の規定により同項の支障の除去等の措置の全部又は一部を講じたときは、当該支障の除去等の措置に要した費用について、農林水産省令で定めるところにより、当該農地の所有者等に負担させることができる。
- 5.前項の規定により負担させる費用の徴収については、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)第五条及び第六条の規定を準用する。
この条文の基本情報
措置命令とは何ですか?
定義措置命令とは、農地法第42条に定められた規定で、「市町村長は、第三十二条第一項各号のいずれかに該当する農地における病害虫の発生、土石その他これに類するものの堆積その他政令で定める事由により、当該農地の周辺の地域…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第42条(措置命令)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第42条の条文原文は「市町村長は、第三十二条第一項各号のいずれかに該当する農地における病害虫の発生、土石その他これに類するものの堆積その他政令で定める事由により、当該農地の周辺の地域…」で始まります。
- 農地法第42条は第四章 遊休農地に関する措置に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第42条の前の条は農地法第41条です。
- 農地法第42条の次の条は農地法第43条です。
- 農地法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法42条は、遊休農地の病害虫や土石の堆積で周辺の営農に著しい支障が生じるおそれがあるとき、市町村長が所有者等に除去等の措置を命じ、自ら代わって措置できると定める。
Q · 放置された農地が周りの畑に害を出したら、役所は何ができるの?
所有者に除去を命じ、従わなければ自ら作業して費用を請求できる
農地法42条により、市町村長は、遊休農地での病害虫の発生や土石の堆積などで周辺の営農条件に著しい支障が生じ、又はそのおそれがあるとき、所有者等に期限を定めて除去等の措置を命じることができます。命令に従わない、所有者が見つからない、緊急で命令の余裕がない場合は市町村が自ら措置を講じ、その費用は行政代執行法5条・6条の準用により、国税滞納処分の例で徴収できます。
解説
農地は「持っているだけ」で済む財産ではない。耕されずに荒れた農地(農地法32条1項の遊休農地)で病害虫が湧く、土砂や廃材が積み上がる。それが周りの田畑の営農に著しい支障を生じさせ、またはそのおそれがあると市町村長が認めれば、所有者等(所有者や、借りて使う権利を持つ人)に対し、期限を付けて除去や防止の措置を命じることができる。命令は、記載事項が農林水産省令で決まった命令書で届く。市町村が自ら作業できる場面は三つある。期限までに動かない、動いても不十分、または動く見込みがない場合。相当な努力で探しても所有者が見つからない場合。緊急で命令を出す余裕がない場合。作業した費用はあなたに負担させられる。本当に怖いのは5項だ。費用の徴収には行政代執行法5条・6条が準用される。つまり裁判を経ずに、国税滞納処分の例で財産を差し押さえる道が開かれている。「遠くに住んでいる」「名義が祖父のまま」は、この流れを止める理由にならない。逆に、隣の荒れ地に悩む耕作者にとっては、役所を動かす根拠条文がここにある。
法的な位置づけ
農地法42条の措置命令とは、同法32条1項各号に該当する遊休農地において、病害虫の発生、土石等の堆積その他政令で定める事由により周辺地域の営農条件に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、市町村長が必要な限度で当該農地の所有者等に期限を定めて支障の除去又は発生の防止のための措置を命ずる行政処分である。
手順
- 1.命令書の記載事項を確認する 命令書に記載された支障の内容、求められた措置、期限を確認し、対象農地の地番と現況を把握する。遠方の場合は親族や地元業者に現地確認を依頼する
- 2.市町村に作業計画を書面で伝える 期限内の対応が難しい場合は速やかに市町村の農政担当へ連絡し、業者の手配状況と完了見込み時期を書面で示す。「講ずる見込みがない」と判断されると代執行の引き金になる
- 3.除去・防止措置を実施し記録を残す 病害虫の駆除、草刈り、堆積物の撤去など求められた措置を実施し、作業前後の写真と業者の作業報告書を保存して市町村に完了を報告する
- 4.不服があれば期限内に争う 支障の事実や措置の範囲に誤りがあると考える場合、審査請求(知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(6か月以内)を弁護士と検討する
- 5.管理責任そのものを手放す検討をする 将来の再発を防ぐため、農地中間管理機構への貸付け、売却、相続土地国庫帰属制度の利用可能性を農業委員会と相談する
よくある質問 AI による整理
Q1農地法42条の措置命令とは?
遊休農地が原因で周辺の営農条件に著しい支障が生じるとき、市町村長が所有者等に期限付きで支障の除去や発生防止を命じる行政処分です。
Q2耕作放棄地 害虫 苦情 どこに相談?
市町村の農政担当と農業委員会に相談します。被害の写真・時期・金額の記録と発生源の地番を添えると、市町村長が42条の命令を検討する材料になります。
Q3措置命令に従わないとどうなる?
期限までに措置を講じない、不十分、または見込みがない場合、市町村長が自ら除去作業を行い、その費用を所有者等に負担させることができます(42条3項1号・4項)。
Q4代執行の費用は払わないとどうなる?
行政代執行法6条の準用で、国税滞納処分の例により徴収されます。裁判を経ずに預金や不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。
Q5農地の所有者が不明でも役所は動ける?
政令で定める方法で相当な努力を払って探索しても所有者等を確知できないときは、事前に公告したうえで市町村長が自ら措置を講じることができます。
Q6相続した農地 放置 責任はある?
相続により所有者等となれば、耕作の有無にかかわらず、周辺への著しい支障があれば措置命令や費用負担の名宛人になりえます。名義が故人のままでも相続人がたどられます。
Q7農地の措置命令に不服を申し立てられる?
措置命令は行政処分なので、知った日の翌日から3か月以内の審査請求や、6か月以内の取消訴訟で争う余地があります。命令前の弁明の機会も活用できます。
Q8休耕田に不法投棄されたら地主の責任?
土石等の堆積が周辺の営農に著しい支障を生じさせれば、地主が所有者等として措置命令を受けうる立場にあります。投棄した者への責任追及は別に行う必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1田んぼを耕してないってだけで、命令されちゃうんですか?
耕作していないだけでは、本条の命令は出ない。要件は二つ。32条1項の遊休農地に当たること、そして病害虫の発生や土石の堆積などにより、周辺の営農条件に著しい支障が生じているか、そのおそれがあることだ(42条1項)。実務のポイント:命令の前に、農業委員会の利用状況調査や利用意向調査、市町村からの相談・指導が入ることが多い。その段階で動けば、命令まで進まずに済むケースが多い
Q2役所が勝手に作業して高額な請求が来たら、払うしかないの?
費用負担は42条4項で「負担させることができる」とされ、市町村長の判断に委ねられている。徴収は、行政代執行法5条の準用による文書での納付命令から始まり、未納なら6条により国税滞納処分の例で行われる。実務のポイント:納付命令も不服申立ての対象になりうる。作業が「必要な限度」を超えていないか、見積もりや作業記録の開示を求めて検証する余地がある
Q3持ち主が誰か分からない隣の荒れ地、役所は本当に手を出せるの?
出せる。政令で定める方法で相当な努力を払って探索しても所有者等を確知できないときは、あらかじめ公告したうえで、市町村長が自ら措置を講じることができる(42条3項2号)。実務のポイント:相談の際に登記事項証明書や過去の連絡記録を持参すると、市町村の探索が早まる。「誰の土地か分からないから無理」と諦める必要はない
間違えやすい点 AI による整理
- 「耕さないのは所有者の自由だろう」という問いの立て方がそもそもずれている。本条が問題にするのは耕作しないことそのものではなく、放置によって周辺の営農条件に著しい支障が生じる点だ。荒れていても周りに害が及ばなければ本条の命令は出ない。逆に病害虫の発生源になった時点で、もう自由の問題ではなくなる
- 代執行の費用を請求されることは知っていても、その取り立ての強さを知らない人は多い。行政代執行法6条の準用で国税滞納処分の例により徴収でき、国税・地方税に次ぐ順位の先取特権も付く。民間の未払い請求のように「訴えられるまで放っておく」は通用しない
- 遠方の相続人から見れば「行ったこともない土地」でも、市町村から見れば「所有者等を特定できる農地」である。2024年4月に相続登記が義務化され(不動産登記法76条の2)、名義から相続人をたどる作業は年々容易になっている。知らない土地だという感覚と、法的な名宛人という立場のずれは、命令書が届いた瞬間に一気に表に出る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主体 | 農地法42条:市町村長 | 農地法32条:農業委員会 農地法30条:農業委員会 |
| 行為の性質 | 措置命令・代執行・費用徴収(強制的) | 遊休農地の指定要件と利用意向調査(意向確認) 毎年の利用状況調査(実態把握) |
| 発動要件 | 遊休農地+周辺営農条件への著しい支障又はそのおそれ | 現に耕作されず今後も見込みがない等の遊休状態 区域内の農地全般(要件なし) |
| 所有者の負担 | 措置義務と代執行費用の負担(滞納処分の例で徴収) | 利用意向の表明(貸付け・自己耕作等) 直接の負担なし |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では病害虫防除の命令と、行政執行法上の代履行による費用徴収が組み合わさる。農地の遊休そのものを要件とする本条型の一体的規定ではない
中国は閑置耕地について耕作回復や土地使用権の回収まで認め、日本より強い介入を予定する
フランスは未耕作地・著しい過少利用地について、第三者への利用権付与手続を設けている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 東京で暮らすあなたの元に、実家のある町から命令書が届いた。祖父名義のまま10年放置した畑で害虫が大発生し、隣の果樹園に被害が出ているという。命令書の期限まで、あと三週間。自分で業者を手配するか、市町村の代執行を待って請求書を受け取るか、選べる時間は短い
- 隣の耕作放棄地が病害虫の発生源になり、あなたの稲が毎年やられている。地主には連絡がつかない。そんなとき、農業委員会と市町村に何を持って行けば役所は動くのか? 被害の記録と本条の存在を知っているかどうかで、相談の結果は大きく変わる
- 夜中に何者かが、あなたの休耕田に建設残土を何十トンも捨てていった。命令書の宛先は、捨てた業者ではなく地主のあなたになりうる。原因者への責任追及は、それとは別の戦いになる
- 兄弟三人で相続した田んぼを、誰も耕さず、誰が管理するかも決めていない。市町村が代執行で除去作業をしたとき、費用が共有者の誰にどう割り振られるかは市町村に確認しなければ分からない。押し付け合っている間にも、徴収手続は進んでいく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害の写真・動画、発生時期、被害範囲と金額を日付入りで記録する2. 発生源の農地の地番を特定し、農業委員会と市町村の農政担当に書面で相談する。農地法42条の措置命令を検討してほしいと伝えると話が早い3. 所有者が分かる場合は、直接管理を依頼したやり取りを記録に残す4. 損害が大きい場合は、所有者への損害賠償請求(民法709条)を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 命令書の記載事項(支障の内容、求められた措置、期限)を確認し、自分か業者が現地を見る2. 期限内の対応が難しければ、すぐ市町村に連絡し、作業計画と見込み時期を書面で示す。「講ずる見込みがない」と判断されると代執行の引き金になる3. 措置命令は不利益処分なので、原則として事前に弁明の機会が与えられる(行政手続法13条)。事実誤認があればその段階で反論する4. 不服があれば審査請求や取消訴訟を検討する。長い目で見れば、貸付けや売却で管理責任そのものを手放す
時効(請求できる期限):本条固有の時効はない。第一の締切は命令書に記載された期限である。措置命令や費用の納付命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の措置命令は不利益処分であり、行政手続法上の弁明の機会の付与を要する。命令内容は「必要な限度」に限定され、比例原則による司法審査の対象となる。
費用徴収に関する理解:5項による行政代執行法5条・6条の準用により、費用は文書による納付命令を経て国税滞納処分の例で徴収され、国税・地方税に次ぐ順位の先取特権を伴う。
- 農地法 第32条遊休農地の要件と利用意向調査
- 農地法 第30条農業委員会による利用状況調査
- 農地法 第2条の2農地の適正かつ効率的な利用の責務
- 行政代執行法 第6条国税滞納処分の例による費用徴収と先取特権
- 行政代執行法 第5条費用の納付を文書で命じる手続
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会の付与
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