農地法 第43条(農作物栽培高度化施設に関する特例)
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- 農林水産省令で定めるところにより農業委員会に届け出て農作物栽培高度化施設の底面とするために農地をコンクリートその他これに類するもので覆う場合における農作物栽培高度化施設の用に供される当該農地については、当該農作物栽培高度化施設において行われる農作物の栽培を耕作に該当するものとみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、必要な読替えその他当該農地に対するこの法律の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
- 2.前項の「農作物栽培高度化施設」とは、農作物の栽培の用に供する施設であつて農作物の栽培の効率化又は高度化を図るためのもののうち周辺の農地に係る営農条件に支障を生ずるおそれがないものとして農林水産省令で定めるものをいう。
この条文の基本情報
農作物栽培高度化施設に関する特例とは何ですか?
定義農作物栽培高度化施設に関する特例とは、農地法第43条に定められた規定で、「農林水産省令で定めるところにより農業委員会に届け出て農作物栽培高度化施設の底面とするために農地をコンクリートその他これに類するもので覆う場合における農作物栽培高…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 農地法第43条(農作物栽培高度化施設に関する特例)は、日本の農地法に含まれる条文です。
- 農地法第43条の条文原文は「農林水産省令で定めるところにより農業委員会に届け出て農作物栽培高度化施設の底面とするために農地をコンクリートその他これに類するもので覆う場合における農作物栽培高…」で始まります。
- 農地法第43条は第五章 雑則に置かれています。
- 農地法の公布日は昭和27年7月15日です。
- 農地法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 農地法第43条の前の条は農地法第42条です。
- 農地法第43条の次の条は農地法第44条です。
- 農地法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000229 - 本サイト収録
農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC0000000229/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点農地法43条は、農業委員会へ届け出て高度化施設の底面をコンクリート等で覆う場合、施設内の栽培を耕作とみなし、土地を農地として扱うと定める。
Q · ハウスの床をコンクリートにしたら、その畑はもう農地じゃなくなるの?
事前届出と基準適合、栽培継続があれば農地のまま扱われる
農地法43条により、農業委員会へ事前に届け出たうえで、省令の基準を満たす農作物栽培高度化施設の底面としてコンクリート等で農地を覆う場合、その施設内での栽培は耕作とみなされ、土地は農地として扱われます。転用許可(4条・5条)は要りません。ただし届出前に打設すれば無断転用となり、施設で栽培を行わなくなれば44条の勧告の対象となります。
解説
農地にコンクリートを打てば、その瞬間に農地ではなくなる。日本の農地制度は長年この前提で動いてきた。底面を固めたハウスは「転用」扱いとなり、農地法4条・5条の許可が要る。許可が出たあとは、固定資産税も相続税の納税猶予も農地向けの扱いから外れるおそれがあった。平成30年(2018年)新設の43条が、この常識を書き換えた。農業委員会に事前に届け出て、省令の基準を満たす「農作物栽培高度化施設」の底面としてコンクリートを打つ場合、その中での栽培を「耕作」とみなす。土地は農地のまま扱われ、転用許可は要らない。ただし順番を間違えると効果が消える。届出の前に打設すれば、それは単なる無断転用である。施設を建てたあとに栽培をやめても、同じく特例の外に出る。この特例で守られるのは「固める行為」ではない。「固めたうえで作物を作り続けること」である。
法的な位置づけ
農地法第43条は、農作物栽培高度化施設の用に供される農地に関する特例規定である。農業委員会への事前届出を経て、施設の底面とするために農地をコンクリートその他これに類するもので覆う場合、当該施設における農作物の栽培を耕作とみなし、当該土地に農地として同法を適用する。施設の要件は農林水産省令で定められる。
よくある質問 AI による整理
Q1農作物栽培高度化施設とは何ですか?
農作物の栽培の効率化・高度化を図る施設のうち、周辺農地の営農条件に支障を生ずるおそれがないものとして農林水産省令で定めるものです(農地法43条2項)。
Q2農地法43条の届出はどこに出しますか?
農地の所在する市町村の農業委員会に提出します。届出の様式や添付書類は農林水産省令で定められているため、事前に窓口で確認するのが確実です。
Q3届出の前にコンクリートを打ったら違法ですか?
43条の特例は届出をして覆う場合に限られます。届出前の打設は通常の農地転用に当たり、許可がなければ無断転用として是正の対象になりえます。
Q4高度化施設にはどんな基準がありますか?
施設の高さや周辺農地への日影の影響など、営農条件に支障を生じさせないための基準が省令で定められています。具体的な数値は農地法施行規則で確認してください。
Q5植物工場を農地に建てることはできますか?
省令の基準を満たす農作物栽培高度化施設に当たり、事前に届け出れば、底面をコンクリートで覆っても農地のまま建てる道があります。基準外なら転用許可が必要です。
Q6高度化施設で栽培をやめたらどうなりますか?
施設で農作物の栽培が行われない場合、農業委員会は栽培を行うよう勧告できます(44条)。耕作とみなす前提が崩れ、違反転用の扱いに進むおそれがあります。
Q7農地法43条はいつから施行されていますか?
平成30年(2018年)の農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律で新設され、同年11月から施行されています。
Q8農振地域の農用地区域でも高度化施設は建てられますか?
農地法上の特例とは別に、農業振興地域の整備に関する法律による開発行為の制限がかかる場合があります。農業委員会と市町村の農政担当の双方に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ビニールハウスの床を砂利敷きにするだけでも届出は要るんですか?
43条が対象とするのは、コンクリートやそれに類するもので「覆う」場合です。農地に形質変更を加えない簡易な施設は、そもそも転用に当たらない場合が多い。実務のポイント:防草シートや砂利と思っていても、下地に転圧したモルタルを入れていれば「類するもの」と判断されうる。施工仕様書の断面図を持って農業委員会で事前確認するのが、いちばん安く済む
Q2届出が受理されたら、固定資産税も農地のままですか?
農地法上は農地として扱われますが、固定資産税の評価は地方税法に基づき市町村が判断する別の手続です。実務のポイント:農地法43条の扱いと課税上の評価は、制度として自動連動しているわけではない。届出後に課税明細の地目と評価額を必ず確認し、宅地並み評価になっていれば資産税課に照会する。気付かずに数年分払い続ける例がある(最新の運用をご確認ください)
Q3高度化施設を建てた農地を、子どもじゃない第三者に貸せますか?
貸すこと自体は可能ですが、農地のままなので農地法3条の許可など農地の権利移動規制がかかります。借り手が栽培を続けなければ43条の前提が崩れます。実務のポイント:契約書に「栽培を継続する義務」と「中断時の通知義務」を入れておかないと、借り手の都合による倉庫化の責任を、所有者であるあなたが背負うことになりかねない
間違えやすい点 AI による整理
- 「農業用の施設なら、床をコンクリートにしても当然農地のまま」と考える人は多い。実際は逆である。特例を受けられるのは、事前に届け出て、農林水産省令の基準(高さ、周辺農地への日影、排水など)を満たした施設だけだ。条件の一つでも欠ければ、通常どおり転用許可が必要になる
- 届出さえ通れば一件落着だと思っているなら、問題の立て方が違う。43条が保証するのは「建てた日」の扱いではない。「栽培を続けている間」の扱いである。栽培をやめる、別の用途に転用する、そういった変化が起きた時点で、届出時に得た地位は前提から揺らぐ
- 農家から見ると、最新設備を入れて収量を上げる前向きな投資に見える。だが法律から見れば、農地の上に人工の床が載った状態であり、ひとつ間違えれば転用規制の網にかかる。この二つの見え方のずれが、事業承継のときに後継者の負担として表に出てくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続 | 43条:農業委員会への事前届出 | 4条:都道府県知事等の転用許可 44条:栽培されない場合の農業委員会による勧告 |
| 土地の扱い | コンクリートで覆っても農地として扱われる | 許可後は農地以外の土地となる 勧告を受けても直ちに地位は変わらないが是正が求められる |
| 前提条件 | 省令基準に適合し、施設内で栽培を継続すること | 立地基準・一般基準を満たすこと 高度化施設で農作物の栽培が行われていないこと |
| 違反時の帰結 | 届出前打設や基準不適合は無断転用となりうる | 無許可転用は51条の原状回復命令等の対象 勧告に従わない場合、転用規制の適用へ進むおそれ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では農業用地上の農業設施を「容許使用」の申請制で認める。日本の届出制より事前審査の色彩が強く、設施の種類ごとに面積や構造の基準が細かく定められている
韓国は農地の定義自体に固定式温室など一定の農業生産施設の敷地を含める構成をとり、日本のように個別の擬制規定を置く形とは異なる
ドイツは農地法ではなく建築計画法の側で、外部地域における農業・園芸施設の建築を特権的に許容する構成をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父から継いだ30アールの畑に、イチゴの高設栽培ハウスを建てたい。業者の見積書には「土間コンクリート一式」とある。着工まであと2週間、農業委員会への届出はまだ出していない。このまま打設すれば、着工の日に無断転用が成立する
- もし植物工場を建てて5年後に採算が合わず、中を倉庫として貸し出したらどうなる? 栽培がなくなった時点で「耕作とみなす」前提が崩れる。農業委員会からの勧告(44条)を経て、違反転用として原状回復を求められる道筋が現実になる
- 隣の畑に背の高い高度化施設が建ち、冬場はあなたの畑に午後から影が落ちるようになった。収穫量が目に見えて落ちている。周辺の営農条件に支障を生じさせないことは、施設の要件そのものに含まれている
取るべき行動
被害を受けた側:隣接地の高度化施設が原因で、日照不足や排水被害が出ている場合:1. 被害が分かる時間帯の日影の写真と収量の記録を、季節ごとに残す2. 施設の届出内容(高さ、配置、排水計画)を農業委員会に確認する3. 省令基準に照らして支障があると判断できれば、農業委員会に事情を伝え、44条の勧告を出すよう働きかける4. 損害額がはっきりしている場合は、民法709条による賠償請求も並行して検討する
訴えられた側:届出前に打設してしまった、あるいは栽培を中断していると指摘された場合:1. 指摘の時点ですぐに農業委員会へ出向き、経緯を説明する。放置は最悪の選択である2. 栽培をすぐ再開できるなら、その計画書と実績を示す3. 基準を満たしていなかった場合は、追完の届出で足りるか、4条・5条の転用許可が必要かを確認する4. 原状回復命令(51条)に進む前に是正の意思を示し、記録を残しておく
時効(請求できる期限):特定の時効はない。届出は「覆う前」、つまりコンクリート打設の前に行う必要がある。栽培の継続要件は施設を使う期間中ずっと続く。違反転用への原状回復命令などの処分には、期限による失効は原則としてない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成30年(2018年)新設 農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律により新設。農作物栽培高度化施設の底面をコンクリート等で覆った農地について、届出を条件に栽培を耕作とみなし、農地として扱う特例を設けた(同年11月施行)
改正の年表
- 1.平成30年(2018年) 新設:農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する法律により新設。農作物栽培高度化施設の底面をコンクリート等で覆った農地について、届出を条件に施設内の栽培を耕作とみなし、農地として扱う特例を設けた(同年11月施行)
- 農地法 第2条「農地」の定義、耕作目的性の基準
- 農地法 第4条農地転用の許可制、本条はその例外
- 農地法 第5条転用目的の権利移動の許可制
- 農地法 第44条栽培されない高度化施設への勧告
- 農地法 第51条違反転用への原状回復命令等
- 農業振興地域の整備に関する法律 第15条の2農用地区域内の開発行為制限との関係(現行効力を要確認)
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