自衛隊法 第108条(労働組合法等の適用除外)
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労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、船員法(昭和二十二年法律第百号)(第一条、第二条、第七条から第十八条まで、第二十条、第二十五条から第二十七条まで、第百二十二条から第百二十五条まで、第百二十六条(第七号及び第八号を除く。)、第百二十七条、第百二十八条(第三号を除く。)及び第百三十四条並びにこれらに関する第百二十条の規定を除く。)、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)、じん肺法(昭和三十五年法律第三十号)、船員災害防止活動の促進に関する法律(昭和四十二年法律第六十一号)及び労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)並びにこれらに基づく命令の規定は、隊員については、適用しない。
この条文の基本情報
労働組合法等の適用除外とは何ですか?
定義労働組合法等の適用除外とは、自衛隊法第108条に定められた規定で、「労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、船員法(昭和二十二年法律第百…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第108条(労働組合法等の適用除外)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第108条の条文原文は「労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)、労働関係調整法(昭和二十一年法律第二十五号)、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、船員法(昭和二十二年法律第百…」で始まります。
- 自衛隊法第108条は第八章 雑則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第108条の前の条は自衛隊法第107条です。
- 自衛隊法第108条の次の条は自衛隊法第109条です。
- 自衛隊法第108条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第108条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第108条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/108
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法108条は、労働組合法・労働基準法・最低賃金法・労働安全衛生法などの労働法を隊員には適用しないと定める。船員法の一部規定は例外として適用が残る。
Q · 自衛隊員には労働基準法や労働組合法が適用されないの?
適用されない。自衛隊法108条が一括で除外している
自衛隊法108条により、労働組合法・労働関係調整法・労働基準法・最低賃金法・じん肺法・労働安全衛生法などとその命令は、隊員には適用されません。隊員には自衛官だけでなく防衛省の事務官・技官等も含まれます(同法2条5項)。代わりに、給与は防衛省職員給与法、勤務態勢は同法54条、団体結成の禁止は同法64条が定め、損害については国家賠償や国の安全配慮義務違反を問うことができます。
解説
労働基準監督署のドアは、自衛隊員には開かない。本条は、労働組合法、労働関係調整法、労働基準法、最低賃金法、じん肺法、労働安全衛生法などの労働法を、「隊員」にはまとめて適用しないと定めている。対象は制服の自衛官だけではない。自衛隊法2条5項でいう「隊員」には、防衛省の事務官・技官・教官なども含まれる(大臣・副大臣など一部の職は除く)。では、隊員の働き方は何が守っているのか。答えは別の法律群である。給与は「防衛省の職員の給与等に関する法律」が定め、勤務時間は自衛隊法54条と防衛省の内部規則が定め、組合を作ることは同法64条が禁じている。ここを知らない人は、トラブルが起きたときに存在しない窓口を探して時間を失う。知っている人は、最初から使える道だけを選ぶ。国家賠償、安全配慮義務違反を理由とする損害賠償、公務災害の認定、処分に対する審査請求がその道だ。法律が外したのは「労働法という道具」であって、あなたの権利そのものではない
法的な位置づけ
自衛隊法108条は労働法の適用除外を定める規定であり、労働組合法、労働関係調整法、労働基準法、船員法(一部規定を除く)、最低賃金法、じん肺法、船員災害防止活動の促進に関する法律および労働安全衛生法ならびにこれらに基づく命令を、同法2条5項に定める隊員に適用しない旨を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法108条とは何ですか?
労働組合法・労働基準法・労働安全衛生法など8つの労働法とその命令を、自衛隊員には適用しないと定めた条文です。
Q2自衛隊員に労働安全衛生法は適用されますか?
適用されません。自衛隊法108条で除外されています。ただし国は隊員に対して安全配慮義務を負うと最高裁が認めています。
Q3自衛隊員に最低賃金法は適用されますか?
適用されません。隊員の給与は防衛省の職員の給与等に関する法律で定められ、最低賃金法の枠組みの外にあります。
Q4自衛隊員は労働基準監督署に相談できますか?
労働基準法が適用されないため、労基署は原則として管轄外です。防衛省の相談窓口や弁護士への相談が現実的な選択肢です。
Q5自衛隊員はストライキできる?
できません。労働関係調整法等は108条で適用除外され、自衛隊法64条が団体結成・団体交渉・争議行為を禁止しています。
Q6自衛隊の公務中のけがに労災保険は使える?
労災保険法は官公署の事業に原則適用されません。公務中のけがは防衛省職員給与法を通じた公務災害補償で扱われます。
Q7自衛隊法108条の隊員に事務官は含まれる?
含まれます。自衛隊法2条5項の隊員には自衛官のほか防衛省の事務官・技官・教官等が含まれます(大臣等一部の職を除く)。
Q8自衛官の労働条件は違法にならない?
労働基準法違反という構成はとれませんが、国家賠償法や安全配慮義務違反による責任追及、処分への審査請求は可能です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛官って本当に残業代出ないんですか?
出ない。本条で労働基準法が適用されないため、割増賃金を定める同法37条も適用されない。給与は防衛省の職員の給与等に関する法律で決まり、自衛官には超過勤務手当の制度がない。その分は俸給の水準に織り込まれていると説明されている。実務のポイント:同じ防衛省でも、事務官・技官には超過勤務手当がある。入隊するか転職するかを比べるときは、月給の額面ではなく実際の拘束時間で割った時間単価で比べる
Q2組合も作れないし労基署も使えない。じゃあパワハラされたら何もできないの?
できる。組合の結成は自衛隊法64条で禁止され、労働基準法も本条で適用されない。それでも、国家賠償法1条による賠償請求と、国の安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求は使える。実務のポイント:安全配慮義務を最高裁が初めて認めたのは自衛隊員の事故(最判昭和50.2.25)である。「自衛隊だから無理」という思い込みは、判例の歴史とは逆向きだ
Q3防衛省の事務官ですけど、私も労基法の対象外なんですか?
対象外である。本条の「隊員」は自衛隊法2条5項で定義され、自衛官に限らず、防衛省の事務官・技官・教官なども含む(大臣・副大臣・政務官などは除く)。そのため、労働基準法も労働組合法も適用されない。実務のポイント:事務官も団体結成禁止(同64条)の対象になる。他省庁の一般職のように職員団体を作ることはできない。他省庁から出向してきた職員ほど、この違いに驚く
間違えやすい点 AI による整理
- 「自衛官は公務員だから、一般の公務員と同じく職員団体くらいは作れる」と思われがちだが、そうではない。一般職の国家公務員は国家公務員法108条の2に基づき職員団体(公務員版の労働組合のようなもの)を結成できる。これに対して隊員は、自衛隊法64条で団体の結成・加入そのものが禁止されている。同じ「108条」という番号の条文が、一般職には団結の道を開き、自衛隊には労働法の適用を閉ざしている
- 本条に列挙された法律だけが適用外だと考えると、判断を誤る。労働契約法は同法22条1項で国家公務員への適用を自ら外しており、労働者災害補償保険法も同法3条2項で官公署の事業には原則として適用されない。本条のリストは「適用されない労働法の全部」ではなく、「自衛隊法の側から念を押して外した分」にすぎない
- 「労働法が使えないなら、けがをしても泣き寝入りするしかない」という問いの立て方自体が間違っている。公務でのけがは防衛省職員給与法を通じて公務災害補償の対象になる。国の責任は国家賠償法や安全配慮義務違反で問える。問うべきは「どの労働法が使えるか」ではなく、「労働法の代わりに何が置かれているか」である
- 隊員から見れば「会社員より守られていない」と感じる。法律の側から見れば、給与も補償も勤務時間も別の法体系で「守っているつもり」になっている。この認識のずれを放置すると、実際に被害を受けたとき、隊員は存在しない救済を探し回り、時効だけが進む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 自衛隊法108条:労働組合法・労働基準法など労働法の適用除外 | 自衛隊法64条:団体の結成・加入、団体交渉、争議行為の禁止 国家公務員法108条の2:一般職職員の職員団体の結成を認める |
| 対象者 | 自衛隊法2条5項の隊員(自衛官・事務官・技官等) | 隊員 一般職の国家公務員 |
| 団結の可否 | 労働組合法が適用されず、同法上の組合保護はない | 団体の結成・加入自体が禁止 職員団体の結成・加入が可能 |
| 代替となる保護 | 給与法・服務規定・公務災害補償・国家賠償 | 防衛省内部の相談制度・審査請求(自衛隊法49条) 人事院による勤務条件の保障 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も現役軍人の労働組合組織を禁止し、軍人の勤務は服役条例など軍事法制で規律する点で日本と共通する
韓国も軍人の集団行為を禁止し、一般労働法ではなく軍人専用の服務法で規律する
ドイツでは兵士の勤務は兵士法体系で規律されるが、団結の自由は認められ、連邦軍協会(DBwV)が利益代表として活動している点で日本と異なる
米国は軍人の労働組合加入や団体交渉を連邦法で明文禁止している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 災害派遣から戻ってすぐ演習、気付けば月の拘束時間が300時間を超えていた。労基署に電話したら「自衛隊は管轄外です」と言われた。担当者の対応が冷たいわけではない。労働基準法そのものが隊員には適用されない、というのが本条の意味である
- もし上官から毎日のように人格を否定する言葉を浴びせられ、同期で集まって声を上げようとしたら、どうなる? 組合を作ることは自衛隊法64条が禁止している。だから個人で使える手段を選ぶことになる。防衛省のハラスメント相談窓口、記録を残したうえでの国家賠償請求がそれにあたる
- あなたは部隊の中隊長。部下が整備中の事故で重傷を負った。労働安全衛生法は適用されないが、「うちは安衛法の対象外だから」と言い訳すると墓穴を掘る。国は隊員に対して安全配慮義務を負っている。この義務を最高裁が認めたのは、まさに自衛隊員の死亡事故だった
- 息子が入隊して半年、「残業代って出ないの?」と LINE が来た。出ない。自衛官には超過勤務手当の制度がない
- 訓練中の負傷から2年10か月が経った。国を相手に国家賠償を請求できるかどうかは、「損害と加害者を知った時」からの時効(生命・身体の侵害なら5年)の計算で決まる。書類をそろえる時間は、思っているほど残っていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 労基署ではなく、防衛省・自衛隊のハラスメント相談窓口や監察部門に相談する。相談した日時と相手は必ず記録する2. 勤務時間、命令、暴言、けがを日付入りで記録する。メールや LINE はスクショで保存する3. 公務中のけがや病気は、公務災害の認定を申請する4. 国の責任を問うなら、国家賠償法1条と安全配慮義務違反の両方の構成を弁護士と検討する。公務員の労働問題に詳しい弁護士を選ぶこと
訴えられた側:1. 上官・管理者としてハラスメントや安全管理の不備を指摘された場合、「労働安全衛生法の対象外」は反論にならない。国の安全配慮義務を前提に、事実経過を時系列で整理する2. 自分に対する懲戒処分(自衛隊法46条)には、防衛大臣への審査請求(同49条)で争える3. 処分説明書の救済教示欄をまず確認し、期限を把握する4. 国家賠償が認められても、公務員個人が被害者から直接訴えられることは原則ない。ただし故意または重過失があれば、国から求償される(国家賠償法1条2項)
時効(請求できる期限):国家賠償請求は民法724条・724条の2により、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年。安全配慮義務違反(債務不履行)は、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から20年(生命・身体の侵害の場合、民法166条・167条)。処分への審査請求の期間は、処分説明書の教示で必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は、自衛隊の任務の特殊性と即応態勢の確保を理由に、一般労働法の適用を排除し、勤務条件を法律と内部規則による別体系で規律する趣旨と理解されている。団結権の制約は憲法28条との関係で合憲性が議論されうる。
- 自衛隊法 第2条第5項で適用対象の「隊員」を定義
- 自衛隊法 第54条常時即応の勤務態勢と勤務時間
- 自衛隊法 第64条団体結成・団体交渉・争議行為の禁止
- 自衛隊法 第49条不利益処分に対する審査請求
- 国家公務員法 第108条の2一般職は職員団体可、隊員との対比
- 労働契約法 第22条国家公務員への適用除外の自己規定
- 防衛省の職員の給与等に関する法律 第27条公務災害補償の準用根拠(現行効力を要確認)
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