自衛隊法 第118条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一第五十九条第一項又は第二項の規定に違反して秘密を漏らした者
- 二第六十二条第一項の規定に違反した者
- 三第六十五条の四第一項の規定に違反する行為(職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼する行為に限る。)をした再就職者
- 四第六十五条の四第二項の規定に違反する行為(職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼する行為に限る。)をした再就職者
- 五第六十五条の四第三項の規定に違反する行為(職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼する行為に限る。)をした再就職者
- 六第六十五条の四第四項の規定に違反する行為(職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼する行為に限る。)をした再就職者
- 七第三号から前号までに掲げる再就職者から要求又は依頼を受けた隊員であつて、当該要求又は依頼を受けたことにより、職務上不正な行為をし、又は相当な行為をしなかつた者
- 八正当な理由がなくて自衛隊の保有する武器を使用した者
- 2.前項第一号に掲げる行為を企て、教唆し、又はその幇助をした者は、同項の刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第118条は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第118条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 自衛隊法第118条は第九章 罰則に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第118条の前の条は自衛隊法第117条の2です。
- 自衛隊法第118条の次の条は自衛隊法第118条の2です。
- 自衛隊法第118条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第118条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第118条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/118
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法118条は、退職後を含む隊員の秘密漏えい、無承認の営利企業兼業、再就職者の不正な口利き等を1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
Q · 自衛隊を辞めた後に、在職中に知った話をSNSで話したら罪になるの?
非公知の秘密なら処罰対象。義務は退職後も続く
自衛隊法59条2項は、退職後も職務上知った秘密を漏らしてはならないと定め、違反すると118条1項1号により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象になります。ここでいう秘密は、判例上、非公知で実質的に秘密として保護に値する事実(実質秘)と解されており、すでに公表済みの情報は対象外です。ただし、公知情報でも組み合わせ方によっては非公知の運用実態が浮かぶことがあるため、発信前の仕分けが重要です。
解説
自衛隊を辞めた人が、飲み会の席や YouTube で、在職中に職務上知った内部事情を話したとする。その場は笑い話で終わっても、自衛隊法59条2項は退職後も守秘義務(職務で知った秘密を他人に話してはならない義務)を課しており、違反すれば本条により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になる。制服を脱いでも、秘密を守る義務は終わらない。本条が処罰するのは秘密漏えいだけではない。無承認での営利企業の役員兼業や自営(62条1項)、防衛産業などに再就職した OB が現役隊員に「不正な便宜」を求める口利き(65条の4)、その依頼に応じて不正をした現役隊員、正当な理由のない武器使用まで、一本の条文で束ねている。さらに見落とされやすいのが2項である。秘密漏えいを「企て、教唆し、又は幇助した者」も同じ刑で処罰される。ここには隊員でない人も含まれうる。記者、防衛関連企業の営業担当、元同僚。秘密の話を「聞き出す側」も、本条の射程の内側にいる。
法的な位置づけ
自衛隊法118条は、自衛隊員の服務規律を担保する罰則規定であり、守秘義務違反、承認のない営利企業の役員兼業・自営、再就職者による職務上不正な行為の要求・依頼とこれに応じた隊員の不正行為、正当な理由のない武器使用を処罰対象とする。秘密漏えいについては、企て・教唆・幇助も独立して同じ刑で処罰する。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法118条とは?
自衛隊員の服務規律違反のうち、秘密漏えい、無承認の兼業、再就職者の不正な口利き、正当な理由のない武器使用などを刑事罰で処罰する規定です。
Q2元自衛官がYouTubeで話していいことは?
報道や公式発表ですでに公になっている情報は、原則として守秘義務の対象外です。在職中に職務で知った非公知の運用実態は、退職後でも話せば処罰対象になりえます。
Q3自衛隊員は副業できる?
営利企業の役員を兼ねたり自ら営利企業を営んだりするには、62条1項による承認が必要です。承認なく行えば、懲戒処分に加えて118条1項2号の刑事罰の対象になりえます。
Q4自衛隊法118条の罰金はいくら?
法定刑は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。2025年6月1日の刑法改正施行により、懲役は拘禁刑に改められました。
Q5自衛隊員の武器使用が違法になるのはどんなとき?
自衛隊が保有する武器を正当な理由なく使用した場合です。武器等防護(95条)など、法令上の根拠がある使用は正当な理由があるものとされます。
Q6秘密を聞き出そうとしただけでも罪になる?
118条2項は、秘密漏えいを企てた者、教唆した者、幇助した者も同じ刑で処罰します。漏えいが実際に行われなくても成立しうるとする見解が有力です。
Q7自衛隊法118条違反の時効はいつまで?
法定刑が長期5年未満の拘禁刑又は罰金なので、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。懲戒処分は刑事手続とは別に進みます。
Q8自衛隊法118条違反で罰金になったら前科はつく?
罰金刑も刑罰なので、有罪判決が確定すれば前科になります。起訴猶予で終われば前科はつきませんが、捜査機関の記録(前歴)は残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1退職して10年たっても、昔の仕事の話をしたら捕まるんですか?
59条2項の守秘義務は退職後も続き、期間の定めはありません。ただし処罰されるのは実質的に秘密として保護に値する非公知の事実に限られ、既に公表された内容は対象外と解されています。実務のポイント:実務で問題になりやすいのは、個々の話は公知でも、組み合わせると非公知の運用実態が浮かぶケースです。一つ一つは安全でも、並べ方が危ない
Q2記者が隊員に取材するのも、教唆で罰せられるんですか?
118条2項は秘密漏えいの教唆を処罰しますが、報道のための取材は憲法21条の趣旨に照らし、手段・方法が社会観念上相当であれば正当業務行為として違法性が否定されうる、というのが外務省秘密漏洩事件(最決昭和53.5.31)の枠組みです。実務のポイント:同決定は、取材対象者の人格を著しく蹂躙するような手段は正当性を失うとしました。何を聞いたかより、どう聞き出したかが問われる
Q3OB の先輩に頼まれて、入札の情報を少し教えただけです。自分も罪になりますか?
118条1項7号は、再就職者から要求・依頼を受け、それによって職務上不正な行為をした隊員を処罰します。頼んだ側だけでなく応じた側も同じ刑の対象です。内容によっては刑法の収賄罪や入札談合等関与行為防止法など、より重い罪が問題になることもあります。実務のポイント:依頼を受けた時点で報告していれば、処分判断で大きく扱いが変わりうる。早期の自己申告が最大の防御になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「退職したらもう守秘義務はない」と思われがちだが、59条2項は退職後も同じ義務を課しており、本条1号の処罰対象になる。在職年数や退職からの経過年数で義務が消える規定はない
- 「秘密漏えいなら処罰されるのは漏らした隊員だけ」という問いの立て方自体がずれている。2項は企て・教唆・幇助を独立して処罰するため、聞き出そうとした側、段取りを手伝った側も同じ刑の対象になる。実際に漏えいが実行されなかった場合にも成立しうるかは、独立教唆としての性格から肯定的に解する見解が有力である
- 隊員の目から見れば「OB の先輩に頼まれたから少し融通しただけ」でも、法律から見れば7号の構成要件(要求・依頼を受けたことにより職務上不正な行為をした)そのものである。上下関係の断りにくさは、量刑の事情にはなりえても、犯罪の成否を左右しない
- 「秘密」とは「秘」の判子が押された文書だけだと考えるのは浅い。判例上、公務員の守秘義務の対象は、非公知で実質的に秘密として保護に値する事実(実質秘、最決昭和52.12.19)と解されている。指定の有無より、中身の性質が問われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 自衛隊法118条:違反行為に対する罰則(刑事罰) | 自衛隊法59条:隊員・退職者の守秘義務そのもの(義務規定) 特定秘密保護法23条:特定秘密の漏えいに対する加重罰則 |
| 対象となる秘密 | 職務上知ることのできた秘密(判例上は実質秘) | 職務上知ることのできた秘密(在職中・退職後とも) 行政機関の長が指定した特定秘密 |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 罰則なし(違反は懲戒処分、刑罰は118条で科す) 10年以下の拘禁刑(情状により1000万円以下の罰金を併科) |
| 処罰範囲の広がり | 企て・教唆・幇助も同じ刑(2項)、兼業・口利き・武器使用も含む | 義務の主体は隊員と退職者 未遂・過失・共謀・教唆・煽動も別途処罰 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は軍事機密の漏えいを陸海空軍刑法や國家機密保護法で重く処罰し、公務員一般の保密義務と離職後の利益迴避を公務員服務法で規律する。日本のように一つの罰則条文で束ねる形ではない
韓国は軍事機密保護法で軍事機密の探知・漏えいを処罰し、軍人の職務上の犯罪は軍刑法で規律する
ドイツは軍人法で兵士の守秘義務を退職後も含めて定め、刑事罰は刑法典の秘密漏示規定等に委ねる
米国は国防情報の漏えいをエスピオナージ法で、退職公務員の口利きを18 U.S.C. § 207で別々に規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職した元自衛官が、登録者数を伸ばしたくて「部隊の裏話」動画を投稿した。再生数は伸びたが、在職中に知った部隊の運用の細部まで語っていた。59条2項は退職者にも守秘義務を課している。削除しても、録画や切り抜きは残る
- 防衛装備品メーカーに再就職したあなたは、元部下の現役隊員に「入札の評価基準、少しだけ教えてくれないか」と LINE を送った。不正な行為を求める依頼をした時点で、本条1項3号から6号の射程に入りうる。応じた元部下も7号で処罰対象になりうる。一通のメッセージで、二人ともが当事者になる
- もし現役隊員が、週末だけ家族名義で合同会社を立ち上げ、実質的に経営していたらどうなる? 62条1項の承認なく営利企業を営めば、懲戒処分にとどまらず本条の刑事罰の対象になりうる。名義を家族にしても、実質で判断されるリスクがある
- 記者のあなたが、取材相手の隊員に「非公表の部隊の動き、オフレコでいいから」と何度も頼み込んだ。2項の教唆にあたるかは、取材の手段・方法が社会観念上相当かで判断される余地がある(外務省秘密漏洩事件、最決昭和53.5.31の枠組み)
- 監察からの事情聴取が三日後に迫っている。自分が同期に話した内容が秘密にあたるのか分からない。話した日時、相手、内容を今夜のうちに時系列で書き出しておかないと、記憶の曖昧さがそのまま不利な供述になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 部外者や OB から秘密の提供や不正な便宜を求められたら、応じずに日時・相手・文面をスクショやメモで保存する2. 所属部隊の上司または防衛省の監察・服務担当の窓口に速やかに報告する。報告の記録は、自分が依頼に応じていない証拠になる3. 再就職者からの依頼は、防衛省側で届出・監視の仕組みがあるため、個人で抱え込まず組織ルートに乗せる
訴えられた側:1. 事情聴取の前に、話した内容・相手・日時を時系列で書き出す2. その情報が公知だったか(報道・公式発表済みか)を資料で裏付ける。実質秘にあたらなければ構成要件を欠く3. 武器使用なら、法令上の根拠(武器等防護など)を「正当な理由」として整理する4. 刑事手続が見込まれるなら、供述前に弁護士(公務員・自衛隊事件の経験者が望ましい)に相談する
時効(請求できる期限):法定刑の長期が5年未満の拘禁刑または罰金にあたるため、公訴時効は犯罪行為の終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項7号)。懲戒処分は刑事手続とは別軌道で進みうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(実質秘説):本条1項1号の秘密は、形式的な秘指定の有無にかかわらず、非公知性と実質的な要保護性の両方を満たす事実に限られる。秘指定は実質秘であることの有力な徴表にとどまる。
独立教唆の成立範囲に関する見解:2項の企て・教唆・幇助は独立の犯罪類型であり、正犯による漏えいが実行されなくても成立しうると解する見解が有力。ただし取材行為については憲法21条との関係で違法性阻却が問題となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 改正時期要確認 再就職者による依頼等の規制(65条の4)違反に関する各号は、国家公務員の再就職規制の見直しに連動して整備されたとみられる。正確な改正年は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 自衛隊法 第59条隊員・退職者の守秘義務(1号の前提)
- 自衛隊法 第62条営利企業の役員兼業等の禁止
- 自衛隊法 第65条の4再就職者による依頼等の規制
- 自衛隊法 第95条武器等防護の武器使用、正当理由の典型
- 特定秘密の保護に関する法律 第23条特定秘密漏えいの加重処罰
- 刑法 第61条教唆の一般規定、2項は独立処罰の特則
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