自衛隊法 第38条(欠格条項)
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、隊員となることができない。
- 一拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
- 二法令の規定による懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
- 三日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
- 2.隊員は、前項第一号又は第三号に該当するに至つたときは、防衛省令で定める場合を除き、当然失職する。
この条文の基本情報
欠格条項とは何ですか?
定義欠格条項とは、自衛隊法第38条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する者は、隊員となることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第38条(欠格条項)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第38条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、隊員となることができない。」で始まります。
- 自衛隊法第38条は第二節 任免に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第38条の前の条は自衛隊法第37条です。
- 自衛隊法第38条の次の条は自衛隊法第39条です。
- 自衛隊法第38条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第38条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第38条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/38
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法38条は、拘禁刑以上の刑の執行を受けることがなくなるまでの者などを隊員の欠格者とし、在職中に該当した隊員は防衛省令の例外を除き当然失職すると定める。
Q · 自衛官が執行猶予付きの判決を受けたら、自衛隊をやめなければならないの?
拘禁刑なら執行猶予付きでも判決確定日に当然失職する
自衛隊法38条1項1号は、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなるまでの者を欠格者とします。執行猶予中の人はこれに当たるため、在職中の隊員は判決確定と同時に同条2項により当然失職します。懲戒の手続は不要で、防衛省令で定める例外を除き自動的に身分を失います。一方、罰金刑は対象外です。ただし同じ行為を理由とする懲戒処分(46条)は別に問題となります。
解説
判決文に「刑の執行を猶予する」と書かれていた瞬間、多くの自衛官は刑務所に行かずに済んだと胸をなで下ろす。しかし自衛隊法38条から見ると、その判決が確定した日に隊員の身分は終わっている。1項1号は「拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を受けることがなくなるまでの者」を欠格者(そもそも隊員になれない人)とする。執行猶予中の人は、まだ「執行を受けることがなくなった」状態ではない。2項はさらに、在職中の隊員がこれに該当したとき「当然失職する」と定める。当然失職とは、上官の判断や懲戒の手続(処分を下すための正式な手順)を待たず、法律の力で自動的に身分がなくなることである。分かれ目は罰金か拘禁刑かの一点にある。飲酒運転や交通事故の刑事手続で、起訴される前に示談をまとめ、罰金で終わる見込みを作れるかどうか。その差が、制服を着続けられるか、翌日から無職になるかを決める。
法的な位置づけ
自衛隊法38条は隊員の欠格条項であり、拘禁刑以上の刑の執行が終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者、懲戒免職の日から2年を経過しない者、憲法又は政府の暴力的破壊を主張する団体の結成者・加入者を隊員となれない者と定める。在職中に第1号又は第3号に該当した隊員は、防衛省令の例外を除き、処分を経ずに法律上当然に失職する。
手順
- 1.刑事弁護人を早期に選任し方針を明確化 逮捕・送致の段階で刑事弁護人を選任し、「実刑回避」ではなく「拘禁刑そのものの回避(罰金での終結)」を弁護目標として共有する。38条の失職リスクを弁護人に明示的に伝える
- 2.起訴前に被害者との示談を成立させる 検察官が公判請求か略式命令かを判断する前に、被害弁償を含む示談をまとめ、示談書に宥恕文言(処罰を望まない旨)を入れてもらう。罰金で終結する見込みを作る最大の分岐点
- 3.判決後14日以内に控訴の要否を判断 一審で拘禁刑の判決が出た場合、判決言渡しから14日の控訴期間内に、罰金への変更を狙える事情が残っているかを弁護人と検討する。期間を過ぎると判決が確定し当然失職する
- 4.失職時の精算と退職手当の扱いを確認 判決謄本で刑の種類と確定日を特定し、確定日を基準に給与・退職手当の精算を確認する。退職手当の不支給処分が検討される場合は、考慮される事情を整理して意見を述べる
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法38条とは?
自衛官などの隊員になれない人(欠格者)を定め、在職中の隊員が該当したときは自動的に身分を失う(当然失職)とする規定です。
Q2自衛官 罰金刑 クビになる?
罰金刑は38条の欠格には当たらず、当然失職はしません。ただし同じ行為を理由に46条の懲戒処分を受ける可能性は残ります。
Q3懲戒免職 自衛隊 再入隊 いつから?
懲戒免職の処分の日から2年を経過すれば、38条1項2号の欠格は解消します。他の公務員法による懲戒免職も含まれます。
Q4自衛官 逮捕 失職する?
逮捕や起訴だけでは失職しません。38条の引き金は拘禁刑以上の判決の確定です。確定前は懲戒や休職の問題として扱われます。
Q5当然失職 とは?
任命権者の処分を待たず、法律の定める事由が生じた時点で自動的に公務員の身分を失うことです。懲戒免職とは法的性質が異なります。
Q6執行猶予 満了 自衛隊 応募できる?
猶予期間を無事に満了すれば刑の言渡しは効力を失う(刑法27条)ため、38条の欠格には当たらず、制度上は応募できます。
Q7自衛隊 欠格条項 団体 加入 違法?
加入自体の刑事罰ではなく、隊員の資格要件です。憲法又は政府を暴力で破壊することを主張する団体の結成・加入が欠格事由とされます。
Q8自衛官 失職 退職金 出る?
国家公務員退職手当法12条により、拘禁刑以上の刑による失職の場合は退職手当の全部又は一部が支給されない可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行猶予付きの判決だったら、自衛隊に残れますか?
残れない。執行猶予中の人は「執行を受けることがなくなるまでの者」に当たるため、判決確定と同時に38条2項により当然失職する。猶予期間を満了すれば刑の言渡しは効力を失い(刑法27条)、再び応募できる。実務のポイント:失職は処分ではなく法律上当然に生じる効果であり、後から争う手段はほとんどない。勝負は起訴前の示談で罰金の見込みを作れるかどうかで決まる
Q2昔の前科があっても自衛官に応募できますか?
拘禁刑の執行が終わっているか、執行猶予期間を無事に満了していれば、38条1項1号の欠格には当たらない。罰金刑しか受けていない場合も対象外である。実務のポイント:欠格に当たらないことと、選考で不利にならないことは別の問題である。応募書類での虚偽申告が採用後に発覚すると、それ自体が懲戒(46条)の理由になりうる。事実を正直に申告し、更生の経過を説明するほうが安全である
Q3失職したら退職金はもらえないんですか?
国家公務員退職手当法12条により、拘禁刑以上の刑による失職などの場合、退職手当の全部または一部を支給しない処分がありうる(最新の改正状況をご確認ください)。全額不支給が必ず決まるわけではなく、事情が考慮される。実務のポイント:失職に気づかないまま勤務を続けていた職員について、失職の効果を否定しなかった最高裁判例(昭和61年)がある。判決の確定を職場に伝えずにいても、身分が守られることはない
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行猶予が付けば仕事は続けられる」と思われがちだが、38条1項1号の欠格は「執行を受けることがなくなるまで」続く。執行猶予中の人はまだその状態に達していないため、判決確定の時点で2項により当然失職する
- 罰金なら欠格に当たらないことは知っていても、それで安全だと考えるのは早い。罰金は38条の対象外だが、同じ行為を理由に自衛隊法46条の懲戒免職を受ける可能性は別に残る。免職になれば、今度は1項2号により2年間は再び隊員になれない。刑事手続と懲戒は別々に進む
- 「逮捕されたら即クビなのか」という問い自体が出発点として誤っている。38条が失職の引き金にしているのは逮捕でも起訴でもなく、拘禁刑の判決が確定することである。確定までの時間は、示談や情状立証で結論を変えるための猶予期間と考えるべきだ
- 3号について、あなたから見れば思想で人を選別する条文に見える。しかし法律が問題にしているのは内心ではなく、「暴力で破壊することを主張する」団体を結成したこと、またはそれに加入したことという外形的な行為である。ただし、どの団体がこれに当たるかを判断する明確な基準は条文にない。実務上、解釈が分かれうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 身分を失う仕組み | 38条2項:欠格該当で法律上当然に失職(処分不要) | 42条:法定事由がある場合に限り意に反する免職が可能 46条:懲戒処分としての免職(処分が必要) |
| 引き金となる事実 | 拘禁刑以上の判決確定、又は暴力的破壊を主張する団体の結成・加入 | 勤務実績不良、心身の故障、適格性欠如、定員の改廃など 職務上の義務違反、隊員にふさわしくない非行など |
| 罰金刑の場合 | 対象外(失職しない) | 直接の事由にはならない 同じ行為を理由に懲戒免職となる可能性あり |
| その後の再任用 | 刑の執行終了又は執行猶予期間満了で欠格解消 | 欠格事由にはならない 懲戒免職の日から2年間は38条1項2号で欠格 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も刑事判決の確定を軍人・公務員の身分喪失や任用制限の事由とする。条文単位の要件は個別確認が必要
韓国は軍人事法に欠格事由を列挙し、禁錮以上の刑の執行猶予中の者なども対象とする構造で、日本と類似する
ドイツは職業軍人が一定の刑事有罪判決を受けた場合に法律上当然に地位を失う仕組みを採る
米国は重罪で有罪となった者の入隊を原則禁止しつつ、軍の長官による例外承認(waiver)の余地を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 判決が言い渡されたら何が起きるのか。休日に運転中、歩行者をはねて過失運転致傷罪で起訴された陸曹が、「拘禁刑1年、執行猶予3年」の判決を受けた。控訴しなければ14日後に判決が確定し、その日に当然失職する。部隊からの通知は、あくまで失職したという事実を確認するものにすぎない
- あなたは元警察官で、1年半前に懲戒免職になった。心機一転、自衛官候補生に応募しようとしている。38条1項2号の「法令の規定による懲戒免職」は自衛隊の懲戒だけを指すのではない。国家公務員法や地方公務員法による免職も含まれる。免職の日から2年たつまで、応募しても採用されない
- 飲み会の帰りに酒気帯び運転で検挙された。略式命令で罰金なら、38条の欠格には当たらない
- あなたは部隊の人事担当で、部下が執行猶予付き判決を受けたことを確定から3か月後に知った。その間も給与は支払われ、本人は勤務を続けていた。失職の効果は確定日にさかのぼって生じているため、給与の返還や退職手当の扱いといった後処理が一気に押し寄せる
- 20代前半に窃盗で執行猶予付き判決を受けた人が、猶予期間が満了した翌月に自衛官採用の説明会へ来た。刑法27条により、猶予期間を無事に満了すると刑の言渡しは効力を失う。したがって38条の欠格には当たらず、制度上は応募できる
取るべき行動
被害を受けた側:ここでいう被害者は、失職の危機にある隊員本人と家族を指す。1. 逮捕・送致の段階で刑事弁護人をつけ、「拘禁刑を避けること」を弁護方針として明確に伝える2. 起訴される前に被害者との示談を最優先で進め、示談書に宥恕文言を入れてもらう3. 部隊への報告義務とその範囲を確認し、報告の文面を弁護人と一緒に検討する4. 失職した場合に備えて、退職手当の扱いと再就職の準備を並行して進める
訴えられた側:ここでは失職を判断する側、または失職の効力を争いたい側の視点で整理する。1. 失職の効果は判決の確定日に生じる。そのため確定日を記録で特定し、給与や退職手当の精算の基準日を確定させる2. 刑の種類が拘禁刑以上か罰金かを判決謄本で確認する3. 「防衛省令で定める場合」という例外に当たる余地がないか、自衛隊法施行規則を確認する4. 3号の団体に当たるかどうかが争点になる場合は、団体が暴力による破壊を主張しているかを事実で立証できるか検証する
時効(請求できる期限):判決言渡しから14日で控訴期間が満了し(刑事訴訟法373条)、その時点で判決が確定して当然失職する。2号の欠格期間は、懲戒免職処分の日から2年。1号の欠格は、実刑なら執行が終わるまで、執行猶予なら猶予期間が満了するまで続く(刑法27条)
学説
通説:当然失職は行政処分ではなく法律上当然に生じる効果であり、任命権者の認識の有無にかかわらず、欠格事由が生じた時点、すなわち判決確定日に身分喪失の効果が生じる
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年) 成年被後見人等の権利制限を見直す一括整備法により、成年被後見人・被保佐人を欠格者とする号が削除されたとみられる(要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴う関係法律の整理により、1号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改正された
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法の制定により、隊員の欠格事由と当然失職を定める規定として設けられた
- 2.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法改正に伴う関係法律の整理により、第1項第1号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められた
- 自衛隊法 第2条欠格の対象となる「隊員」の定義
- 自衛隊法 第42条意に反する免職の制限、失職との区別
- 自衛隊法 第46条懲戒免職、2号欠格の発生原因
- 国家公務員法 第38条一般職公務員の同型欠格条項
- 国家公務員退職手当法 第12条刑による失職時の退職手当支給制限
- 刑法 第27条猶予期間満了で刑の言渡しが失効し欠格解消
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