自衛隊法 第85条(防衛大臣と国家公安委員会との相互の連絡)
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内閣総理大臣は、第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定による出動命令を発するに際しては、防衛大臣と国家公安委員会との相互の間に緊密な連絡を保たせるものとする。
この条文の基本情報
防衛大臣と国家公安委員会との相互の連絡とは何ですか?
定義防衛大臣と国家公安委員会との相互の連絡とは、自衛隊法第85条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定による出動命令を発するに際しては、防衛大臣と国家公安委員会との相互の間に緊密な連絡を保たせるものとする…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第85条(防衛大臣と国家公安委員会との相互の連絡)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第85条の条文原文は「内閣総理大臣は、第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定による出動命令を発するに際しては、防衛大臣と国家公安委員会との相互の間に緊密な連絡を保たせるものとする…」で始まります。
- 自衛隊法第85条は第六章 自衛隊の行動に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第85条の前の条は自衛隊法第84条の5です。
- 自衛隊法第85条の次の条は自衛隊法第86条です。
- 自衛隊法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法85条は、内閣総理大臣が治安出動(78条1項・81条2項)を命じる際、防衛大臣と国家公安委員会に緊密な連絡を保たせることを定める。
Q · 治安出動が命じられたら、自衛隊が警察を指揮するの?
いいえ。連絡を保つだけで、指揮系統は別々のままです
自衛隊法85条は、総理が78条1項または81条2項の治安出動を命じる際、防衛大臣と国家公安委員会に緊密な連絡を保たせると定めるにとどまります。自衛隊を警察の上に置く規定ではありません。警察は公安委員会の管理の下で職務を続け、自衛隊は防衛大臣の指揮の下で動きます。国内治安の主役は警察で、自衛隊は警察力で対応できない場合の補完という位置付けです。
解説
自衛隊は1954年の発足以来、治安出動を一度も命じられていない。それでも85条は削除されずに残っている。本条が定めるのは、内閣総理大臣が治安出動を命じる二つの場面で守るべき手順である。一つは78条1項の「命令による治安出動」(間接侵略などで一般の警察力では治安を維持できないと判断した場合)、もう一つは81条2項の「要請による治安出動」(都道府県知事から要請を受けた場合)。どちらでも、総理は防衛大臣と国家公安委員会(警察を管理する合議制の機関)に緊密な連絡を保たせなければならない。狙いは、銃を持つ二つの組織が同じ街で別々に動く事態を防ぐことにある。国内の治安は第一に警察が担い、自衛隊はあくまで補完に回る。この順番を崩さないために、出動を命じるのと同時に両者の連絡系統を作らせている。デモ、暴動、テロのニュースで「自衛隊を出せ」という声が上がったら、まず確かめるべき点がある。その事態は本当に警察の手に負えないのか。そして誰と誰の連絡の上で動くのか。
法的な位置づけ
自衛隊法85条は、治安出動における連絡体制を定める規定であり、内閣総理大臣が78条1項の命令による治安出動または81条2項の要請による治安出動の命令を発する際、防衛大臣と国家公安委員会との相互間に緊密な連絡を保たせることを求める。自衛隊と警察の指揮系統を統合せず、並立させたまま連携させる点に特徴がある。
よくある質問 AI による整理
Q1治安出動とは何ですか?
一般の警察力では治安を維持できない場合に、内閣総理大臣が自衛隊の部隊に出動を命じる制度です。自衛隊法78条(命令による出動)と81条(要請による出動)が根拠です。
Q2自衛隊の治安出動は過去にありますか?
1954年の自衛隊発足以来、治安出動が命じられた例はありません。1960年の安保闘争の際に検討されたものの、発令には至りませんでした。
Q3治安出動の命令は誰が出す?
内閣総理大臣です。78条1項の命令による出動も、81条2項の知事の要請に基づく出動も、命令権者は総理です。発令時には85条の連絡体制も整えさせます。
Q4治安出動に国会の承認は必要?
78条1項の命令による治安出動では、出動を命じた日から20日以内に国会に付議して承認を求める必要があります(78条2項)。要請による出動は別の扱いです。
Q5国家公安委員会とは何ですか?
警察庁を管理する内閣府の合議制機関です。委員長は国務大臣ですが、警察の政治的中立性を確保するため、委員会という形で政治と警察の間に距離を置いています。
Q6治安出動で自衛隊は武器を使える?
治安出動時の自衛官の権限は89条で警察官職務執行法を準用し、90条で武器使用の要件を定めています。発想は軍事行動ではなく警察権限の延長です。
Q7治安出動待機命令とは?
事態が緊迫し78条1項の治安出動が予測される場合に、出動に備えて部隊を待機させる命令です。自衛隊法79条が根拠で、出動命令とは別段階の措置です。
Q8自衛隊法85条は何を定めている?
治安出動命令を発する際、総理が防衛大臣と国家公安委員会の間に緊密な連絡を保たせることを定めます。自衛隊と警察が別々に動く事態を防ぐための規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1治安出動って、防衛出動とかと何が違うんですか?
防衛出動(自衛隊法76条)は外国からの武力攻撃に対処するための出動である。治安出動(78条・81条)は国内の治安維持が目的で、警察だけでは対応できない場合に限って命じられる。だから85条は、総理に国家公安委員会との連絡を保たせる。実務のポイント:治安出動時の自衛官の権限は、89条で警察官職務執行法を準用する形になっている。発想の土台は軍事ではなく警察である
Q2知事が自衛隊を呼んだら、すぐ来てくれるんですか?
81条1項の要請があっても、総理が「事態やむを得ない」と認めた場合にしか出動は命じられない(81条2項)。命じるときは85条の連絡体制を整えさせる必要がある。実務のポイント:知事の要請は、災害派遣(83条)と治安出動(81条)では根拠も性質もまったく違う。災害時の感覚で「呼べば来る」と考えている自治体関係者は少なくないが、治安出動は総理の政治判断をはさむ別のルートである
間違えやすい点 AI による整理
- 治安出動が命じられると自衛隊が警察を指揮下に置く、と思われがちだが、条文はそう書いていない。85条が求めるのは防衛大臣と国家公安委員会の「相互の連絡」であり、指揮命令の一本化ではない。警察は国家公安委員会と都道府県公安委員会の管理の下で職務を続け、自衛隊は防衛大臣の指揮の下で動く。二つの系統は並んだまま連携する
- 「一度も発動されていない条文なのだから意味はない」と考えるのは、問いの立て方がずれている。1960年の安保闘争のとき、当時の赤城宗徳防衛庁長官が治安出動に慎重な立場を取ったことはよく知られている。発動されなかったこと自体が、警察を先に立て自衛隊を後に控えさせる制度設計が働いた結果だと読むこともできる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の対象 | 自衛隊法85条:治安出動命令発令時の防衛大臣と国家公安委員会の連絡 | 自衛隊法78条:命令による治安出動の要件と国会承認 自衛隊法86条:出動部隊と関係機関の相互連絡・協力 |
| 義務の主体 | 内閣総理大臣(連絡を保たせる) | 内閣総理大臣(出動を命じる) 出動を命ぜられた自衛隊の部隊 |
| 連携のレベル | 中央レベル(防衛大臣と国家公安委員会) | 連携規定ではなく出動の発動要件 現場レベル(知事・市町村長・警察消防機関など) |
| 出動の起点 | 78条1項・81条2項いずれの命令にも適用 | 総理の判断(間接侵略その他の緊急事態) 治安出動のほか防衛出動などにも及ぶ |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾には治安出動に直接対応する制度はなく、軍の国内投入は戒厳や災害支援の文脈で規律される
韓国では衛戍令が2018年に廃止され、軍の治安投入は戒厳法の枠組みに集約されている
ドイツは警察力が不足する場合に限り連邦軍の国内投入を認め、警察優先の発想は日本と共通する
フランスは国内防衛目的の軍の行動に文民当局の適法な要請(réquisition)を要求する
米国は原則として軍の国内法執行を禁じ、反乱鎮圧法による例外的な大統領権限を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大都市で同時多発テロが起き、SNSに「なぜ自衛隊を出さないのか」という投稿があふれた。もし治安出動が命じられたら、現場の指揮はどうなるのか? 自衛隊が警察を指揮下に置くわけではない。85条が総理に求めるのは防衛大臣と国家公安委員会の連絡であり、両組織はそれぞれの指揮系統を保ったまま連携して動く
- 県庁の危機管理課に勤めるあなたのもとに、知事が81条1項に基づいて治安出動を要請するかもしれないという連絡が入った。残された時間は数時間しかない。要請書の文案を作る前に、県警本部が警察庁を通じて国家公安委員会と情報を共有できているかを確かめる必要がある。総理が出動を命じた瞬間、85条の連絡体制が動き出すからだ
学説
通説的理解:治安出動は警察力の補完であり、国内治安の第一次的責任は警察にあるとされる。85条はこの警察優先の原則を、発令時の連絡体制という手続面で担保する規定と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)公布、平成19年(2007年)施行 防衛庁の省移行に伴い、連絡の主体が防衛庁長官から防衛大臣へ改められたとみられる。文言と改正経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法制定(昭和29年法律第165号)により、治安出動の規定群の一部として設けられた
- 2.平成18年(2006年) 改正:防衛庁の防衛省移行に伴う法改正で、連絡の主体が防衛庁長官から防衛大臣に改められたとみられる。本条の具体的文言変更は要検証
- 自衛隊法 第78条命令による治安出動の根拠
- 自衛隊法 第81条知事要請による治安出動
- 自衛隊法 第86条出動部隊と関係機関の連絡協力
- 自衛隊法 第89条治安出動時の警職法準用
- 自衛隊法 第79条治安出動待機命令
- 警察法 第5条国家公安委員会の任務と所掌
- 警察法 第71条緊急事態の布告と警察統制
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