自衛隊法 第92条(防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限)
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- 第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定により出動を命ぜられた自衛隊は、第八十八条の規定により武力を行使するほか、必要に応じ、公共の秩序を維持するため行動することができる。
- 2.警察官職務執行法(第六条の二を除く。)及び第九十条第一項の規定は第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官が前項の規定により公共の秩序の維持のため行う職務の執行について、同法第六条の二第二項から第十一項までの規定は当該自衛官のうちこの項において準用する同条第二項の規定による処置を適正にとるために必要な能力を有する部隊等として防衛大臣が指定する部隊等に属するものが前項の規定により公共の秩序の維持のため行う職務の執行について、海上保安庁法第十六条、第十七条第一項及び第十八条の規定は第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた海上自衛隊の三等海曹以上の自衛官が前項の規定により公共の秩序の維持のため行う職務の執行について、同法第二十条第二項の規定は第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた海上自衛隊の自衛官が前項の規定により公共の秩序の維持のため行う職務の執行について、それぞれ準用する。この場合において、警察官職務執行法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは「防衛大臣の指定する者」と、同法第六条の二第三項中「処置は、警察庁の警察官であるサイバー危害防止措置執行官に限り、とることができるものとする。この場合において、当該」とあるのは「処置をとる」と、「警察庁長官」とあるのは「防衛大臣」と、同条第四項中「あらかじめ」とあるのは「あらかじめ、防衛大臣を通じて」と、同条第八項中「国家公安委員会規則」とあるのは「防衛省令」と、「その旨を」とあるのは「その旨を部隊等の長を通じて」と、同条第九項中「サイバー通信情報監理委員会に」とあるのは「防衛大臣を通じてサイバー通信情報監理委員会に」と、同条第十項中「当該通知を行つたサイバー危害防止措置執行官が所属する警察庁又は都道府県警察の警察庁長官又は警視総監若しくは道府県警察本部長(次項において「警察庁長官等」という。)」とあり、及び同条第十一項中「警察庁長官等(第三項に規定する場合にあつては、警察庁長官)」とあるのは「防衛大臣」と、海上保安庁法第二十条第二項中「前項において準用する警察官職務執行法第七条」とあるのは「自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第九十二条第二項において準用する警察官職務執行法第七条及び自衛隊法第九十条第一項」と、「第十七条第一項」とあるのは「同法第九十二条第二項において準用する第十七条第一項」と、「海上保安庁長官」とあるのは「防衛大臣」と読み替えるものとする。
- 3.第八十九条第二項の規定は、前項において準用する警察官職務執行法第七条又はこの法律第九十条第一項の規定により自衛官が武器を使用する場合及び前項において準用する海上保安庁法第二十条第二項の規定により海上自衛隊の自衛官が武器を使用する場合について準用する。
- 4.第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官のうち、第一項の規定により公共の秩序の維持のため行う職務に従事する者は、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十四条の五及びこれに基づく命令の定めるところにより、同条に規定する措置をとることができる。
この条文の基本情報
防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限とは何ですか?
定義防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限とは、自衛隊法第92条に定められた規定で、「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第92条(防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第92条の条文原文は「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。」で始まります。
- 自衛隊法第92条は第七章 自衛隊の権限に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第92条の前の条は自衛隊法第91条の3です。
- 自衛隊法第92条の次の条は自衛隊法第92条の2です。
- 自衛隊法第92条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第92条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第92条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/92
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法92条は、防衛出動した自衛隊が武力行使とは別に国内の公共の秩序を維持できると定める。権限は警察官職務執行法の準用で、必要最小限度に限られる。
Q · 有事になったら、自衛隊は国内で市民に命令できるの?
できるが、警察と同じ基準で必要最小限度に限られる
自衛隊法92条により、日本が武力攻撃を受けるなどして防衛出動(76条1項1号)が命じられた場合、自衛隊は武力行使(88条)とは別に、必要に応じ国内の公共の秩序を維持する行動ができます。その際の権限は警察官職務執行法の準用で、避難措置・犯罪の制止・立入り・武器使用などが必要最小限度に限られます。武器使用には原則として部隊指揮官の命令が必要で、存立危機事態(76条1項2号)の出動には本条は適用されません。
解説
戦車と戦闘機の話だと思われがちな防衛出動に、実は交通整理と避難誘導の条文が組み込まれている。日本が武力攻撃を受け、自衛隊に防衛出動(76条1項1号)が命じられたとき、自衛隊の権限は二本立てになる。敵に向ける武力の行使(88条)と、国内の街で公共の秩序を守る行動(本条)である。後者の中身は、ほぼそのまま警察官職務執行法から借りてきたものだ。危険な場所からの避難命令や引き留め、犯罪の制止、危害が差し迫ったときの立入り、武器の使用。これらは警察と同じ「必要な最小限度」(警職法1条2項)の枠に縛られる。しかも国内で武器を使うには、正当防衛や緊急避難の場合を除き、部隊指揮官の命令が必要である(89条2項の準用)。有事の路上で自衛官に止められたとき、それが白紙委任ではなく、警察と同じ物差しで測られる措置だと知っていれば、あなたは指示に従いながら記録を残す冷静さを保てる
法的な位置づけ
自衛隊法第92条は、防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限を定める規定である。76条1項1号により出動を命ぜられた自衛隊について、88条の武力行使とは別に国内の秩序維持行動を認め、その職務執行に警察官職務執行法、自衛隊法90条1項および海上保安庁法の一部を準用し、武器使用には原則として部隊指揮官の命令を要件とする。
よくある質問 AI による整理
Q1自衛隊法92条とは?
防衛出動した自衛隊が、敵への武力行使とは別に、国内で公共の秩序を維持するため行動できると定めた条文です。権限は警察官職務執行法の準用が中心です。
Q2防衛出動とは何ですか?
日本への武力攻撃が発生した場合などに、内閣総理大臣が自衛隊の全部または一部に出動を命じるものです(自衛隊法76条)。原則として国会の承認が必要です。
Q3有事に自衛隊の避難指示に従わないとどうなる?
警職法4条準用の避難措置は、必要な限度で強制を伴い得ます。職務を暴行や脅迫で妨害すれば、公務執行妨害罪(刑法95条)が問題になります。
Q4有事に自衛隊は交通規制できる?
本条4項により、秩序維持に従事する自衛官は道路交通法114条の5とこれに基づく命令の定める措置をとれます。具体的な内容は同条と関係命令で確認が必要です。
Q5有事に自衛隊の立入りは拒否できる?
危害が切迫しやむを得ない場合は、警職法6条の準用で必要な限度の立入りが認められます。その要件を欠く立入りは本条の根拠を欠きます。
Q6自衛隊の措置で損害を受けたら賠償される?
違法な公権力の行使による損害は、国家賠償法1条により国が賠償責任を負います。請求の相手は自衛官個人ではなく国です。
Q7海上自衛隊は漁船を止められる?
防衛出動中の三等海曹以上の海上自衛官は、海上保安庁法17条1項の準用により、船舶の停船、書類提出の要求、立入検査、質問ができます。
Q8自衛隊法92条はいつから適用される?
76条1項1号に基づく防衛出動が命じられた時点から、出動中の自衛隊に適用されます。平時の活動や災害派遣には適用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1有事に自衛官から職務質問されたら、答えなきゃいけないの?
本条2項は警察官職務執行法を準用するので、同法2条の職務質問も含まれる。ただし同条3項により、刑事訴訟法によらない限り身柄を拘束されたり、答弁を強要されたりすることはない。あくまで任意である。実務のポイント:警務官などを除けば、自衛官は一般に司法警察職員ではないため、本条を根拠に取調べや令状による逮捕はできない。ただし現行犯逮捕は誰でもできる(刑事訴訟法213条)ので、目の前で罪を犯せば話は別である
Q2自衛隊が国民に向けて発砲することって、法律上あり得るの?
あり得るが、要件は厳しい。本条の秩序維持で武器を使えるのは、警職法7条の場面と、90条1項が挙げる場面(警護対象への侵害、多衆による暴行・脅迫、小銃などで武装した者の暴行など)に限られる。そのうえで原則として部隊指揮官の命令が必要である(89条2項の準用)。実務のポイント:88条の武力行使は国際法上の戦闘の論理で動くが、国内の人に向ける武器は警察比例の原則で測られる。有事報道では二つが混同されやすい
Q3存立危機事態で防衛出動が出たときも、自衛隊は街で同じことができるの?
できない。本条1項は「第七十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)」と明記しており、日本が武力攻撃を受けた、またはその明白な危険が切迫した事態に限られる。実務のポイント:政府がどの事態を認定したか(武力攻撃事態か存立危機事態か)で、街の自衛官の権限はまったく変わる。有事の報道では、まず事態認定の種類を確認するのが読み解きの第一歩である
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事になれば自衛隊は国内で何でもできる」と思われているが、実際に本条が渡すのは警察官職務執行法の道具箱であり、その道具箱には「必要な最小限度」という蓋が付いている。国内で武器を使うにも原則として部隊指揮官の命令が必要で、戦時だから市民への実力行使の上限が外れる、という設計にはなっていない
- 「有事の治安は警察と自衛隊のどちらが担うのか」という問いそのものが少しずれている。本条は自衛隊が「必要に応じ」秩序維持のため行動できるとするだけで、警察の権限を取り上げてはいない。両者は並んで動き、警職法4条2項の報告先が「公安委員会」から「防衛大臣の指定する者」に読み替えられることで、指揮と報告の系統が分けられている
- 市民から見れば、敵への射撃も暴徒への射撃も同じ「自衛隊が撃った」に見える。だが法律上はまったく別物である。88条の武力行使は対外的な自衛権の行使だが、国内の人に向ける武器使用は警職法7条と90条1項の基準で判断され、人に危害を与えてよい場面は正当防衛・緊急避難などに厳しく限られる。この違いを知らないと、有事報道を正しく読むことができない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の前提 | 92条:76条1項1号の防衛出動(日本への武力攻撃等)に限る | 88条:76条1項の防衛出動(1号・2号とも) 78条・89条:間接侵略等による命令による治安出動 |
| 向ける相手 | 国内の群衆・車両・船舶など(秩序維持) | 外部からの武力攻撃(対外的な武力行使) 国内の治安を乱す勢力(平時の秩序維持) |
| 基準となるルール | 警察官職務執行法・90条1項・海上保安庁法の準用(警察比例) | 国際の法規と慣例、事態に応じ合理的に必要な限度(88条2項) 警察官職務執行法等の準用(89条1項) |
| 武器使用の関門 | 原則として部隊指揮官の命令(89条2項を3項で準用) | 武力行使そのものとして別の枠組みで判断 原則として部隊指揮官の命令(89条2項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は戒厳宣告により接戦地域の行政・司法事務が最高司令官に移る構造で、警察法の準用で権限を絞る日本の設計とは発想が逆である。
韓国も非常戒厳下で戒厳司令官が行政・司法事務を管掌し、令状主義等に特別措置が可能。日本より軍の権限が包括的である。
ドイツは防衛事態・緊張事態に連邦軍が民間施設の保護と交通規制を担えると憲法で限定列挙し、警察任務の支援に位置づける点で日本と近い。
米国は連邦軍の国内法執行を原則禁止し、反乱鎮圧法による例外で大統領が動員する構造。事態限定と権限限定の組み合わせは日本と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 武力攻撃事態で避難している途中、自衛官に「この先は通れない、引き返せ」と止められたら、従う義務はあるのか? 本条2項で準用される警職法4条は、危険な事態で必要な限度の避難や引き留めの措置を認めている。無理に押し通って職務を暴力で妨げれば、公務執行妨害(刑法95条)が問題になりうる
- あなたは防衛出動中の陸上自衛官。警戒中に、無人の商店へ押し入ろうとする集団を見つけた。とっさに小銃を構えたくなるが、正当防衛・緊急避難に当たる場合を除き、部隊指揮官の命令なしに武器は使えない(本条3項による89条2項の準用)。独断の一発は、あなた個人の刑事責任に跳ね返る
- 友人が「有事になったら自衛隊が勝手に家に入ってくるんだろう」と言う。立入りは警職法6条の準用で、危害が切迫しやむを得ない場合の必要な限度に限られる。白紙の入場券ではない
- 防衛出動の発令から数時間。沖合で操業中のあなたの漁船に、護衛艦から停船の指示が来た。三等海曹以上の海上自衛官は、海上保安庁法17条1項の準用で書類の提出要求、立入検査、質問ができる。燃料が残り少ない中で逃げ切ろうとするより、応じて短時間で解放される方が確実に港へ帰れる。なお危害射撃を認める同法20条2項の準用は、外国船舶と思われるなど厳しい要件付きである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 避難、引き留め、立入りの指示には、まず従い身体の安全を優先する2. 可能な範囲で日時、場所、部隊名や車両番号、指示内容をメモや写真で記録する3. 負傷や財産の損害が必要な限度を超えた措置によるものなら、自衛官個人ではなく国を相手に国家賠償法1条で請求する4. 事態が落ち着いたら弁護士会の法律相談を利用し、証拠を整理する
訴えられた側:自衛官として措置の適法性を問われた場合:危険の切迫と必要最小限度を満たしていたか、武器使用なら指揮官命令の有無と刑法36条・37条該当性を記録で示す。公務中の行為は国が賠償責任を負い、個人は原則として直接責任を負わない(最判昭和30.4.19)が、刑事責任は別に問われうる。市民として公務執行妨害を疑われた場合は、黙秘権を行使し速やかに弁護人を呼ぶ
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。措置による損害の国家賠償請求には国家賠償法4条により民法が適用され、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)、不法行為の時から20年。処分性のある措置を取消訴訟で争う場合は、処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)
学説
通説(警察比例型の理解):本条は防衛出動中の自衛隊に新たな戦時権限を与えるものではなく、警察官職務執行法等の準用を通じて警察と同じ比例原則の枠内で秩序維持を行わせる規定と理解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成27年(2015年)平和安全法制整備 76条1項が号に分けられ存立危機事態(2号)が加わったことに伴い、本条の対象を「第一号に係る部分に限る」と改正したとみられる。改正の範囲と他の改正履歴は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:自衛隊法の制定とともに、防衛出動時の公共の秩序の維持のための権限として規定された。
- 2.平成27年(2015年) 改正:平和安全法制により76条1項に存立危機事態(2号)が加わったことに伴い、本条の対象を「第一号に係る部分に限る」とする整理がなされた。改正の詳細範囲は要検証。
- 自衛隊法 第76条防衛出動命令、1号事態に限定する前提
- 自衛隊法 第88条対外的な武力行使、本条と並ぶ権限
- 自衛隊法 第89条2項の指揮官命令要件を本条3項が準用
- 自衛隊法 第90条治安出動時の武器使用事由を準用
- 自衛隊法 第78条命令による治安出動、平時の秩序維持
- 警察官職務執行法 第7条武器使用の基準、本条2項で準用
- 海上保安庁法 第20条2項の停船射撃を海上自衛官に準用
- 道路交通法 第114条の5秩序維持中の自衛官がとれる交通措置(現行効力を要確認)
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