自衛隊法 第92条の3(国民保護等派遣時の権限)
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- 警察官職務執行法第四条、第五条並びに第六条第一項、第三項及び第四項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは、「防衛大臣の指定する者」と読み替えるものとする。
- 2.警察官職務執行法第七条の規定は、警察官又は海上保安官若しくは海上保安官補がその場にいない場合に限り、第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。
- 3.第八十九条第二項の規定は、前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により自衛官が武器を使用する場合について準用する。
- 4.海上保安庁法第十六条の規定は、第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた海上自衛隊の三等海曹以上の自衛官の職務の執行について、同法第十八条の規定は、海上保安官がその場にいない場合に限り、第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた海上自衛隊の三等海曹以上の自衛官の職務の執行について準用する。
- 5.第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、第一項において準用する警察官職務執行法第五条若しくは第二項において準用する同法第七条に規定する措置をとつたとき、又は前項において準用する海上保安庁法第十八条に規定する措置をとつたときは、直ちに、その旨を警察官又は海上保安官に通知しなければならない。
この条文の基本情報
国民保護等派遣時の権限とは何ですか?
定義国民保護等派遣時の権限とは、自衛隊法第92条の3に定められた規定で、「警察官職務執行法第四条、第五条並びに第六条第一項、第三項及び第四項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた部隊等の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第92条の3(国民保護等派遣時の権限)は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第92条の3の条文原文は「警察官職務執行法第四条、第五条並びに第六条第一項、第三項及び第四項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、第七十七条の四の規定により派遣を命ぜられた部隊等の…」で始まります。
- 自衛隊法第92条の3は第七章 自衛隊の権限に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第92条の3の前の条は自衛隊法第92条の2です。
- 自衛隊法第92条の3の次の条は自衛隊法第92条の4です。
- 自衛隊法第92条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第92条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第92条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/92_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法92条の3は、国民保護等派遣の自衛官に警察官職務執行法の一部を準用する規定。避難措置や立入りは警察官不在時に限られ、職務質問は含まれない。
Q · 国民保護等派遣で来た自衛官は、市民に対してどこまで権限を持っているの?
警察官がいない場面で、列挙された警察権限だけ使える
自衛隊法92条の3により、国民保護等派遣の自衛官は、警察官がその場にいない場合に限り、避難等の措置(警職法4条)、犯罪の予防・制止(同5条)、危険時の立入り(同6条1・3・4項)を行えます。武器使用(同7条)は警察官と海上保安官の双方が不在の場合に限られ、正当防衛・緊急避難を除き部隊指揮官の命令が必要です。職務質問(同2条)と保護(同3条)は準用されていません。
解説
ミサイル着弾後の街で避難誘導に立つ迷彩服の自衛官が、あなたを引き留め、あなたの家に踏み込み、最悪の場合は武器を使う。その根拠は自衛隊だけの特別な権限ではない。警察官の行動ルールを定めた警察官職務執行法を借りているにすぎない。国民保護等派遣(自衛隊法77条の4)で出動した自衛官は、警察官がその場にいない場合に限り、避難等の措置(警職法4条)、犯罪の予防と制止(同5条)、危険が迫ったときの立入り(同6条)を行える。武器の使用(同7条)は、警察官に加えて海上保安官もいない場合に限られ、原則として部隊指揮官の命令が必要である。一方で、職務質問(同2条)と保護(同3条)は準用されていない。措置をとったら、直ちに警察官または海上保安官へ通知する義務もある。自衛官の権限は警察の不在を埋める代役として組まれており、警察官が到着した時点で主役は交代する。この仕組みを知っていれば、有事の現場で何に従う義務があり、何には根拠がないのかを見分けられる
法的な位置づけ
自衛隊法92条の3は、同法77条の4に基づき国民保護等派遣を命ぜられた部隊等の自衛官について、警察官職務執行法4条・5条・6条1項3項4項・7条および海上保安庁法16条・18条を、警察官または海上保安官が現場にいない場合等に限って準用し、措置後の通知義務を課す規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1国民保護等派遣とは何ですか?
武力攻撃事態や緊急対処事態で、都道府県知事等の要請を受けて防衛大臣が部隊を派遣し、住民の避難や救援を支援する仕組みです(自衛隊法77条の4)。
Q2自衛隊法92条の3で自衛官ができることは?
警察官不在時の避難等の措置、犯罪の予防と制止、危険時の立入りです。武器使用は警察官・海上保安官双方の不在が条件で、原則として指揮官の命令が必要です。
Q3国民保護等派遣の自衛官はいつ武器を使える?
警察官と海上保安官がその場にいない場合に、警職法7条の要件を満たすときです。正当防衛・緊急避難を除き、部隊指揮官の命令が必要です(本条3項、89条2項)。
Q4災害派遣と国民保護等派遣の権限の違いは?
災害派遣は自衛隊法94条が規律し、国民保護等派遣は本条が規律します。本条は犯罪の予防・制止(警職法5条)や武器使用(同7条)まで準用する点が主な違いです。
Q5海上自衛隊は漁船に停船を命じられる?
国民保護等派遣の三等海曹以上の海上自衛官は、海上保安官がその場にいない場合に限り、海上保安庁法18条の停船や出港差止め等の措置を準用して行えます。
Q6警察官がいるのに自衛官が警察権限を使うのは違法?
本条1項の措置は「警察官がその場にいない場合に限り」準用されます。警察官が現場にいれば、自衛官は本条を根拠とする措置をとれず、警察の判断が優先します。
Q7自衛官の通知義務とは何ですか?
犯罪の制止、武器使用、海上での停船等の措置をとった自衛官は、直ちに警察官または海上保安官にその旨を通知しなければならない義務です(本条5項)。
Q8緊急対処事態でも自衛隊は派遣される?
はい。大規模テロ等の緊急対処事態でも、自衛隊法77条の4により国民保護等派遣が命じられ得ます。その際の自衛官の権限も本条が定めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1有事に自衛官から避難しろって言われたら、絶対に従わなきゃいけないんですか?
警察官がいない場面では、自衛官は警職法4条の準用により、危険な人を引き留めたり避難させたりできる(本条1項)。急を要する場合は強制的な措置も可能で、暴行や脅迫で抵抗すれば公務執行妨害罪(刑法95条)になる。実務のポイント:その場に警察官がいる場合、この準用の前提が崩れる。現場に警察と自衛官がいれば、警察の指示が法的には本筋である
Q2自衛官に「身分証を見せて、どこに行くの」と聞かれたら答える必要ありますか?
本条が準用するのは警職法4条、5条、6条1・3・4項、7条で、職務質問の2条は入っていない。国民保護等派遣の自衛官が本条を根拠に職務質問をする権限は、条文上見当たらない。実務のポイント:逆に、自衛官が立ち入ってきた場合は、あなたの側から身分証の提示を求められる(警職法6条4項の準用)。確認の権利は市民の側にある
Q3自衛隊に家や店を壊されたら、誰に賠償を請求すればいいんですか?
違法な職務執行による損害なら、請求先は自衛官個人ではなく国である(国家賠償法1条)。適法な措置による損失については、国民保護法などの補償規定が使えるかを個別に確認する必要がある(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:勝敗を分けるのは部隊の特定である。自衛官には本条5項で警察への通知義務があるので、通知記録を手掛かりにすれば、どの部隊がいつ何をしたかをたどれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「有事になれば自衛隊は何でもできる」と思われがちだが、国民保護等派遣での治安上の権限は、警職法と海上保安庁法から列挙された条項に限られる。しかも大半は、警察官または海上保安官がその場にいないことが条件である。権限の範囲は、有事の程度ではなく準用リストの文言で決まる
- 自衛官が武器を使えることは知られているが、人に危害を与えてよい場面の狭さはあまり知られていない。警職法7条ただし書により、危害を加えてよいのは正当防衛、緊急避難、一定の凶悪犯罪の犯人の逮捕抵抗などに限られる。さらに本条3項で準用する89条2項により、正当防衛か緊急避難に当たる場合を除いて、部隊指揮官の命令なしには撃てない
- 市民から見ると迷彩服の命令は軍の命令に見えるが、法律上は警察官の代わりに警察ルールを執行しているにすぎない。そのため、逆らえば軍法で処罰されるのではないかと恐れる必要はない。ただし、暴行や脅迫で職務を妨害すれば、刑法95条の公務執行妨害罪が普通に成立する。この違いを取り違えると、従うべき場面で抵抗し、拒める場面で萎縮することになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 92条の3:国民保護等派遣(77条の4) | 89条:治安出動時の権限 94条:災害派遣時の権限 |
| 準用される警職法の範囲 | 4条・5条・6条1・3・4項・7条(2条・3条なし) | 警職法の規定を準用(職務質問を含む) 4条・6条1・3・4項が中心(武器使用なし) |
| 警察官不在要件 | あり(武器使用は海上保安官不在も必要) | なし あり |
| 武器使用の統制 | 89条2項準用:原則として部隊指揮官の命令 | 89条2項:原則として部隊指揮官の命令 警職法7条は準用されない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は戦時の民間防衛と動員を別法で定めるが、軍人に警察官の職権行使規定を条項単位で準用する日本型の構造との直接対応は確認を要する
韓国は統合防衛事態において軍・警察・自治体の役割分担を定める。軍の治安関与を事態区分で統制する点は日本と共通する
ドイツは防衛事態・緊張事態において、軍に民間物の保護や交通規制の任務を憲法レベルで限定的に認める
米国は連邦軍による国内法執行を原則禁止し、Insurrection Act 等の例外で許容する。軍の治安介入を例外扱いとする発想は日本と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 弾道ミサイルの着弾で道路が寸断され、警察官の姿はない。自衛官に「この先は危険だ、戻れ」と腕をつかまれ、避難所へ誘導された。警職法4条の準用による引留めと避難の措置で、根拠のある行為である
- もし自衛官に「身分証を見せろ、どこへ行く」と質問されたら、答える義務はあるのか? 職務質問を定めた警職法2条は本条の準用リストに入っていない。この場面で自衛官が職務質問の権限を持っていると読める条文はない
- あなたは国民保護等派遣の部隊にいる二等陸曹である。住宅街で不審者を制止し、その建物に立ち入った。直ちに警察官へ通知しなければならない(本条5項)。報告を後回しにして撤収すれば、それ自体が義務違反になる
- 大規模テロでスタジアムが封鎖された。緊急対処事態として自衛隊が派遣され、店を営むあなたの敷地に自衛官が立ち入ろうとしている。まず理由と身分証の提示を求める。求められれば示さなければならないと警職法6条4項は定めている
- 港で漁に出る直前、海上自衛隊の二等海曹から出港差止めを告げられた。海上保安庁法18条の措置は、海上保安官がその場にいない場合に、三等海曹以上の自衛官にだけ準用される。階級章と周囲に海保の巡視船がいないかを見ておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自衛官の措置で財産や身体に損害が出たら、時刻、場所、部隊名、階級、氏名をすぐに記録する。立入りなら理由と身分証の提示を求める2. 損害の写真、医療記録、目撃者の連絡先を確保する3. 賠償の相手は自衛官個人ではなく国である(国家賠償法1条)。故意または過失による違法な職務執行を主張する4. 訴訟では、本条5項に基づく警察官への通知記録の提出を求め、現場の経緯を客観化する5. 有事下の措置は適法と判断されやすいので、早い段階で弁護士に相談する
訴えられた側:1. 住民の立場なら、指示に不服があっても暴行や脅迫はしない。刑法95条の公務執行妨害になる。口頭で理由を尋ね、記録を残す2. 自衛官の立場なら、措置の前にその場に警察官や海上保安官がいないことを確認し、記録する3. 武器使用は原則として部隊指揮官の命令による(本条3項、89条2項) 4. 措置の後は直ちに警察官または海上保安官へ通知する(本条5項)。この記録が後に自分を守る証拠にもなる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。国家賠償請求は国家賠償法4条により民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年で消滅する(民法724条、724条の2)。公務執行妨害罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。自衛官の通知義務は措置の後「直ちに」(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は自衛隊に固有の治安権限を与えるものではなく、警察機関の不在を補完する限度で警察法規を準用するものと理解される。権限の範囲は準用条項の列挙により画され、類推による拡張は予定されていない。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 国民保護法の制定にあわせ、国民保護等派遣時の権限規定として新設されたとみられる。その後の改正の有無と内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:国民保護法の制定に伴い、国民保護等派遣(77条の4)とあわせて新設されたとみられる。その後の改正の有無は e-Gov の改正履歴で確認が必要
- 自衛隊法 第77条の4国民保護等派遣の発令根拠
- 自衛隊法 第89条武器使用に指揮官命令を要する原則
- 自衛隊法 第94条災害派遣時の警職法準用との対比
- 警察官職務執行法 第7条準用される武器使用の要件と危害制限
- 海上保安庁法 第18条準用される停船・出港差止め等の措置
- 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律 第15条知事等による派遣要請の根拠(通称 国民保護法)
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