自衛隊法 第94条の4
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第八十三条の三の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、原子力災害対策特別措置法第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法及びこれに基づく命令の定めるところにより、同法第五章第四節に規定する応急措置をとることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 自衛隊法第94条の4は、日本の自衛隊法に含まれる条文です。
- 自衛隊法第94条の4の条文原文は「第八十三条の三の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、原子力災害対策特別措置法第二十八条第二項の規定により読み替えて適用される災害対策基本法及びこれに基づ…」で始まります。
- 自衛隊法第94条の4は第七章 自衛隊の権限に置かれています。
- 自衛隊法の公布日は昭和29年6月9日です。
- 自衛隊法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 自衛隊法第94条の4の前の条は自衛隊法第94条の3です。
- 自衛隊法第94条の4の次の条は自衛隊法第94条の5です。
- 自衛隊法第94条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第94条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000165 - 本サイト収録
自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第94条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000165/94_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点自衛隊法94条の4は、原子力災害派遣された自衛官が、災害対策基本法の応急措置(警戒区域設定・工作物除去・従事命令等)をとれると定める。市町村長等が不在の場合に限られる。
Q · 原発事故のとき、自衛官が道路を封鎖したり退去を命じたりする権限はあるの?
市町村長や警察官が不在なら、応急措置としてできる
自衛隊法94条の4により、原子力災害派遣された自衛官は、災害対策基本法の応急措置をとることができます。警戒区域の設定と退去命令(63条)、土地・工作物の一時使用や除去(64条)、住民への従事命令(65条)が代表例です。ただし市町村長や警察官・海上保安官がその場にいない場合に限られ、措置をとったら直ちに市町村長へ通知する必要があります。
解説
原発事故のとき、防護服姿の自衛官に「ここから先は立入禁止だ」と止められたとする。その自衛官にそもそも止める権限があるのか。答えを持っているのが本条である。原子力災害派遣(自衛隊法83条の3)で出動した自衛官は、災害対策基本法の「応急措置」(第5章第4節)をとることができる。代表例は三つある。警戒区域を設定して立入りを制限・禁止し、退去を命じること(同法63条)。他人の土地や建物を一時使用し、邪魔な工作物を除去すること(同法64条)。その場の住民を応急措置の作業に従事させること(同法65条)。ただし、この権限には順番がある。第一順位は市町村長、次が警察官・海上保安官で、自衛官が動けるのは彼らが「その場にいない」ときに限られる。措置をとったら、直ちに市町村長へ通知しなければならない。この順番を知っていれば、制服を見ただけで思考停止することはなくなる。同時に、正当な指示を無視して罰則を受けるという逆方向の失敗も避けられる。自衛官の命令がどんな法的根拠と限界を持つのか、その輪郭を知る人は驚くほど少ない。
法的な位置づけ
自衛隊法94条の4は、原子力災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官に、原子力災害対策特別措置法28条2項により読み替えて適用される災害対策基本法第5章第4節の応急措置をとる権限を付与する規定である。警戒区域の設定、応急公用負担、従事命令などが含まれ、市町村長等が不在の場合に限る補充的な権限として位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1原子力災害派遣とは何ですか?
原子力緊急事態の際、原子力災害対策本部長の要請を受けて防衛大臣が部隊等を派遣する制度です。自衛隊法83条の3が根拠で、本条の権限はこの派遣が前提になります。
Q2警戒区域と避難指示の違いは何ですか?
避難指示は立退きを求めるものですが、警戒区域は立入りの制限・禁止や退去命令を伴う法的な区域で、違反には罰則があります。法的な強さが異なります。
Q3自衛官が警戒区域を設定できるのはいつですか?
市町村長や委任を受けた職員、警察官・海上保安官がその場にいない場合に限られます。自衛官は補充的な立場であり、設定後は直ちに市町村長へ通知します。
Q4警戒区域に無断で入ったら違法ですか?
災害対策基本法63条による立入禁止に違反すると、同法の罰則(罰金または拘留)の対象になりえます。一時立入は許可制で運用されるのが一般的です。
Q5応急措置で壊された家屋の補償は受けられますか?
災害対策基本法64条の応急公用負担による損失は、同法82条の損失補償の対象になりえます。窓口は通常、通知を受けた市町村です。
Q6自衛官の従事命令は断れますか?
災害対策基本法65条の従事命令は法的な命令であり、単なるお願いではありません。従事中の負傷には同法84条の損害補償の仕組みがあります。
Q7原発事故で自衛隊は戒厳令のような権限を持ちますか?
持ちません。本条が認めるのは災害対策基本法の応急措置に限られます。日本の法体系に包括的な戒厳権限は存在しません。
Q8自衛隊法94条の4と原災法28条の関係は?
原災法28条2項が災害対策基本法を原子力災害向けに読み替えて適用し、本条はその読替え後の応急措置を自衛官がとれると定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自衛隊に避難しろって言われたけど、断ったら逮捕されるんですか?
本条と災害対策基本法63条による警戒区域の退去命令に違反すると、同法の罰則(罰金または拘留)の対象になりえます。ただし、現場で即座に逮捕するのは基本的に警察の役割です。実務のポイント:実務上の本当の問題は、処罰よりも「区域内にいた時間は救助の優先対象から外れやすい」ことです。命令に従うことは、法的な義務である以前に自分を守る手段になります
Q2自衛隊にうちの塀を壊されました。弁償してもらえますか?
避難路確保などの応急措置(災害対策基本法64条)による除去であれば、同法82条の損失補償の対象になりえます。本条の措置は市町村長に通知されるため、窓口は通常市町村です。実務のポイント:補償額の算定では「措置前の状態」の証明が弱点になりがちです。被災直後の写真がない場合は、固定資産税の評価資料や過去の SNS 投稿が証拠として意外に役立ちます
Q3自衛官に作業を手伝えと言われて、ケガをしたらどうなる?
災害対策基本法65条の従事命令によって応急措置に従事し、その結果負傷した場合は、同法84条の損害補償の対象になりえます。本条はこの従事命令の権限を原子力災害派遣中の自衛官にも及ぼしています。実務のポイント:自発的なボランティアと、命令による従事とでは補償の扱いが変わりえます。誰の指示で何の作業をしたかをメモに残すことが、後で効いてきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「非常時の自衛隊は何でもできる」と思われがちだが、実際は逆である。本条が認めるのは災害対策基本法の応急措置に限られ、しかも市町村長や警察官がその場にいないときの補充的な権限にすぎない。戒厳令のような包括的権限は、日本の法体系に存在しない
- 警戒区域は「お願い」程度のものだと軽く見る人が多い。だが災害対策基本法63条の警戒区域は、立入制限・禁止・退去命令を伴う法的な区域であり、違反には罰則(罰金または拘留)がある(最新の改正状況をご確認ください)。避難指示と警戒区域は、法的な重さがまったく違う
- 「家を壊されたら自衛隊を訴えればいい」という発想自体がずれている。適法な応急措置で生じた損失は、違法行為の賠償ではなく損失補償の問題である。請求先は自衛官個人ではなく行政側になる。違法な行使なら国家賠償法1条の問題になる。どちらの土俵かを見誤ると、請求の組み立てが最初から崩れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の前提 | 自衛隊法94条の4:原子力災害派遣(83条の3)を命ぜられたこと | 自衛隊法94条:一般の災害派遣時等の自衛官の権限 自衛隊法83条の3:原子力災害派遣そのものの根拠 |
| 規定の性格 | 権限の付与(応急措置をとれる) | 権限の付与(災害派遣時の基本型) 派遣の要件・手続(誰がどう派遣するか) |
| 権限の中身の出所 | 原災法28条2項で読み替えた災害対策基本法第5章第4節 | 災害対策基本法等の関係法令 権限の中身は定めず、本条等に委ねる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では国軍の災害支援は災害防救法に基づき、核子事故は専用の応変法で規律される。警戒区域の設定主体は原則として行政機関である点が日本と共通する
韓国は原子力防災を専用法で規律し、軍の支援は関係法令に基づく協力として位置づけられる
ドイツでは連邦軍の国内投入は基本法上厳格に限定され、災害時の職務共助として位置づけられる。文民主導を守る発想は日本の補充性と通じる
米国では連邦の災害支援はスタフォード法に基づき、軍の国内法執行は Posse Comitatus Act により制限される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 原発から15km の集落で、役場の職員も警察官もまだ到着していない。そこへ先着した自衛隊部隊が道路を封鎖し、住民に退去を求めた。この時点での封鎖は本条と災害対策基本法63条3項に基づく正当な措置であり、「役場の命令じゃないから従わない」は通らない
- もし自宅の塀や倉庫が、避難路確保のために自衛隊に壊されたら、誰に何を請求できる? 除去は災害対策基本法64条の応急公用負担として適法でありうるが、損失補償の対象になりうる。壊される前後の写真が補償額を左右する
- あなたは原発近くの建設会社の社員で、重機を持っている。自衛官から「応急措置の作業に協力してほしい」と求められた。災害対策基本法65条の従事命令には、協力中に負傷した場合の損害補償の仕組みが付いている(同法84条)。口約束で動く前に、命令の形で受けたことを記録しておく
- 警戒区域が設定されて三日目。置いてきた家畜に餌をやるため、柵を越えて自宅へ戻った。善意の行動でも、立入禁止に違反すれば災害対策基本法上の罰則の対象になりうる。福島の20km 圏警戒区域でも、一時立入は許可制で運用された
取るべき行動
被害を受けた側:1. 警戒区域の指示には原則として従う。安全確保と罰則回避が最優先である2. 土地の使用や工作物の除去を受けたら、部隊名・日時・対象物を記録し、写真を残す3. 措置の通知を受けた市町村に、損失補償(災害対策基本法82条)の手続を問い合わせる4. 措置が明らかに違法だと考えるなら、国家賠償法1条による請求を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 立入禁止区域に入ってしまった、または退去に応じなかったと指摘されたら、まず速やかに区域外へ出る2. 区域が設定された時点と周知の方法を確認する。周知されていなかった事情は情状や故意の判断に影響しうる3. 一時立入の許可制度があれば、それを使う4. 捜査対象になった場合は、弁護人に相談してから供述する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。損失補償請求についても本条に固有の期限はないが、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が参考になる。国家賠償請求は民法724条(損害及び加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害は5年)による(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 改正:東海村 JCO 臨界事故を契機に原子力災害対策特別措置法が制定され、原子力災害派遣制度とこれに伴う自衛官の権限規定が整備された(条番号の変遷は e-Gov の改正履歴で要確認)
- 自衛隊法 第83条の3原子力災害派遣、本条の権限の発動前提
- 自衛隊法 第83条一般の災害派遣の根拠規定
- 自衛隊法 第94条災害派遣時の自衛官の権限の基本型
- 原子力災害対策特別措置法 第28条災害対策基本法の読替え適用の根拠
- 災害対策基本法 第63条警戒区域設定、自衛官の補充的権限
- 災害対策基本法 第64条応急公用負担、工作物の使用・除去
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