売春防止法 第8条(対償の収受等)
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- 前条第一項又は第二項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、五年以下の拘禁刑及び二十万円以下の罰金に処する。
- 2.売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
対償の収受等とは何ですか?
定義対償の収受等とは、売春防止法第8条に定められた規定で、「前条第一項又は第二項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、五年以下の拘禁刑及び二十万円以下の罰金…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 売春防止法第8条(対償の収受等)は、日本の売春防止法に含まれる条文です。
- 売春防止法第8条の条文原文は「前条第一項又は第二項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、五年以下の拘禁刑及び二十万円以下の罰金…」で始まります。
- 売春防止法第8条は第二章 刑事処分に置かれています。
- 売春防止法の公布日は昭和31年5月24日です。
- 売春防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 売春防止法第8条の前の条は売春防止法第7条です。
- 売春防止法第8条の次の条は売春防止法第9条です。
- 売春防止法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000118 - 本サイト収録
売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/331AC0000000118/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点売春防止法8条は、困惑等売春罪を犯した者が売春の対償を収受・要求・約束した場合を5年以下の拘禁刑及び20万円以下の罰金で罰し、親族の影響力を利用した対償要求も処罰する。
Q · 売春させた相手に「稼ぎをよこせ」と言っただけでも犯罪になるの?
なる。要求や約束だけで成立し、拘禁刑と罰金が併科される
売春防止法8条1項は、7条の罪(だます、困惑させる、親族関係の影響力を利用する、暴行・脅迫するなどして売春をさせる罪)を犯した者が、売春の対償を収受した場合だけでなく、要求または約束した段階でも成立します。刑は5年以下の拘禁刑及び20万円以下の罰金の併科です。さらに2項は、売春をさせていない親族であっても、親族関係による影響力を利用して対償の提供を要求すれば、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金に処すると定めています。
解説
売春防止法は、売春をした本人を処罰していない。3条は売春を禁じるだけで、罰則がないからだ。処罰が向かうのは、その周りで金を吸い上げる側である。7条は、人をだます、困らせる、脅す、または親族の立場を利用して売春をさせる行為を罰する。ただし刑の上限は拘禁刑3年にとどまる。そこから対償、つまり客が払った金に手を伸ばした瞬間、本条1項によって上限は5年以下の拘禁刑に上がり、20万円以下の罰金も必ず併せて科される。しかも、実際に受け取る必要すらない。「よこせ」と要求する、「後で半分もらう」と約束する、それだけで罪が成立する。2項はさらに踏み込む。売春をさせた本人でなくても、親や配偶者が親族としての影響力を使って稼ぎを差し出させようとすれば、それ自体が犯罪になる。「家族だから断れない」という感覚そのものを、法律は狙って処罰している。あなたのスマホに「金を回せ」という LINE が一通残っているなら、それはもう証拠である
法的な位置づけ
売春防止法8条は「対償の収受等」を処罰する規定である。1項は、困惑等売春罪(同法7条1項・2項)を犯した者が売春の対償を収受・要求・約束した場合を加重処罰し、拘禁刑と罰金を必要的に併科する。2項は、親族関係による影響力を利用して売春をした者に対償の提供を要求する行為を独立の犯罪として処罰する。
よくある質問 AI による整理
Q1売春防止法8条とは?
売春させた者がその対価を受け取る・要求する・約束する行為と、親族が影響力を使って売春の稼ぎを要求する行為を処罰する条文です。
Q2売春防止法の「対償の収受」とは何?
売春の相手方が支払った金品などの対価を、売春をさせた者が全部または一部受け取ることです。一部を受け取っただけでも該当します。
Q3売春の稼ぎを要求しただけで罪になる?
なります。8条1項は「要求し、若しくは約束したとき」と明記しており、実際に金を受け取る前の段階で犯罪が成立します。
Q4売春防止法8条の罰則はどのくらい?
1項は5年以下の拘禁刑及び20万円以下の罰金で、両方が必ず科されます。2項は3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。
Q5売春防止法8条2項は誰が処罰対象?
売春をした者に対して、親族関係による影響力を利用して対償の提供を要求した者です。自ら売春をさせた者である必要はありません。
Q6売春防止法8条の時効は何年?
公訴時効は1項が5年、2項が3年です(刑事訴訟法250条2項)。犯罪行為が終わった時から進行します。
Q7売春の稼ぎを搾取されたときの相談先は?
警察相談専用電話 #9110、ワンストップ支援センター #8891、女性相談支援センター、法テラスなどがあります。売春したこと自体で処罰されることはありません。
Q8ホストの売掛回収で売春させるのは違法?
困惑させて売春させれば7条の罪に、その稼ぎを回収・要求すれば8条1項の罪に当たりえます。売春させる目的の貸付けは9条の対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1彼氏にパパ活のお金を渡してるんだけど、彼氏って捕まるの?
恋人は親族ではないので、本条2項は適用されない。1項は、だます、困らせる、脅すなどして売春させたこと(7条)が前提になる。また、特定の相手との関係は、不特定の相手方を要件とする売春(2条)に当たらない場合もある。実務のポイント:入籍した瞬間に相手は配偶者となり、2項の射程に入る。捜査実務では、周旋(6条)や職業安定法63条も併せて検討される
Q2親に稼ぎを家に入れろって言われてる。渡さないとダメ?
渡す義務はない。親が親族としての影響力を使って売春の対償を要求すること自体が、本条2項の犯罪(3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)に当たる。実務のポイント:この罪は要求した時点で成立するので、渡していなくても被害申告はできる。親に知られずに相談したいときは、女性相談支援センターが居場所の秘匿も含めて対応する
Q3売春してたこと、警察にバレたら自分も逮捕される?
売春行為そのものには罰則がない(3条)。処罰されるのは、路上などで公衆の目に触れる形で勧誘する行為(5条)などに限られる。実務のポイント:本条の被害を申告する人は、捜査上は被害者として扱われる。加害者側が「お前も捕まるぞ」と脅すのは、口止めのための常套句であり、法的には根拠が薄い
間違えやすい点 AI による整理
- 「実際にお金を受け取っていないから、まだ犯罪ではない」と考えるのは、加害者側の典型的な思い込みである。本条1項は「要求し、若しくは約束したとき」と明記しており、2項も要求しただけで罪が成立する。受け取ったかどうかではなく、言葉を発した時点が問われる
- 売春をした側は「自分も捕まるから警察に言えない」と黙り込みがちだが、問いの立て方そのものが誤っている。売春防止法は売春行為自体に罰則を置いていない。処罰されるのは、公衆の目に触れる形での勧誘などの行為(5条)に限られる。被害を申告しても、売春したこと自体を理由に処罰されることはない
- 家族から稼ぎを求められるのは、家計の問題であって法律の問題ではない。あなたから見ればそうかもしれない。法律から見れば、親族の影響力を使って売春の対償を要求した時点で、拘禁刑3年以下の犯罪になる。この見え方のずれが、被害を何年も長引かせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 8条1項:7条の罪を犯した者が対償を収受・要求・約束/2項:親族の影響力を利用した対償要求 | 7条:欺罔・困惑・親族の影響力利用・暴行・脅迫により売春をさせる 12条:人を自己の占有・管理する場所に居住させ売春を業とさせる(管理売春) |
| 法定刑 | 1項:5年以下の拘禁刑及び20万円以下の罰金(必要的併科)/2項:3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金 | 7条1項:3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金 12条:10年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金 |
| 前提となる関係 | 1項は7条の罪の成立が前提/2項は親族関係があれば足り、売春をさせたことは不要 | 行為者と売春をする者との関係は問わない 居住させ、占有・管理する支配関係が必要 |
| 成立時点 | 要求・約束の時点で成立(受領は不要) | 売春をさせた時点 売春を業とさせた時点 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は営利目的で性交を引誘・容留・媒介する行為を処罰し、監督・扶助関係や家族関係にある者を利用した場合を加重する。親族関係の利用を処罰根拠とする点で本条2項と発想が近い
韓国は売春をした本人も原則として処罰対象とする点で日本と異なるが、強要や対価の搾取を重く処罰する構造は共通する
ドイツは売春自体を合法な職業として規制しつつ、売春者を搾取・監視するヒモ行為を処罰する。対価の搾取に処罰の焦点を置く点は本条と同じ方向
フランスは他人の売春から利益を得たり収益を分け合ったりする行為を広く proxénétisme として処罰し、2016年以降は買春者も処罰対象とする
米国は売春自体を多くの州で犯罪とし、売春の収益を受け取る行為は州法で処罰する。強制を伴う場合は連邦の人身取引罪で重罰化される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ホストクラブの売掛金が300万円に膨らんだ。担当ホストは「店を紹介するから、そこで返せばいい」と言い、給料日ごとに取り立てに来る。困惑させて売春させたと認定されれば7条1項の罪に当たり、その稼ぎを回収した時点で本条1項に格上げされる。刑の上限は5年、罰金の併科は必須である
- 母親から「あんたが夜に稼いでるのは知ってる。毎月10万、家に入れなさい」と言われた。売春を始めたのが自分の意思でも、親が親族としての影響力を使って稼ぎを要求した時点で、本条2項の罪は成立している。お金を渡したかどうかは関係ない
- 同棲中の恋人に稼ぎを渡し続けてきたが、来月入籍する予定だとしたら、何が変わる? 恋人のままなら本条2項は適用されない。結婚すれば相手は配偶者、つまり親族になり、同じ要求が2項の対象に入りうる
- あなたは妻に「せっかくだから少し回してくれ」と言っただけのつもりだった。法律から見れば、それは親族関係による影響力を利用した対償の提供要求そのものである
- 被害を打ち明ける決心がついたが、相手は「今週中に LINE を全部消せ」と迫っている。消される前に、トーク画面のスクショ、振込履歴、日付が分かるメモを今夜中にクラウドへ移しておく。要求の文面は、証拠の核心である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 要求の LINE、通話録音、振込履歴、手渡しの日付と金額のメモを確保し、端末の外にバックアップする2. 警察相談専用電話 #9110、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター #8891、女性相談支援センターのいずれかに相談する。売春したこと自体で処罰されることはない3. 取られた金の返還は民法709条で請求できる余地がある。法テラスで弁護士費用の立替えも検討する4. 新たな借用書や合意書には、相談するまでサインしない
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護人を選任し、不用意な供述を避ける2. 本条1項は7条の罪が前提になる。欺罔、困惑、暴行、脅迫、親族の影響力の利用が実際にあったのかが最大の争点になる3. 受け取った金の返還と被害弁償は、起訴前に済ませれば処分に影響しうる4. 相手方への接触や証拠の削除は、口裏合わせや証拠隠滅と評価されるので絶対にしない
時効(請求できる期限):公訴時効は、1項(5年以下の拘禁刑)が5年(刑事訴訟法250条2項5号)、2項(3年以下の拘禁刑または罰金)が3年(同項6号)で、犯罪行為が終わった時から進行する(同法253条)。民事上の返還請求は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 昭和31年(1956年) 売春防止法の制定時に設けられた。刑事処分に関する規定は昭和33年(1958年)4月1日に施行
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の一部改正に伴い、「懲役」が「拘禁刑」に改められた。罰金額の改定経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和31年(1956年) 新設:売春防止法の制定時に設けられた。刑事処分に関する規定は昭和33年(1958年)4月1日に施行
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により「懲役」が「拘禁刑」に改められた。令和7年(2025年)6月1日施行
- 売春防止法 第2条売春と対償の定義
- 売春防止法 第3条売春の禁止、本人は処罰されない
- 売春防止法 第7条本条1項の前提となる困惑等売春罪
- 売春防止法 第9条売春させる目的の前貸等
- 売春防止法 第12条管理売春、より重い搾取類型
- 職業安定法 第63条有害業務目的の職業紹介等の処罰
- 刑法 第226条の2人身売買罪、支配的搾取の重罰類型
- 児童福祉法 第34条児童に淫行させる行為の禁止
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