売春防止法 第12条(売春をさせる業)
クイックジャンプ
人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
売春をさせる業とは何ですか?
定義売春をさせる業とは、売春防止法第12条に定められた規定で、「人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 売春防止法第12条(売春をさせる業)は、日本の売春防止法に含まれる条文です。
- 売春防止法第12条の条文原文は「人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 売春防止法第12条は第二章 刑事処分に置かれています。
- 売春防止法の公布日は昭和31年5月24日です。
- 売春防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 売春防止法第12条の前の条は売春防止法第11条です。
- 売春防止法第12条の次の条は売春防止法第13条です。
- 売春防止法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000118 - 本サイト収録
売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/331AC0000000118/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点売春防止法12条は、人を自己の管理・指定する場所に住まわせて売春をさせることを業とした者を、十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 寮に住まわせて売春をさせた場合、誰がどのくらいの罪になるの?
罰せられるのは住まわせて売春させた側で、女性本人ではない
売春防止法12条は、人を自分が占有・管理する場所、または自分が指定する場所に住まわせ、売春をさせることを業として行った者を、十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金に処すると定めています。拘禁刑と罰金の両方が科される併科です。売春をした本人は同法3条で売春を禁じられていますが、罰則はありません。処罰の重点は、住居の支配を通じて売春をさせる仕組みを作った経営者や管理者に置かれています。
解説
売春そのものをした女性は処罰されない。相手が18歳以上なら、買った男性もこの法律では処罰されない。それでも売春防止法の中で最も重い「十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金」が置かれているのが本条、いわゆる管理売春罪である。処罰の対象は売春という行為ではない。人を住まわせて逃げ場を奪い、その体で稼ぐ仕組みそのものである。要件は三つある。自分が占有または管理する場所、あるいは自分が指定する場所に住まわせること。売春をさせること。それを業として(反復継続する意思で)行うこと。「指定する場所」も含まれるので、部屋の名義が女性本人でも、住む場所を店やスカウトが決めていれば対象になりうる。刑は「又は」ではなく「及び」なので、拘禁刑と罰金の両方が科される。本番を伴う店が寮を用意して売春をさせれば、周旋罪(6条)よりはるかに重い罪に問われることになる。
法的な位置づけ
管理売春罪とは、売春防止法第12条が定める犯罪であり、他人を自己の占有もしくは管理する場所、または自己の指定する場所に居住させ、その者に売春をさせることを業として行う行為をいう。法定刑は十年以下の拘禁刑と三十万円以下の罰金の併科であり、同法の罰則の中で最も重い類型に位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1管理売春とは何ですか?
人を自分が管理・指定する場所に住まわせ、売春をさせることを商売として行う行為です。売春防止法12条が処罰しています。
Q2管理売春の刑罰はどのくらい重い?
十年以下の拘禁刑と三十万円以下の罰金が両方科されます。売春防止法の罰則の中では最も重い刑です。
Q3売春防止法で買った側は処罰される?
相手が18歳以上なら、売春防止法には買った側への罰則はありません。相手が18歳未満なら、児童買春・児童ポルノ禁止法で処罰されます。
Q4管理売春で執行猶予はつく?
宣告された刑が3年以下の拘禁刑であれば、執行猶予がつく余地があります(刑法25条)。被害弁償や事業からの撤退が考慮されます。
Q5「自己の指定する場所」とはどこまで含む?
部屋の名義が女性本人でも、住む場所を店やスカウトが決めて住まわせていれば含まれうると解されています。名義だけでは逃れられません。
Q6管理売春の時効は何年?
公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項)。業として行った一連の行為は包括一罪とされ、最後の行為が終わった時から時効が進みます。
Q7管理売春で会社も処罰される?
両罰規定(売春防止法14条)により、従業者が業務として違反したときは、行為者に加えて法人や事業主にも罰金が科されます。
Q8管理売春の被害はどこに相談できる?
危険が迫っていれば110番、そうでなければ警察相談専用電話 #9110や各都道府県の女性相談支援センターに相談できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1寮に住んでデリヘルで働いてるけど、本番しちゃった私も捕まるの?
売春そのもの(売春防止法3条)に罰則はない。本条で処罰されるのは、住まわせて売春をさせた側である。ただし、路上や公然の場で客を誘う行為は5条の勧誘等の罪になりうる。実務のポイント:摘発の現場では、女性は被疑者ではなく参考人や被害者として扱われることが多い。女性の供述が経営者を立件する柱になるため、記録を持って先に相談した人ほど守られやすい
Q2風俗店が寮を用意するのって、それだけでアウトなんですか?
寮を提供すること自体は違法ではない。本条が成立するには、その住居に住まわせ、売春をさせ、それを業として行う必要がある。分かれ目は、届出済みの店でも本番(性交)は売春に当たるという点である。実務のポイント:ソープランドの摘発では、本条ではなく11条2項の場所提供業が使われることが多い。寮と売上の管理が結びつくと本条が視野に入るため、寮の家賃精算や外出管理の記録は「居住させ」の裏付けとして重視されやすい
Q3ホストの売掛を返すために紹介された店、借金があるから辞められないって本当?
売春をさせる目的で金を貸す行為(前貸し)は9条の罪に当たり、売春で返済させる約束は民法90条の公序良俗違反として無効とされうる(前借金契約を無効とした最判昭和30.10.7)。実務のポイント:売掛金そのものは飲食代として有効な場合もある。しかし、返済の手段として性的サービスを強いる部分は別の問題である。請求から店の紹介までの流れを記録しておけば、職業安定法63条(有害業務への紹介)を立件する材料にもなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「本人が同意していれば管理売春にはならない」と思われがちだが、本条は暴行や脅迫を要件にしていない。実務では、住居を支配し、その支配の下で売春をさせていれば足りると解されている。女性の「自分で選んだ」という言葉は、経営者の免罪符にはならない
- 経営者から見れば、寮は「福利厚生」である。しかし法律から見れば、寮は「自己の占有し、若しくは管理する場所」に「居住させ」る行為そのものである。家賃を天引きし、門限や外出時の報告まで課していれば、福利厚生のつもりで用意した記録がそのまま構成要件の証拠になる
- 被害に遭った女性ほど「自分も売春したのだから、警察に行けば捕まる」と悩む。だが、その問いの立て方がそもそも違う。売春そのもの(3条)に罰則はなく、本条で処罰されるのは住まわせて売春をさせた側である。女性が処罰されうるのは、公衆の目に触れる形で客を誘う勧誘(5条)などに限られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 売防法12条:住まわせて売春をさせることを業とする | 売防法6条:売春の周旋(客と引き合わせる) 売防法11条:売春を行う場所の提供(2項は業として) |
| 法定刑 | 十年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金(必要的併科) | 二年以下の拘禁刑又は五万円以下の罰金 1項:三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金/2項:七年以下の拘禁刑及び三十万円以下の罰金 |
| 住居の支配 | 必要(居住させることが構成要件) | 不要 不要(場所を貸すだけ) |
| 典型例 | 寮を用意し、住まわせた女性に売春をさせる店 | 客に女性を紹介するスカウト・仲介者 事情を知りながら部屋を貸すオーナー、本番を伴う店舗営業 |
他国ではどう定めているか 5 か国
営利目的で性交等を引誘・容留・媒介した者を処罰する。台湾では社会秩序維護法により売る側にも行政罰がありうる点で、売る側に罰則を置かない日本と異なる
韓国は売買の双方を処罰する立場をとり、斡旋・場所提供を重く罰する。売る側を罰しない日本とは構造が異なる
組織・強迫による売春を重罪とし、容留・紹介も処罰する。組織性を軸に刑を段階化している
売春自体は合法で、ProstSchG による登録制がある。そのうえで、人的・経済的従属の下で売春をさせる経営や搾取を処罰する
連邦法は強制・詐欺・未成年が絡む性的人身取引を重罰とし、売春そのものは州法で規制する。ネバダ州の一部郡では許可制売春宿が合法
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- デリヘルの面接で「寮あり、家賃は日払いから天引き」と言われて入寮した。客から本番を求められ、店長からも「断るとランクが下がる」と言われ続けたら、どうなるのか。あなたは処罰されない。本条の対象になりうるのは店長と経営者である。寮の住所、LINEでの指示、天引きの明細が、そのまま証拠になる
- あなたは地方で小さな店を経営していて、遠方から来た女性のためにマンションを借り上げて寮にした。表向きは「本番なし」だが、実際には黙認していた。売上を伸ばすために黙認を「指示」に変えたら、あなたは本条の被疑者の側に立つ。寮を用意したことは、あなたにとっては善意でも、検察から見れば「居住させ」という構成要件そのものである
- ホストの売掛が300万円まで膨らみ、担当から「寮付きの店を紹介する」と言われた。その紹介先は、本条と職業安定法63条の両方が問題になる場所である
- 深夜に友人から連絡が来た。「寮を出たいけど、前借りがあるから辞められないと言われた。明日も出勤させられる」。残された時間は一晩しかない。売春をさせる目的での前貸しはそれ自体が売春防止法9条の罪で、その借金は民法90条により無効とされうる。危険が迫っていれば110番、そうでなければ女性相談支援センターや警察相談専用電話 #9110に今夜のうちにつなぐことが、明日を変える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 危険が迫っていれば110番。急ぎでなければ女性相談支援センターか警察相談専用電話 #9110に相談する2. 寮の住所、部屋の写真、店長やスカウトとのLINE、給与と天引きの記録、身分証を預けさせられているかどうかをスマホに残す3. 前借金や売掛を理由に引き止められても、その場で支払いを約束したり署名したりしない4. 外国籍でも人身取引の被害者として保護を受けられる仕組みがある。在留資格の不安より先に相談すること
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護人を依頼し、何を話すかは弁護人と相談してから決める。本条では「業として」と「させた」の認定が争点になりやすい2. 寮は住居として貸しただけで売春には関与していないことを示す客観的な資料(賃貸の契約、勤務実態、本番禁止を周知した記録)を整理する3. 罰金は拘禁刑と必ず併せて科される。執行猶予を目指すなら、女性への被害弁償と事業からの撤退を早い段階で示す
時効(請求できる期限):公訴時効は7年(刑事訴訟法250条2項、長期15年未満の拘禁刑に当たる罪)。業として行われた一連の行為は包括して一罪とされるのが通例で、時効は最後の行為が終わった時から進む。被害者による民事の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体を害された場合は5年、民法724条、724条の2)
学説
通説:本条の保護法益は、売春をさせられる者の人格的自由と、売春を助長する営業の排除という社会的法益の双方にあると解される。暴行・脅迫は要件とされず、住居の支配の下で売春をさせていれば足りる。
罪数論:「業とした」は営業犯であり、反復継続して行われた一連の管理売春行為は包括して一罪とされるのが通例である。前貸(9条)や周旋(6条)が併せて行われた場合の罪数関係は個別に検討される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等改正に伴う整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた。刑の上限10年と罰金30万円以下の併科という構造は維持
- 昭和31年(1956年)制定 売春防止法の制定とともに設けられた。罰金額の改定時期と回数は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和31年(1956年) 新設:売春防止法の制定とともに設けられた。刑事処分に関する規定は昭和33年(1958年)4月1日から施行された。
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の改正に伴う関係法律の整理により「懲役」が「拘禁刑」に改められた。上限十年と罰金三十万円以下の併科という構造は維持された。
- 売春防止法 第2条「売春」の定義(対償・不特定相手)
- 売春防止法 第6条周旋罪、住居支配のない軽い類型
- 売春防止法 第9条前貸による拘束を独立に処罰
- 売春防止法 第11条場所提供罪、業としては7年以下
- 売春防止法 第14条両罰規定、法人にも罰金
- 職業安定法 第63条有害業務への職業紹介の処罰
- 刑法 第226条の2人身売買罪、支配移転の重罰類型
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条性風俗特殊営業の定義と規制枠
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める