売春防止法 第14条(両罰)
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第九条から前条までの罪を犯したときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
両罰とは何ですか?
定義両罰とは、売春防止法第14条に定められた規定で、「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第九条から前条までの罪を犯したときは、その行為者を罰するほか、その法…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 売春防止法第14条(両罰)は、日本の売春防止法に含まれる条文です。
- 売春防止法第14条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第九条から前条までの罪を犯したときは、その行為者を罰するほか、その法…」で始まります。
- 売春防止法第14条は第二章 刑事処分に置かれています。
- 売春防止法の公布日は昭和31年5月24日です。
- 売春防止法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 売春防止法第14条の前の条は売春防止法第13条です。
- 売春防止法第14条の次の条は売春防止法第15条です。
- 売春防止法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000118 - 本サイト収録
売春防止法(昭和三十一年法律第百十八号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/331AC0000000118/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点売春防止法14条は、従業者が業務に関し9条から13条の罪を犯したとき、行為者のほか法人・事業主にも罰金刑を科す両罰規定。勧誘(5条)・周旋(6条)は対象外。
Q · 従業員が店で売春の場所を提供していたら、会社まで罰せられるの?
業務に関する行為なら、会社にも罰金刑が科されます
売春防止法14条により、従業者が業務に関して9条から13条の罪(前貸し、売春契約、場所提供、管理売春、資金・建物の提供)を犯した場合、行為者とは別に法人や個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。判例上、事業主の選任・監督上の過失は推定されるため、注意を尽くしたことを立証しない限り免れません。一方、勧誘(5条)や周旋(6条)は両罰の対象外です。
解説
罰金の上限は最大でも30万円である。会社にとっては痛くもかゆくもない金額に見える。しかし、売春防止法14条の怖さは金額ではない。罰を受けるのが「会社そのもの」だという点にある。店長、フロント係、管理会社の担当者などの従業員が、業務として9条から13条の罪(売春をさせる目的の前貸し、売春をさせる契約、場所の提供、管理売春、資金や建物の提供)を犯した場合、本人が罰せられるだけでなく、法人や個人事業主にも罰金刑が科される。社長が何も知らなかったとしても免れない。判例(最大判昭和32.11.27、最判昭和40.3.26)は、事業主には従業員の選任・監督について過失があると推定する立場をとっている。事業主の側で「監督は尽くした」と証明しない限り、責任は消えない。前科がつくのは会社である。そこから風俗営業許可の取消し、金融機関の取引停止、取引先の離脱へと連鎖していく。30万円で済む話ではない。
法的な位置づけ
売春防止法14条は両罰規定であり、法人の代表者または法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その業務に関し同法9条から13条までの罪を犯した場合に、行為者に加えて法人または事業主たる人にも各本条の罰金刑を科す旨を定める。対象は前貸し、売春契約、場所提供、管理売春、資金等提供の各罪に限られる。
よくある質問 AI による整理
Q1売春防止法14条とは?
従業者が業務に関して売春防止法9条から13条の罪を犯したとき、行為者に加えて法人や個人事業主にも罰金刑を科す両罰規定です。
Q2両罰規定とは何ですか?
違反行為をした従業者本人を罰するのとあわせて、その業務主体である法人や事業主にも刑罰(主に罰金刑)を科す規定のことです。多くの行政刑罰法規に置かれています。
Q3売春防止法14条の罰金はいくら?
法人や事業主には、行為者が犯した各本条(9条から13条)に定める罰金刑がそのまま科されます。上限は最大で30万円です。拘禁刑は科されません。
Q4売春の勧誘や周旋でも会社は罰せられる?
14条の対象は9条から13条までの罪に限られます。勧誘(5条)や周旋(6条)は両罰の対象外で、行為者本人のみが処罰されます。
Q5両罰規定で社長個人も処罰される?
14条が罰金を科す相手は法人または事業主たる「人」です。代表者個人は、自ら9条から13条の罪を犯した場合や共犯にあたる場合に、行為者として処罰されます。
Q6法人に対する公訴時効は何年?
法人・事業主に科されるのは罰金刑のみのため、罰金刑を基準として公訴時効は3年とされています(刑事訴訟法250条)。行為者の時効は各本条の法定刑で決まります。
Q7両罰規定の「業務に関し」とはどういう意味?
従業者の行為が、法人や事業主の業務の遂行と客観的に関連していることを指します。店舗の部屋や顧客網を使った行為なら、業務関連性は肯定されやすくなります。
Q8ホテルの部屋提供はどんな場合に違法?
売春に使われると知りながら部屋を提供すると11条の場所提供罪にあたります。従業者が業務として行えば、ホテル運営会社も14条で罰金刑の対象となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1バイトが勝手にやったことで、うちの会社まで罰金ってどういうことですか?
14条は、従業員が業務に関して9条から13条の罪を犯したとき、行為者とは別に法人や事業主にも罰金を科すと定めています。判例上、事業主には選任・監督の過失が推定されるため、会社の側で注意を尽くしたと証明しない限り責任を負います。実務のポイント:争点になるのは「業務に関し」かどうかです。勤務時間外の私的な行為なら外れる余地がありますが、店の部屋や顧客網を使っていれば業務関連性はまず肯定されます
Q2罰金30万円くらいなら払って終わりにしたほうが早くないですか?
金額だけ見ればそうですが、法人に前科がつきます。風俗営業であれば許可の取消しや営業停止(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律26条)の対象になりえ、銀行・決済代行会社の審査にも響きます。実務のポイント:略式命令で罰金を払うことは有罪を認めることと同じです。法人が略式に応じるかどうかは、行為者本人の処分とは切り離して、許認可への影響まで見たうえで決めるべきです
Q3社内規程はちゃんとあります。それで監督責任は果たしたことになりますか?
規程があるだけでは足りないことが多いです。判例の過失推定を覆すには、規程が実際に運用されていたこと(研修の実施、巡回、違反への処分、通報窓口の稼働)を具体的に示す必要があります。実務のポイント:検察や裁判所が見るのは、事件の前に「同じ兆候に気付いて手を打った記録」があるかどうかです。紙の規程より、過去に一件でも是正した実績のほうがはるかに重く評価されます
間違えやすい点 AI による整理
- 「社長が知らなかったのだから会社は無関係」と考えがちだが、判例は事業主の選任・監督上の過失を推定する。事業主の側で注意を尽くしたことを立証しない限り、知らなかったという事実だけでは罰金を免れない
- 罰金が最大30万円と聞いて安心するのは、深刻さの見積もりを誤っている。法人の有罪判決は前科として残り、風俗営業の許可取消しや営業停止(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律26条)、金融機関の反社・コンプライアンス審査につながる。本当のコストは罰金の数十倍から数百倍になりうる
- 「売春に関わる罪なら全部会社も罰せられる」という前提も正確ではない。14条の対象は9条から13条まで。路上での勧誘(5条)や周旋(6条)は両罰の対象に含まれていない。どの条文で立件されたかによって、会社が巻き込まれるかどうかが変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 14条:行為者に加え法人・事業主(両罰) | 12条(管理売春):行為者本人。14条により法人も対象 5条(勧誘等):行為者本人のみ。両罰の対象外 |
| 科される刑 | 法人・事業主には各本条の罰金刑のみ | 行為者には拘禁刑と罰金の併科 行為者には拘禁刑または罰金 |
| 事業への影響 | 法人の前科、許認可・取引審査に波及 | 事業主体ぐるみの立件につながりやすい 会社の刑事責任は生じないが、行為者の雇用・信用問題は残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では、性交のための容留・媒介を業とする行為について、刑法・社會秩序維護法による行為者処罰が中心となっている
韓国も性売買斡旋等の罪について両罰規定を置いている。法人が相当の注意と監督を怠らなかった場合の免責ただし書きを置く点に特徴がある
ドイツには法人の刑事責任がないため、代表者等の犯罪について秩序違反法により法人に過料を科す仕組みで対応する
米国連邦法では、従業員が職務の範囲内で犯した犯罪について法人に代位責任を認める respondeat superior が基本となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたはビジネスホテルのオーナーで、夜勤のフロント係が常連の斡旋業者から謝礼を受け取り、売春に使われると知りながら部屋を回していた。行為者はフロント係(11条)。だがホテルを運営する会社にも14条で罰金が科される。「現場が勝手にやった」は、監督の記録がなければ通らない
- 管理会社の担当者が、テナントのマンションの一室が実質的な「本番」営業の拠点だと分かっていながら更新契約を回した。もし摘発されたら会社はどうなる? 13条(建物の提供)の行為者として担当者が問われ、会社も両罰の対象になりうる
- キャバクラを経営する個人事業主。店長が店の女性に「前借り」を貸し付け、返済のために客と寝るよう仕向けていた。オーナーは知らなかったと言う。それでも「人」(個人事業主)として14条の罰金の対象になる
- 家宅捜索から3日後、取引銀行から「事実関係の説明」を求める連絡が来た。起訴されるかどうかの判断が迫る中、会社として社内調査の記録と再発防止策を今週中に固めなければ、選任監督の注意を尽くしたという主張の土台が消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 前借金や契約を盾に売春を強いられている場合、その借金は原則として無効(民法90条、最判昭和30.10.7)。返済を止めても法的な不利益はないと考えてよい2. 女性相談支援センター(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律に基づく)や警察に相談する3. 店や会社に対しては、使用者責任(民法715条)による損害賠償も検討できる。行為者本人より会社のほうが資力がある4. LINE、借用書、給与明細を消さずに保存する
訴えられた側:1. 法人・事業主として捜査を受けたら、直ちに外部弁護士を入れ、独立した社内調査を始める2. 関与した従業員を業務から外し、証拠隠滅と見られる行為(データ削除・口裏合わせ)を禁止する3. 平時の研修記録、規程、巡回記録、通報窓口の運用実績を集め、選任・監督の注意を尽くしたことを主張する4. 風俗営業許可や旅館業の許可への波及を見越し、所轄警察・保健所への対応方針を同時に決める
時効(請求できる期限):行為者の公訴時効は各本条の法定刑で決まる(刑事訴訟法250条)。12条は7年、11条2項・13条は5年、9条・10条・11条1項は3年。法人・事業主に対しては罰金刑を基準に3年とするのが判例の立場(最判昭和35.12.21)。起算点は犯罪行為が終わった時(最新の改正状況・実務運用をご確認ください)
学説
過失推定説(判例・通説):事業主処罰の根拠を、従業者の選任・監督上の過失の推定に置く。責任主義と調和させつつ、立証責任を事業主に転換して実効性を確保する立場
無過失責任説(旧説):事業主は従業者の行為について過失の有無を問わず責任を負うとする立場。責任主義に反するとの批判を受け、判例は過失推定説へ移行した
改正沿革 AI による整理
- 昭和31年(1956年) 売春防止法の制定時から設けられた両罰規定。本条自体の文言改正の有無は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等改正により各本条(9条から13条)の懲役が拘禁刑に置き換えられた。本条が科す罰金刑の構造に変更はないとみられる(要確認)
- 令和6年(2024年4月)施行 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に伴い、売春防止法の保護更生(旧第4章)が同法へ移行。本条の文言には影響しないとみられる(要確認)
改正の年表
- 1.昭和31年(1956年) 新設:売春防止法(昭和31年法律第118号)の制定とともに、9条から13条の罪を対象とする両罰規定として設けられた
- 売春防止法 第9条売春をさせる目的の前貸し等、両罰の対象
- 売春防止法 第11条売春を行う場所の提供、ホテル・賃貸業に直結
- 売春防止法 第12条管理売春、両罰対象で最も重い類型
- 売春防止法 第13条業に要する資金・土地建物の提供
- 売春防止法 第5条勧誘等、両罰の対象外となる罪
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第26条法令違反による許可取消し・営業停止
- 刑事訴訟法 第250条行為者・法人それぞれの公訴時効期間
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