銃砲刀剣類所持等取締法 第31条
クイックジャンプ
- 第三条の十三の規定に違反したとき(第三十一条の十一第一項第三号に該当する場合を除く。)は、当該違反行為をした者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
- 2.前項の違反行為(拳銃等の発射に係るものに限る。次項において同じ。)が、団体(共同の目的を有する多数人の継続的結合体であつて、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従つて構成員が一体として行動する人の結合体をいう。以下この項及び第三十一条の三第三項において同じ。)により反復して行われるものをいう。以下この条において同じ。)の活動(団体の意思決定に基づく行為であつて、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。第三十一条の三第三項において同じ。)として、当該違反行為を実行するための組織により行われたときは、当該違反行為をした者は、無期若しくは五年以上の拘禁刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑及び三千万円以下の罰金に処する。
- 3.団体に不正権益(団体の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であつて、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものをいう。以下この項において同じ。)を得させ、又は団体の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で、第一項の違反行為をした者も、前項と同様とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 銃砲刀剣類所持等取締法第31条は、日本の銃砲刀剣類所持等取締法に含まれる条文です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第31条の条文原文は「第三条の十三の規定に違反したとき(第三十一条の十一第一項第三号に該当する場合を除く。」で始まります。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第31条は第五章に置かれています。
- 銃砲刀剣類所持等取締法の公布日は昭和33年3月10日です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第31条の前の条は銃砲刀剣類所持等取締法第30条の3です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第31条の次の条は銃砲刀剣類所持等取締法第31条の2です。
- 銃砲刀剣類所持等取締法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000006 - 本サイト収録
銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000006/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点銃砲刀剣類所持等取締法31条は、公共の場所等での銃砲の発射禁止(3条の13)違反を処罰し、けが人がなくても無期または3年以上の拘禁刑を科す。組織的な拳銃発射は5年以上に加重。
Q · 誰にも当たらなかった発砲でも、重い罪になるの?
当たらなくても成立し、無期もありうる
銃砲刀剣類所持等取締法31条1項により、道路・駅・公園・電車など不特定または多数の者が利用する場所や乗物に向けて、またはその中で銃砲を発射すると、けが人がいなくても無期または3年以上の拘禁刑に処されます。拳銃等の発射が暴力団などの団体の活動として組織的に行われた場合(2項)や、縄張りなど不正権益の獲得・維持・拡大が目的の場合(3項)は、刑の下限が5年に上がり、3000万円以下の罰金も併科できます。
解説
弾は誰にも当たっていない。けが人はゼロ。それでも、駅や道路、公園、劇場、電車やバスのような「不特定または多数の人が使う場所や乗り物」に向けて、あるいはその中で拳銃等を撃てば、法定刑は無期または3年以上の拘禁刑となる。傷害罪(刑法204条)の上限は15年なので、「人に当たらなかった発砲」のほうが「人を殴ってけがをさせた」より上限が重い。守っているのは特定の誰かの体ではなく、その場にいた全員の安全、つまり公共の平穏そのものである。さらに、発砲が暴力団のような組織の活動として組織的に行われた場合(第2項)や、縄張りなどの「不正権益」を得る・守る・広げる目的で行われた場合(第3項)は、最低刑が5年に上がり、3,000万円以下の罰金も併科できる。組員が命令で撃ったのか、個人的な喧嘩で撃ったのか。その違いで、実行犯の刑の下限が変わる。抗争事件の報道で「発射罪」と出てくるのは、この条文のことである
法的な位置づけ
拳銃等発射罪とは、銃砲刀剣類所持等取締法31条が定める罪であり、道路・駅・公園・劇場・電車・バスなど不特定または多数の者の用に供される場所や乗物に向けて、またはその中で銃砲を発射する行為を、人身への結果の発生を要件とせずに処罰する。団体の組織的活動や不正権益目的による拳銃等の発射は加重処罰される。
よくある質問 AI による整理
Q1発射罪とは何ですか?
銃刀法31条が定める、公共の場所や乗物に向けて、またはその中で銃砲を撃つ罪です。人に当たらなくても成立し、法定刑は無期または3年以上の拘禁刑です。
Q2銃刀法31条の刑罰はどれくらい重い?
基本は無期または3年以上の拘禁刑です。組織的な拳銃発射や不正権益目的なら無期または5年以上となり、3000万円以下の罰金も併科できます。
Q3発砲事件 けが人なし 罪になる?
なります。本条は結果の発生を要件としておらず、公共の場所に向けて、またはその中で撃った時点で成立します。
Q4拳銃の不法所持と発射罪は両方成立する?
所持は銃刀法31条の3、発射は本条と別々の規定で評価されます。どのように処断されるかは事案ごとの罪数判断によります。
Q5発射罪の公訴時効はいつまで?
法定刑の上限が無期の拘禁刑のため、刑事訴訟法250条2項により犯罪行為が終わった時から15年です。
Q6発射罪は執行猶予がつく?
執行猶予は3年以下の拘禁刑の言渡しが条件です。下限3年の1項なら理論上余地がありますが、下限5年の2項・3項では酌量減軽がない限り困難です。
Q7射撃場で撃つのは違法?
内閣府令で定める射撃施設は発射禁止の場所から除かれているため、そこでの適法な射撃は本条の対象になりません。
Q8発砲で家が壊れたら誰に賠償請求できる?
実行犯には民法709条で請求できます。指定暴力団の抗争が原因なら、暴力団対策法31条により代表者に賠償を求める道があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1空に向けて威嚇で撃っただけなら、罪にならないですよね?
ならない、とは言えない。第3条の13は公共の場所に「向かって」撃つことに加え、公共の場所の「中で」撃つことも禁じている。駅前や公園で空に向けて撃てば、その場所で発射したことになり、本条(第31条)の対象になりうる。実務のポイント:「威嚇のつもりだった」という主張は、殺意を否定する場面では意味があるが、発射罪の成立そのものを止める力はほとんどない。弁護方針は、発射場所の該当性を争うか、情状で勝負するかの二択になりやすい
Q2近所の暴力団事務所に撃ち込まれた流れ弾で家の窓が割れました。弁償は誰に請求できますか?
実行犯本人に民法709条で請求できるが、資力がないことが多い。指定暴力団の対立抗争で生じた被害であれば、代表者に賠償責任を問う規定(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律31条)がある。実務のポイント:実行犯の刑事判決で、本条第2項・第3項の組織性や不正権益目的が認定されていれば、民事で組織の責任を立証する際の強力な材料になる。刑事裁判の記録は被害者が閲覧・謄写を申請できるので、民事訴訟を起こす前に必ず確保しておきたい
Q3猟師が山で撃つのと、何が違うんですか?
違いを分けるのは銃の種類ではなく場所である。本条の前提となる第3条の13は、道路・公園・駅などの公共の場所や、電車・バスなどに向けた発射、またはそれらの場所の中での発射を禁じている。人のいない山中で適法に狩猟するのとは別の話になる。実務のポイント:狩猟には別途、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の銃猟制限もかかる。ベテランの猟師ほど「撃つ方向の先に道路がないか」を最初に確認するのはこのためである
間違えやすい点 AI による整理
- 「けが人が出なければ大した罪にならない」と思われがちだが、本条は結果を要件にしていない。公共の場所に向けて、またはその中で撃った時点で成立し、法定刑の上限は無期である。人に命中すれば、殺人未遂や傷害などとの関係がさらに問題になる(罪数関係は事案により判断が分かれる)
- 拳銃の不法所持と発砲はセットの一つの罪だと思われやすいが、法律上は別々に評価される。所持は第31条の3、公共の場所での発射は本条である。所持だけでも重い罪だが、撃った瞬間に法定刑の次元が一段上がる。「持っていただけ」と「撃った」の間には、刑の下限と上限の両方で越えられない溝がある
- 「暴力団の発砲事件なんて一般人には関係ない」と感じるのは、傍観者の目線である。法律の目線では、流れ弾が飛び込む可能性のあった通行人も住民も、本条が守ろうとしている「不特定または多数の者」に含まれる。あなたは部外者ではなく、この条文の保護対象そのものである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象の行為 | 銃刀法31条:公共の場所・乗物に向けて、またはその中での銃砲の発射 | 銃刀法31条の3:拳銃等の不法所持 銃刀法3条の13:発射の禁止規範(罰則は本条が担う) |
| 基本の法定刑 | 無期または3年以上の拘禁刑 | 1年以上10年以下の拘禁刑(1丁の不法所持の場合、条番号・項は要確認) 罰則規定なし(本条・31条の11で処罰) |
| 組織犯罪への加重 | 団体の組織的活動・不正権益目的の拳銃等発射は無期または5年以上+3000万円以下の罰金併科可 | 団体の組織的活動としての所持に加重類型あり(31条の3第3項) 該当なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は銃器の製造・所持・運搬等を同条例で重く処罰する。公共の場所での発射を結果不要で独立に重罰化する日本型の規定との対応関係は要確認
韓国も銃砲の所持・使用を許可制で規制する。公共空間での発射を独立罪とする構造かどうかは要確認
中国では公共の安全を危険にさらす行為を「以危険方法危害公共安全罪」で結果不発生段階から処罰し得る点で、保護法益の発想が近い
米国は州ごとに規律が異なり、市街地での無謀な発砲を処罰する州法が多いが、日本ほど重い法定刑は一般的ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 暴力団の抗争で、夜中に自宅近くの路上へ数発撃ち込まれたとしたら? けが人がいなくても実行犯は発射罪に問われうる。住民であるあなたには、別ルートとして指定暴力団の組長を相手に損害賠償を求める道がある
- 猟友会に入って3年目。獲物を追ううちに、気付けば銃口の先に農道と県道が交わる地点があった。近年の改正で、公共の場所に向けた猟銃の発射も本条の対象に含まれるようになったと解されている。「獲物しか見ていなかった」は言い訳にならない
- 組員の弟から「兄貴に命令されて撃っただけだ」と電話が来た。命令に従っただけ、は減刑材料にならない。組織の活動として撃ったと認定されれば、最低刑は3年から5年に上がる。逮捕後、検察官が起訴を決めるまでの最大23日間が、どの項で起訴されるかの勝負どころになる
- 射撃場でクレー射撃を楽しんでいる。内閣府令で定める射撃施設は発射禁止場所から除かれているので、そこで撃つ限り本条の問題にはならない。境界線は銃ではなく、撃つ場所にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身の安全を確保し、110番通報する。弾痕、壊れた窓や車は触らずに写真と動画で記録する2. 修理見積もり、休業損害、精神的被害を項目別に整理しておく3. 指定暴力団員による抗争の発砲であれば、実行犯だけでなく代表者の賠償責任(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律31条)や使用者責任(民法715条)を検討する4. 都道府県の暴力追放運動推進センターに相談する。訴訟支援や、報復を防ぐ保護の手配につながることがある
訴えられた側:1. 逮捕されたら直ちに弁護人を依頼し、取調べでは黙秘権を意識する。当番弁護士は初回無料2. 発射した場所が「不特定若しくは多数の者の用に供される場所」に当たるか、弾道がその方向を向いていたかを事実の問題として精査する3. 組織性(第2項)や不正権益目的(第3項)の認定を争えれば、刑の下限が5年から3年に下がる4. 組織からの離脱意思や被害弁償の実績は、量刑上の情状として記録に残す
時効(請求できる期限):法定刑の上限が無期の拘禁刑であるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から15年(刑事訴訟法250条2項)。逮捕後の身柄拘束は最大23日で、この間に起訴・不起訴と起訴する罪名が決まる。被害者の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害なら5年)、不法行為時から20年(民法724条、724条の2)
学説
一般的理解:本条の保護法益は特定個人の生命身体ではなく公共の安全・平穏であり、公共の場所等での発射行為そのものを処罰する抽象的危険犯と理解される。命中した場合の殺人未遂罪・傷害罪等との罪数関係は事案により判断が分かれる
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)刑法等改正、令和7年(2025年)6月1日施行 懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の刑名も「拘禁刑」に改められた
- 令和6年(2024年)改正(施行時期・範囲は要確認) 公共の場所等に向けた猟銃の発射も発射罪の対象に加える方向の改正が行われたとされ、第2項に「拳銃等の発射に係るものに限る」との限定が置かれた。発射罪の新設時期や組織的加重の導入経緯を含め、人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年)改正・令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の刑名が拘禁刑に改められた
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第3条の13公共の場所等での発射禁止、本条の前提
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第3条銃砲刀剣類の所持の原則禁止
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第31条の3拳銃等不法所持罪、組織的加重の類型
- 銃砲刀剣類所持等取締法 第31条の11本条第1項から除外される類型の受け皿
- 刑法 第199条命中時の殺人(未遂)との罪数関係
- 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 第3条団体・組織による犯罪の加重と共通する構造
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 第31条対立抗争被害の代表者賠償責任
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める